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コフィン・シリス症候群12型(CSS12)とは?BICRA遺伝子と最新の症状・診断・経過を遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

コフィン・シリス症候群12型(CSS12)は、世界でまだ十数例ほどしか報告のないとても稀な神経発達症です。ただ、その原因であるBICRA遺伝子は、細胞の「設計図の読み方」を調整する大切なしくみ(クロマチン制御)の一部を担っています。ですからCSS12を理解することは、言葉の遅れや発達のつまずきがなぜ起こるのか、そしてなぜ同じ「コフィン・シリス症候群」でも型によって症状が違うのかという、より大きな問いにもつながります。この記事では、古典的なコフィン・シリス症候群の常識をくつがえしたCSS12の特徴を、遺伝専門医がやさしく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🧬 BICRA・ncBAF・神経発達・エピシグネチャー
遺伝専門医監修

Q. コフィン・シリス症候群12型(CSS12)とは、どんな病気ですか?まず結論だけ知りたいです

A. CSS12は、BICRA遺伝子の片方に生まれつきの変化が起こることで発症する神経発達症です。発達の遅れや知的発達の問題、特に言葉の遅れが目立ち、独特の顔だち・多毛などを伴うと報告されています。古典的なコフィン・シリス症候群の目印だった小指や爪の低形成を欠く症例が多いことが特徴で、消化管や結合組織の症状も報告されています。診断は臨床像とBICRA病的(病的可能性)バリアントの同定が中心で、DNAメチル化解析はクロマチノパチーの補助的な評価として研究・臨床で利用が進んでいます。

  • 原因 → BICRA遺伝子(ncBAF複合体の足場タンパク質)の片アレルの機能喪失(ハプロ不全)
  • 中心となる症状 → 発達の遅れ・知的発達障害(ほぼ全例)、目立つ言語の遅れ、独特の顔だち、多毛
  • 古典的CSSとの違い → 小指・爪の低形成を欠くことが多く、見た目だけでは診断できない
  • 全身への影響 → 成長や視覚の問題のほか、消化管の症状などが報告されている(成人期の長期経過はまだ十分に分かっていない)
  • 遺伝カウンセリングの要点 → 報告例の多くは新生突然変異(de novo)。診断は網羅的遺伝子解析(WES/WGS)が中心

🧬 コフィン・シリス症候群12型(CSS12)の基本情報

項目 内容
疾患名 コフィン・シリス症候群12型/Coffin-Siris syndrome 12/略称 CSS12
原因遺伝子 BICRA(別名 GLTSCR1)/19番染色体長腕(19q13.33)
遺伝形式 常染色体顕性(優性)遺伝/報告例の多くは新生突然変異(de novo)
OMIM表現型番号 #619325
頻度・報告例数 2020年に初めて確立された非常に稀な疾患。現時点で世界の報告は十数例規模
主な症状 発達の遅れ・知的発達障害、目立つ言語の遅れ、独特の顔だち、多毛、筋緊張低下(消化管の症状なども報告)
診断の決め手 臨床像+エクソーム/ゲノム解析でのBICRA病的(病的可能性)バリアントの同定。DNAメチル化解析はクロマチノパチーの補助的評価として利用が進む
鑑別すべき疾患 コフィン・シリス症候群の他の型(CSS1〜11)、その他のSWI/SNF関連知的障害(SSRIDD)
再発率・保因者 de novoの場合、次子再発率は一般に低いが、生殖細胞モザイクの可能性は残る

各項目の根拠と詳しい解説は、本文の該当セクションをご覧ください。

1. CSS12とは ─ BICRA遺伝子が原因の「新しいタイプ」のコフィン・シリス症候群

CSS12は、コフィン・シリス症候群という大きな病気グループの中で、もっとも新しく見つかった型です。原因はBICRA遺伝子の変化で、従来の型とは症状の出方がはっきり違います。まずここでは、この病気が家族にとって何を意味するのかを整理します。

コフィン・シリス症候群(CSS)は、1970年に初めて臨床的に報告された、発達の遅れと特徴的な顔だちを伴う稀な神経発達症です。長いあいだ原因は分かっていませんでしたが、2012年以降、次世代シーケンシング(NGS)の進歩によって、原因がSWI/SNF(別名BAF)複合体という、細胞の中で遺伝子の読み方を調整する装置の部品をつくる遺伝子群にあることが分かってきました[1]。この装置の異常で起こる病気はまとめて「BAFopathy(バフオパチー)」や「クロマチノパチー」と呼ばれます。

現在、CSSおよび関連するSWI/SNF関連知的障害(SSRIDD)の原因として少なくとも12の遺伝子が知られ、それぞれCSS1型からCSS12型に分類されています。このうち最も新しく、2020年にBarishらによって確立されたのがCSS12(OMIM #619325)で、原因はBICRA遺伝子(別名GLTSCR1)の片方の変化です[1][2]。この報告では、12人の患者にBICRAの変化(10がタンパク質を壊すタイプ、2がミスセンス変異)が見つかり、その多くで、従来のCSSの目印だった小指・爪の低形成が「なかった」ことが強調されました[1]

ご家族にとって大切なのは、CSS12が「見た目で分かる病気」ではなく、遺伝子を調べて初めて診断できる病気だという点です。手足の形が典型的でないからといってコフィン・シリス症候群を否定できない、という理解が、正しい診断への第一歩になります。

💡 用語解説:BAFopathy(バフオパチー)とは

私たちの細胞は、約2万個の遺伝子をすべて同時に使っているわけではありません。必要な遺伝子だけを「開き」、不要な遺伝子を「閉じて」おく必要があります。その開け閉めを担う装置のひとつがクロマチンリモデリング複合体(SWI/SNF=BAF複合体)です。この装置の部品が生まれつきうまく働かないと、発達に必要な遺伝子の使い方が乱れ、発達の遅れや独特の顔だちといった共通の特徴が現れます。こうした病気をまとめてBAFopathyと呼び、CSS12もその一員です。

2. なぜCSS12だけ症状が違う? ─ ncBAF複合体という「特別な部隊」

CSS12がほかの型と症状の出方が異なる背景には、BICRAが所属する複合体が特別なタイプであることが関係していると考えられています。同じBAF複合体でも、じつは3つの「部隊」に分かれており、BICRAはその中の一つだけに参加しています。この違いが、CSS12の症状の個性に関係している可能性があります。

哺乳類のSWI/SNF(BAF)複合体は、含まれる部品の違いで大きく3種類に分けられます。ひとつめはカノニカルBAF(cBAF)で、ARID1AやARID1Bを含みます。CSSで最も多いARID1B(CSS1)はこの複合体の異常です。ふたつめはPBAFで、ARID2などを含みます。そしてみっつめが、最も新しく見つかった非カノニカルBAF(ncBAF、別名GBAF)です。BICRAはこのncBAFにだけ参加する足場(骨組み)タンパク質です[1]

ncBAFの特徴は、ほかの2種類に含まれる主要な部品(SMARCB1やARID1A/Bなど)を持たないことです。その代わり、BRD9という部品と、BICRAまたはその兄弟分子(BICRAL)を組み込みます[1]。BICRAは、この複合体の中で中心の柱(スキャフォールド)として働き、遺伝子の読み取りを進める部品(BRD9やBRD4)をクロマチンにつなぎ止める役割を担います。つまり、BICRAが欠けると、この特別な部隊だけがうまく組み立てられなくなるのです。

BAF複合体の3つの「部隊」とコフィン・シリス症候群

cBAF(カノニカル)ARID1A・ARID1B など
CSS1・CSS2
PBAFARID2 など
CSS6
ncBAF(非カノニカル)BRD9・BICRA
CSS12

どの部隊が影響を受けるかによって、同じ「コフィン・シリス症候群」でも症状の出方が異なると考えられています。

この「部隊の違い」は、ご家族が症状を理解するうえでも役立ちます。CSS12でほかの型と違う症状が出る背景には、BICRAが関わる遺伝子制御が他の型とは異なることが関係している可能性があると考えられます。だからこそ、同じ診断名でも型ごとに注意すべき点が変わってくると考えられています。

3. 「小指・爪の特徴がない」からこそ大切なこと ─ 診断の考え方が変わった

CSS12の最大の特徴は、古典的なコフィン・シリス症候群の目印だった小指・爪の低形成を欠くことが多い点です。これは「見た目で診断する」時代の終わりを意味し、ご家族にとっては「手足が普通だから違う病気」と早合点しないことが重要になります。

古典的なコフィン・シリス症候群では、第5指(小指)や第5趾(小趾)の先端の骨や爪が小さい・ない、という「第5指症候群」が最も象徴的な特徴とされてきました。ところがCSS12を確立したBarishらの報告では、患者の多くにこの小指・爪の低形成が認められませんでした[1]。手足の形の異常が全くないか、あってもごく軽い程度にとどまる例が確認されています。

この事実は、診断の考え方を大きく変えました。「小指の異常がないからコフィン・シリス症候群ではない」という従来の形態学的なアプローチには限界があり、身体的な奇形が乏しい発達の遅れの患者さんでも、積極的に遺伝子検査(エクソーム解析など)を検討することの大切さが浮き彫りになったのです[3]。実際、後に報告された中国の症例では、知的障害やてんかんを伴わず、純粋に言葉の遅れだけを主訴に受診したお子さんからBICRAの変化が見つかっています[4]

💡 ここは誤解されやすい:見た目と診断

「症候群」というと、写真で見分けられる特徴的な外見を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれどCSS12は、その常識が当てはまりにくい病気です。外見が典型的でないことは、病気を否定する理由にはなりません。原因不明の発達の遅れがあるとき、「見た目が普通だから」と検査を先送りにしないことが、お子さんとご家族にとって遠回りを避ける近道になります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「特徴がない」という特徴】

遺伝の診療をしていると、「教科書の写真と違うから、うちの子は違う病気だと思っていました」というお声をよく耳にします。CSS12はまさに、その思い込みが診断を遅らせやすい病気です。小指や爪という「分かりやすい目印」がないぶん、発達の様子や言葉の育ち方といった、目に見えにくいサインに目を向ける必要があります。

私は臨床遺伝専門医の立場から、「典型的でないこと」を理由に検査をあきらめないことが大切だと考えています。遺伝子検査は、見た目では説明できない部分に光を当てるための道具です。分からないことを「異常がない」と言い換えないこと。それが、原因を探しているご家族への誠実な向き合い方だと思っています。

4. 神経発達と言葉の遅れ ─ CSS12でいちばん一貫している症状

CSS12で最も一貫して見られるのは、脳の発達に関わる症状です。特に言葉の遅れが目立ちます。ご家族にとっては、この「言葉」の育ちにこそ早い段階から支援を向けることが、お子さんの生活の質を支える鍵になります。

これまでの報告では、ほぼすべての患者さんに、何らかの程度の全体的な発達の遅れ(GDD)や知的発達障害(ID)が認められています[1]。程度は軽度から重度までさまざまですが、多くは中等度から重度の範囲に入ると報告されています。とりわけ特徴的なのが言葉の獲得の難しさで、前述のとおり、知的障害やてんかんを伴わず、言語発達の遅れだけを主訴に受診した例も報告されています[4]。これは、BICRAが言葉に関わる脳のはたらきに特に関与している可能性を示しています。

また、自閉スペクトラム症(ASD)や、多動・衝動性・かんしゃくといった行動面の特徴も一部の患者さんで報告されています[1]。てんかんを合併することもありますが、報告例では抗てんかん薬への反応は比較的良好とされています。ただし、これらの数字はまだ症例数が少ない段階のものであり、今後さらに患者さんの報告が集まることで、より正確な像が見えてくると考えられます。

なぜ言葉や認知に影響が出るのかは、モデル生物の研究からも裏付けられています。ショウジョウバエでBICRAに相当する遺伝子(Bicra)のはたらきを抑えると、学習や選択の能力が著しく損なわれることが示されました[5]。BICRAは脳や神経で高く発現しており、神経回路の形成に必要な遺伝子群の読み取りを調整していると考えられます。この基礎研究は、CSS12のお子さんに見られる発達の特徴が、偶然ではなく分子のレベルで説明できることを教えてくれます。

💡 用語解説:モデル生物(ショウジョウバエ・ゼブラフィッシュ)とは

ヒトで直接調べられないことを確かめるために、ハエや魚など、遺伝子のしくみがヒトと共通する生き物が研究に使われます。これをモデル生物と呼びます。CSS12でも、ゼブラフィッシュでBICRAに相当する遺伝子を壊すと顔の骨格の形成異常が現れ[1]、ショウジョウバエでは学習能力が損なわれました[5]。こうした実験は、「本当にこの1つの遺伝子が原因なのか」を確かめる強力な証拠になります。ただし、動物で起きたことがそのままヒトに当てはまるとは限らない、という距離感も大切です。

5. 全身に現れる症状 ─ 顔だち・多毛・成長・消化器

CSS12は脳だけの病気ではなく、顔だちや毛、成長、消化器など全身に影響します。ご家族にとっては、複数の診療科で長く見守っていく体制を早めに整えておくことが安心につながります。

顔だちの特徴としては、濃く太い眉、長いまつげ、広い鼻すじと丸い鼻先、厚い唇、広い口などが報告されています[2]。毛の生え方にも特徴があり、赤ちゃんの頃はこめかみあたりの髪が薄い一方で、背中や肩など通常は毛が薄い部位に多毛(毛が濃くなる)が見られることが多いと報告されています。乳児期には、重い筋緊張の低下のためにおっぱいやミルクをうまく飲めない「哺乳不良」が問題になることがあります。

成長面では、多くの例で成長の遅れ(低身長など)が報告されています[1]。関節がやわらかい(過可動性)ことや、神経や筋のバランスに由来する側弯(背骨の曲がり)も見られます。感覚器では、斜視・眼瞼下垂・近視などの視覚の問題や、心臓の生まれつきの構造の違い(心室中隔欠損など)も一部の患者さんで報告されています[2]。消化器症状として、便秘や消化管運動の問題も報告されています。

大人のコフィン・シリス症候群を集めた研究では、子どもの頃は成長が遅かった人が、大人になると過体重や肥満に移りやすい傾向や、視覚障害・側弯・行動面の特徴が小児期の報告より目立つ傾向が示されています[6]。これは、CSS12を含むコフィン・シリス症候群が、年齢とともに注意すべき点が変わっていく病気であることを意味します。ご家族にとっては、「小児期に見ていた症状」だけでなく、成人期に向けた見守りの視点を持っておくことが役立ちます。

CSS12で報告されている主な症状(少数例に基づく傾向)

神経・発達
発達の遅れ・言葉の遅れ
顔だち・毛
独特の顔だち・多毛
成長・骨格
成長の遅れ・関節過可動・側弯
消化器
便秘・消化管運動の障害
感覚器・心臓
斜視・近視・心奇形

※症例数がまだ限られているため、頻度は今後の報告で変わる可能性があります。

6. 成人期に注意すべき可能性を示した報告 ─ 消化管・肺・血管

成人期のCSS12がどのような経過をたどるのか、その長期の自然歴はまだ十分に分かっていません。2026年に、1例の長期追跡で重い全身合併症が報告され、成人期に注意すべき可能性が示されました。ご家族にとっては、こうした報告があることを知っておくと、症状が出たときに適切な科へつなぐ判断の助けになります。

2026年に報告された1例の長期追跡は、CSS12で成人期に注意すべき可能性を示しました。これは、2020年の最初のコホートに含まれていた男性が22歳になった時点での追跡で、小児期の発達の遅れや関節のやわらかさに加え、思春期以降に予期せぬ重い合併症を発症したことが報告されています[7]。具体的には、①乳児期の重い便秘から進行した消化管運動の重い障害で、最終的に巨大結腸症をきたし大腸全摘出術を要したこと、②両側の肺の先端の袋状の病変(ブラ)による反復する自然気胸、③門脈という肝臓の血管の血栓症、です[7]。ただし、これらがCSS12に共通する合併症なのか、この患者さん固有の経過なのかは、現時点では確立していません

なぜ脳だけでなく、腸や肺や血管にまで影響が及ぶのでしょうか。この症例報告では、原因となったBICRAの変異が、BRD9・BRD4という部品と結びつくのに欠かせない「コイルドコイル」という部分の手前でタンパク質を途中で切ってしまうタイプであり、機能喪失(はたらきが失われる)のしくみで説明できると述べられています[7]。この報告では、BICRAが関わるncBAF複合体が神経系だけでなく、腸の平滑筋や肺・血管の結合組織など、体の各組織のはたらきの維持にも関わっている可能性が考察されており、BICRAの機能不全が腸の動きの障害や肺の壁のもろさとして現れた可能性が指摘されています[7]。ただし、これは1例に基づく考察であり、確立した知見ではありません。

この報告は、CSS12が「発達の遅れ」だけでなく、成人期にさまざまな臓器の症状に注意すべき可能性を示した点で重要です。ご家族にとって大切なのは、しつこい便秘・お腹の張り、あるいは急な胸の痛みや息苦しさといった症状があるときに、この症例報告も念頭に置いて、CSS12という背景を医療者に伝え、適切な評価を検討できるようにしておくことです。繰り返しになりますが、これらの合併症はまだ1例の長期報告に基づくもので、すべての患者さんに起こると決まっているわけではありません。

7. 遺伝子変異のしくみ ─ 「片方が足りない」ハプロ不全

CSS12は、BICRA遺伝子の2本のうち片方が働かなくなるだけで発症すると考えられています。この「片方が足りない」しくみを知ると、なぜ1つの遺伝子の変化でこれほど多彩な症状が出るのかが理解しやすくなります。

私たちは遺伝子を父由来・母由来で2本ずつ持っています。ハプロ不全(haploinsufficiency)とは、この2本のうち片方が働かなくなるだけで、タンパク質の量が足りなくなり、正常なはたらきを保てなくなるしくみのことです。CSS12を引き起こすBICRAの変化の多くは、ナンセンス変異・フレームシフト変異・必須スプライス部位の変異など、タンパク質を途中で短く切ってしまう「機能喪失型」です[1]。最初の報告でも、12人のうち多くがこうしたタンパク質を壊すタイプの変化でした[1]

遺伝子から症状まで ─ CSS12で起きていること

BICRA遺伝子の
片方が機能喪失
足場タンパク質が
不足(ハプロ不全)
ncBAF複合体の
はたらきが低下
遺伝子の読み方が
乱れる
発達・全身の
症状

たとえば、中国のコホートで報告されたc.1666C>T(p.Gln556*)というナンセンス変異は、タンパク質を早く終わらせてしまうため、ACMG(米国臨床遺伝学会)のガイドラインに基づいて「病的(Pathogenic)」と分類されました[4]。また、前述の重い消化管・呼吸器合併症を呈した患者さんで見つかったc.2479_2480delinsA(p.Ala827Thrfs*15)というフレームシフト変異も、機能喪失型として説明されています[7]。少数ながらミスセンス変異も報告されており、これらは判断が難しく意義不明変異(VUS)とされることもあります。

💡 用語解説:ナンセンス変異・フレームシフト変異・ミスセンス変異

遺伝子はタンパク質の「設計図」です。ナンセンス変異は、設計図の途中に「ここで終わり」という誤った指示が入り、タンパク質が短く途切れてしまう変化です。フレームシフト変異は、設計図の文字が1〜数文字ずれて、それ以降の意味がすべて変わってしまう変化です。どちらもタンパク質を壊す「機能喪失型」になりやすいものです。一方ミスセンス変異は、設計図の1文字だけが別の文字に変わり、アミノ酸が1つ入れ替わる変化で、影響が大きいものも小さいものもあり、判断が難しいことがあります。

BICRAと神経発達症との関連は、複数の患者さんで見つかったde novoの機能喪失バリアント、共通する表現型、そしてゼブラフィッシュやショウジョウバエを用いた機能解析など、複数の証拠によって支持されています[1]。原著論文でも、これらの変異はいずれも機能喪失とハプロ不全をもたらすと考えられると述べられています[1][2]。ご家族にとっては、「1文字の違いが本当に意味を持つのか」を、こうした複数の証拠を重ねて慎重に判断していることを知っておくと安心につながります。

8. 診断の進め方 ─ 遺伝子検査とエピシグネチャー

CSS12の診断は、症状だけで決めるのではなく、臨床像とBICRAの遺伝子検査を組み合わせて行います。近年は、DNAのメチル化を調べる「エピシグネチャー解析」が、クロマチノパチーの一部で診断の補助や変異解釈の助けとして利用されるようになっています。ただし、BICRA(CSS12)に特化した検査が確立しているわけではない点は、あらかじめ知っておく必要があります。

CSS12を含むBAFopathyは、型どうしで症状が重なり合うため、見た目だけで原因遺伝子を特定するのはほとんど不可能です。そのため、全エクソームシーケンシング(WES)や全ゲノムシーケンシング(WGS)が診断の中心になります[3]。一方で、ゲノム解析が普及するにつれて、「意義不明変異(VUS)」が多数見つかるという新しい課題も生じています。ミスセンス変異などが見つかっても、それが本当に病気の原因なのか、単なる個人差なのかを、DNAの配列だけで判断するのは難しいのです。

このVUSの問題を補う方法のひとつとして注目されているのが、血液のDNAメチル化のパターンを調べるエピシグネチャー(episignature)の解析です。クロマチンを調整する遺伝子の変異は、ゲノム全体のメチル化にその病気に特有の「痕跡」を残すことがあり、EpiSignなどの検査では、一部のクロマチノパチー(BAFopathyを含む)で診断の補助や変異の再分類に利用されています[8]。コフィン・シリス症候群全体でも、DNAメチル化解析が診断補助として記載されています[3]

この技術は、遺伝子の配列だけでは判断できない部分に、機能面からの手がかりを与えられる可能性がある点で注目されています。ただし、EpiSign V5の公開対象疾患リストには、BICRA(CSS12)は含まれていません。EpiSign V5の分類器は120を超える遺伝子・領域を対象としていますが、そのなかにBICRA(CSS12)は挙げられていないのです[9]。したがって、DNAメチル化解析はCSS12でも変異解釈の補助となる可能性はあるものの、それだけで診断を確定したり、逆に否定したりできる段階ではありません。CSS12の診断は、あくまで臨床像とBICRAの病的(病的可能性)バリアントの同定が中心になります。

9. 遺伝と再発率 ─ 次の子への影響を考える

「この病気は次の子にも遺伝しますか」という問いは、ご家族が最も知りたいことのひとつです。CSS12の報告例の多くは、両親には変化がなく、お子さんに初めて生じた新生突然変異(de novo)であり、次子の再発率は一般に低いと考えられます。ただし例外もあるため、遺伝カウンセリングで個別に整理することが大切です。

CSS12は常染色体顕性(優性)遺伝の形をとり、片方の遺伝子の変化で発症します。これまでに報告されている患者さんの多くは、両親のどちらにも変化がなく、お子さんに初めて生じた新生突然変異(de novo変異)によるものです[1][4]。de novoの場合、同じ両親から次のお子さんに再び同じ変化が起こる確率は、一般に高くはないと考えられます。

ただし、注意すべき点があります。ごくまれに、親の卵子や精子をつくる細胞の一部にだけ変化が潜んでいる「生殖細胞モザイク」という状態があり、この場合は次のお子さんに同じ変化が伝わる可能性がわずかに残ります。そのため、「de novoだから絶対に再発しない」と断言はできません。将来の妊娠を考えるご家族にとっては、確定診断のうえで、遺伝形式と再発の可能性を丁寧に整理しておくことが、見通しを持って選択するための助けになります。こうした話し合いは、遺伝カウンセリングの場で、臨床遺伝専門医とともに進めることができます。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「遺伝する」の意味を、正しく分ける】

「遺伝子の病気」と聞くと、多くの方が「家系に受け継がれてきたもの」を思い浮かべます。けれどCSS12のように、お子さんに初めて生じた変化(de novo)が原因である病気も少なくありません。この違いは、次のお子さんへの再発率や、ご家族の受け止め方を大きく左右します。

私は、「遺伝子が原因」という言葉を、「親から受け継いだ」という意味と混同しないことが大切だと考えています。誰のせいでもなく、防げたものでもない――そのことを丁寧に共有するのも、臨床遺伝専門医の役割です。数字だけでなく、その数字が「あなたにとって何を意味するのか」まで一緒に整理していくことを大切にしています。

10. 管理と療育 ─ 生涯にわたる多職種のチームで支える

CSS12は多くの臓器に関わるため、ひとつの科だけでは支えきれません。ご家族にとっては、小児期の療育から成人期のサーベイランス(見守り検査)まで、成長に合わせてチームを組み替えていくイメージを持っておくことが役立ちます。

小児期には、発達の遅れに対する早期療育、言語・理学・作業療法が中心になります。言葉の障害が重くなりやすいため、話す以外の方法で気持ちを伝える手段(拡大・代替コミュニケーション、AAC)の導入も選択肢になります[3]。重い筋緊張低下に伴う哺乳不良や誤嚥のリスクに対しては、必要に応じて栄養面の支援が行われます。てんかんが出た場合は、小児神経科での治療調整が行われます。

思春期から成人期にかけては、内臓・結合組織の症状にも目を向けておくことが役立つ可能性があります。2026年に1例の長期追跡で重い消化管・呼吸器の合併症が報告されており[7]、これがCSS12に共通するかはまだ分かっていませんが、しつこい便秘やお腹の張りが続く場合には消化器科での評価が、胸の痛みや息苦しさがある場合には呼吸器科での評価が助けになることがあります。成人期には体重が増えやすい傾向や視覚障害・側弯が目立つ傾向も報告されているため[6]、定期的なチェックが安心につながります。

現時点で、CSS12に対する根本的な遺伝子治療はありません。BAF複合体やncBAFに関わる分子を標的とした治療は、がんの領域を中心に研究が進んでいますが、神経発達症への応用には、脳へ薬を届けることの難しさや、発達段階での不可逆的な変化という大きな壁があります。これらはまだ研究段階であり、現在の治療は症状に応じた対症療法と療育、そして合併症の早期発見が中心です。ご家族にとって大切なのは、「治す薬」を待つだけでなく、いま目の前の生活の質を支える支援を、多職種のチームで着実に積み重ねていくことだと考えています。

11. CSS12でよくある誤解

CSS12は新しく稀な病気のため、誤解が生じやすいところがあります。ご家族が安心して見通しを持てるよう、代表的な誤解を整理します。

誤解①「小指や爪が普通ならコフィン・シリス症候群ではない」

CSS12では、古典的な目印だった小指・爪の低形成を欠くことが多いのが特徴です。手足の形が典型的でないことは、この病気を否定する理由にはなりません。発達の遅れがあれば、遺伝子検査を検討する価値があります。

誤解②「親から遺伝したに違いない」

報告されている患者さんの多くは、両親に変化がない新生突然変異(de novo)です。誰のせいでもなく、防げたものでもありません。次の子への再発率も一般に高くはないと考えられます。

誤解③「発達の遅れだけの病気だ」

CSS12は脳だけでなく、消化管・肺・血管・結合組織にまで影響しうることが分かってきました[7]生涯にわたる複数科での見守りが大切です。

誤解④「VUSと言われたら、もう分からない」

判断が難しい変異(VUS)でも、追加の家族解析やDNAメチル化解析などが解釈の助けになることがあります[8]。ただしBICRAに特化したエピシグネチャーは確立していないため万能ではなく、「分からない」で終わりとは限らない、という理解が大切です。

📌 このページを読んだあなたへ

この記事にたどり着いた方は、たとえば「お子さんがBICRAの変化やCSS12と診断された」「発達の遅れの原因を探している」「VUSと言われて次にどうすればよいか迷っている」といった状況かもしれません。そんなときに次に確認しておくとよい観点を、いくつか挙げておきます。

遺伝形式(常染色体顕性)と、次の子への再発の可能性(de novo・生殖細胞モザイク)
・診断の中心となる全エクソーム検査(WES)などの網羅的遺伝子解析
・クロマチノパチーで変異解釈を補助することがあるエピシグネチャー解析(EpiSign V5の公開対象疾患リストにBICRAは含まれていません)
・原因遺伝子であるBICRA遺伝子そのものの働き
・同じグループの他の型との違い(コフィン・シリス症候群 総論

よくある質問(FAQ)

Q1. コフィン・シリス症候群12型(CSS12)とは、どんな病気ですか?

CSS12は、BICRA遺伝子の片方に生まれつきの変化が起こることで発症する、とても稀な神経発達症です。発達の遅れや知的発達の問題、特に言葉の遅れが目立ち、独特の顔だちや多毛を伴います。古典的なコフィン・シリス症候群の目印だった小指や爪の低形成を欠くことが多いのが特徴で、消化管の症状なども報告されていますが、成人期の長期経過についてはまだ十分に分かっていません。2020年に初めて確立された、コフィン・シリス症候群の中で最も新しい型です。

Q2. なぜ小指や爪の異常が「ない」のですか?

古典的なコフィン・シリス症候群では小指や爪の低形成が目印とされてきましたが、CSS12ではこの特徴を欠く症例が多いことが報告されています。原因遺伝子BICRAが所属する複合体(ncBAF)が特別なタイプであることが、症状の出方の違いに関係している可能性があると考えられていますが、詳しいしくみはまだ完全には分かっていません。最初にCSS12を確立した報告でも、患者さんの多くにこの小指・爪の低形成が認められませんでした。そのため、手足の形が典型的でなくても病気を否定できず、発達の遅れがあれば遺伝子検査を検討することが大切です。

Q3. CSS12は親から遺伝しますか?次の子にも起こりますか?

これまで報告されている患者さんの多くは、両親のどちらにも変化がなく、お子さんに初めて生じた新生突然変異(de novo)によるものです。この場合、同じ両親から次のお子さんに再び同じ変化が起こる確率は、一般に高くはないと考えられます。ただし、ごくまれに親の生殖細胞の一部に変化が潜んでいる「生殖細胞モザイク」の可能性は残るため、絶対に再発しないとは言い切れません。将来の妊娠を考える場合は、確定診断のうえで遺伝カウンセリングを受け、再発の可能性を整理しておくことをおすすめします。

Q4. どうやって診断するのですか?

CSS12は症状だけで診断することが難しく、臨床像に加えて、全エクソームシーケンシング(WES)や全ゲノムシーケンシングといった遺伝子検査でBICRAの病的な変化を確認することが中心になります。血液のDNAメチル化を調べるエピシグネチャー解析は、一部のクロマチノパチーで変異解釈の補助として利用が進んでいますが、EpiSign V5の公開対象疾患リストにはBICRA(CSS12)は含まれていません。したがってCSS12では、メチル化解析は補助的な位置づけであり、診断の中心はあくまで遺伝子解析です。

Q5. 大人になると、どんな合併症に気をつければよいですか?

近年の長期追跡の報告では、思春期以降に消化管の動きの重い障害(巨大結腸症など)、反復する自然気胸、血管の血栓症といった、内臓や血管の合併症が現れた例が報告されています。これらはまだ限られた報告に基づくもので、すべての患者さんに必ず起こるわけではありませんが、しつこい便秘やお腹の張り、急な胸の痛みや息苦しさなどのサインがあれば、CSS12という背景を医療者に伝え、消化器科や呼吸器科で早めに評価してもらうことが大切です。成人期には体重が増えやすい傾向や視覚障害、側弯にも注意が必要です。

Q6. 治療法はありますか?

現時点では、CSS12の原因そのものを治す根本的な治療法はありません。治療は、発達の遅れに対する早期療育や言語・理学・作業療法、てんかんや哺乳不良への対応、そして消化器・呼吸器などの合併症の早期発見と管理が中心になります。BAF複合体を標的とした治療の研究はがんの領域を中心に進んでいますが、神経発達症への応用はまだ研究段階です。生涯にわたって複数の診療科が連携し、生活の質を支えていくことが重要です。

Q7. コフィン・シリス症候群の他の型と、どう違うのですか?

コフィン・シリス症候群は、原因となる遺伝子ごとにCSS1型からCSS12型に分類されます。最も多いのはARID1BによるCSS1で、典型的な小指・爪の低形成を伴います。これに対しCSS12は、原因遺伝子BICRAが特別なncBAF複合体に属するため、小指・爪の低形成を欠くことが多く、言葉の遅れや消化管・結合組織の合併症が目立つという個性があります。型によって注意すべき点が変わるため、正確な原因遺伝子を突き止めることが、その後の見守りに役立ちます。

Q8. 言葉の遅れだけでも、CSS12の可能性はありますか?

報告のなかには、知的障害やてんかんを伴わず、言葉の発達の遅れだけを主訴に受診したお子さんからBICRAの変化が見つかった例があります。ですから、言葉の遅れが目立つ場合にCSS12が背景にある可能性はゼロではありません。ただし、言葉の遅れの原因は非常に多岐にわたるため、いきなりBICRAだけを調べるというより、発達の様子やほかの症状を含めて総合的に評価し、必要に応じて網羅的な遺伝子検査を検討するのが一般的です。気になる場合は、臨床遺伝専門医にご相談ください。

🏥 発達の遅れ・希少疾患の遺伝子診断のご相談

原因不明の発達の遅れや、コフィン・シリス症候群を含む希少な神経発達症に関する
遺伝子検査と遺伝カウンセリングは
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにご相談ください。

参考文献

  • [1] BICRA, a SWI/SNF Complex Member, Is Associated with BAF-Disorder Related Phenotypes in Humans and Model Organisms. Am J Hum Genet. 2020. [PubMed 33232675]
  • [2] Coffin-Siris syndrome 12; CSS12. OMIM. [OMIM 619325]
  • [3] Coffin-Siris Syndrome. GeneReviews®. [NCBI Bookshelf NBK131811]
  • [4] A de novo variant of BICRA results in Coffin-Siris syndrome 12. Mol Genet Genomic Med. 2023. [PMC10655513]
  • [5] Loss of Bicra impairs Drosophila learning and choice abilities. Neurosci Lett. 2022. [PubMed 34974109]
  • [6] Delineation of the adult phenotype of Coffin-Siris syndrome in 35 individuals. Hum Genet. 2024. [PubMed 38117302]
  • [7] Beyond Neurodevelopmental Delay: BICRA-Related Coffin-Siris Syndrome 12 with Severe Intestinal Dysmotility and Recurrent Pneumothorax. Genes (Basel). 2026. [Genes 17(1):81]
  • [8] DNA methylation episignature testing improves molecular diagnosis of Mendelian chromatinopathies. Genet Med. 2021. [PubMed 34906459]
  • [9] EpiSign V5 classifier conditions(対象疾患・遺伝子一覧). EpiSign. [EpiSign 公式]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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