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何故NIPTは非確定的検査なのか?: はじめに

何故NIPTは非確定的検査なのか?: はじめに

この記事の著者:仲田洋美医師 臨床遺伝専門医総合内科専門医、がん薬物療法専門医

はじめに

NIPT(新型出生前診断)は精度が高いにもかかわらず、確定的検査と扱ってはならないと言われています。インフルエンザの迅速診断キットは感度64%特異度98%と低いのに確定診断です。なぜこのようなことになるのかについて順番にご説明していきましょう。

2011年にcffDNAベースの出生前検査 (新型出生前検査)が

商業的に導入されて以来,

概念の証明,バリデーション,症例報告,大規模コホート研究,

およびメタアナリシスのデザインに関する多くの研究が

発表されてきました.

コホート研究というのは,仮説を立ててその仮説を証明していく研究方法を言います.

エビデンスには通りがあって,コホート研究一つで得られるのはエビデンスレベルとしては一番上よりは一つ下となります.

メタアナリシスというのは,そうしたコホート研究をたくさんあわせて解析した研究で,エビデンスレベルは最も高くなります.

21,18,13トリソミーに対するcffDNAに基づく出生前スクリーニングは,
それ以来大きく発展してきたのですが,
ほどなくして偽陽性および偽陰性の結果が生じる可能性があり,
これらの多くが生物学的原因を有することが明らかとなりました.

臨床医および遺伝カウンセラーが,
検査前および検査結果を受け取った後に,
包括的かつ適切に患者へのカウンセリングを行うことを可能にするためには,

誤った結果が出ることの原因に関する知識および理解が不可欠なのです.

これにより,革新的な出生前検査法の責任ある運用が保証され,
母体と胎児に対するエビデンスに基づく意思決定が可能になります.

 

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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