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ブログ|NIPTは陽性じゃないのに陰性でも中絶|先天性心疾患

出生前診断 遺伝医療 遺伝子検査

木で作られた天使の像

みなさま、こんにちわ。今日はNIPTで陰性だったけど先天性心疾患のため中絶に至った患者さんの件に関してブログを書きます。

患者さんから以下のメールをもらいました。

こんにちは。

2019年〇月×日に採血し、NIPTを受けさせていただいた****と申します。
年始早々から申し訳ありません。仲田先生にご相談させていただきたく、ご連絡させていただきました。

実はNIPTでの結果はすべて陰性だったのですが、妊娠20週で子供に心臓疾患が見つかりました。
**県立こどもセンターで詳しくエコーで見ていただいたところ、先天性の心臓疾患と診断されました。

出産後、最低でも3つの大手術をする必要があると言われ、夫婦で相談した結果、中絶、出産を致しました。とても悲しく、つらいです。

NIPTですべて陰性、その後のエコーの検診でも心臓以外の問題は見つかっていない為、こどもセンター、出産した病院の医師、看護師、助産師から、「とても珍しく偶然起こってしまったことだ。」と言われました。

「今回が重度の心臓疾患だからといって、次回の妊娠もそのような疾患になる可能性は極めて低い。生理が二回来たらまた妊活していい。」と言われました。

しかし、まだ妊活をする気にはなれません。

理由は精神的に中期中絶ということが辛かったこともありますが、妊娠*週で初期流産をしており、その半年後に授かった子も心臓疾患で中期中絶という結果になりました。

次の妊娠も「10か月お腹の中できちんと育ててあげられないかもしれない。そうなってしまうんだ。」という気持ちが強いからです。

今回の心臓疾患の原因、理由を、「たまたま起きたことだ。」という担当医師にしつこく何回も聞いてしまいました。
「なぜそうなったのかを探してもしょうがない。分からない。過去を振り返っても何もならない。卵子、精子、母体の問題とは考えにくい。」と若干イライラさせてしまいました。
中絶する時にも「産んだ子を調べたり、胎盤を調べたりすれば、何が原因かわかるんですか。」と聞いたところ、「調べてもわからない。」と言われました。

産後一か月検診も終わり、その産院に通うことはなくなったのですが、これから女性として、子供が欲しいのか、自分の人生をどう歩んでいくのかと考えてばかりです。

すぐに妊活をする気はありませんが、これからの人生で妊活をするかしないかを選択するにあたって、私達夫婦の間には何か病気、疾患を患う子供ができやすいのか、たまたまだったのかを知っておきたいと思っています。

仲田先生に相談すべきではないのかもしれないとは思ったのですが、NIPT時に寄り添っていただき、遺伝子診療にもお詳しい先生に一度お伺いしたくメールさせて頂きました。

・初期流産、心臓疾患と続くのは何か染色体、遺伝的に問題がある可能性があるのか、可能性が高いのか

・可能性があり、調べるとしたら、どのような手段があり、どこに通院すれば良いのか

お時間に余裕がございましたら、ご連絡いただけると幸いです。
長文乱文にて失礼いたしました。

 

このメールを受けて、メールで返信しようかどうしようかと考えましたが、お電話しました。

わたしとして、医学的なこと(メールにはもうちょっと具体的な心臓の異常が書かれていたので)をお伝えし
受精卵から身体が出来上がっていく発生の仕組み、などを説明し、前の先生たちと同じ意見だけど、次も続くってことはないと思うので、安心して前を向いて暮らすようにとお伝えしました。

わたしも1回目のお産の時、双子ちゃんの一人を死産してしまって。

やっぱ2回目妊娠するのって怖いんですよね。

なので。5年あいちゃったんですけどね。

でもやっぱ今は、結婚年齢自体が上がっているから、子供が欲しいんだったら早く気持ちを切り替えてっていう雰囲気なんですよね。。。

なんだけど、気持ちがなかなか切り替えられない。

ああだこうだといろんな話をして。

でも、やっぱそういう気持ちをぶつけられる相手がいるって大事なんですよね。

わたしには誰もいなかったので。

 

出生前診断をやってると、やっぱ陰性だけではなく陽性の人も当然いるし
こうやって 陰性でもその後重篤な疾患が見つかって死産や人工妊娠中絶してしまうってことがあります。
つらい思いをする人たちに、妊娠出産でつらい思いをしたわたしは一生懸命寄り添って頑張っていますが
それは時々自分の傷を掘り返して塩を塗ることになるので、しんどくないとは言いません。

でも。こうやってわたしとしゃべって気持ちが楽になって、前を向いて歩きだす人がいるんです。

だから。わたしはこの仕事に誇りをもって取り組んでいます。

 

わたしと出会ってくれてありがとう。
いつでも電話してきてね。待ってます。

追記:この患者さんはその後、妊娠していろいろNIPTをどこで受けようか比較検討した結果、またNIPTをミネルバクリニックで受けました。

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