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何故NIPTは非確定的検査なのか?:診断的検査とスクリーニング検査

何故NIPTは非確定的検査なのか?:診断的検査とスクリーニング検査

診断的検査とスクリーニング検査

新しい検査の評価は,感度,特異度,陽性および陰性適中率の4つでなされます.

後者2つは,特定の集団における疾患の有病率に依存する.

 

疾患あり 疾患なし
検査陽性 a b
検査陰性 c d

感度というのは疾患陽性をどれくらいちゃんと検査で陽性と出せたのかという指標で
a/(a+c) % であらわされます.
特異度は逆に,疾患陰性をどれくらい検査で陰性と出せたのかという指標で
d/(b+d) % であらわされます.

これに対して陽性的中率は,検査で陽性になった人のなかに疾患陽性の人が
どれくらいいたのかという割合で
a/(a+b) % であらわされます.
陰性的中率は逆に,検査で陰性になった人の中で疾患陰性の人がどれくらいいたのかという割合で
d/(c+d) % であらわされます.

感度と偽陽性率(1–特異度)の組み合わせにより,
検査方法を特定の有病率およびカットオフ値に対する
スクリーニング検査または診断検査に分類いたします.

感度特異度,これらの2つの検査変数は,
診断検査とスクリーニング検査との間で根本的に異なっています.

診断検査は感度と特異度の両方をできるだけ100%に近づける必要があるのですが,
スクリーニング検査は通常高感度または高特異度のいずれかでよいのです.

なぜなら,目的が違っているので.

スクリーニングというのは,一見,正常と思われる集団のなかから
異常の可能性がある人をはじき出して,確定診断につなげるための機会を付与するための検査なのです.

cfDNAベースの出生前検査は,21トリソミー(ダウン症候群(21トリソミー))には高い感度と高い特異性があるのですが,誤った結果が出ると,診断的検査にはなりません.

これらの誤った結果の大部分は,胎盤または母親に由来することがわかっています.

それらは,妊娠管理および妊娠中絶に関する決定に
不可逆的な影響を及ぼす可能性がありますよね.

cfDNAベースの出生前検査は依然として,
独立した検査方法による全ての陽性検査結果の確認を必要とする
スクリーニング検査と考えられています.

*************
*ちなみに,余談ですが,日本産科婦人科学会は,SLK病院のY先生の言い分をもとに
日本ではこの検査を スクリーニング検査と呼ばない と決めたそうで
そのために,日本ではNIPTの診断学的意義が口に出すのもはばかられる状況に陥っています.
それって.どうなんですか?
海外ではちゃんとスクリーニング検査という扱いであるにもかかわらず
日本はそう呼ばないと決めるなんて
寄らしむべし 知らしむべからず という態度ではないでしょうか?
独り立ちして新型出生前診断を扱うようになって,見えてきた産婦人科医療のひずみは
是正しなければならないな,という仲田の個人的な情熱に繋がっています.
***********

 

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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