Chapter5-2 診断的検査とスクリーニング検査

診断的検査とスクリーニング検査

新しい検査の評価は,感度特異度,陽性および陰性適中率の4つでなされます.

後者2つは,特定の集団における疾患の有病率に依存する.

 

疾患あり 疾患なし
検査陽性 a b
検査陰性 c d

感度というのは疾患陽性をどれくらいちゃんと検査で陽性と出せたのかという指標で
a/(a+c) % であらわされます.
特異度は逆に,疾患陰性をどれくらい検査で陰性と出せたのかという指標で
d/(b+d) % であらわされます.

これに対して陽性的中率は,検査で陽性になった人のなかに疾患陽性の人が
どれくらいいたのかという割合で
a/(a+b) % であらわされます.
陰性的中率は逆に,検査で陰性になった人の中で疾患陰性の人がどれくらいいたのかという割合で
d/(c+d) % であらわされます.

感度と偽陽性率(1–特異度)の組み合わせにより,
検査方法を特定の有病率およびカットオフ値に対する
スクリーニング検査または診断検査に分類いたします.

感度特異度,これらの2つの検査変数は,
診断検査とスクリーニング検査との間で根本的に異なっています.

診断検査は感度特異度の両方をできるだけ100%に近づける必要があるのですが,
スクリーニング検査は通常高感度または高特異度のいずれかでよいのです.

なぜなら,目的が違っているので.

スクリーニングというのは,一見,正常と思われる集団のなかから
異常の可能性がある人をはじき出して,確定診断につなげるための機会を付与するための検査なのです.

cfDNAベースの出生前検査は,21トリソミー(ダウン症候群)には高い感度と高い特異性があるのですが,誤った結果が出ると,診断的検査にはなりません.

これらの誤った結果の大部分は,胎盤または母親に由来することがわかっています.

それらは,妊娠管理および妊娠中絶に関する決定に
不可逆的な影響を及ぼす可能性がありますよね.

cfDNAベースの出生前検査は依然として,
独立した検査方法による全ての陽性検査結果の確認を必要とする
スクリーニング検査と考えられています.

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*ちなみに,余談ですが,日本産科婦人科学会は,SLK病院のY先生の言い分をもとに
日本ではこの検査を スクリーニング検査と呼ばない と決めたそうで
そのために,日本ではNIPTの診断学的意義が口に出すのもはばかられる状況に陥っています.
それって.どうなんですか?
海外ではちゃんとスクリーニング検査という扱いであるにもかかわらず
日本はそう呼ばないと決めるなんて
寄らしむべし 知らしむべからず という態度ではないでしょうか?
独り立ちして新型出生前診断を扱うようになって,見えてきた産婦人科医療のひずみは
是正しなければならないな,という仲田の個人的な情熱に繋がっています.
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