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他の脳奇形を伴う複合皮質異形成14B型(CDCBM14B):運動機能が保たれる稀少な大脳皮質形成異常

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

他の脳奇形を伴う複合皮質異形成14B型(CDCBM14B)は、ADGRG1遺伝子の非コード調節領域にある、わずか15塩基対(15-bp)の微小な欠失によって引き起こされる、常染色体潜性遺伝の希少な大脳皮質形成異常症です。大脳の両側シルビウス裂(外側溝)周囲に極めて限局した多小脳回を呈しながらも、四肢の運動機能が完全に保たれるという際立った臨床的特徴が、同系統の皮質形成異常症との決定的な鑑別点となっています。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 ADGRG1遺伝子・大脳皮質形成異常・臨床遺伝
臨床遺伝専門医監修

Q. CDCBM14Bとはどのような疾患ですか?まず結論だけ知りたいです

A. ADGRG1遺伝子の非コード調節領域にある15塩基対の欠失によって引き起こされる、常染色体潜性遺伝の希少な大脳皮質形成異常症です。両側シルビウス裂周囲に限局した多小脳回を呈しながら、四肢の運動機能が保たれる点が最大の鑑別点です。

  • 疾患の定義 → OMIM 615752 / ICD-11: LA05.50・LA05.51 / 常染色体潜性(劣性)遺伝
  • 分子メカニズム → 15-bp非コード欠失によるシルビウス裂周囲限局性エンハンサー機能の消失
  • 主な症状 → 偽性球麻痺・知的障害・難治性てんかん。四肢の運動機能は正常
  • 鑑別診断 → 同一遺伝子が原因のCDCBM14A(BFPP)との決定的な違いを詳解
  • 診断の重要な落とし穴 → 全エクソーム解析(WES)では原因変異を見逃す可能性がある理由

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1. 疾患概要:CDCBM14Bとは

「他の脳奇形を伴う複合皮質異形成14B型(Cortical dysplasia, complex, with other brain malformations 14B: CDCBM14B)」は、胎生期の大脳皮質発生における神経細胞の遊走および組織化の異常によって引き起こされる、稀少な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患です。国際疾病分類データベースOMIMでは疾患番号615752として登録されており、ICD-11では神経系の構造的発生異常を示すコード「LA05.50」および「LA05.51」に分類されています。

本疾患の最大の神経放射線学的特徴は、大脳の両側シルビウス裂(外側溝)周囲に極めて限局した多小脳回(Polymicrogyria: PMG)であり、別名「常染色体潜性両側シルビウス裂周囲多小脳回(Bilateral perisylvian polymicrogyria, autosomal recessive)」とも呼ばれます。

💡 用語解説:常染色体潜性遺伝(じょうせんしょくたいせんせいいでん)

「常染色体」とは、性染色体(X・Y)以外の染色体のことです。「潜性(劣性)」とは、染色体の2本の対(ペア)の両方に変異が揃ったときにはじめて症状が現れる遺伝形式を意味します。CDCBM14Bでは、両親はそれぞれ変異した遺伝子を1本持つ「保因者(キャリア)」で通常は無症状ですが、両親から変異を1本ずつ受け継いだ子どもが発症します。両親がともに保因者の場合、各妊娠において子どもが発症する確率は理論上25%です。

💡 用語解説:多小脳回(ポリミクロジリア / Polymicrogyria)

本来であれば大きく折り畳まれるべき大脳の表面(脳回)が、過剰に小さく多数の折り畳みを形成してしまう大脳皮質形成異常です。単に脳回が多いだけでなく、皮質の層構造(ラミネーション)そのものに異常があります。CDCBM14Bでは病変が両側のシルビウス裂(外側溝)の周囲に限局しているため、言語・口腔運動を司る領域が選択的に障害される独特の症候群が形成されます。

臨床的には、重度〜中等度の知的能力障害・言語発達の著しい遅滞・難治性てんかん・偽性球麻痺に起因する重篤な口腔運動機能障害を呈します。しかしながら、本疾患を際立たせる最も重要な陰性所見は「四肢の痙縮・麻痺など、運動機能障害を一切伴わない」点です。この特徴が、他の大脳皮質形成異常症や脳性麻痺との鑑別において決定的な指標となります。

2. 原因遺伝子・発症メカニズム

CDCBM14Bの根本的な病因は、染色体16q21にマッピングされる ADGRG1(旧称:GPR56)遺伝子の機能的異常にあります。ただし、その異常の性質は多くの遺伝性疾患とは大きく異なり、タンパク質をコードするエクソン領域の変異ではなく、遺伝子の「読まれ方」を制御する非コード調節領域の異常である点が、この疾患の分子病態学的な核心です。

ADGRG1遺伝子と接着性Gタンパク質共役型受容体

💡 用語解説:接着性Gタンパク質共役型受容体(aGPCR)とは

Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は細胞の表面に存在し、細胞外の情報を細胞内に伝えるシグナル受容体の巨大なファミリーです。ADGRG1はその中の「接着性Gタンパク質共役型受容体(Adhesion GPCR: aGPCR)」サブファミリーに属します(接着性Gタンパク質共役受容体 Gサブファミリーについて)。aGPCRは、巨大な細胞外接着ドメインと7回膜貫通型シグナル伝達ドメインを併せ持つ独特な構造を持ち、細胞間の接着・コミュニケーションや、細胞と細胞外マトリックスとの相互作用において中心的な役割を果たします。ADGRG1(G1サブタイプ)はこのファミリーの中でも脳発生における役割が最もよく解明されている遺伝子です。

胎生期の脳発生において、ADGRG1タンパク質は神経前駆細胞や放射状グリア細胞に高度に発現し、大脳皮質の正常なパターニングと神経細胞の遊走プロセスに不可欠です。分子レベルでは、ADGRG1はリガンドであるコラーゲンIII(COL3A1)組織トランスグルタミナーゼ(TGM2)と結合することで特異的なシグナル伝達を開始し、G12/G13タンパク質を介して下流のRhoAスモールGTPアーゼ経路を活性化します。このシグナルが軟膜基底膜の完全性を保ち、遊走してきた神経細胞の「停止シグナル」として機能します。

CDCBM14Bの核心:15-bp非コード欠失とエンハンサー機能の喪失

💡 用語解説:エンハンサー(シス調節エレメント)とは

DNAのうち、タンパク質をコードする「エクソン」とは別に、遺伝子の「どこで・いつ・どの程度」発現するかを制御する調節領域が存在します。エンハンサーはその代表的な調節配列で、特定の細胞や組織、発生段階において遺伝子発現を強力に促進するスイッチとして機能します。CDCBM14Bでは、ADGRG1遺伝子のシルビウス裂周囲に特異的な発現を駆動するエンハンサーが破壊されています。

CDCBM14Bを引き起こす変異は、ADGRG1の非コードエクソン1m(e1m)の転写開始点から144塩基対上流に位置するシス調節エレメント内に存在する「15塩基対(15-bp)のタンデムリピートのホモ接合性欠失」です。この欠失は、進化的に獲得された脳の領域特異的なエンハンサー機能を不可逆的に破壊します。

💡 用語解説:ヒト特異的加速領域(HARs)とは

ヒトとチンパンジーなど他の霊長類のゲノムを比較したとき、特にヒトの系統において急速な塩基置換が蓄積した非コードゲノム領域を「ヒト特異的加速領域(Human Accelerated Regions: HARs)」と呼びます。ADGRG1遺伝子周囲にもHARsが存在し、大脳皮質の発生期に特定領域での遺伝子発現を駆動する強力なエンハンサーとして機能することが示されています。この領域の進化的変化が、ヒト固有の大脳皮質の折り畳み(ジャイリフィケーション)に深く関わっています。

重要なのは、ADGRG1タンパク質をコードするエクソン領域自体は完全に正常であるという点です。15-bp欠失により、完全長の正常なタンパク質は全身で問題なく産生されます。ただし、「シルビウス裂周囲の皮質でのみADGRG1を発現させる」というエンハンサーの機能が失われるため、その局所においてのみADGRG1の転写と発現が低下します。この局所的な発現低下が、同部位に限定した神経細胞遊走異常を引き起こし、両側シルビウス裂周囲の多小脳回というユニークな表現型をもたらすのです。

ADGRG1調節領域変異による限局性多小脳回の発症メカニズム

① DNA領域

ADGRG1 非コード領域
エンハンサー ✕
15-bp 欠失
エクソン 1m

② シルビウス裂周囲での転写が阻害される

タンパク質は正常にコードされているが
シルビウス裂周囲でのみ発現が低下

他の脳領域では正常に発現

運動野・錐体路など
他の領域は構造が保たれる

③ 結果:シルビウス裂周囲に限局した多小脳回

軟膜基底膜の破綻 → 神経細胞の過剰遊走 → 両側シルビウス裂周囲PMG形成
運動野・錐体路は正常 → 四肢運動機能は保たれる

非コード領域の15-bp欠失がエンハンサー機能を破壊し、シルビウス裂周囲でのみADGRG1発現が低下。コード領域自体は正常のため、他の脳領域・全身への影響はない。

3. 主な症状と病態生理

軟膜基底膜の破綻と神経細胞の過剰遊走

💡 用語解説:軟膜基底膜(なんまくきていまく)とは

大脳の最表面を覆う軟膜(なんまく)の内側に存在する薄い膜構造です。正常な脳発達において、脳室から大脳表面に向かって遊走してきた神経細胞は、この軟膜基底膜を「終点のバリア」として認識し、その手前で整然と停止します。ADGRG1が欠損すると、このバリアが物理的に破綻し、神経細胞が本来の停止点を超えてくも膜下腔にまで飛び出してしまう(過剰遊走)現象が起きます。

ADGRG1の発現が欠如したシルビウス裂周囲の領域では、コラーゲンIII(COL3A1)との結合を介した細胞接着シグナルとRhoA依存性の遊走停止シグナルが入力されなくなります。その結果、軟膜基底膜に不連続性が生じ、神経細胞がこの間隙を突き破って過剰遊走し、異所性灰白質(Neuronal ectopias)を形成します。肉眼的には、これが過剰な微小脳回の密集——すなわち多小脳回として観察されます。病理組織学的な特徴は滑脳症(Lissencephaly)とは異なり、「玉石状大脳皮質形成異常(Cobblestone-like cortical malformation)」に類似した像を呈します。

最重要所見:四肢の運動機能が完全に保たれる

CDCBM14Bの臨床評価において最も重要な所見は、「四肢の運動機能障害(Motor disability)が一切存在しない」という事実です。多くの大脳皮質形成異常症では体幹の筋緊張低下・痙縮・四肢麻痺といった錐体路系の運動障害が高頻度で認められますが、CDCBM14Bの患者は正常な体幹バランスを維持し、自立歩行が可能です。

これは、調節領域変異によって病変がシルビウス裂周辺の顔面・口腔支配領域にのみ限局しているためです。下肢・体幹の運動を支配する一次運動野や、そこから下行する皮質脊髄路(錐体路)の構築は機能的に温存されます。この特徴は、広範な多小脳回症候群や脳性麻痺との臨床的鑑別において最強の指標となります。

偽性球麻痺と口腔運動機能障害

💡 用語解説:偽性球麻痺(ぎせいきゅうまひ)とは

嚥下・構音・咀嚼を司る延髄(脳幹の一部)への上位運動ニューロン(大脳皮質〜脳幹間の神経路:皮質延髄路)が両側性に障害されることで起きる症候群です。延髄の神経核が直接障害される「球麻痺」とは異なり、舌の萎縮や筋の線維束性収縮は伴わず、舌は小さく硬く緊張した痙性麻痺の状態を示します。CDCBM14Bでは両側シルビウス裂周囲の一次運動野(顔面・口腔支配領域)の形成異常がこれを引き起こします。

CDCBM14Bにおいて観察される偽性球麻痺の特徴的な症状群は以下の通りです。

🗣️ 音声・構音障害

軟口蓋の運動麻痺により鼻腔への呼気漏れが生じ、著しい開鼻声(Hypernasal voice)となります。重症例では唇・舌の麻痺が相まって、甲高く単調で不明瞭な「ドナルドダック様の音声」を呈し、無語症(Anarthria)に至ることもあります。

🍽️ 嚥下・咀嚼障害

乳児期からの哺乳困難・むせ・誤嚥性肺炎のリスクが存在します。咀嚼筋の協調運動不全や顎の筋痙攣(Trismus)により、固形物の摂取が困難になります。

💧 流涎・顔面筋症状

嚥下機能の低下と口腔閉鎖筋の不全により、持続的な過剰流涎(Sialorrhoea)が日常的に見られます。下顎反射の著明な亢進も上位運動ニューロン障害を反映します。

😂😢 情動失禁(PBA)

大脳皮質による脳幹の情動中枢への抑制が外れるために、実際の感情とは無関係に制御不能な笑いや涙の発作(Pseudobulbar affect)を起こします。患者の社会生活とQOLに甚大な影響を及ぼします。

球麻痺と偽性球麻痺は症状が重なるため、正確な鑑別が必要です。以下の表で主な違いをまとめます。

臨床的特徴 球麻痺(Bulbar Palsy) 偽性球麻痺(CDCBM14B)
病変部位 下位運動ニューロン(延髄脳神経核) 上位運動ニューロン(両側皮質延髄路)
舌の所見 萎縮・線維束性収縮(ぴくつき)あり 痙性(小さく硬い)・萎縮なし・突出不可
下顎反射 消失または正常 著明に亢進
音声 弛緩性構音障害・鼻声 痙性構音障害・ドナルドダック様音声
情動失禁(PBA) なし あり(制御不能な笑い・泣き)

認知・言語障害と難治性てんかん

CDCBM14Bの患者は一貫して全体的な発達遅滞と中等度〜重度の知的能力障害を示します。乳幼児期には運動麻痺がないため、首すわりや歩行といった粗大運動の発達マイルストーンには比較的正常に到達する一方で、言語・コミュニケーション能力の著しい遅れが次第に顕著となります。重度の症例では無語症(Anarthria)に至ることもあり、サイン言語や代替・拡大コミュニケーション(AAC)デバイスの早期導入が重要です。

💡 用語解説:難治性てんかん(薬物抵抗性てんかん)とは

適切に選択された2剤以上の抗てんかん薬を適切な量と期間で使用しても、発作が十分にコントロールできない状態を指します。CDCBM14Bでは多小脳回によって異常な皮質ネットワークが形成されており、本質的に強いてんかん原性を有しているため、大半の症例が薬物抵抗性の経過をたどります。

CDCBM14B患者の大半はてんかんを合併します。発作の好発年齢は小児期(4〜12歳が多いが乳幼児期からの発症例もあり)で、非定型欠神発作・脱力発作・焦点起始発作・全般性強直間代発作など表現型は多様です。ウェスト症候群やレノックス・ガストー症候群といった重篤なてんかん性脳症に移行するケースも報告されています。特筆すべき神経生理学的所見として、乳児期の睡眠時EEGにおける過剰な睡眠紡錘波に起因する高振幅律動性活動が観察されることがあり、就学前(プレスクール期)に消失することが知られています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「歩けるのに、しゃべれない」という誤解について】

「この子は足は動くのに、なぜこんなに言葉が出ないのか」——CDCBM14Bのお子さんを持つご家族が最初に感じる戸惑いは、まさにここにあります。通常、脳に重大な構造異常があれば四肢も動かなくなるという先入観があるからです。しかしこの疾患では、大脳皮質のシルビウス裂周囲という「言語・口腔運動の中枢」のみが選択的に障害され、運動野の主要部分は守られています。

この特徴を知らないと、「運動できているから知的にも問題ない」「言葉が出ないのは性格のせい」という誤った解釈につながり、適切な支援の開始が大幅に遅れることがあります。「歩けるがしゃべれない」という組み合わせを目にしたとき、ぜひCDCBM14Bを念頭に置いていただければと思います。

4. 神経放射線学的評価とMRI所見

CDCBM14Bの確定診断および病変の広がりを評価する上で、頭部MRI(Magnetic Resonance Imaging)は不可欠なモダリティです。CTスキャンでは皮質の微細な折り畳み異常を捉えることが困難なため、T1強調・T2強調・FLAIR画像による高解像度かつ多断面評価が強く推奨されます。

MRIにおける主要所見

最も決定的かつ特徴的な所見は、両側シルビウス裂(外側溝)の異常な拡大と、その周囲に局在する多小脳回です。画像上、影響を受けた皮質は一見して不規則に肥厚しているように見えますが(通常5〜7mm以上の見かけの肥厚)、これは皮質自体が厚いのではなく、微小な脳回が極度に密集して癒合しているためです。多小脳回の存在する領域では、皮質と直下の白質との境界(灰白質境界)が不明瞭となり、波打つような不規則な辺縁(scalloping)を呈します。

近接する白質には、FLAIR画像およびT2強調画像でパッチ状の高信号が認められることがあります。これは異所性ニューロンの存在・髄鞘形成の遅延・てんかん活動に伴う微細な神経膠症などを反映している可能性があります。

重症度グレーディング(Grade 1〜4)

シルビウス裂周囲多小脳回(CBPS)は、病変の進展度合いに応じてMRIで4段階に分類されます。CDCBM14BはGrade 3が最も典型的なパターンです。

Grade 1(最重症)

シルビウス裂周囲の多小脳回が前頭極または後頭極にまで及ぶ、最も広範かつ重症な形態。

Grade 2(中等度)

病変がシルビウス裂周囲を超えて広がるが、両極には達しない中等度の形態。

⭐ Grade 3(CDCBM14Bに最典型)

病変がシルビウス裂周囲のみに限局する形態。CDCBM14Bの15-bp欠失変異例に最も典型的なパターン。

Grade 4(最軽度)

後部シルビウス裂周囲のみに病変が限局する最も軽度な形態。

また、シルビウス裂周囲の多小脳回に加えて、側脳室の軽度〜中等度の拡大・脳幹(特に橋)の軽度扁平化・下部小脳虫部および小脳半球の低形成が併発することもあり、ADGRG1の機能欠損が前脳のパターニングだけでなく後脳の発生にも広範な影響を及ぼしていることが示唆されます。

5. 鑑別診断

CDCBM14A(BFPP)との決定的な違い

CDCBM14A(両側前頭頭頂多小脳回:Bilateral Frontoparietal Polymicrogyria, BFPP)は、CDCBM14Bと同一のADGRG1遺伝子の変異によって引き起こされる姉妹疾患です。しかし、変異の生じる場所(コード領域か非コード領域か)によって、臨床像は全く異なります。

比較項目 CDCBM14A(BFPP) CDCBM14B(本疾患)
遺伝子変異の種類 コード領域のミスセンス・ナンセンス変異 非コード調節領域の15-bp欠失
皮質病変の範囲 前頭葉〜頭頂葉にかけての広範な多小脳回 シルビウス裂周囲に極めて限局
四肢の運動機能 重度の障害あり(四肢麻痺・痙縮・小脳失調) なし(運動機能は温存)
眼症状 斜視・外斜視・眼振を高率に合併 通常なし
その他の特徴 重度知的障害・難治性てんかん 偽性球麻痺・中等度〜重度知的障害・難治性てんかん

CDCBM14AではADGRG1タンパク質の機能が全身的に失われるため(タンパク質の細胞内輸送障害など)、脳全体に広範な影響が及びます。一方、CDCBM14Bの15-bp欠失はエンハンサー機能のみを破壊し、完全長タンパク質は正常に産生されるため、シルビウス裂周囲以外の脳領域は保たれるのです。

その他の大脳皮質形成異常症(微小管関連疾患群)との鑑別

「他の脳奇形を伴う複合皮質異形成(CDCBM)」には、ADGRG1以外の遺伝子変異によるサブタイプが多数存在します。これらは微小管(Microtubule)や細胞骨格モータータンパク質の遺伝子群の変異に起因し、微小管関連疾患群(Tubulinopathies)と総称されます。CDCBM14Bと異なり、常染色体顕性(優性)遺伝をとるものが多く、全身性の重篤な神経発達障害を引き起こす傾向があります。

疾患サブタイプ 原因遺伝子 遺伝様式 主な臨床像
CDCBM1 TUBB3 常染色体顕性 大脳基底核の癒合・薄い脳梁・軸索ガイダンス障害
CDCBM2 KIF5C 常染色体顕性 キネシン異常・重度知的発達障害・全般的発達遅滞
CDCBM5 TUBB2A 常染色体顕性 チューブリンβ-2A鎖異常・ミトコンドリア機能障害を伴うことも
CDCBM13 DYNC1H1 常染色体顕性 ダイニン重鎖異常・全般的発達遅滞・運動機能低下
CDCBM15 TUBGCP2 常染色体潜性 厚脳回・小頭症・異形顔貌を伴う広範奇形

6. 診断アプローチと遺伝子検査の重要な落とし穴

MRIで両側シルビウス裂周囲多小脳回が確認され、臨床的に偽性球麻痺・難治性てんかん・知的障害がありながら「四肢の運動麻痺がない」という特徴的なプロファイルを示す場合、CDCBM14Bの可能性が極めて高く疑われます。確定診断には分子遺伝学的検査による原因変異の同定が必須です。

初期スクリーニングとして、てんかんや大脳皮質形成異常の原因遺伝子を網羅的に調べる包括的な次世代シーケンシング(NGS)パネルが利用されます。ADGRG1をはじめ、TUBA1A・WDR62・SNAP29など神経細胞遊走に関わる数百の遺伝子を含む以下のパネルが対応しています。

WESでは見逃す可能性がある——致命的なピットフォール

⚠️ 診断の重要な落とし穴:全エクソーム解析(WES)について

全エクソーム解析(Whole Exome Sequencing: WES)は、ゲノム上のタンパク質をコードするエクソン領域のみを選択的に解読する手法です。臨床遺伝学の標準的な検査ですが、一般的なWESのキャプチャキットはエクソン領域とその境界±20塩基対程度しかカバーしておらず、プロモーター・エンハンサーなどの遠位調節領域は解読対象外です。

CDCBM14Bの原因である15-bp欠失は、エクソン1mから144塩基対上流という非コード領域に存在するため、標準的なWESでは「陰性(変異なし)」と判定されてしまうリスクが非常に高いのです。

このような偽陰性を回避するには、患者の臨床像がCDCBM14Bに合致し、かつWESが陰性であった場合、ゲノムの非コード領域を含む全域を均一に解読する全ゲノム解析(Whole Genome Sequencing: WGS)を実施することが不可欠です。適切なモダリティによる診断の確立は、将来の妊娠における産前診断や家系内の遺伝カウンセリングを提供する上で極めて重要です。

7. 治療と長期管理

CDCBM14Bに対する根治的治療法は現時点では存在せず、生じてしまった脳の構造的異常を可逆的に修復することは不可能です。臨床的管理の主眼は、難治性てんかんのコントロール・二次的合併症の予防・残存する認知・身体機能の最大化を目指した集学的アプローチとなります。

抗てんかん薬(AEDs)による内科的治療

てんかん発作の抑制は患者の神経学的予後とQOLを決定づける最重要課題です。脳の構造的異常に起因するてんかんでは、初回発作後から長期的な抗てんかん薬(AEDs)の投与が推奨されます。薬物相互作用が少なく副作用が比較的軽微なレベチラセタム(Levetiracetam)が第一選択薬として考慮されることが多いですが、単剤治療で発作が完全消失する患者は約50〜60%にとどまります。大半の症例は薬剤抵抗性の経過をたどり、バルプロ酸・ラコサミド・トピラマート・ペランパネル・クロナゼパムなどの多剤併用療法を余儀なくされます。多剤併用では、既に低下している認知機能への悪影響と精神的副作用の発現に最大限注意しながら慎重な用量調整が必要です。

てんかん外科手術と神経修飾療法

内科的治療に抵抗性を示す難治性てんかん患者に対し、てんかん外科手術が有効な選択肢として検討されます。ただし、多小脳回患者のてんかん発生領域(EZ)は形態的異常の範囲と必ずしも一致せず、手術計画には頭蓋内EEGによる綿密なマッピングが不可欠です。CDCBM14Bのように両側性かつ言語中枢・運動中枢が巻き込まれた症例では、脳梁離断術(Partial callosotomy)迷走神経刺激療法(VNS)が難治性の転倒発作コントロールに有益であったとする報告があります。

リハビリテーションと対症療法

🗣️ 言語・口腔運動療法

言語聴覚士(ST)による乳幼児期からの早期介入が必須です。舌筋エクササイズ・口腔運動スキル訓練・安全な嚥下方法の指導に加え、コミュニケーションフラストレーションへの対応としてサイン言語やAACデバイスの早期導入が患者の意思疎通を強力に支援します。

🍽️ 栄養・嚥下管理

嚥下障害が重篤で誤嚥性肺炎を繰り返す場合や、十分なカロリー摂取が困難で重度の成長障害を来す場合には、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)による経管栄養の導入が強く推奨されます。

長期予後について、患者は四肢の運動麻痺を持たないため物理的な移動能力は確保されています。しかし認知・言語の制限により、生涯にわたる特別な支援・包括的な福祉サービス・適応教育が必要です。てんかんと知的障害を併発する集団の全死因死亡率(SMR)は一般集団の3〜4倍と著しく高く、SUDEPのリスク低減のための最適化された医学的管理が生命予後改善の鍵となります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【難治性てんかんと向き合う家族を支えるために】

CDCBM14Bのお子さんを持つご家族が最も消耗するのは、発作が繰り返されるなかで「次の薬も効かないのではないか」という見通しの見えなさだと感じています。薬物抵抗性の経過が多いことは事実ですが、だからこそ脳梁離断術やVNSなど外科的アプローチの選択肢を早期から念頭に置き、専門的なてんかんセンターと連携することが重要です。

また、誤嚥性肺炎は患者の生命を脅かす最も身近なリスクの一つです。「食べることにこだわりたい」というご家族の気持ちは十分理解できますが、胃瘻(PEG)の導入は「食べることをあきらめる」のではなく「安全に栄養を確保しながら、口腔ケアや食べる楽しみを並行して続ける」ための手段です。この視点の転換が、ご家族の判断を楽にすることがあります。

8. 遺伝カウンセリング

CDCBM14Bは常染色体潜性遺伝を示すため、患者の両親はそれぞれADGRG1の変異を1本ずつ持つ無症状の保因者(キャリア)です。両親がともに保因者の場合、各妊娠において子どもが発症する確率は理論上25%、保因者となる確率は50%、変異を受け継がない確率は25%です。

将来の妊娠における再発リスク評価と産前診断のために、まず両親の保因者検査(キャリア検査)を行い、変異を確認することが重要です。ミネルバクリニックでは、妊娠前のカップルを対象とした拡張キャリアスクリーニング(女性向け)および拡張キャリアスクリーニング(男性向け)を提供しており、CDCBM14Bのような常染色体潜性遺伝疾患の保因者かどうかを妊娠前に確認することができます。

🧬 遺伝カウンセリングで扱われる主な内容

  • 再発リスクの説明:両親の保因者確認と、次子の発症確率(25%)・保因者確率(50%)の詳細な解説
  • 出生前診断の選択肢:絨毛検査・羊水検査による遺伝子診断が可能。既知の変異が同定されている場合は確実な診断ができます
  • 家族への情報提供:同胞(兄弟姉妹)も保因者の可能性があるため、適切な形での家族内情報共有
  • 心理的サポート:疾患の希少性から情報が限られる中での精神的支援と専門医療機関との長期的な連携

キャリアスクリーニングの意義についてさらに詳しく知りたい方は、キャリアスクリーニングとはおよび米国人類遺伝学会(ACMG)・米国産婦人科学会(ACOG)の推奨内容もあわせてご覧ください。

9. 臨床遺伝専門医からのメッセージ

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「検査で何もわからなかった」の裏側にあるもの】

「全エクソーム解析を受けたが何も見つからなかった」とおっしゃって相談にいらっしゃる患者さんのご家族が、一定数いらっしゃいます。MRIで両側シルビウス裂周囲の多小脳回があり、運動機能は正常だが言語・知的障害とてんかんがある——このプロファイルでWESが陰性だった場合、私はまず「CDCBM14Bの15-bp非コード欠失を見逃している可能性」を念頭に置きます。

「検査で見つからなかった=遺伝子疾患ではない」ではありません。使った検査の種類によって、検出できる変異と検出できない変異が明確に異なるのです。WGSへの切り替え、あるいは非コード領域を含む拡張エクソーム解析の実施を、主治医と一緒にぜひ検討してみてください。正しい診断名を得ることは、医療的な管理の最適化だけでなく、次の妊娠への準備においても不可欠な一歩です。

よくある質問(FAQ)

Q1. CDCBM14Bは遺伝しますか?兄弟も発症しますか?

常染色体潜性(劣性)遺伝の疾患であり、通常は両親がそれぞれ無症状のキャリア(保因者)です。両親がともにキャリアの場合、各妊娠において子どもが発症する確率は25%、保因者となる確率は50%です。兄弟姉妹も同じリスクを持つため、家族全員の遺伝子検査が推奨されます。遺伝カウンセリングにてリスクの詳細を確認することをお勧めします。

Q2. 「歩けるのに言葉が出ない」のはなぜですか?

CDCBM14Bでは、ADGRG1遺伝子のシルビウス裂周囲に特異的なエンハンサーが破壊されるため、言語・口腔運動を司るシルビウス裂周囲の大脳皮質のみが選択的に異常となります。一方、歩行などを担う下肢・体幹の運動野や錐体路は正常に発達するため、四肢の粗大運動は保たれます。「運動はできるが言語・口腔機能が著しく障害される」という独特の臨床像はこのメカニズムによるものです。

Q3. CDCBM14AとCDCBM14Bの違いは何ですか?

どちらもADGRG1遺伝子が原因ですが、変異の場所が異なります。CDCBM14A(BFPP)はタンパク質をコードするエクソン領域の変異によりADGRG1機能が全身的に失われ、前頭〜頭頂葉にわたる広範な多小脳回・四肢麻痺・斜視・眼振などを示します。CDCBM14Bは非コード調節領域の15-bp欠失によりシルビウス裂周囲のみのエンハンサー機能が失われるため、病変が限局し、四肢の運動機能は保たれます。

Q4. 全エクソーム解析(WES)で「陰性」だったのに、CDCBM14Bの可能性はありますか?

あります。CDCBM14Bの原因変異(15-bp欠失)はADGRG1遺伝子のエクソンより144塩基対上流という非コード領域に存在します。標準的なWESはエクソン領域のみを解読するため、この変異は検出対象外となり「陰性」と判定される可能性が高いです。MRI所見と臨床像がCDCBM14Bに合致し、かつWESが陰性だった場合は、全ゲノム解析(WGS)の実施を主治医にご相談ください。

Q5. てんかんはコントロールできますか?

CDCBM14Bに合併するてんかんは薬物抵抗性となることが多く、単剤治療で完全にコントロールできる患者は約50〜60%です。大半の症例は複数の薬剤を組み合わせる多剤療法を要します。薬剤に抵抗性の場合は、脳梁離断術や迷走神経刺激療法(VNS)などの外科的・神経修飾的アプローチも選択肢となります。てんかん専門医との緊密な連携が重要です。

Q6. 出生前に診断できますか?

両親の保因者変異が事前に特定されている場合、絨毛検査や羊水検査による出生前遺伝子診断が可能です。すでにCDCBM14Bのお子さんがいて次子を望む場合は、ぜひ妊娠前または妊娠早期に臨床遺伝専門医へご相談ください。

Q7. 誤嚥性肺炎を防ぐにはどうすればよいですか?

偽性球麻痺による嚥下障害は慢性的な不顕性誤嚥を引き起こし、致命的な呼吸器感染症の温床となります。言語聴覚士による嚥下評価と安全な嚥下技術の訓練を早期から受けることが重要です。経口摂取が著しく困難で誤嚥を繰り返す場合は、経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)の導入を検討してください。PEGの導入は「食べることをあきらめる」のではなく、「安全に栄養を確保しながら口腔ケアを続ける」ための選択です。

🏥 希少遺伝性疾患の診断・遺伝カウンセリングについて

CDCBM14Bをはじめとする希少な大脳皮質形成異常症に関するご相談は、
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにお気軽にご相談ください。

参考文献

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姉妹疾患他の脳奇形を伴う複合皮質異形成14A型(CDCBM14A)同一遺伝子ADGRG1のコード領域変異で起きる広範型。四肢麻痺を伴う点がCDCBM14Bと決定的に異なります。原因遺伝子ADGRG1遺伝子についてCDCBM14BおよびCDCBM14Aの原因遺伝子ADGRG1の構造・機能・関連疾患を詳解します。遺伝子検査多小脳回 NGSパネル検査ADGRG1を含む多小脳回関連遺伝子を網羅的に解析する次世代シーケンシングパネルです。遺伝子検査大脳皮質奇形 NGSパネル検査広範な大脳皮質形成異常の遺伝的背景を網羅的に解析します。遺伝子検査てんかん包括的遺伝子検査難治性てんかんの遺伝的原因を幅広く解析する包括的パネルです。遺伝子ファミリー接着性Gタンパク質共役受容体 GサブファミリーADGRG1が属する遺伝子ファミリーの構造・機能・臨床的意義を解説します。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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