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接着性Gタンパク質共役受容体サブファミリーG(ADGRG)とは―細胞の「力」をシグナルに変える7つの受容体群

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

接着性Gタンパク質共役受容体サブファミリーG(ADGRG:Adhesion G protein-coupled receptors, subfamily G)は、GPR56(ADGRG1)やGPR126(ADGRG6)をはじめとする7つの受容体から構成される遺伝子ファミリーです。これらの受容体は、細胞外マトリックスとの「接着」を通じて数ピコニュートンという微弱な物理的な力を化学シグナルへと変換するという、古典的なGPCRにはない独自の仕組みを持ちます。大脳皮質の精巧な層形成・末梢神経のミエリン(髄鞘)形成・免疫細胞の動員から悪性腫瘍の浸潤制御まで、生命の根幹を担うこの受容体群は、2026年現在も承認薬が存在しない「未開拓の創薬フロンティア」として世界中の製薬企業が注目しています。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 ADGRG・接着性GPCR・メカノトランスダクション・創薬
臨床遺伝専門医監修

Q. ADGRGサブファミリーとはどのような遺伝子群ですか?まず結論だけ知りたいです

A. ADGRG1(GPR56)〜ADGRG7(GPR128)の7種類の受容体から構成される、接着性Gタンパク質共役受容体(aGPCR)のサブファミリーGです。細胞外マトリックスとの接着を通じて物理的な力をシグナルに変換する機械受容体であり、神経発達・免疫・がんに深く関与します。

  • 定義と分類 → GPCRスーパーファミリー内のaGPCR・旧Group VIII・7メンバー(ADGRG1〜7)
  • 構造の特徴 → 巨大なN末端細胞外領域(NTF)・GAINドメイン・GPS自己切断による2本鎖構造
  • 活性化機構 → メカノトランスダクション・Stachel係留アゴニストモデル(2025年確証)
  • 関連疾患 → 両側前頭頭頂多小脳回症・特発性側弯症・免疫疾患・膠芽腫など
  • 創薬の現状 → 2026年時点で承認薬ゼロ・4つのモダリティで開発加速中

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1. ADGRGサブファミリーとは:GPCRスーパーファミリーにおける位置づけ

私たちの体の細胞は、外の世界からの情報を常に受け取り、それに応じて動いています。その情報の「受け取り窓口」の代表格が、細胞の表面に存在するGタンパク質共役受容体(GPCR)です。ヒトのゲノムには750〜800種類以上ものGPCRが存在し、光・においの分子・ホルモン・薬物など、あらゆる外部シグナルを細胞内へと伝えます。現在使われている医薬品の約3割がGPCRを標的としており、医療において最も重要なタンパク質群の一つです。

💡 用語解説:Gタンパク質共役受容体(GPCR)とは

細胞膜を7回貫通するヘリカル(らせん)構造を持つ膜タンパク質の総称です。細胞外からのシグナル(化合物・光など)を受け取ると、細胞内側でGタンパク質(GTP結合タンパク質)を活性化し、cAMPやカルシウムイオンの増減といった「細胞内シグナルカスケード」を起動させます。視覚・嗅覚・免疫・ホルモン応答など、生命のほぼあらゆる場面で機能する最大の膜タンパク質スーパーファミリーです。

GPCRスーパーファミリーは、進化的・構造的な特徴に基づいて主に5つのファミリーに分類されます。そのうちの一つが「接着性Gタンパク質共役受容体(aGPCR:adhesion G protein-coupled receptor)」であり、ヒトには33種類のメンバーが存在します。aGPCRは、系統樹と配列の類似性に基づいてサブファミリーA〜G(およびL・V)に細分化されており、本記事が解説する「サブファミリーG(ADGRG)」は旧来のGroup VIIIに相当する7つの受容体から構成されます。

💡 用語解説:接着性GPCR(aGPCR)とは

GPCRスーパーファミリーの中で「細胞接着」に特化した構造を持つサブファミリーです。通常のGPCRと同じ7回膜貫通構造を持ちながら、数百〜数千アミノ酸に及ぶ巨大なN末端細胞外領域(NTF)を持つことが最大の特徴です。このNTFが細胞外マトリックス(ECM)や隣の細胞の表面と直接「接着」し、そこに加わる物理的な力(メカニカルストレス)を細胞内シグナルへと変換します。ヒトには33種類のaGPCRが存在し、進化的に極めて古い受容体群です。

ADGRG1・ADGRG3・ADGRG5の3遺伝子はヒトの第16番染色体(マウスでは第8番染色体)上にシンテニークラスター(複数の遺伝子が染色体上でまとまっている領域)を形成しており、祖先遺伝子からの遺伝子重複とエキソンシャッフリングによって進化したと考えられています。ADGRGサブファミリーの各メンバーは、長らく「オーファン受容体」として研究の谷間に置かれてきましたが、近年の構造生物学・一細胞解析・力学生物学の技術革新によって急速に解明が進んでいます。

💡 用語解説:オーファン受容体とは

受容体タンパク質は存在するが、それを活性化する「リガンド(結合する物質)」がまだ同定されていない受容体のことです。”Orphan(孤児)”の名の通り、対応するリガンドが不明な状態を指します。ADGRGサブファミリーの多くは長年オーファン受容体に分類されていましたが、近年の研究でStachel係留アゴニストという独自の活性化機構が解明され、「外部リガンドに依存しない自己活性化型受容体」という新たな理解が確立されつつあります。

2. ADGRGを構成する7つの受容体:メンバーの全体像

ADGRGサブファミリーを構成する7つの受容体は、それぞれ固有の組織分布と生理機能を持ちます。2010年代初頭の命名法統一以前は「GPR(G protein-coupled receptor)」という旧称で呼ばれており、現在も両方の名称が論文に混在しています。以下に7つのメンバーの概要をまとめます。

ADGRG1(旧称:GPR56)

主な発現:大脳皮質・オリゴデンドロサイト・造血幹細胞・メラノーマ

大脳皮質の層形成と髄鞘化を制御。機能喪失変異は両側前頭頭頂多小脳回症(BFPP)を引き起こす。最も研究が進んだメンバー。

ADGRG2(旧称:GPR64)

主な発現:精巣・副睾丸・網膜・一部の脳領域

男性生殖器系の体液恒常性・精子成熟環境を維持。血液脳関門(BBB)の修復応答や神経系腫瘍との関連も報告されている。

ADGRG3(旧称:GPR97)

主な発現:好中球・好酸球・好塩基球(顆粒球系免疫細胞)

自然免疫系の最前線センサー。好中球の極性化・走化性・抗菌活性を制御。2025年にステロイドアゴニスト仮説が明確に否定された。

ADGRG4(旧称:GPR112)

主な発現:腸管クロム親和性細胞・パネート細胞・腎臓

腸管内の機械的剪断力を感知する独特なPTX様ドメインを持つ。神経内分泌癌・卵巣癌の新規バイオマーカー候補。

ADGRG5(旧称:GPR114)

主な発現:好酸球(EoL-1細胞)・免疫系細胞

構成的にGαsに結合しcAMPを上昇させる。スプライシングバリアントによってメカノセンシング感度が精密に調節される興味深い受容体。

ADGRG6(旧称:GPR126)

主な発現:末梢神経系シュワン細胞・心臓・骨格系

末梢神経髄鞘形成のマスターレギュレーター。コラーゲンIV・ラミニン-211・プリオンタンパク質と結合。特発性側弯症との関連が確立している。

ADGRG7(旧称:GPR128)

主な発現:消化管・骨格組織・一部の造血系

古典的な7TM構造を逸脱した8回膜貫通バリアントが発見された、GPCRの構造的ドグマに挑戦する受容体。TFG遺伝子との融合によりリンパ腫への関与も報告。

命名法について:2010年のHGNCによる統一命名法導入以降、旧来の「GPR〇〇」という名称は正式には「ADGRG〇〇」に置き換えられています。ただし学術文献では現在も両方の表記が混在しているため、GPR56と書かれていればADGRG1、GPR126と書かれていればADGRG6と読み替えてください。

3. 際立つ分子構造:GAINドメインと自己切断のしくみ

ADGRGを含む接着性GPCRが、通常のGPCRと一線を画す最大の理由は、その独特な分子構造にあります。この構造を理解することが、後述の活性化メカニズムを理解するための鍵です。

N末端細胞外領域(NTF):細胞外世界への巨大なアンテナ

通常のGPCRが比較的短い細胞外領域を持つのに対し、ADGRGサブファミリーのN末端細胞外領域(NTF)は数百〜数千のアミノ酸残基に及ぶ巨大な構造を持ちます。このNTFには、標的タンパク質との特異的相互作用を媒介する様々な「接着モジュール」が組み込まれています。代表的なものとして、EGF様ドメイン・血小板スポンジン(TSP)リピート・ラミニンGドメイン・ロイシンリッチリピート(LRR)などが挙げられます。さらにADGRG4(GPR112)には先端にペントラキシン(PTX)様ドメインが存在し、カルシウム非依存的なホモ二量体を形成することがX線結晶構造解析で実証されています。

💡 用語解説:7回膜貫通ドメイン(7TM)とは

GPCRの核心部分で、細胞膜を7回行き来するらせん状のタンパク質構造(α-ヘリックス)のことです。このドメインの内部に「結合ポケット(オルソステリックポケット)」があり、リガンドがここに結合することで受容体が活性化されます。ADGRGでは、このポケットに自身のStachelペプチドが係留アゴニストとして結合することで活性化が起こります。

GAINドメイン:受容体の「自己切断センター」

ADGRGの構造的アイデンティティを決定づける最も重要な領域が、7回膜貫通ドメインの直上に位置する「GAIN(GPCR Autoproteolysis-Inducing)ドメイン」です。哺乳類の33種類のaGPCRのうち実に32種類がこのドメインを保有しており、接着性GPCRの「証明書」ともいえる進化的に高度に保存された構造です。

💡 用語解説:GAINドメインとは

「GPCR自己タンパク質分解誘導ドメイン(GPCR Autoproteolysis-Inducing domain)」の略称です。接着性GPCRに特有の構造で、内部にGPSモチーフ(GPCRプロテオリシスサイト)という特定の切断部位を含みます。受容体が細胞膜へと輸送される生合成の過程で、このGPSモチーフにおいて自発的にペプチド結合が切断される(自己タンパク質分解が起こる)という、GPCRとしては極めて異例の性質を持ちます。

GPS自己切断:「切れているが結合している」不思議な状態

ADGRGのほとんどのメンバー(ADGRG1・ADGRG5・ADGRG6など)は、細胞の小胞体から細胞膜へと輸送される際に、GAINドメイン内のGPSモチーフでペプチド結合が自発的に切断されます。

💡 用語解説:自己タンパク質分解(オートプロテオリシス)とは

自身の酵素活性によって自分自身のペプチド結合を切断する反応のことです。ADGRGの自己タンパク質分解は、外部の酵素(プロテアーゼ)を必要とせず、受容体自身がGAINドメインの立体構造を使って自らを切断します。この切断によって受容体はN末端フラグメント(NTF)とC末端フラグメント(CTF)の2本鎖になりますが、非共有結合(弱い結合力)によってヘテロ二量体として細胞膜上に保たれ続けます。

この「切断されているが結合している」という状態こそが、ADGRGのシグナル制御において決定的な意味を持ちます。NTFはCTFの上に「蓋(キャップ)」のように被さり、受容体が不用意にシグナルを発しないように自己阻害的に機能しているのです。細胞外からの力学的刺激がNTFを引き剥がして初めて、この蓋が外れてシグナルが始まります。

4. 活性化メカニズム:Stachelモデルとメカノトランスダクション

ADGRGサブファミリーの活性化メカニズムは、古典的なGPCRが低分子化合物の結合によって活性化される仕組みとは根本的に異なります。近年の研究が強く支持するのは、「物理的な力」が引き金になるという「メカノレセプター仮説」です。

💡 用語解説:メカノトランスダクションとは

「メカノ(力学的)」+「トランスダクション(信号変換)」の合成語で、物理的な力(引っ張り・圧力・流体せん断力など)を化学的シグナルに変換するプロセスのことです。骨・軟骨・心臓・血管・神経系など、力学的刺激を受ける組織の恒常性維持に不可欠です。ADGRGサブファミリーは、細胞外マトリックスとの接着を足がかりにして、細胞が受ける機械的な力をGタンパク質シグナルに変換する「メカノケミカルトランスデューサー」として機能します。

ステップ①:機械的張力によるGAINドメインのアンフォールディング

まず、細胞外マトリックスや隣接細胞のリガンドがADGRGのNTFに結合します。その状態で、細胞の移動や血流などにより力学的な引っ張り力(牽引力・シェアストレス)が受容体に作用します。単一分子力学実験による詳細な解析では、わずか1 pN/s(ピコニュートン毎秒)という生体内で実際に生じる程度の負荷速度の張力が加わっただけで、ADGRG1(GPR56)などのGAINドメインが機械的に不安定化することが示されています。この力がGAINドメインの部分的な展開(アンフォールディング)を引き起こし、NTFとCTFを繋ぎ止めていた非共有結合が破壊されてNTFが細胞外へ解離・脱落します。

ステップ②:Stachelペプチドの露出と構造転移

NTFが解離すると、CTFの最もN末端側にあった隠れた配列が細胞外環境に露出します。この領域が「Stachel(シュターヘル)ペプチド」(ドイツ語で「棘・針」を意味する)、あるいは「係留アゴニスト(Tethered Agonist: TA)」と呼ばれます。

💡 用語解説:Stachel係留アゴニストとは

受容体自身の配列の一部が、NTFの解離後に「自分自身を活性化するリガンド」として機能する仕組みです。「係留(Tethered)」とは、このアゴニスト(受容体を活性化する物質)が受容体から切り離されず、受容体に繋がれたままシグナルを起こすことを指します。不活性状態ではGAINドメイン内にβストランドとして埋没し「封印」されていますが、NTF解離後にαヘリックスへと劇的に構造転移し、7TM結合ポケットに挿入されてGタンパク質シグナルを起動します。

不活性状態でGAINドメインの深部に埋め込まれていたStachel配列は、NTFが除去されると急速にコンフォメーション(立体構造)を変化させ、βストランドから1.5ターンのフック状αヘリックス構造へと劇的な二次構造転移を遂げます。このαヘリックスが7TM結合ポケットに挿入され、特にP3位のフェニルアラニン・P6位のロイシン・P7位のメチオニンがポケットの深部で特異的なアンカーとして機能し、受容体を活性型コンフォメーションに固定します。その結果、細胞内ループの配向が変化し、ヘテロ三量体Gタンパク質(Gs・Gi・G12/13など)が動員されてシグナルカスケードが起動します。

ADGRGの活性化メカニズム:Stachelモデル(模式図)

🔒 不活性状態
N末端フラグメント(NTF)
ECMと接触・自己阻害キャップ
GAINドメイン
Stachelはβ鎖として深部に埋没・封印
7TM(不活性)
Gタンパク質(未結合)
機械的張力
(数ピコN)
NTF解離
Stachel露出
🔓 活性状態
NTF解離・細胞外へ脱落
Stachelペプチド(αヘリックス)
7TMポケットに挿入・シグナル起動
7TM(活性化)
Gタンパク質(活性化)✅

力学的張力によりNTFが解離するとStachelペプチドが露出し、βストランドからαヘリックスへ構造転移して7TMポケットに挿入される。P3・P6・P7位の疎水性残基が特異的アンカーとして機能し、受容体を活性型コンフォメーションに固定してGタンパク質シグナルを起動する。

非切断依存的モデルについて:aGPCRの活性化は必ずしもGPS自己切断を伴わない場合もあります。力学的な力が加わるとGAINドメイン全体が複雑に展開し、NTFとCTFが解離せずともStachel配列の異性化がアロステリックに誘発されてシグナルが伝達される「非切断依存的モデル」も報告されており、環境に応じた活性化経路の多様性が議論されています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【細胞が「力」を感じるとはどういうことか】

ADGRGの研究を紹介するたびに、「なぜGPCRが力を感じるのか」という質問を受けます。これは直感的に理解しにくいかもしれませんが、体の中では至るところで細胞が物理的な力にさらされています。血管の内皮細胞は血流のせん断力を受け、骨の細胞は体重による圧縮力を受け、神経細胞は伸展や牽引力を受けながら移動します。ADGRGは、こうした物理的な力を「感知するスイッチ」として進化してきた受容体群です。

Stachelペプチドの発見は、「外から来るリガンドに頼らず、力学的な変形という物理現象そのものがシグナルの引き金になる」という新しいパラダイムを切り開きました。この概念は創薬においても革新的で、従来の「化合物を結合ポケットに入れる」という発想に加えて、「力の伝達経路を制御する」という全く新しい治療アプローチの可能性を示しています。

5. 各受容体の生理機能と関連疾患

ADGRGの各メンバーは、生体内において組織特異的な発現プロファイルを示し、それぞれ固有の生理機能と疾患との関わりを持ちます。以下では特に重要な受容体を詳しく解説します。

ADGRG1(GPR56):大脳皮質形成と腫瘍の二面性

ADGRG1はaGPCRの中で最も詳細に研究されており、発生生物学と腫瘍学の両領域で重要な疾患標的です。発生段階の脳において神経幹細胞や放射状グリアの表面に高度に発現しており、神経細胞が大脳皮質の適切な層に到達するための「停止信号」として機能します。具体的には、ADGRG1のNTFが軟膜の基底膜に存在するコラーゲンIIIと相互作用し、神経細胞の過剰な遊走を防いで精緻な皮質層形成(ラミネーション)を担保します。

この受容体をコードするADGRG1遺伝子の機能喪失型変異は、ヒトにおいて重篤な皮質形成異常である「両側前頭頭頂多小脳回症(Bilateral frontoparietal polymicrogyria: BFPP)」を引き起こします。また、病態生理学的には膠芽腫(GBM)をはじめとする悪性腫瘍においてADGRG1の発現が著しく亢進しており、腫瘍の浸潤性や生存を促進することが証明されています。

ADGRG6(GPR126):末梢神経髄鞘形成のマスターレギュレーター

末梢神経系における軸索の髄鞘化(ミエリン形成)は、神経伝達の速度と効率を劇的に向上させるために必須のプロセスです。ADGRG6(GPR126)はこの高度な細胞分化プログラムにおいてシュワン細胞の発達を司るマスターレギュレーターとして機能します。

💡 用語解説:髄鞘(ミエリン)形成とは

神経細胞の軸索(信号を伝える長い突起)を、シュワン細胞(末梢神経系)またはオリゴデンドロサイト(中枢神経系)が何重にも巻きつくことで形成される絶縁性の膜構造(ミエリン鞘)のことです。電線の被膜に相当し、電気信号が絶縁された部分を飛び越えて伝わる(跳躍伝導)ため、伝達速度が飛躍的に向上します。多発性硬化症など多くの神経疾患が髄鞘の異常と関係しています。

ADGRG6はシュワン細胞膜上で、軸索上のプリオンタンパク質(PrPC)や基底膜のラミニン-211・コラーゲンIVといった複数のリガンドを認識します。これらの多価的な相互作用がNTFに力学的な牽引力を与えて自己阻害キャップを外し、StachelペプチドがGαsタンパク質に結合してcAMP(環状AMP)濃度を急上昇させます。このcAMPシグナルがシュワン細胞のミエリン形成プログラムを駆動する転写因子の発現を促します。ゲノムワイド関連解析(GWAS)では、ADGRG6の一塩基多型(SNP)が特発性側弯症(思春期特発性脊柱側弯症)の発症リスクと有意に関連することも確立されています。

ADGRG3(GPR97):免疫メカノトランスダクションとステロイド論争の決着

ADGRG3(GPR97)は、成熟した好中球・好酸球・好塩基球などの顆粒球系免疫細胞において特異的に高発現しており、感染・炎症に対する自然免疫系の「最前線センサー」として機能します。受容体が架橋(ライゲーション)されると好中球の食作用が亢進し、活性酸素種(ROS)の産生や抗菌タンパク質の放出が引き起こされます。逆に、実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルでADGRG3を欠損させると疾患が重症化することも報告されており、炎症制御における重要性が示されています。

ADGRGの薬理学的研究において特筆すべき出来事として、2025年にステロイドアゴニスト仮説が明確に否定されたことが挙げられます。従来、ベクロメタゾンなどのグルコルチコイドがADGRG3の直接的なリガンドとして免疫修飾効果を発揮するという仮説が提唱されていましたが、最新の構造生物学的解析によって、ステロイドはADGRG3の巨大な疎水性ポケットに非特異的に結合するだけで(しかも方向が安定しない「位置的変動」が大きく)、シグナルを活性化しないことが実証されました。生体内でADGRG3を真に活性化するトリガーは、自身の係留アゴニスト(Stachelペプチド)であることが確証されました。これはGPCR創薬における偽陽性リスクを示す重要なケーススタディです。

ADGRG7(GPR128):構造的ドグマへの挑戦

ADGRG7(GPR128)は、消化管機能・体重調節・骨格形成への関与が示唆される受容体ですが、最大の学術的インパクトは「GPCRは7回膜貫通」という構造的ドグマに疑問を投げかけた点にあります。大規模なRNA-Seqデータの網羅的解析により、ヒトのADGRG7において古典的な7TM構造を逸脱した「8回膜貫通ヘリックス(8-TM)バリアント」が世界で初めて発見されました。偶数回の膜貫通を持つため、受容体のN末端とC末端の両方が細胞内に配向するという特異なトポロジーが形成され、「巨大なNTFをECMへのアンカーとして力を受け取る」という接着性GPCRの基本概念が根底から覆る可能性があります。また、T細胞リンパ芽球性リンパ腫などの患者でTFG遺伝子とのインフレーム融合遺伝子(TFG-ADGRG7)が検出されており、腫瘍形成への関与も示唆されています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【ADGRGと私の遺伝診療】

ADGRG1(GPR56)変異による両側前頭頭頂多小脳回症(BFPP)は、出生前超音波でも脳の形態異常が検出されうる疾患ですが、小脳回が細かすぎてNIPTでは検出できず、羊水検査や絨毛検査での遺伝子診断が必要です。「なぜ脳の形成異常が起きたのか」を分子レベルで理解したいというご家族からご相談を受けることがあります。

ADGRGサブファミリーの疾患は希少ですが、「力を感じる受容体が神経の行き先を決める」というメカニズムを知ると、脳の精密な設計図に改めて感動します。次子を希望されるご家族には、原因遺伝子が同定されていれば出生前遺伝子診断の選択肢をご案内しています。遺伝子検査と遺伝カウンセリングを一体で提供できる体制が、このような希少疾患家族にとって重要です。

6. 創薬研究の最前線:未開拓フロンティアへの4つのアプローチ

ADGRGサブファミリーは中枢・末梢神経系の構築から免疫監視・腫瘍微小環境制御に至るまで幅広いプロセスを支配しています。しかし2026年現在、aGPCRファミリー全体を通じて直接の標的として規制当局に承認された医薬品は一つも存在しません。その巨大な細胞外ドメインと独自の活性化メカニズムは、未開拓の創薬フロンティアとして製薬業界の強い関心を集めています。

① 低分子アゴニスト・アンタゴニスト

現在最も有望視されているのが、ADGRGサブファミリー共通の部分アゴニストとして発見された3-α-DOG(アセトキシジヒドロデオキシゲドゥニン)です。NTFの物理的解離なしに直接7TMに作用して受容体を活性化できます。アンタゴニストとしてはジヒドロムンドゥレトン(DHM)が同定されており、ADGRG5やADGRG1の過剰シグナルを選択的に抑制します。

② Stachel模倣ペプチド(ペプチド模倣薬)

内因性のStachel配列(TφFφφLM:φは任意の疎水性アミノ酸)を基に設計された合成ペプチド(P19など)は、直接受容体ポケットに挿入され強力なアゴニストとして機能します。好中球のADGRG3を標的としたペプチド模倣薬は強力な走化性・極性化を引き起こし、感染症・免疫不全への次世代免疫賦活剤として期待されます。

③ モノクローナル抗体・抗体薬物複合体(ADC)

aGPCRの巨大なNTFは、抗体医薬にとって広大かつ特異性の高い標的表面を提供します。ADGRG1のNTFに結合する抗体はNTFのコンフォメーションを変化させて自己阻害の蓋を解除し、強制的にGタンパク質シグナルを発火させることができます。膠芽腫・黒色腫ではADGRG1に細胞傷害性化合物を結合させたADCで選択的な癌細胞死誘導が模索されています。

④ タンパク質間相互作用(PPI)モジュレーター

細胞外マトリックス(コラーゲン・ラミニン)とADGRGのNTF上の接着ドメインとの結合インターフェースを標的とします。「機械的張力の伝達プロセスそのもの」を薬理学的に増強または阻害し、メカノトランスダクションの閾値を制御するという革新的アプローチです。

命名の混乱に注意:現在「ADG126」という薬剤が進行性固形がんを対象とした第Ib/II相試験(NCT05405595)で評価されていますが、これはヒトCTLA-4に特異的に結合するモノクローナル抗体であり、受容体「ADGRG6(GPR126)」とは一切無関係です。このような命名の重複による誤解を排除することが、学界と産業界の共通課題となっています。

7. 遺伝子検査との関わり

ADGRGサブファミリーに属する遺伝子の変異が疑われる場合、原因遺伝子の同定には次世代シーケンス(NGS)を用いた遺伝子パネル検査や全エクソーム解析が有効です。ミネルバクリニックでは、ADGRGサブファミリーの関連疾患をカバーする複数の専門パネル検査を提供しています。

🧠 大脳皮質奇形・多脳回症

ADGRG1(GPR56)変異による多小脳回症・皮質層形成異常が疑われる場合に対応するパネルです。

大脳皮質奇形NGSパネル →

🧬 多脳回症(ポリミクロジリア)

大脳皮質に過多な小さな脳回が形成される両側前頭頭頂多小脳回症(BFPP)に対応するパネルです。

多脳回症NGSパネル →

💊 髄鞘形成不全・白質ジストロフィー

ADGRG6(GPR126)変異による末梢・中枢神経の髄鞘形成不全が疑われる場合に有効です。

髄鞘形成不全白質ジストロフィーNGSパネル →

⚡ てんかん包括的検査

脳皮質形成異常に続発するてんかんへの遺伝的背景検索に対応した包括的な遺伝子検査パネルです。

てんかん包括的検査 →

また、次子の妊娠を検討されているカップルに対して、ADGRGサブファミリー関連疾患を含む保因者(キャリア)スクリーニングも選択肢の一つです。保因者検査で変異が見つかった場合には、出生前診断(羊水検査・絨毛検査)や遺伝カウンセリングについて専門医にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ADGRGという名称とGPRという旧称はどのような関係ですか?

2010年にHGNC(ヒト遺伝子命名委員会)が接着性GPCRの命名法を統一し、「ADGR+サブファミリー記号+番号」という形式に改められました。ADGRGサブファミリーの場合、ADGRG1(旧GPR56)・ADGRG2(旧GPR64)・ADGRG3(旧GPR97)・ADGRG4(旧GPR112)・ADGRG5(旧GPR114)・ADGRG6(旧GPR126)・ADGRG7(旧GPR128)という対応関係になります。古い文献ではGPR表記が使われているため、両方の名称を知っておくと文献検索に便利です。

Q2. 接着性GPCR(aGPCR)と通常のGPCRは何が違うのですか?

最大の違いは「活性化の仕組み」と「分子構造」にあります。通常のGPCRは外部の低分子化合物やペプチドなどのリガンドが結合ポケットに入ることで活性化されますが、接着性GPCRは(1)数百〜数千アミノ酸の巨大なN末端細胞外領域(NTF)を持ち、(2)GAINドメインによる自己タンパク質分解を経た後、(3)物理的な力(メカノトランスダクション)によってNTFが解離した時に、自身のStachelペプチドが係留アゴニストとして7TM結合ポケットに作用する、という独自の活性化機構を持ちます。いわば「外からリガンドが来るのを待つ」のではなく「力が加わったとき自ら活性化する」受容体です。

Q3. ADGRGサブファミリーの異常に関連する遺伝性疾患にはどのようなものがありますか?

主な疾患として以下が知られています。

【ADGRG1変異】両側前頭頭頂多小脳回症(BFPP:常染色体劣性遺伝)、中枢神経系の髄鞘化不全。
【ADGRG6変異または関連多型】末梢神経の髄鞘形成不全、特発性脊柱側弯症(思春期特発性側弯症、GWAS関連)。
【ADGRG3関連】過活性な好中球による自己免疫性疾患(実験的自己免疫性脳脊髄炎モデルで悪化が確認)。
【ADGRG7関連】TFG-ADGRG7融合遺伝子を持つリンパ腫・骨髄増殖性腫瘍。
ADGRGの疾患ページは個別の疾患記事として詳細を解説しています。

Q4. Stachelペプチド(係留アゴニスト)とは何ですか?どのように受容体を活性化しますか?

Stachelペプチドは、ADGRG受容体のCTF(C末端フラグメント)の最もN末端側に位置する短い配列(共通コンセンサス:TφFφφLM)です。通常は不活性状態ではGAINドメイン内にβストランドとして埋め込まれ「封印」されています。細胞外マトリックスとの接触で生じた機械的張力がNTFを引き剥がすと、この配列が細胞外に露出し、βストランドからαヘリックスへと劇的に構造転換します。このαヘリックスが7TM結合ポケットに挿入され、P3・P6・P7位の疎水性残基がアンカーとして機能してGタンパク質シグナルを起動します。「係留(Tethered)」とは、このアゴニストが受容体から切り離されず繋がれたままシグナルを起こすことを意味します。

Q5. ADGRGを標的とした治療薬はすでに存在しますか?

2026年現在、ADGRGサブファミリーを直接標的とした規制当局承認の医薬品は存在しません。ただし、研究段階では(1)ADGRGサブファミリー共通の部分アゴニスト3-α-DOG、(2)Stachel模倣ペプチド(P19など)、(3)ADGRG1のNTFを標的とするモノクローナル抗体・抗体薬物複合体(ADC)、(4)細胞外マトリックスとNTFの相互作用を標的とするPPIモジュレーター——の4モダリティで開発が進んでいます。最先端のクライオ電子顕微鏡解析により受容体構造の全体像が解明されるにつれ、今後数年で大きな進展が期待されます。

Q6. ADGRGサブファミリー関連の遺伝子検査はミネルバクリニックで受けられますか?

はい、ミネルバクリニックでは多脳回症NGSパネル・大脳皮質奇形NGSパネル・神経細胞移動障害NGSパネル・髄鞘形成不全白質ジストロフィーNGSパネルなど、ADGRG1やADGRG6を含む遺伝子パネル検査を提供しています。また、次子の妊娠を検討されているカップル向けの拡張保因者スクリーニング、および遺伝カウンセリングも実施しています。まずはお気軽にWEB予約またはお問い合わせフォームよりご相談ください。

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参考文献

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  • [2] Vizurraga A, et al. Adhesion G protein-coupled receptors: structure, signaling, physiology, and pathophysiology. Physiol Rev. 2022. [PMC9255715]
  • [3] Adhesion G-Protein Coupled Receptors in Neurological and Psychiatric Disorders. J Psychiatry Brain Sci. 2024. [PMC12922695]
  • [4] Unveiling Mechanical Activation: GAIN Domain Unfolding and Dissociation in Adhesion GPCRs. Structure. 2023. [PMC10607210]
  • [5] Stachel-mediated activation of adhesion G protein-coupled receptors: insights from cryo-EM studies. Nat Struct Mol Biol. 2022. [PMC9271043]
  • [6] Adhesion G Protein-Coupled Receptors as Drug Targets. Annu Rev Pharmacol Toxicol. 2020. [PMC7167285]
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  • [8] The dimerized pentraxin-like domain of the adhesion G protein-coupled receptor 112 (ADGRG4). J Biol Chem. 2023. [PubMed 37863265]
  • [9] GPR114/ADGRG5 is activated by its tethered peptide agonist. Sci Signal. 2023. [PMC10622838]
  • [10] Mechanical force induced activation of adhesion G protein-coupled receptor. Nat Commun. 2024. [PMC12082320]
  • [11] GPR97/ADGRG3 is activated by its tethered peptide agonist and not by steroids to induce neutrophil polarization and migration. bioRxiv. 2025. [bioRxiv 2025]
  • [12] The Adhesion G Protein-Coupled Receptor GPR97/ADGRG3 Is Expressed in Human Granulocytes and Triggers Antimicrobial Effector Functions. Front Immunol. 2018. [PMC6287011]
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  • [14] HGNC Gene Group: Adhesion G protein-coupled receptors, subfamily G (ADGRG). [genenames.org]
  • [15] IUPHAR/BPS Guide to PHARMACOLOGY. Adhesion Class GPCRs – ADGRG5, ADGRG6, ADGRG7. [guidetopharmacology.org]

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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