ホルモン
生体内で産生され、血液や樹液・体液などの組織液中を移動して、特定の細胞や組織を刺激して作用させる調節物質をホルモンと言います。
ホルモンとは?
ホルモンは、化学的な伝達物質で、直接血液中に分泌され、血液はホルモンを体内の器官や組織に運び、その機能を発揮します。ホルモンには多くの種類があり、以下のような体の機能やプロセスのさまざまな側面に作用します。
- 発育と成長
- 食物の代謝
- 性機能と生殖に関する成長と健康
- 認知機能と気分
- 体温や喉の渇きの維持
ホルモンはどこから分泌されるの?
ホルモンは体の中の内分泌腺から分泌されます。内分泌腺には管がないため、ホルモンは管を経由せずに直接血液中に分泌されます。体内の主な内分泌腺には次のようなものがあります。
- 下垂体
- 松果体 しょうかたい
- 胸腺
- 甲状腺
- 副腎(ふくじん)
- 膵臓
- 精巣
- 卵巣
ホルモン分泌量の異常と病気
これらの臓器から分泌されるホルモンはごく微量であり、ほんのわずかな量で体に大きな変化をもたらすことができます。ほんのわずかな量で身体が大きく変化するということは、ごくわずかなホルモンの過剰分泌で病気になってしまうということですし、わずかなホルモンの欠乏でも病気になるということです。
ホルモン異常は、臨床的な外観や特徴からだけでなく、血液検査でも診断されます。臨床検査では、血液、尿、唾液などの体液からホルモン異常がないかを調べます。
ホルモンが不足している場合には、科学的に合成したホルモンを投与するホルモン補充療法を行い、ホルモンが過剰に分泌されている場合には、ホルモンの作用を抑制する薬を使用します。
例えば、甲状腺の働きが弱い人や甲状腺機能低下症の人には、合成サイロキシンを経口投与し、甲状腺の働きが過剰な人には、過剰な甲状腺ホルモンの作用を抑えるためにメチマゾールなどの薬を投与することがあります。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号