エアロゾル(飛沫核)、空気感染、飛沫、飛沫感染
エアロゾル感染と空気感染は同じものであるとWHOでは定義づけていますが、なぜかこれがあたかも別のものであるかのように語られています。このページでは飛沫、飛沫感染も含めた定義をお伝えすることですっきりとした理解をできるようにしたいと思います。
新型コロナウイルス感染症COVID-19の中で、「エアロゾル」、「空気感染」、「飛沫」、「飛沫感染」という言葉が飛び交っていて十分な説明がなされていないため、混乱を招いています。
2021年8月27日、サイエンスに掲載された論文では、新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザウイルス、ライノウイルスなども空気感染するという事が示されて、当日は日本でもツイッターのトレンドに空気感染があがったほどです。
それでは、用語の定義に言及していきましょう。
エアロゾルとは?
エアロゾルとは、非常に小さく軽量な固体または液体の粒子で、空気中に浮遊して浮くことができるものを総称しています。煙やほこりがその例です。ウイルスの中にはエアロゾルになるものがあり、空気感染する可能性があります。
世界保健機関(WHO)では、エアロゾルによる感染を「空気感染」と以下のように定義しています。
Airborne transmission is defined as the spread of an infectious agent caused by the dissemination of droplet nuclei (aerosols) that remain infectious when suspended in air over long distances and time.
空気感染とは、空気中に浮遊することで感染力を維持する飛沫核(エアロゾル)が、長距離・長時間にわたって拡散することで起こる感染症と定義されている。
空気感染とは?
WHOによると、空気感染とは、ウイルスを含む飛沫が空気中に浮遊する程度に小さい場合、その感染粒子が他の人に吸い込まれることで起こる感染様式である。
飛沫とは?
飛沫とは、空気よりも重い大きな粘液や唾液の粒子で、吐き出されると同時に地面に向かって落ちていく。飛沫感染は通常、ウイルスを含む飛沫が他の人の目、鼻、口に接触することで起こる。例えば、大声で話している人の飛沫が自分の顔に触れ、鼻や口腔・目の粘膜という感染部位に直接触れて感染する。
さらにその飛沫をこすった手を顔にもっていってそこから感染(接触感染)する原因となる。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号