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みなさま、こんにちわ。
以前、NIPTで13トリソミーの判定が出て、羊水検査で陰性(偽陽性)だった方のお話をしましたね。
無事に出産されたそうで、嬉しいメールをいただきました。
13トリソミー偽陽性だった患者様からのご報告
仲田 洋美先生
仲田先生、お久しぶりです。5月に検査を受け13トリソミー偽陽性だった**です。
胎盤の位置が低いままであること以外は妊娠経過は順調で、*月*日に帝王切開で男児を産みました!
羊水検査の結果が異常なしと出ても、もしかしたら…と不安になる日もあったため、抱いたときには本当に嬉しくてホッとして、夫とともに大号泣しました。
新しい人生のスタートを祝い、太く朗らかに育って欲しいと願いを込めて***と名付けました。***はおっぱいを沢山飲んですくすくと育ち、1ヶ月健診も無事に終わりました。
毎日ドタバタですが、子供のいる生活は我々を豊かにしてくれています。
NIPTの結果を聞いたときは頭が真っ白になりましたが、先生が「辛いときはいつでも電話してくれていいから」と言ってくださったことが御守りでした。お腹のなかで一緒に頑張ってくれたこの宝物をこれから大切に大切に育てていきます。
本当にありがとうございました。
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いやー、嬉しいですね。本当に。
とっても嬉しいです。
以前、慶応の教授(医学以外)で中医協の委員だった先生とお食事したとき、こう言われました。
「医者は仕事の結果が目の前で見えるからいいよね、やりがいが目で見える」って。
当院には毎日続々と生まれた赤ちゃんたちの写真が届いています。
よく考えてみたら、検査という妊娠出産の時系列においては「点」でしかない私が、こうして皆様とそののちも交流していける。
そういう患者さんとの間のあたたかい人間関係を、これからも大切にしていきたいと思います。
医師の患者様でも起こる「偽陽性」と心のケア
ちなみに、実はこの13トリソミー偽陽性だった方は医師でした。
当院にはNIPTを受けに来られる医師が一番多いのですが、医師の方で陽性になったのはこの時が初めてでした。
不思議と医師の陽性例はそれまでなかったんです。
でも、このあと、やっぱり13トリソミー(T13)で医師の陽性が出て。
実は、そちらの方も偽陽性だったんですよね。
大変安堵しました。
辛い過去を乗り越えての受検
特にこの2例目の医師の方は、実は最初のお子さんを周産期に亡くされていました。
しかも大変めずらしい腫瘍が原因で、生後すぐに亡くされたそうです。
私がブログに、自身の最初の妊娠が一卵性双生児だったことや、その片方を36週6日で子宮内胎児死亡で失ったことなどを書いているのを読んで、「先生のところで受けたい」と言って来てくれました。
なのにT13陽性になってしまい…お互い大ショックでしたが、T13は偽陽性が一番多いので、「この間も女医さんで偽陽性出たんだよー」という話をして、少し落ち着いたかなと思って帰しました。
いつでも連絡できる安心感を
でも、やっぱり落ち着かなかったみたいで。
私は「危なげだな」と思ったら患者さんにはプライベート携帯番号を伝えるので、2~3日後の夜遅くに電話がかかってきました。
旦那さんからも電話がありましたね。
私にしたら、夜は特に不安が強くなるものなので、そんなときに私と話をして気持ちがおさまってくれるほうがいい。
だから、全然大変ではないんですよ。
そもそも夫婦そろって私に電話をくれるって、医師として信頼されている証拠であり、嬉しいことです。
彼女が落ち着くまで、何回かこちらからも電話しました。
その後、無事に羊水検査を終えて。
2週間後に「偽陽性だった」と明るい声で電話をもらったときは本当に嬉しかった。
「先生のところに行って本当によかった」と言ってくれました。
やっぱりこうして医師に選んでもらえるというのは嬉しいですね。
患者様の人生に伴走するのが医師の仕事
でも、別に相手が医師だからといって特別な対応をしているというわけではありません。
特に陽性になった方々には、大体私の携帯番号はお伝えしています。
少しでも不安な思いを受け止めたいからです。
患者さんたちの人生の大変なときを伴走するのが、医師の仕事だと私は思っているからです。
⚠️ 偽陽性の原因や確率について
今回のような偽陽性がなぜ起こるのか、医学的なメカニズムや年齢別の確率は以下の記事で詳しく解説しています。
▶ NIPTの偽陽性とは?確率や原因を専門医が解説


