新型出生前診断の精度が高いといわれる理由|5つの出生前診断と比較

新型出生前診断の精度が高いとされる理由を、ほかの5つの出生前診断と比較しながらご説明します。新型出生前診断はお母さんの採血だけで赤ちゃんの異常がわかり、赤ちゃんに対する危険がありません。
赤ちゃん

お腹に新たな生命を授かった妊婦さんは、赤ちゃんのいる幸せな生活を毎日想像して思わず笑みが溢れてしまうものです。

妊婦さんもその親族も、とにかく健康な子で生まれてほしいと願いますが、赤ちゃんは胎児の時点で何らかの疾患を患っている可能性があります。

現在、日本では胎児の特定の染色体異常を調べる新型出生前診断の普及が進んでいます。

古くから実施されていた診断よりも精度が高いといわれる新型出生前診断ですが、実際にどのくらいの確率で陽性や陰性と判定されるのか気になる方は多いと思います。

そこでこの記事では、新型出生前診断の検査の特徴や高い精度を誇る理由をご説明した上で、5つの出生前診断よりも何が優れているのかを具体的にご紹介していきます。

安全性と高い精度が約束された新型出生前診断

妊婦さん
妊娠初期の段階で赤ちゃんの状態を調べられる検査はいくつかありますが、最近では新型出生前診断を取り扱う施設が増えてきました。

高い精度を誇る新型出生前診断の検査方法や日本で普及している理由をご説明します。

どのような検査なのか?

新型出生前診断は、母体と胎児に危険を伴わない安全な検査で、赤ちゃんが染色体異常を持っているかどうかを高い精度で調べることができます。

検査は妊婦さんの血液を採取して行なわれます。妊婦さんの血液の中には自身の細胞と一緒に胎児の細胞を由来とする「セルフリーDNA(cfDNA)」というDNA断片が存在しています。

このDNAの断片を集めて検査し、本来のあるべき染色体数と正常値と差異があった場合、その胎児が染色体異常によって引き起こる疾患を持っている可能性が示唆されます。

新型出生前診断で調べられる疾患

検査では以下の3種類の染色体異常症を持つ可能性を非常に高い精度で調べることができます。

  • 13トリソミー(13番染色体の余分なコピーによって引き起こる疾患)
  • 18トリソミー(18番染色体の余分なコピーによって引き起こる疾患)
  • 21トリソミー(21番染色体の余分なコピーによって引き起こる疾患)

どの症候群も根本的な治療方法が見つかっておらず、新型出生前診断で陽性反応が出た場合は疾患の有無を100%はっきりさせられる羊水検査や絨毛検査を受ける流れとなります。

検査条件

新型出生前診断を取り扱う医療施設では、妊娠10週目以降に検査を行うことが可能となります。

日本医学会が定めた厳正なる条件を満たした認可施設の場合は年齢制限があり、35歳未満の妊婦さんは検査を受ける資格がありません。また、35歳以上の場合でも非確定検査で陽性反応が出たなどの特定の条件を満たさなければ認可施設では検査を受けることができません。

そのため、年齢制限なし妊娠10週目という条件を満たせば検査を受けられる無認可施設へ足を運ぶ患者様が増えています。

ミネルバクリニックも無認可施設に当たりますが、臨床遺伝専門医が在籍するクオリティの高い遺伝子専門クリニックとして評価を受けています。

費用相場

新型出生前診断を受ける場合、費用相場は大体15万円〜20万円になります。

非確定検査と比べると高いイメージを持たれてしまいますが、3つの疾患を持つ可能性を非常に高い精度で調べられるという点が料金に反映されています。

施設によって費用は異なりますが、無認可施設の方が安い傾向にあるためできる限りコストを抑えなければいけない事情のある方は、評判の良い無認可施設を選ぶことをおすすめします。

日本で普及し始めたきっかけ

新型出生前診断が誕生する前は、疾患を持つ可能性を診断するというコンバインド検査などの非確定的検査、疾患の有無を確定できる羊水検査などの確定的検査が実施されていました。

侵襲的な方法を用いた検査は流産や合併症などのリスクを伴うため、安全でより高い精度の非確定的検査が望まれ、2013年に念願の国内での実施が実現しました。

待ち望まれた検査ということで、2013年以降は日本医学会の組織に認定された認可施設での取り扱いが増えていきましたが、近年は検査を受けるハードルが低い無認可施設で取り扱うケースも多く見受けられています。

新型出生前診断の精度を5つの出生前診断で比較

妊婦さん
新型出生前診断で万が一陽性と判定された場合、実際に疾患を持っている可能性が何パーセントあるのか気になると思います。

ここからは、新型出生前診断の重要な項目の精度、その他の5つの出生前診断との比較について詳しくご説明していきます。

新型出生前診断の精度

胎児の細胞に由来するセルフリーDNAの断片を検査する新型出生前診断は、21・18・13トリソミーという3種類の症候群を調べられる検査です。

3つの症候群ごとに感度・特異度・陽性的中率・陰性的中率が異なるのでわかりやすくご紹介していきます。

感度病気を持つ方が、検査で陽性と判定される確率
特異度病気を持たない方が、検査で陰性を判定される確率
陽性的中率陽性と判定された方が、実際に病気を持っている確率
陰性的中率陰性を判定された方が、実際に病を持っていない確率

30歳の妊婦における検査精度

30歳の妊婦さんが検査を受けた場合、以下の確率で結果が表れます。

疾患感度特異度陽性的中率
陰性的中率
21トリソミー
※妊娠12週
99.1%99.9%61.3%
(98.5%
*)
99.99%
18トリソミー
※妊娠16週
99.9%99.6%10.6%
(52.2%
*)
99.99%
13トリソミー
※妊娠16週
91.7%99.7%4.5%
(30.4%
*)
99.99%

*カッコ内の数字は妊婦さんが40歳だった場合の精度

感度・特異度が非常に高く、ほとんどのケースで胎児の染色体異常の有無を判定することが可能です。陰性が出た場合、99.99%の確率で疾患を持っていないため、陰性という検査結果を見てほっと胸を撫で下ろす患者様が多くいます。

しかし、陽性と判定が出た場合は、症候群によって陽性的中率が大きく異なります。30歳と40歳では陽性的中率が何倍にも増えるため、検査を受ける時期も親族や医師と相談する必要があります。

万が一陽性だった場合は、症候群の種類に関わらず確定的検査を行うことが推奨されます。

クアトロテスト

クアトロテストは、妊婦さんの血液からインヒビンA・uE3・hCG・AFPの4種類の成分を測定する出生前診断の一種で、21・18トリソミーを検査することができます。

クアトロテストの感度や特異度は調査を行った検査機関や妊婦さんの条件によって異なりますが、21トリソミーの場合は感度80%〜85%程度、18トリソミーの場合は感度70%〜75%程度、特異度は双方92%程度とされています。

新型出生前診断の感度は91%以上となるため、検査精度が大きく進歩したことがお分かりいただけます。

コンバインド検査

妊婦さんの血液の分析と超音波検査結果と合わせた検査がコンバインド検査で、クアトロテストと同様に21・18トリソミーを検査することができます。

コンバインド検査の感度はクアトロテストとほぼ同程度であり、感度は80%程度、特異度は92%程度で染色体異常の検出が可能となっています。

非確定的検査を比較した場合、新型出生前診断であるNIPTが圧倒的な精度を誇るため、出産に悩める妊婦さんの需要の高さにも繋がっています。

羊水検査

古くから医療機関で実施されている羊水検査は、出生前診断で陽性反応が出た場合、疾患を持っているかどうかを確定させる場合に用いられることが多くあります。

羊水検査は100%で染色体異常によって引き起こる疾患の有無を確定できますが、母体から針を通して羊水を採取する検査方法のため、流産や早産のリスクを伴います。

出生前診断を受けて陽性と判定された場合に受けることが推奨されており、羊水検査の結果に応じて出産に向けた決断や準備が必要になります。

絨毛検査

胎盤にある絨毛を採取して分析する絨毛検査は、羊水検査よりも流産や早産のリスクが高い侵襲的検査です。

染色体異常によって引き起こる疾患の有無を確定できるため、羊水検査と同じように出生前診断で陽性と判定された妊婦さん向けの検査です。

現代は安全性が保証された出生前診断があるため、妊娠10週目以降、遅くならないうちに新型出生前診断を受けることをおすすめします。

まとめ

今後も日本で拡大し続ける新型出生前診断は、お腹にいる胎児を傷つける心配もなく妊婦さんも安心して受けられる検査です。

DNA断片の差異から染色体異常を持つ可能性が示唆されるため、従来の出生前診断より非常に高い精度で胎児の状態を知ることができます。

出生前診断の中では新型出生前診断が頭一つ抜けて優れた検査精度を持ちますが、あくまで診断のため疾患の有無を確定させることはできません。そのため、陽性反応が出たあとは羊水検査などの確定的検査が最後の砦となることを覚えておきましょう。

新型出生前診断をこれから受けることを考えている方は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられるミネルバクリニックをおすすめします。

ミネルバクリニックは新型出生前診断に関する最新技術や豊富な経験、知識が全て備わった遺伝子専門のクリニックです。

出産に対する悩みの相談先に困っている妊婦さんは、この機会に是非ご相談ください。

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この記事の筆者:仲田洋美(医師)

仲田洋美(医師)

プロフィール

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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