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微小欠失症候群とは?NIPTで検査できる12種類の症候群と検査方法|ミネルバクリニック

微小欠失症候群とは?NIPTで検査できる12種類の症候群と検査方法|ミネルバクリニック

? 微小欠失症候群とは

微小欠失症候群とは、染色体の非常に小さな部分(500万塩基対以下)が欠失することによって引き起こされる遺伝性疾患群です。従来の染色体検査では検出できない微細な欠失が原因で、重篤な先天異常や発達障害を引き起こす可能性があります。

✅ ミネルバクリニック従来検査:陽性的中率約70%
? 2024年採用最新検査:陽性的中率>99.9%

? ミネルバクリニックの微小欠失症候群検査の特徴

  • 12種類の微小欠失症候群を高精度で検査
  • 従来検査:陽性的中率約70%
  • 2024年採用最新検査:陽性的中率>99.9%のCOATE法
  • 臨床遺伝専門医が常駐して対応
  • 2025年6月より産婦人科併設で確定検査も自院で実施
  • 非認証施設で唯一の臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング

微小欠失症候群の基本知識

微小欠失症候群とは

微小欠失症候群は、染色体の特定領域に存在する遺伝子群が欠失することによって引き起こされる一群の遺伝性疾患です。この欠失は超顕微鏡的なサイズであり、通常は50万塩基から500万塩基の範囲内で発生します。

微小欠失画像

症状と特徴

? 主な症状

  • 重度の先天異常:心疾患、口蓋裂、顔面奇形など
  • 知的障害・発達遅滞:精神的発達の遅れ
  • 身体的成長障害:低身長、体重増加不良
  • 神経学的異常:難治性てんかん、筋緊張低下
  • 免疫機能異常:感染症にかかりやすい

発生原因と頻度

微小欠失症候群の多くは新生突然変異(de novo mutation)によって起こり、親からの遺伝は稀です。母体年齢に関係なく発生し、全妊娠の約1%で発生すると報告されています。

? 発生頻度の比較

  • ダウン症候群:約1/700〜1/1,000
  • 微小欠失症候群全体:約1/1,000(積算リスク)
  • 22q11.2欠失症候群:約1/2,000〜1/4,000
  • 1p36欠失症候群:約1/5,000〜1/10,000

ミネルバクリニックで検査可能な12種類の微小欠失症候群

ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法による高精度NIPT検査により、以下の12種類の微小欠失症候群を陽性的中率>99.9%で検査することができます。

染色体部位 症候群名 発生頻度 主な症状
1p36 del 1p36欠失症候群 1/4,000-10,000 成長障害、重度精神発達遅滞、難治性てんかん
2q33 del 2q33欠失症候群 発達遅滞、顔面奇形、心疾患
4p16 del Wolf-Hirschhorn症候群 1/50,000 重度精神発達遅滞、成長障害、特徴的顔貌
5p15 del 猫鳴き症候群 1/15,000-50,000 甲高い啼泣、小頭症、精神運動発達遅滞
8q23q24 del 8q23q24欠失症候群 発達遅滞、顔面奇形
9p del 9p欠失症候群 知的障害、成長遅滞、特徴的顔貌
11q23q25 del Jacobsen症候群 1/100,000 成長遅延、精神運動遅滞、血小板減少症
15q11.2-q13 del Prader-Willi/Angelman症候群 1/10,000-25,000 筋緊張低下、摂食障害、発達遅滞
17p11.2 del Smith-Magenis症候群 1/25,000 知的障害、行動異常、睡眠障害
18p del 18p欠失症候群 1/50,000 成長遅滞、知的障害、顔面奇形
18q22q23 del 18q欠失症候群 成長遅滞、知的障害、聴覚障害
22q11.2 del DiGeorge症候群 1/2,000-4,000 先天性心疾患、免疫不全、口蓋裂

ミネルバクリニックで検査可能な12か所13疾患の詳細

1p36欠失症候群

発生頻度:1/4,000〜1/10,000

主な症状

  • 成長障害・低身長
  • 重度精神発達遅滞
  • 難治性てんかん
  • 特徴的顔貌(落ちくぼんだ眼、尖った顎)
  • 筋緊張低下、哺乳不良(乳児期)
  • 先天性心疾患、難聴、斜視、白内障
  • 稀に神経芽細胞腫を合併

2q33欠失症候群

発生頻度:稀(1/100,000以下)

主な症状

  • 知的障害・発達遅滞
  • 成長障害
  • 特徴的顔貌(幅広い前額、短い鼻)
  • 筋緊張低下
  • 言語発達遅滞
  • 行動異常(自閉症スペクトラム様)
  • 先天性心疾患
  • 腎泌尿器系異常

4p16欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)

発生頻度:1/20,000〜1/50,000

主な症状

  • 成長障害・低身長
  • 重度知的障害
  • 特徴的顔貌(ギリシャ戦士の兜様顔貌)
  • 小頭症
  • 難治性てんかん
  • 筋緊張低下
  • 先天性心疾患
  • 尿道下裂、腎異常
  • 免疫不全

5p15欠失症候群(猫鳴き症候群)

発生頻度:1/15,000〜1/50,000

主な症状

  • 特徴的な猫様の鳴き声(乳児期)
  • 重度知的障害
  • 成長障害・低身長
  • 小頭症
  • 特徴的顔貌(満月様顔貌、眼間離開)
  • 筋緊張低下
  • 先天性心疾患
  • 言語発達の著明な遅れ

8q23q24欠失症候群

発生頻度:稀(1/100,000以下)

主な症状

  • 知的障害・学習障害
  • 言語発達遅滞
  • 行動異常(ADHD様症状)
  • 特徴的顔貌(長い顔、突出した額)
  • 手指・足趾の異常
  • 先天性心疾患
  • 腎泌尿器系異常
  • 成長障害

9p欠失症候群

発生頻度:1/50,000〜1/100,000

主な症状

  • 知的障害・発達遅滞
  • 特徴的顔貌(三角形の顔、上向きの鼻孔)
  • 成長障害
  • 性器発達異常
  • 先天性心疾患
  • 頭蓋縫合早期癒合症
  • 手指・足趾の異常
  • 言語発達遅滞

11q23q25欠失症候群(ヤコブセン症候群)

発生頻度:1/100,000

主な症状

  • 知的障害・発達遅滞
  • 血小板減少症・出血傾向
  • 特徴的顔貌(眼瞼下垂、上向きの鼻)
  • 先天性心疾患(左心房系閉塞症候群)
  • 成長障害
  • 行動異常(強迫行動、注意欠陥)
  • 免疫不全
  • 腎異常、難聴

15q11.2-q13欠失症候群(プラダー・ウィリー症候群/アンジェルマン症候群)

発生頻度:1/10,000〜1/30,000

主な症状

  • 【PWS】筋緊張低下、肥満、過食
  • 【PWS】知的障害、行動異常
  • 【PWS】性腺機能低下症
  • 【AS】重度知的障害、てんかん
  • 【AS】運動失調、振戦
  • 【AS】特徴的行動(頻回な笑い、手をひらひら)
  • 【AS】言語発達の著明な遅れ
  • 【AS】睡眠障害、小頭症

17p11.2欠失症候群(スミス・マジェニス症候群)

発生頻度:1/15,000〜1/25,000

主な症状

  • 知的障害・発達遅滞
  • 特徴的顔貌(眉毛の連結、上唇の突出)
  • 睡眠障害(昼夜逆転)
  • 行動異常(自己傷害行為、多動)
  • 難聴、視覚異常
  • 先天性心疾患、腎異常
  • 免疫不全傾向
  • 短躯、肥満傾向

18p欠失症候群

発生頻度:1/50,000

主な症状

  • 知的障害・学習障害
  • 特徴的顔貌(丸い顔、下垂した眼瞼)
  • 低身長
  • 内分泌異常(成長ホルモン不足)
  • 免疫不全
  • 先天性心疾患
  • 歯牙異常
  • 行動異常(自閉症スペクトラム様)

18q22q23欠失症候群

発生頻度:稀(1/100,000以下)

主な症状

  • 知的障害・発達遅滞
  • 成長障害・低身長
  • 特徴的顔貌(深い眼窩、小さい鼻)
  • 筋緊張低下
  • 難聴、視覚異常
  • てんかん
  • 先天性心疾患
  • 手足の奇形

22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群/VCFS)

発生頻度:1/2,000〜1/6,000

主な症状

  • 先天性心疾患(ファロー四徴症、大動脈弓異常)
  • 免疫不全(T細胞減少)
  • 低カルシウム血症(副甲状腺機能低下)
  • 口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全
  • 特徴的顔貌(長い顔、管状の鼻)
  • 学習障害・軽度知的障害
  • 精神疾患(統合失調症、気分障害)
  • 腎異常、難聴

微小欠失症候群の検査方法

NIPT(新型出生前診断)による検査

ミネルバクリニックでは、最新のCOATE法によるNIPT検査を実施しています。従来のスーパーNIPTから大幅に進歩した技術により、より高精度な検査が可能になりました。

? 検査精度の比較

  • 従来検査:陽性的中率約70%
  • 2024年採用最新COATE法:陽性的中率>99.9%
  • 従来法では検出困難だった微小欠失も検出可能
  • 母体血中の胎児DNA濃度の影響を受けにくい
  • 検査失敗率の大幅な減少
  • 妊娠9週から(臨床研究として6週から)検査可能

詳しい技術の進歩については、COATE法による比較技術の進歩をご覧ください。

確定診断までの流れ

? 検査の流れ

  1. 遺伝カウンセリング:臨床遺伝専門医による説明
  2. NIPT検査:母体血採血(約10~20ml)
  3. 結果説明:約1-2週間後
  4. 陽性の場合:確定検査(羊水・絨毛検査)の検討
  5. 確定検査:2025年6月より自院で実施可能

ミネルバクリニックでの検査の特徴

臨床遺伝専門医による専門的対応

ミネルバクリニックは、非認証施設で唯一、臨床遺伝専門医が常駐してNIPT検査を行っているクリニックです。遺伝カウンセラーではなく、医師である臨床遺伝専門医が直接対応することで、より専門的で安心できる検査体制を提供しています。

産婦人科併設による総合的なケア

? 2025年6月から新体制

ミネルバクリニックでは、2025年6月より産婦人科を併設し、確定検査(羊水検査・絨毛検査)も自院で実施できるようになりました。これにより、NIPTから確定検査まで一貫したケアを提供し、患者様により安心していただける体制を整えています。

最新技術による高精度検査

ミネルバクリニックでは2024年よりCOATE法を採用し、従来検査(陽性的中率約70%)から大幅に進歩した最新技術(陽性的中率>99.9%)により、微小欠失症候群の検査精度が飛躍的に向上しました。プランにより検査方法が異なりますので、詳しくはお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 微小欠失症候群は治療できますか?

現在のところ、微小欠失症候群の根本的な治療法はありません。しかし、各症状に対する対症療法や早期からのリハビリテーション、療育により、患者さんの生活の質を向上させることは可能です。心疾患に対する手術、てんかんに対する薬物療法、発達支援などが行われます。

Q2. 微小欠失症候群は遺伝しますか?

微小欠失症候群の約90%は新生突然変異(de novo mutation)によるもので、親からの遺伝ではありません。ただし、親のどちらかが微小欠失を持っている場合は、50%の確率で子どもに遺伝する可能性があります。親が無症状でも子どもに症状が現れることがあるため、家族歴の確認が重要です。

Q3. NIPTで陽性だった場合、必ず病気があるのですか?

NIPTは非常に高精度な検査ですが、スクリーニング検査のため、陽性結果が出ても確定診断ではありません。偽陽性(実際には正常だが陽性と判定される)の可能性もあるため、陽性の場合は羊水検査や絨毛検査による確定診断が必要です。ミネルバクリニックでは2025年6月より確定検査も自院で実施可能です。

Q4. 検査はいつから受けられますか?

ミネルバクリニックのNIPT検査は妊娠9週から(臨床研究として6週から)受けることができます。検査前には必ず臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを実施し、検査の意義や限界、結果の解釈について十分に説明いたします。

Q5. 他のクリニックとの違いは何ですか?

ミネルバクリニックは以下の点で他院と異なります:

・非認証施設で唯一の臨床遺伝専門医常駐

・最新のCOATE法による高精度検査(陽性的中率>99.9%)

12種類の微小欠失症候群を検査可能

・2025年6月より産婦人科併設で確定検査も自院で実施

・遺伝カウンセラーではなく医師による直接対応

? 参考文献

  1. Vissers LE, Stankiewicz P. Microdeletion and microduplication syndromes. Curr Opin Genet Dev. 2012;22(3):231-40.
  2. Carvill GL, Mefford HC. Microdeletion syndromes. Curr Opin Genet Dev. 2013;23(3):232-9.
  3. Koolen DA, Sharp AJ, Hurst JA, et al. A recurrent 15q13.3 microdeletion syndrome associated with mental retardation and seizures. Nat Genet. 2008;40(3):322-8.
  4. Shaffer LG, Theisen A, Bejjani BA, et al. The discovery of microdeletion syndromes in the post-genomic era. Genet Med. 2007;9(9):607-16.
  5. MSDマニュアル:微小欠失症候群および微小重複症候群

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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