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PSEN1遺伝子とは?家族性(若年性)アルツハイマー病の最多原因遺伝子『プレセニリン1』とγセクレターゼを遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

アルツハイマー病の多くは高齢になってから起こりますが、なかには40代・50代という若さで、しかも親から子へと受け継がれる形で発症する家族があります。その最も多い原因がPSEN1遺伝子(プレセニリン1)です。PSEN1は、脳にたまるアミロイドβという物質を「切り出す」ハサミの刃にあたる遺伝子で、この刃の形が少し変わるだけで、たまりやすいタイプのアミロイドβが増えてしまいます。家族性アルツハイマー病自体はまれですが、その仕組みは、ありふれた老年期のアルツハイマー病の中心にある現象そのものを説明してくれます。ですからPSEN1を理解することは、アルツハイマー病全体を理解する近道でもあります。本記事では、この遺伝子の働きから、発症のしくみ、検査と遺伝カウンセリング、最新の治療開発までを、遺伝専門医がやさしく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🧬 γセクレターゼ・家族性アルツハイマー病・発症前診断
臨床遺伝専門医監修

Q. PSEN1遺伝子とは何をする遺伝子ですか?まず結論だけ知りたいです

A. PSEN1は「プレセニリン1」というタンパク質の設計図で、細胞の膜のなかで別のタンパク質を切る酵素(γセクレターゼ)の刃にあたる部分をつくります。この刃がアミロイド前駆体タンパク質(APP)を切ると、脳にたまるアミロイドβができます。PSEN1に生まれつきの変化があると、たまりやすいタイプのアミロイドβが増え、若くして発症する家族性アルツハイマー病の最も多い原因になります。まれに前頭側頭型認知症や心筋症など、脳以外の病気を起こすこともあります。

  • 基本の働き → γセクレターゼの触媒中心。膜のなかでAPPやNotchなど多くの膜タンパク質を切る「膜内切断」を担う
  • 家族性アルツハイマー病 → 若年発症で親から子へ受け継がれる家族性アルツハイマー病の最多原因遺伝子。300以上の変異が報告されている
  • 発症のしくみ → 多くの変異は切る働きを弱め、長くてたまりやすいアミロイドβの割合を増やす(量ではなく「質」の変化)
  • AD以外の顔 → 前頭側頭型認知症、痙性対麻痺、拡張型心筋症、化膿性汗腺炎など、脳以外の病気とも関連する
  • 検査の要点 → 常染色体顕性(優性)遺伝で子に1/2で伝わる。発症前診断は遺伝カウンセリングを前提に、成人本人の希望で慎重に行う

🧬 PSEN1遺伝子の基本情報

項目 内容
遺伝子名 PSEN1(Presenilin 1)/別名 PS1・AD3・S182
タンパク質 プレセニリン1(PS1)/全長467アミノ酸の多回(9回)膜貫通型タンパク質。γセクレターゼ複合体の触媒サブユニット
染色体上の位置 14番染色体長腕 14q24.2
OMIM番号 104311
主なはたらき γセクレターゼの触媒中心として、細胞膜のなかでAPP・Notchなど多数の膜タンパク質を切断する(膜内切断)
主な発現部位 脳の神経細胞を中心に、全身の細胞に広く発現
生殖細胞系列変異と関連疾患 早発性家族性アルツハイマー病(AD3/OMIM 607822)=最多の原因遺伝子。ほかに前頭側頭型認知症(600274)・Pick病(172700)・拡張型心筋症1U(613694)・家族性化膿性汗腺炎3(613737)
体細胞変異 腫瘍などの体細胞変異が原因となる疾患として確立した報告はありません(PSEN1は生殖細胞系列変異による疾患が中心です)
検査上の注意 発症前診断は成人本人の希望にもとづき、遺伝カウンセリングを前提に慎重に行います。未成年者への発症前検査は原則として行いません

各項目の根拠と詳しい解説は、本文の該当セクションをご覧ください。

1. PSEN1遺伝子とプレセニリン1 ─ 「膜のなかでハサミを入れる」酵素の中心

PSEN1は、細胞の膜のなかで別のタンパク質を切る、非常に珍しいタイプの酵素の中心部品をつくる遺伝子です。その切る働きが弱ったり狂ったりすることが、アルツハイマー病の始まりになります。

PSEN1はPresenilin 1(プレセニリン1)の略で、14番染色体の長腕(14q24.2)にあります。この遺伝子がつくるプレセニリン1というタンパク質は、全長467個のアミノ酸からなり、細胞膜を9回ほど貫く形をしています[1]。ふつうタンパク質を切るハサミ(プロテアーゼ)は水のなかで働きますが、プレセニリン1は水をきらう脂質の膜の内部でタンパク質を切るという、きわめて特殊な仕事をします。この「膜内切断」を担う酵素の総称がγセクレターゼ(ガンマセクレターゼ)で、プレセニリン1はその刃、つまり実際に切る部分にあたります。

切る働きの核心は、2つのアスパラギン酸というアミノ酸です。膜貫通領域の6番目にあるAsp257と、7番目にあるAsp385が向かい合い、この2つが協力して水分子を活性化し、標的タンパク質の結合を切断します[2]。どちらか一方を人工的に別のアミノ酸に置き換えるだけで、酵素はまったく働かなくなります。つまりこの2か所は、γセクレターゼが「切る酵素」であるための絶対条件です。プレセニリン1はもともと1本のタンパク質としてつくられたあと、自分自身が切れて2つの断片(N末端側とC末端側)になり、この2つがひとつの活性中心を組み立て直すという、少し変わった成熟の仕方をします。

💡 用語解説:膜内切断とγセクレターゼ

膜内切断とは、細胞膜のなかに刺さったタンパク質を、膜の内側で切ってしまう反応です。ふつうハサミ役の酵素は水のなかで働くので、水をきらう膜の内部で切るのは物理的にとても難しい仕事です。γセクレターゼは、その難しい切断を専門に行う酵素で、プレセニリン1がその刃を担当します。この酵素は、アルツハイマー病のもとになるアミロイドβをつくる一方で、体の発生に欠かせないNotchという別のタンパク質も切ります。「同じハサミが良いことも悪いことも切る」──この二面性が、後で述べる治療の難しさにつながります。

2. γセクレターゼ複合体のかたち ─ 4つの部品と20本の柱

γセクレターゼは、プレセニリン1が単独で働くのではなく、4つのタンパク質が組み合わさった「複合体」として働きます。その立体構造は近年の解析で明らかになり、なぜ切断の場所がばらつくのかも見えてきました。

γセクレターゼは、プレセニリン1(刃)ニカストリンAPH-1PEN-2という4種類のタンパク質が1つずつ集まった複合体です。2015年に報告された極低温電子顕微鏡(クライオ電子顕微鏡)による解析では、この複合体が分解能3.4オングストロームという細かさで可視化され、合計20本の膜貫通ヘリックス(柱)が馬蹄形(U字型)に並ぶ姿が明らかになりました[3]。内訳は、プレセニリン1が9本、APH-1が7本、PEN-2が3本、ニカストリンが1本です。ニカストリンは膜の外に大きな頭を突き出しており、切られる相手のタンパク質を選ぶ「受付」の役割をしていると考えられています。

γセクレターゼ複合体の4つの部品

プレセニリン1
刃(触媒)/膜貫通9本
ニカストリン
基質を選ぶ受付/1本
APH-1
複合体の足場/7本
PEN-2
刃の成熟を促す/3本

4つがそろって初めて「切る酵素」として働きます。膜貫通ヘリックスは合計20本で、全体が馬蹄形に並びます。

切られる相手(基質)がどのように刃に運ばれるかも、構造から見えてきました。2019年に報告された、γセクレターゼがNotchをくわえ込んだ状態の構造では、基質の一部がプレセニリン1と3本鎖のβシート(板状の構造)を一時的に組むことで、切断すべき部分が活性中心へ正しく差し込まれる様子が示されました[4]。プレセニリン1は、ただ切るだけでなく、相手をくわえ、位置を整え、少しずつ切り進めるという精密な作業をしています。この「くわえて位置を整える」部分が変異でずれると、切る場所が本来より手前で止まりやすくなります。これが次の章の話につながります。

3. アミロイドβができるまで ─ APPを膜のなかで切る

アミロイドβは、γセクレターゼがアミロイド前駆体タンパク質(APP)を切ることで生まれます。この切断は一度で終わらず、少しずつ削り進めるため、できるアミロイドβの長さには幅が生まれます。

脳にたまるアミロイドβは、APP遺伝子がつくる大きな膜タンパク質から切り出されます。まずβセクレターゼという別の酵素が膜の外側でAPPを切り、膜に刺さった短い断片が残ります。この残った断片を、γセクレターゼが膜のなかで切ることでアミロイドβが完成するのです。ポイントは、γセクレターゼの切り方が「一度ですっぱり」ではなく、端から少しずつ、階段状に削り進めていく点にあります[4]。この削り取りがどこで止まるかによって、できあがるアミロイドβの長さが決まります。

代表的なのは、42個のアミノ酸からなるAβ42と、40個のAβ40です。わずか2個の差ですが、その意味は大きく違います。Aβ42はAβ40よりも凝集しやすく、たまって老人斑(アミロイド斑)の核になります。健康な脳でも両方がつくられますが、Aβ40のほうが多いのが正常です。ですから「Aβ42が多いか、Aβ40が多いか」という比率こそが、アルツハイマー病を考えるうえでの決定的な指標になります。

アミロイドβができるまでの流れ

APP
膜タンパク質
βセクレターゼ
膜の外で切る
γセクレターゼ(PSEN1)
膜のなかで段階的に切る
Aβ40/Aβ42
たまるのは主にAβ42

切り取りをどこで止めるかで、たまりにくいAβ40とたまりやすいAβ42の割合が決まります。PSEN1はこの「止める位置」を決める役割を持っています。

同じ刃は、体の発生に不可欠なNotchシグナルのスイッチも切ります。γセクレターゼがNotchを切ると、その断片が細胞の核に移動して遺伝子のオンオフを切り替えます。この働きは、細胞がどんな役割になるかを決める重要なもので、胎児の発生にも大人の組織の維持にも欠かせません。「γセクレターゼの働きを丸ごと止める薬」がアルツハイマー病の治療にならなかった大きな理由が、ここにあります。詳しくは治療の章で扱います。

4. なぜPSEN1の変化でアルツハイマー病になるのか ─ 「量」ではなく「質」の問題

かつては「PSEN1変異はアミロイドβを増やす」と単純に説明されていました。しかし実際には、多くの変異は切る働きをむしろ弱め、たまりやすいAβ42の割合を上げることが分かってきました。カギは総量ではなく比率です。

2017年に報告された、PSEN1の138種類の病的変異を試験管内で系統的に調べた研究は、この点を明確にしました。それによると、約90%の変異はAβ40とAβ42の両方の産生をむしろ低下させ、うち約30%(42種類)はほとんど産生できないほど強く働きを失っていました[5]。「たくさん作る」どころか「うまく作れない」変異が大多数だったのです。それでも病気になるのは、たまりにくいAβ40の生産が特に落ち込み、結果としてAβ42の割合(Aβ42/Aβ40比)が上がるからだと考えられています。総量が減っても、比率が悪いほうへ傾けば、脳にはたまりやすいアミロイドβが相対的に増えてしまいます。

💡 用語解説:ミスセンス変異とは

ミスセンス変異とは、遺伝子の1文字が変わった結果、タンパク質のアミノ酸が1個だけ別のものに置き換わる変化です。PSEN1で報告されている300以上の変異のほとんどがこのタイプで、たった1個のアミノ酸の違いが、酵素の切り方を微妙に狂わせます。プレセニリン1のように「相手をくわえて少しずつ切る」精密な酵素では、たった1か所の変化でも切り終える位置がずれ、たまりやすいAβ42の割合が上がってしまいます。1文字の差が一生を左右しうる、というのがこの遺伝子の恐ろしさでもあり、研究の面白さでもあります。

では、そもそも病気の引き金は「アミロイドβが増えること」なのでしょうか、それとも「γセクレターゼの働きが失われること」なのでしょうか。この点については研究者のあいだで議論があります。多くの変異が機能を失わせるという事実から、プレセニリンの機能喪失そのものが一次的な問題だとする考え方(プレセニリン仮説)が提唱されています[6]。一方で、Aβ42の相対的な増加こそが本質だとする立場も根強く、近年は「切りかけで止まった酵素と基質の複合体(停滞複合体)」が、アミロイドβとは別の経路で神経を傷つける可能性も指摘されています。どの説が正しいと断定できる段階ではありませんが、少なくとも「PSEN1変異=単純にアミロイドβが増える」という古い説明では説明しきれない、というのが現在の理解です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「増やす」と「質を変える」は違います】

遺伝子の説明では、つい「この変異があるとアミロイドβが増える」と単純化されがちです。けれども実際のデータは、もっと繊細なことを教えてくれます。多くのPSEN1変異は、むしろ酵素の働きを弱め、そのうえで「たまりにくいタイプ」より「たまりやすいタイプ」が相対的に増える方向へ天秤を傾ける──量ではなく質を変えるのです。この違いは、患者さんに説明するときにも大切だと考えています。

なぜ大切かというと、「増える/減る」という粗い理解のままだと、検査結果や治療の話がかみ合わなくなるからです。私は、遺伝子の働きを説明するときには、こうした「単純化するとこぼれ落ちてしまう部分」こそ、ていねいにお伝えすることが誠実さだと考えています。分かっていることの輪郭を、正確なかたちのままお渡ししたいのです。

5. 家族性アルツハイマー病(EOFAD)とPSEN1 ─ 最も多い原因遺伝子

若くして親から子へと受け継がれる家族性アルツハイマー病には、主に3つの原因遺伝子が知られています。そのなかでPSEN1は、報告例が最も多い遺伝子です。

一般的なアルツハイマー病の大半は、65歳以降に発症する孤発性のものです。これに対し、早発性家族性アルツハイマー病(EOFAD)は、多くが65歳より前(しばしば40〜50代)に発症し、家系内に同じ病気の人が複数いるのが特徴です。原因遺伝子はAPPPSEN1PSEN2の3つで、いずれも常染色体顕性(優性)遺伝をとります。つまり、変異を1つ受け継いだだけで発症し、親が変異保有者であれば、子どもへ伝わる確率は1回の妊娠あたり2分の1です。このなかでPSEN1変異がEOFADの原因として最も頻度が高く、これまでに300を超える変異が報告されています[7]

家族性アルツハイマー病の3大原因遺伝子APP・PSEN1・PSEN2の役割と違いを比較した模式図

家族性アルツハイマー病の3大原因遺伝子(APP・PSEN1・PSEN2)の役割と特徴の違い。星の数は相対的な頻度のイメージです。

項目 APP PSEN1 PSEN2
役割 アミロイドβの材料(APP)そのものをつくる γセクレターゼの刃となってAPPを切る PSEN1に似たγセクレターゼの触媒サブユニット
病気になる仕組み 材料が増え、アミロイドβが作られやすくなる Aβ42/Aβ40比が上がり、たまりやすいアミロイドβが増える PSEN1と同様(ただし影響は比較的小さいとされます)
EOFADでの頻度 ★★ ★★★★★(最多) ★(まれ)
発症年齢 40〜60代が多い 最も若い傾向(20代後半〜50代) 比較的遅いことが多い
特徴 21番染色体にあり、重複でも発症。ダウン症候群(21トリソミー)でもアミロイドβ産生が増える 300以上の病的変異。FTD・痙性対麻痺・拡張型心筋症・化膿性汗腺炎などアレル疾患も報告 病的変異の報告数はPSEN1より少ない
共通点 すべて常染色体顕性(優性)遺伝。親が病的変異をもつ場合、子どもへ伝わる確率は1回の妊娠あたり50%です

💡 3つの遺伝子の関係を一言でいうと

APPは「材料」、PSEN1とPSEN2は「ハサミ(γセクレターゼ)」です。APPという材料を、PSEN1・PSEN2を含むγセクレターゼが膜のなかで切ることで、アミロイドβができます。ですから、材料が増えすぎても(APP)、切り方が狂っても(PSEN1・PSEN2)、最終的にはたまりやすいアミロイドβが増え、家族性アルツハイマー病につながります。

PSEN1変異による発症は、他の2つよりも若い傾向があり、変異の種類によっては20代後半から発症する例も報告されています。臨床像は基本的に典型的なアルツハイマー病(記憶障害から始まり進行する認知症)ですが、けいれんやミオクローヌス(体がピクッと動く不随意運動)を伴いやすい、パーキンソン症状を合併しやすいなど、変異によって特徴が加わることがあります。同じPSEN1変異でも、家系や個人によって発症年齢や症状に幅が出るため、「変異が見つかった=発症時期まで決まる」わけではない点は、遺伝カウンセリングでていねいに扱うべき部分です。

6. 発症を遅らせた2つの変異 ─ コロンビア大家系が教えてくれたこと

南米コロンビアには、同じPSEN1変異を持つ世界最大級の家系があります。この家系の研究から、アルツハイマー病の発症を大きく遅らせた「守りの変異」が2つ見つかり、治療開発に新しい光を当てています。

🔍 関連記事:APOE遺伝子アミロイドβとは

コロンビアには、PSEN1のE280A(Glu280Ala)という変異を受け継ぐ大きな家系があり、変異を持つ人は多くが軽度認知障害を中央値で44歳前後、認知症を49歳前後で発症するという、非常に均一な経過をたどります[8]。ところがこの家系のなかに、同じ変異を持ちながら70代まで発症しなかった女性がいました。詳しく調べると、彼女はAPOE遺伝子クライストチャーチ変異(R136S)を両方の染色体に持っていたのです[8]。脳には大量のアミロイドが沈着していたにもかかわらず、神経のもつれ(タウ病理)は限られており、発症が数十年も遅れていました。「アミロイドがたまっても、その先の神経変性を止められる可能性がある」ことを示した、画期的な症例です。

2023年には、同じ家系からもう1人、67歳まで発症しなかった男性が報告されました。この人は、神経の発達に関わるRELN(リーリン)という遺伝子のCOLBOS変異(H3447R)を持っていました[9]。APOEクライストチャーチとRELN-COLBOSは別々の遺伝子の変異ですが、どちらも同じ細胞内シグナルの経路に関わり、タウの異常な変化を抑える方向に働くと考えられています。1つの家系から2人の「守られた人」が見つかったことは、発症をどこで食い止められるかを知る手がかりになっています。

💡 用語解説:修飾遺伝子(発症を左右する「別の遺伝子」)

修飾遺伝子とは、病気の原因そのものではないけれど、発症の時期や重さを左右する別の遺伝子のことです。PSEN1のE280A変異は「発症するかどうか」をほぼ決めますが、いつ・どのくらいの強さで発症するかには、APOEやRELNといった他の遺伝子が影響します。同じ原因変異を持っていても、経過が人によって違う理由の一部はここにあります。この考え方は、「原因は1つでも、進み方は複数の要因で決まる」という遺伝の奥行きを示しており、将来の予防薬のヒントにもなっています。

7. アルツハイマー病だけではない ─ PSEN1が起こすさまざまな病気

PSEN1はアルツハイマー病の遺伝子として有名ですが、変異の種類によっては、認知症以外のさまざまな病気を起こすことが分かっています。同じ遺伝子が、脳・神経・心臓・皮膚と、まったく違う場所で問題を起こしうるのです。

まず脳・神経系では、PSEN1変異は典型的なアルツハイマー病だけでなく、前頭側頭型認知症(FTD)やPick病、レビー小体型認知症に似た経過を示すことがあります[7]。なかでもよく知られているのが、9番目のエキソンがまるごと抜け落ちるΔE9(エクソン9欠失)という変異で、この場合は足のつっぱりと歩行障害を主とする痙性対麻痺を伴い、脳には「綿花状プラーク」と呼ばれる大きな独特のアミロイド沈着が見られます[10]。同じ遺伝子でも、変異の場所によって現れる病気の顔が変わるわけです。

💡 用語解説:アレル疾患(同じ遺伝子から生まれる別々の病気)

1つの遺伝子の異なる変異が、まったく別の病気を引き起こすことがあります。これをアレル疾患(同一遺伝子由来の別疾患)と呼びます。PSEN1の場合、アミロイドβを増やす向きに働く変異は認知症を起こし、酵素の働きを一部だけ失わせる別の変異は、後で述べる皮膚の病気(化膿性汗腺炎)を起こします。どちらもPSEN1の変異ですが、酵素の「どの働きが、どちらの向きに崩れるか」で、現れる病気が変わるのです。1つの遺伝子=1つの病気、という単純な対応ではないことを、PSEN1はよく教えてくれます。

脳の外にも影響は及びます。皮膚では、PSEN1の機能を失わせるタイプの変異が、繰り返す膿の炎症をおこす化膿性汗腺炎(家族性化膿性汗腺炎、ACNINV3)の原因になることが2010年に報告されました[11]。これは、毛穴の維持に必要なNotchシグナルの切断が弱まることと関係すると考えられており、公的データベースにも独立した疾患番号(OMIM 613737)が与えられています[12]。さらに心臓では、PSEN1のD333G(Asp333Gly)という変異が、心臓の筋肉が薄く伸びて収縮力が落ちる拡張型心筋症(CMD1U)を起こした家系が報告されています[13]。この心筋症も独立した疾患番号(OMIM 613694)で登録されています[14]。これらの病気はいずれもまれで、PSEN1変異のごく一部でしか起こりませんが、「アルツハイマー病の遺伝子」という枠だけでは捉えきれない広がりを示しています。

8. 検査・発症前診断・遺伝カウンセリングの実際

PSEN1を調べる場面は、大きく「発症した本人の診断」と「まだ発症していない血縁者の発症前診断」に分かれます。とくに後者は、結果が人生に与える影響が大きく、遺伝カウンセリングを前提に慎重に進める必要があります。

すでにアルツハイマー病を発症している方で、若年発症や家族歴からEOFADが疑われる場合、血液を用いてPSEN1・PSEN2・APPをまとめて調べます。当院では、これらを含むアルツハイマー・認知症NGS遺伝子検査パネルや、より早発型に絞った早発性家族性アルツハイマー病NGS遺伝子検査を用意しています。パーキンソン病など神経変性全般をあわせて調べたい場合には、パーキンソン病・アルツハイマー病・認知症の遺伝子パネルもあります。いずれもPSEN1を対象に含んでいます。

場面 調べる対象 解釈の要点
発症者の診断確定 血液(PSEN1・PSEN2・APP等) 病的変異が見つかれば診断確定に役立ち、家系内のリスク評価の出発点になる。
血縁者の発症前診断 血液(家系内の既知変異を確認) 未発症者が受ける検査。心理的影響が大きく、遺伝カウンセリングを前提に本人の意思で行う。
次世代への選択肢 胚(PGT-M)・胎児(羊水・絨毛) 家系の既知変異があれば選択肢になりうるが、適応審査に条件がある。時間に余裕をもった相談が必要。

難しいのは、まだ発症していない血縁者の発症前診断です。PSEN1の病的変異は浸透率が高く、変異を持てば高い確率で将来発症します。しかも現時点で発症そのものを止める確実な予防法はありません。ですから「知ること」が、その後の人生設計・就労・保険・家族関係にまで影響します。国際的なガイドラインでは、こうした成人発症の病気の発症前診断は、十分な遺伝カウンセリングを行ったうえで、成人本人が自らの意思で選ぶことが原則とされ、症状のない未成年者への検査は原則として行いません。当院でも、遺伝カウンセリングを通じて、検査で何が分かり何が分からないのか、結果をどう受け止め、どう備えるのかを一つずつ確認していきます。臨床遺伝専門医が中立の立場で情報を整理し、受けるかどうかを含めて決めるのはご本人です。

なお、家系内に病的変異を持つ人がいる場合、変異保有者の血縁者が発症前から参加できる国際的な研究ネットワーク(優性遺伝アルツハイマー病ネットワーク、DIAN/DIAN-TU)もあり、予防的な治療の試みが進められています。日本からの参加も可能な枠組みがあるため、こうした選択肢の存在を知っておくことも、備えのひとつになります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「知る権利」と「知らないでいる権利」の両方を大切に】

発症前診断は、遺伝医療のなかでもとくに重い決断だと考えています。結果が「陽性」であっても「陰性」であっても、その方の人生は大きく動きます。だからこそ、検査を受けるかどうかを急いで決める必要はない、というのが私の基本的なスタンスです。知りたいという思いも、いまは知らずにいたいという思いも、どちらも尊重されるべきものだと考えています。

大切なのは、正確な情報を持ったうえで、ご自身のタイミングで選ぶことです。私たちの役割は、答えを押しつけることではなく、判断の材料を中立に整理してお渡しし、どの選択でも支えられる体制を用意しておくことだと考えています。時間をかけてよい決断だと、心からお伝えしたいのです。

9. 治療開発のいま ─ 「切るのを止める」から「たまりを取る」へ

PSEN1(γセクレターゼ)の働きを丸ごと止める薬は、期待されながら失敗しました。その理由を知ることは、いまの治療の方向性を理解する助けになります。

アミロイドβをつくる酵素がγセクレターゼだと分かると、「その働きを止めればアミロイドβが減り、病気を防げるはずだ」という発想が生まれました。実際にγセクレターゼ阻害薬(GSI)が開発されましたが、代表的なセマガセスタットの第3相試験は、認知機能をむしろ悪化させ、皮膚がんの増加もみられて中止となりました[15]。原因のひとつは、γセクレターゼがアミロイドβだけでなくNotchも切っていたことです。酵素を丸ごと止めると、体に必要なNotchの働きまで止まってしまうのです。ここから、「Notchは切らずにアミロイドβの切り方だけを調整する」薬(γセクレターゼ調節薬)へと開発の軸が移りました。

現在の治療の中心は、酵素を止めるのではなく、すでにたまったアミロイドβを取り除く抗体医薬です。近年、脳内のアミロイドを減らす抗体が実用化され、早期のアルツハイマー病で認知機能の低下を緩やかにする効果が示されています。PSEN1変異のある家系では、前述のDIAN-TUの枠組みで、発症前からこうした介入を行う試みが進んでいます。さらに研究レベルでは、変異したPSEN1だけを狙って壊すアレル特異的なゲノム編集も試みられており、M146L変異を持つ細胞で変異アレルの50%超を選択的に壊し、Aβ42/40比を一部改善したという報告があります[16]

💡 ここは誤解されやすい:ゲノム編集治療の「段階」

変異したPSEN1だけを壊すゲノム編集は魅力的に聞こえますが、現時点では培養細胞や動物モデルでの研究段階にとどまります。ヒトのアルツハイマー病に対する治療として確立したものではありません。「治療法がすでにある」という受け止め方は正確ではなく、あくまで「有望な研究の方向が見えてきた」という段階として理解してください。将来への希望と、いま利用できる医療とを分けて考えることが大切です。

10. よくある誤解

PSEN1については、単純化された説明が独り歩きしがちです。ここでは特に誤解されやすい4つのポイントを、正確な理解に整えておきましょう。

誤解①「PSEN1変異はアミロイドβを増やす」

多くの変異は、実際には切る働きを弱めます。総量が増えるのではなく、たまりにくいAβ40が特に減り、結果としてたまりやすいAβ42の割合が上がることが問題です。増える/減るという粗い理解では説明しきれません。

誤解②「PSEN1変異があれば必ず認知症になる」

病的変異の浸透率は高いものの、発症年齢や症状には幅があります。コロンビアの家系では、同じ変異を持ちながらAPOEやRELNの別の変異のおかげで数十年も発症が遅れた人がいました。変異が見つかっても、いつ・どう発症するかまで決まるわけではありません。

誤解③「アルツハイマー病の多くはPSEN1が原因」

PSEN1が原因となるのは、若年発症で家族性のまれなタイプです。高齢で発症する一般的なアルツハイマー病の大半は、単一の遺伝子で決まる病気ではなく、複数の要因が関わる孤発性のものです。

誤解④「γセクレターゼを止めれば治せる」

酵素を丸ごと止める薬(GSI)は、Notchなど必要な働きまで止めてしまい、臨床試験でかえって悪化して中止されました。現在の治療は「切り方の調整」や「たまったアミロイドを取り除く抗体」へと方向が変わっています。

よくある質問(FAQ)

Q1. PSEN1遺伝子とは何をする遺伝子ですか?

PSEN1は14番染色体にある遺伝子で、プレセニリン1というタンパク質をつくります。プレセニリン1は、細胞膜のなかで別のタンパク質を切る酵素「γセクレターゼ」の刃(触媒中心)にあたります。この刃がアミロイド前駆体タンパク質(APP)を切ることで、脳にたまるアミロイドβができます。PSEN1に生まれつきの変化があると、たまりやすいタイプのアミロイドβの割合が増え、若年発症の家族性アルツハイマー病を起こします。

Q2. PSEN1変異があると必ずアルツハイマー病になりますか?

PSEN1の病的変異は浸透率が高く、多くの場合、将来的に発症します。ただし発症する年齢や症状には幅があり、同じ変異でも家系や個人によって異なります。実際にコロンビアの大家系では、同じE280A変異を持ちながら、APOEやRELNの別の変異のおかげで数十年も発症が遅れた方が報告されています。したがって「変異があれば発症時期まで決まる」わけではありません。

Q3. 親がPSEN1変異を持っています。子どもに遺伝しますか?

PSEN1変異は常染色体顕性(優性)遺伝をとります。親のどちらかが変異を1つ持っている場合、子どもへ伝わる確率は1回の妊娠あたり2分の1です。性別による差はありません。血縁者の発症前診断や、次の世代に向けた選択肢については、遺伝カウンセリングで一つずつ整理していくことをおすすめします。

Q4. まだ発症していませんが、PSEN1を調べたほうがよいですか?

未発症の血縁者が受ける発症前診断は、結果が人生に与える影響が大きい検査です。現時点で発症そのものを止める確実な予防法がないこともあり、受けるかどうかは急いで決める必要はありません。国際的なガイドラインでも、十分な遺伝カウンセリングを行ったうえで、成人本人の意思にもとづいて行うことが原則とされています。知りたいという思いも、いまは知らずにいたいという思いも、どちらも尊重されます。

Q5. PSEN1とPSEN2、APPは何が違うのですか?

3つとも家族性アルツハイマー病の原因遺伝子ですが、役割と頻度が異なります。APPはアミロイドβの材料そのものの遺伝子です。PSEN1とPSEN2は、そのアミロイドβを切り出すγセクレターゼの刃をつくる相同遺伝子で、PSEN1のほうが原因として頻度が高く、発症も若い傾向があります。PSEN2による発症は比較的まれです。いずれも常染色体顕性遺伝をとります。

Q6. PSEN1はアルツハイマー病以外の病気も起こしますか?

はい、変異の種類によっては、前頭側頭型認知症、足のつっぱりを伴う痙性対麻痺、拡張型心筋症、繰り返す皮膚の炎症(化膿性汗腺炎)などが報告されています。これらはいずれもまれで、PSEN1変異のごく一部でしか起こりません。同じ遺伝子でも、変異の場所や酵素への影響の仕方によって、現れる病気が変わります。

Q7. PSEN1の変異を治す薬はありますか?

変異そのものを治す治療は、現時点では研究段階です。かつて期待されたγセクレターゼ阻害薬は、必要なNotchの働きまで止めてしまい、臨床試験でむしろ悪化して中止されました。現在は、すでにたまったアミロイドβを取り除く抗体医薬が実用化され、早期のアルツハイマー病で進行を緩やかにする効果が示されています。変異したPSEN1だけを狙うゲノム編集は、まだ細胞・動物実験の段階です。

Q8. どの検査でPSEN1を調べられますか?

当院では、PSEN1を含むアルツハイマー・認知症NGS遺伝子検査パネルや、早発型に絞った早発性家族性アルツハイマー病NGS遺伝子検査、神経変性全般を対象としたパーキンソン病・アルツハイマー病・認知症の遺伝子パネルをご用意しています。いずれも血液で調べます。どの検査が適しているかは、発症の有無・家族歴・目的によって変わりますので、臨床遺伝専門医とご相談のうえで検査計画を立てることをおすすめします。

🏥 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断のご相談

若年発症・家族歴のあるアルツハイマー病に関する
遺伝子検査と発症前診断・遺伝カウンセリングは
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにご相談ください。

参考文献

  • [1] PRESENILIN 1; PSEN1. [OMIM 104311]
  • [2] Two transmembrane aspartates in presenilin-1 required for presenilin endoproteolysis and γ-secretase activity. Nature. 1999. [Nature]
  • [3] An atomic structure of human γ-secretase. Nature. 2015. [PubMed 26280335]
  • [4] Structural basis of Notch recognition by human γ-secretase. Nature. 2019. [Nature]
  • [5] Analysis of 138 pathogenic mutations in presenilin-1 on the in vitro production of Aβ42 and Aβ40 peptides by γ-secretase. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017. [PubMed 27930341]
  • [6] Presenilin-1 mutations and Alzheimer’s disease. Proc Natl Acad Sci U S A. 2017. [PNAS]
  • [7] Presenilin-1 (PSEN1) Mutations: Clinical Phenotypes beyond Alzheimer’s Disease. Int J Mol Sci. 2023. [PMC10179041]
  • [8] Resistance to autosomal dominant Alzheimer’s disease in an APOE3 Christchurch homozygote: a case report. Nat Med. 2019. [Nature Medicine]
  • [9] Resilience to autosomal dominant Alzheimer’s disease in a Reelin-COLBOS heterozygous man. Nat Med. 2023. [Nature Medicine]
  • [10] A variant of Alzheimer’s disease with spastic paraparesis and unusual plaques due to deletion of exon 9 of presenilin 1. Nat Med. 1998. [PubMed 9546792]
  • [11] Gamma-secretase gene mutations in familial acne inversa. Science. 2010. [PubMed 20929727]
  • [12] ACNE INVERSA, FAMILIAL, 3; ACNINV3. [OMIM 613737]
  • [13] Mutations of presenilin genes in dilated cardiomyopathy and heart failure. Am J Hum Genet. 2006. [PubMed 17186461]
  • [14] CARDIOMYOPATHY, DILATED, 1U; CMD1U. [OMIM 613694]
  • [15] A Phase 3 Trial of Semagacestat for Treatment of Alzheimer’s Disease. N Engl J Med. 2013. [NEJM]
  • [16] CRISPR-Cas9 treatment partially restores amyloid-β 42/40 in human fibroblasts with the Alzheimer’s disease PSEN1 M146L mutation. Mol Ther Nucleic Acids. 2022. [PMC9043867]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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