みなさま、こんばんわ。
当院では、第2世代、第3世代のNIPT 新型出生前診断 を取り扱っていますが。
第1世代の検査では、若いと陽性的中率が低かったのですが。
第2~3世代は感度特異度ともに上がっていて。
30代前半でお受けいただいた方で陽性が出ましたが。
T21 ダウン症(21トリソミー)の疑いですが
イルミナ(ベリナタ)だったら今までこの年齢だと70%くらいの陽性的中率でしたが
99.7%という驚異的な陽性的中率でかえってきました。
大変驚くとともに
妊娠の早い段階で結論を出したい、という妊婦さんの思いと
正常な赤ちゃんの可能性がある、という赤ちゃんの立場を守らないとという思いと
二つの相反する思いが存在するなかで
一方は自分の意見を言え
もう一方は言えないという圧倒的弱者であり
しかし
家族計画をどうするかという難しい問題に取り組み続けていますが。
第1世代の検査と第2世代以降の検査で最も違うのはリード回数です。
シークエンスを一度かけることを1リード(1深度)と言いますが。
第1世代は50回しか読めませんでした。
深度は深いほど正確になるのですが
深ければ深いほどごみデータが目立つようになり
あたかも異常があるように見えるためです。
このごみデーターを除去する技術がないと深く読めなかったんですが。
第2世代以降は500という深度を誇ります。
ですので、第2世代、第3世代ともいまも偽陰性も出ていません。
99.9%と100%の違いは大きなものです。
先日、第1世代の検査で偽陰性が出てしまい、とてもショックだったことが
今回、第2世代の検査を導入した一番の理由です。
そして、初めての陽性例が出て。
その陽性的中率の高さに本当にびっくりしました。
検査会社の資料には、羊水検査に匹敵すると書かれてあったのですが。
確かに匹敵するくらいですね。
いろいろと思うところもあるのですが。
やはり、わたしは、遺伝専門医として、世界の優れた検査技術を患者さんに提供したいと思います。
それがわたしの夢でした。
大学病院では検査できない人たちに手を差し伸べたい。そう思って開業しました。
結婚8年。強い色覚異常で視力がほとんどない同胞をもつ女性が検査にきて。
全国の大学病院に電話をしたがどこも検査してくれないが、自分が保因しているか調べてほしい、じゃないと妊娠できないのだと。
取引のある検査会社に頼んで、わたしの指定する遺伝子を全部調べてもらいました。
そして、陰性だったので、安堵して帰られました。
うちに来る患者さんたちはいろんな悩みを抱えています。
そういういろんな悩みに真摯に向き合ってきました。
開業して5年半。
医療法人化もできました。
これからも、世界の最先端の技術を提供できるように頑張りたいと思います。
支えてくださった沢山の方々と必要としてくださった患者の皆様に
深謝申し上げます。
仲田洋美 拝