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NIPTは妊娠14週までに受けるべき?臨床遺伝専門医が勧める妊娠14週の過ごし方

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NIPT(新型出生前診断)を受けるのに期限はありませんが、陽性の場合に確定的検査を受けることを視野に入れると、妊娠14週までの受検がおすすめです。
今回はNIPTを14週までに受けていただきたい理由と、妊娠14週の過ごし方をご紹介します。NIPTを受けるタイミングに迷っている方は参考にしてみてください。

NIPTについて

まずはNIPTの基本情報を整理しましょう。NIPTはどのような出生前診断なのか、NIPT検査でわかることは何なのか確認します。

NIPTとは

NIPTは、母体の採血のみで胎児の染色体異常を高い精度で見つけることができます。先天異常は高齢出産と関連する場合もあり、近年は受検する妊婦さんが増えてきている検査です。
日本でNIPTが導入されたのは2013年。日本医学会と日本産婦人科学会により3つの染色体異常を調べられるようになりました。しかし現状では非確定的検査としての位置付けであるため、診断のためには確定的検査を受ける必要があります。

NIPTでわかること

NIPTでは基本検査として21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを調べることができます。それぞれどのような病気か解説します。

  • ダウン症候群(21トリソミー)

21番染色体が1本多いことで起こる、発生頻度が高い染色体異常の1つです。
600〜800人に1人の割合で生まれます。発育の遅れ、精神発達の遅れがあり、短い耳や小さい鼻など、顔の見た目が特徴的です。合併症として筋緊張低下、関節弛緩、心内膜床欠損症や心室中隔欠損症などの先天性心疾患、十二指腸閉鎖や鎖肛などの消化器疾患等があります。
医療の進歩により、ダウン症候群の人の大半は成人を迎えられるようになりました。

  • エドワーズ症候群(18トリソミー)

18番染色体が1本多いことで起こります。
3,500〜8,500人に1人の頻度で見られ、女児に多いです。体が小さく、合併症として重度の先天性心疾患や、無呼吸発作などの呼吸器系疾患をきたしやすいことが知られています。流産にいたる場合も多く、生まれても約50%が生後1週間以内に亡くなり、1歳になるまで生きられる確率は5〜10%です。

  • パトウ症候群(13トリソミー)

13番染色体が1本多いため起こります。
発症率は低く、5,000〜12,000人に1人の割合です。体や脳が小さく、重度知的障害、重度の心疾患、眼や顔面、精巣、子宮の異常などが見られます。生後1ヶ月以内に亡くなることも多く、1年以上生存できる子どもは10%未満です。

NIPTを14週までに受けるべき理由

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NIPTは14週までに受けることをおすすめします。その理由は、確定検査の受検に備えることができること、妊娠14週目はお腹が大きくなりやすいことが挙げられます。

確定検査の受検に備えることができるため

確定検査は、羊水検査、絨毛検査の2種類があります。羊水検査は胎盤に針を刺し、羊水中の胎児の細胞を直接採取して、細胞の中に含まれる染色体を分析します。一方、絨毛検査は、胎児の絨毛にある細胞から染色体を調べる検査です。
羊水検査は羊水が増えてくる妊娠15週以降に、絨毛検査はそれより早い11〜14週に受検可能です。いずれも子宮内に針を刺して検査を行うので、流産のリスクがあり、流産の確率は羊水検査で約0.2〜0.3%、絨毛検査で約1%です。
14週までにNIPTを受検すると、もし結果が陽性で確定検査を受けることになってもその後のスケジュールがスムーズです。確定検査を遅すぎない適切な時期に受けることができ、結果次第でその後どう動くかの計画も立てやすくなります。

妊娠14週目からお腹が大きくなりやすいから

妊娠14週をすぎると、お腹がどんどん膨らみ始めます。それまでは周囲に気づかれにくかった膨らみも、周囲にわかるようになってきます。ゆったりした洋服しか着れなくなってくるのもこの頃でしょう。お腹が膨らんでくると人混みに当たったり、細い道でひっかかってしまったりと、どこかにお腹をぶつけてしまう可能性が高くなります。NIPT検査のために外出すると、お腹をぶつけるリスクも上がるため、お腹が大きくなりすぎない14週までの受検がおすすめです。

妊娠14週の母子の様子

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妊娠14週、赤ちゃんも活発になり、お腹もますます大きくなってくる時期です。この時期の赤ちゃんや母体の様子について、具体的に解説します。

赤ちゃんの様子

14週の赤ちゃんは、細かいパーツができ始めます。今までは手足など体の大きな部位から作られていましたが、顔に頬ができたり、歯茎の下に乳歯が生え始めたりと細かい部分が作られます。首やまぶたもこの時期にでき、頭の向きを変えることが可能に。手足の発達もすすみ、手首を曲げたり手を握ったり、足を曲げ伸ばしたりなど、手足の動きが激しくなります。12週頃から生えてきた産毛も14週になると全身を覆い、皮膚を守ってくれます。
また、性別を判定できるようになるのもこの頃です。男の子は男性器が突起しているため、超音波モニターで判別しやすく、この時期にわかることがあります。女の子が確実にわかるのは17〜19週頃で、男の子ではないという理由から消去法で判別します。

母体の様子

14週頃になると半分くらいの人はつわりが治まります。つわりが治る目安は妊娠12〜16週です。つわりが長引く人もいるため、治まらないからといって心配する必要はありません。
つわりが治まったあとの食べすぎには十分に注意してください。食事を食べることができるのはとてもよいことですが、必要以上の体重増加は難産の原因になることがあります。
また、母体の血流量はどんどん増えていきます。血液は胎児の成長にかかせない酸素や栄養を運ぶため、妊娠直後から増えていき、出産予定日頃には妊娠前の1.3〜1.5倍まで増えます。その影響から、妊娠中は貧血になる可能性があるため注意しなくてはなりません。

臨床遺伝専門医が勧める妊娠14週の過ごし方

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妊娠14週はどんなところを気を付けて過ごせばよいか、気になる方も多いのではないでしょうか。院長おすすめの妊娠14週の過ごし方について解説します。

お腹がぶつからないように人の少ない道を選ぶ

今まで以上にお腹が大きくなりやすいのが妊娠14週目です。お腹が出ている状態に慣れずにいろんな場所にぶつけてしまう可能性があります。人混みを通ろうとするとお腹に衝撃が加わる可能性があります。なるべく人とぶつからないように、人の少ない道を通るようにしましょう。また、新型コロナウイルスに感染したからといってすぐに胎児に悪影響が出るとは限りませんが、少しでもリスクを少なくするために妊娠14週は人ごみを避けることを意識しましょう。

胎児に必要な栄養素を摂取する

胎児を健康的に成長させるためには、いつも以上にいろいろな栄養素を摂取することが必要になります。鉄や葉酸、カルシウム、ビタミンB群はその代表です。

・鉄分を多く含む食品
赤身肉、あさり、カツオ、小松菜、ほうれん草など

・カルシウムを多く含む食品
牛乳、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、じゃこなどの小魚、大豆製品、小松菜、ひじきなど

・ビタミンB群を多く含む食品
豚肉、レバー、玄米、あさりやしじみなどの貝類など

有害物質を含んでいる食べ物はリスクを考えて妊娠中は取りすぎないようにしましょう。
まぐろや金目鯛、ひじきなどがその代表です。チーズは細菌が付着しやすいので注意してください。レバーはビタミンAが豊富なので、こちらも取りすぎには注意が必要です。

鉄欠乏性貧血を防ぐために鉄を多く取り入れる

妊娠14週は、鉄欠乏性貧血が起こりはじめる場合があります。鉄欠乏性貧血とはその名の通り、鉄不足による貧血です。
鉄はヘモグロビンの主な材料であり、ヘモグロビンは体の中で酸素を運んでいます。そのため、欠乏すると胎児に届く酸素の量も減ってしまい、胎児の成長に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。鉄に関しては14週目になると1日16mgを目安に摂取することが推奨されています。
鉄は意識しないと摂取しづらい栄養素であるため、ほうれん草など食事内容を工夫するようにしてください。
鉄欠乏性貧血と診断された場合は、鉄剤が処方されることがあります。処方されたら医師の指示通りに忘れず服用してください。

NIPTは妊娠14週でも安心なオンライン診療対応のミネルバクリニックがおすすめ

ミネルバクリニックではオンラインでNIPTを受検することが可能です。遠方に住んでいる、つわりが辛い、小さい子どもがいるなどの状況でも受けられます。NIPT受検を諦めてほしくない、多くの妊婦さんに受けてほしいという院長の想いから、全国47都道府県どこでも受けられるようにオンラインNIPTの体制を整えました。オンラインNIPTのメリットとその流れについてお伝えします。

オンラインNIPTのメリット

オンラインNIPTでは、ご自宅でゆったりと安心しながらカウンセリングを受けられます。リラックスした環境であるため、悩みごとを打ち明けやすい患者さんも多いです。また、移動による母体への負担や感染リスクを大幅に減らせることもメリットです。妊婦さんの身体は不安定なため、なるべく外部との接触を避けられると安心です。そして、オンラインNIPTでは、東京のクリニックで提供している最先端のNIPTを全国どこからでも受けられるというメリットもあります。遠方から直接クリニックに通うことが困難な方は、オンラインによるNIPT受検をご検討してみてください。

>>ミネルバクリニックのオンラインNIPT

オンラインNIPTの流れ

まずはホームページの「オンラインNIPTのご予約はこちら」より予約します。
フォーム入力後、当院よりオンラインカウンセリングの日時確定について連絡します。基本料金(13/18/21トリソミーのミニマムプラン)をオンライン決済にて事前にお支払いください。決済確認後にメールにて、問診票・検査説明書をお送りします。
その後、臨床遺伝専門医である院長がオンラインカウンセリングを行います。検査キットはカウンセリング後にお送りしますので、そちらを用いて最寄りの採血機関にて採血をお願いします。採血後、検体を当院にご返送ください。当院より検査会社へ速やかに発送します。
検査結果は10〜14日ほどお時間いただき、患者様のマイページにてご確認いただけます。検査後のご質問は特に制限はありませんので、お気軽にご連絡ください。

まとめ

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NIPTは14週までに受けることがおすすめです。その理由として、確定検査の受検に備えることができること、それ以降はお腹が大きくなってくることが挙げられます。妊娠14週は赤ちゃんがお腹の中で活発に動いたり、母もつわりが落ち着いてきたりする時期です。クリニックに出向いて遺伝カウンセリングやNIPTを受けるのにも良い時期ですが、外出が多いと母体に負担がかかってしまいます。
ミネルバクリニックでは、オンラインでもNIPTを受検することができるため、通院の負担などを減らすことができます。どんな妊婦さんでもNIPT受検を諦めて欲しくない、そんな思いを持つ臨床遺伝専門医の院長のカウンセリングが受けられるミネルバクリニックで、NIPTの受検をご検討されてはいかがでしょうか。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の院長のもと、東京都港区青山で、NIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら