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📍 クイックナビゲーション
妊娠中に赤ちゃんの染色体の変化を調べるNIPT(新型出生前診断)。「もし陽性だったらどうしよう」という不安は、検査を考える多くの方が抱くものです。陽性という結果を受け取って頭が真っ白になるのも、自然な反応です。インターネットで「9割が中絶している」という数字を目にして、ご自身を責めてしまう方もいます。このページでは、その数字が何を数えたものなのかを国内の集計と海外の報告で確かめたうえで、中絶ができる期限(妊娠21週6日まで)、決める前に必要な確定検査、遺伝カウンセリングの役割を、臨床遺伝専門医の立場から整理します。産むこと、産まないことのどちらかを勧めるページではありません。
- ➤中絶の割合 → 国内の集計で、21トリソミー(ダウン症候群)87.5%、3つのトリソミー合計78.2%
- ➤期限(いつまで) → 妊娠22週未満(妊娠21週6日)まで
- ➤必要な手順 → NIPTは非確定的検査。決める前に、絨毛検査・羊水検査で確かめる
- ➤数字の読み方 → 「9割」は陽性になった方の中での割合で、妊婦さん全体の割合ではない
- ➤遺伝カウンセリング → 選択を導く場ではなく、判断の材料を受け取る場
⏱️ 30秒でわかる要約
📊 Q. NIPTで陽性になった人のうち、どのくらいが中絶していますか?
国内の認定施設の集計(2013年4月〜2020年3月、86,813件)では、妊娠中断率は21トリソミー87.5%、18トリソミー60.3%、13トリソミー69.0%、合計78.2%でした。偽陽性の方と追跡できなかった方を除いた割合です。妊娠を続けた方も57人います。
🗓️ Q. 中絶はいつまで可能ですか?
妊娠22週未満(妊娠21週6日)までです。妊娠12週以降は中期中絶となり、入院して分娩の形をとります。NIPTと確定検査の結果を待つ日数を考えると、余裕は多くありません。
🔬 Q. NIPT検査が陽性なら、そのまま中絶を決めてよいですか?
NIPTは非確定的検査です。同じ集計の陽性的中率は21トリソミー97.2%、18トリソミー89.1%、13トリソミー54.9%で、陽性でも赤ちゃんに変化がないことがあります。陽性なら確定検査で確かめます。ミネルバクリニックでは絨毛検査・羊水検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。
1. 日本と諸外国におけるNIPT陽性後の中絶率(産まない割合)
「NIPTで陽性になると9割が中絶する」と言われることがあります。まず、出生前診断のあとの中絶率として語られるこの数字の出どころを確かめます。国内でいちばんまとまっているのは、認定施設の共同研究(NIPTコンソーシアム)の集計です。厚生労働省の専門委員会に提出された日本産科婦人科学会の資料によると、2013年4月から2020年3月までに行われたNIPTは86,813件で、13・18・21トリソミーのいずれかが陽性だった方は1,556人でした[1]。その後の経過は次のとおりです。
📊 NIPTが陽性だった方のその後(国内の認定施設・2013年4月〜2020年3月の検査分)
| 21トリソミー | 18トリソミー | 13トリソミー | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 陽性だった方 | 943人 | 470人 | 141人 | 1,556人 |
| うち偽陽性 | 24人 | 38人 | 55人 | 119人 |
| 妊娠を続けた方 | 30人 | 23人 | 4人 | 57人 |
| 子宮内胎児死亡 | 81人 | 142人 | 22人 | 245人 |
| 妊娠中断(人工妊娠中絶) | 774人 | 251人 | 58人 | 1,083人 |
| 妊娠中断率 | 87.5% | 60.3% | 69.0% | 78.2% |
| 追跡できなかった方 | 34人 | 16人 | 2人 | 52人 |
出典:日本産科婦人科学会 倫理委員会 周産期委員会の資料[1](2020年10月時点の集計)。妊娠中断率=妊娠中断の人数÷(陽性だった方-偽陽性-追跡できなかった方)。合計には、2つの項目が同時に陽性だった2人を含みます。子宮内胎児死亡には、妊娠を続けることを希望していて胎児死亡となった場合を含みます。
妊娠中断率は、21トリソミー(ダウン症候群)で87.5%、18トリソミーで60.3%、13トリソミーで69.0%、3つを合わせると78.2%です[1]。よく言われる「約9割」は、このうち21トリソミーの数字にあたります。国の専門委員会の報告書も、NIPTで陽性となった場合に「相当の高い割合で妊娠中断の判断がなされている」と記しています[2]。
この数字を読むときの3つの注意
1つ目は、分母が「NIPTを受けて陽性になった方」だということです。妊婦さん全体ではありません。NIPTを受けない方や、結果にかかわらず産むと決めていて検査を受けない方は、この集計に入っていません。「日本の妊婦さんの9割が中絶を選ぶ」という意味ではない点に注意してください。
2つ目は、数え方で数字が変わることです。上の中断率の分母には、子宮内胎児死亡となった方も含まれています。18トリソミーの中断率が60.3%と低く見えるのは、陽性だった470人のうち142人が子宮内胎児死亡となったためです[1]。妊娠を続けるか中断するかを選んだ方だけで計算し直すと、21トリソミーでは774人÷(774人+30人)で約96%になります(表の数字から当院で計算)。
3つ目は、妊娠を続けた方もいることです。陽性のあと妊娠を続けた方は、21トリソミーで30人、3つの合計で57人でした[1]。陽性という結果は、「中絶しなければならない」という意味ではありません。
諸外国の報告
海外の数字は、国や研究によって「何を数えたか」が違います。そのまま日本の数字と比べることはできませんが、原著論文と公的な情報で確かめられる範囲を整理します。
🌍 諸外国で報告されている数字と制度
| 国・地域 | 報告されている内容 | 何を数えたものか |
|---|---|---|
| 米国 | 出生前にダウン症候群と診断された場合の中絶率は、地域の住民全体を対象にした7つの研究の加重平均で67%(61〜93%)、病院ごとの9つの研究では85%(60〜90%)[3] | 1995〜2011年に発表された24の研究のまとめ。NIPTが広まる前のデータ |
| 欧州 | 選択的な中絶により、ダウン症候群のある赤ちゃんの出生は平均54%減ったと推計。マルタの0%からスペインの83%まで、国による差が大きい[4] | 2011〜2015年の推計。中絶率ではなく、出生がどれだけ減ったかを表す数字 |
| オランダ | 出生の減少の割合は1991年の26%から2018年の55.2%へ上がった。NIPTの導入(2014年、2017年)の前後で、この傾向は変わらなかった[5] | 1991〜2018年の登録データ |
| フランス | 赤ちゃんに、重く、診断の時点で治療法がないと認められる病気がある可能性が高い場合、2人の医師の証明があれば、妊娠のどの時期でも医学的な理由による中絶が認められる[6] | 数字ではなく法制度 |
国によって、検査の受け方も数字の集め方も違います。表の数字を横に並べて「どの国が多い・少ない」と比べることはできません。
確かめられる範囲でいえるのは、次の2点です。出生前にダウン症候群と分かったあとに妊娠を続けない選択をする方が多数を占めるのは、日本だけではありません[3][4]。そして、その割合は国や研究によって大きく違います。オランダの研究では、NIPTが導入されたあとも、それまでの傾向は変わりませんでした[5]。
どの国の数字も、一組一組のご夫婦が出した結論を合計したものです。「こうすべき」という基準を示すものではありません。国の報告書は、出生前検査をすべての妊婦さんに一律に行うことや勧めることを否定し、医療・福祉の支援や育児支援についての情報を、検査結果が出る前に伝える必要があるとしています[2]。
2. 人工妊娠中絶は「いつまで」可能か?期限は妊娠21週6日
妊娠を続けない選択をする場合には、法律で決まった期限があります。陽性と分かってから慌てないために、先に知っておいてください。
💡 法的期限:母体保護法について
母体保護法は、人工妊娠中絶を「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」に行うものと定めています[7]。この時期の基準は、厚生事務次官通知で「通常妊娠満22週未満」とされています[8]。つまり、妊娠21週6日までです。手術ができるのは、都道府県の医師会が指定する医師(母体保護法の指定医師)に限られ、本人と配偶者の同意が必要です[7]。
日本の法律には、赤ちゃんの病気そのものを理由とする条文はありません。認められているのは、妊娠の継続や分娩が、身体的または経済的な理由で母体の健康を著しく害するおそれがある場合などです[7]。なお、ミネルバクリニックでは人工妊娠中絶の手術は行っていません。手術は、指定医師のいる産婦人科で受けることになります。
妊娠12週未満の「初期中絶」と、妊娠12週以降22週未満の「中期中絶」では、方法と体への負担が大きく違います。中期中絶は、薬で人工的に陣痛を起こし、分娩と同じ形をとります。数日間の入院が必要で、妊娠12週以降は死産届の提出も必要です。また、妊娠4か月(85日)以降の人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業(少なくとも6週間)が必要になります。
検査から期限までの時間の流れ
NIPTを受けてから確定検査の結果が出るまでには、日数がかかります。ミネルバクリニックのNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受け付けています。結果が出るまでの目安は10〜14日です(インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間)。陽性の場合は確定検査に進みます。絨毛検査はおおむね妊娠11〜14週ごろ、羊水検査は妊娠15〜16週以降に行います。
確定検査の結果が出るまでの日数は、施設や検査の方法によって数日から数週間と幅があります。ミネルバクリニックでは、絨毛検査・羊水検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査(染色体の微細な欠失・重複を調べる検査)は2週間ほどで結果が出ます。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持てます。法律と期間についてのくわしい説明は、NIPT陽性時の中絶はいつまで?法律と期間にまとめています。
🩺 院長コラム【9割という数字は、答えではありません】
「9割」という数字を見ると、それが多数派の正解のように見えるかもしれません。けれども、この数字は、それぞれのご夫婦が自分たちの暮らしと向き合って出した結論を足し合わせたものです。数字は、あなたがどうすべきかを教えてはくれないと考えています。
臨床遺伝専門医の役割は、どちらかの選択へ導くことではなく、判断の材料を正確にお渡しすることだと考えています。妊娠を続ける選択も、続けない選択も、考え抜いて出した結論であれば、他人が正解・不正解をつけられるものではありません。
3. 決断の前に不可欠な「確定診断(羊水検査)」の手順と必須性
ここがいちばん大切な点です。NIPTは非確定的検査(スクリーニング検査)で、NIPTだけで診断はつきません。国の報告書も、NIPTが陽性だった場合は「絨毛検査・羊水検査等の確定的検査を実施する必要がある」としています[2]。
NIPTが陽性でも、赤ちゃんに染色体の変化がないことがあります(偽陽性)。先ほどの国内の集計では、陽性のあと確定検査を受けた1,318人のうち、実際に染色体の変化が確かめられたのは1,199人(91.0%)でした[1]。病気ごとの陽性的中率は次のとおりです。
🔬 NIPT陽性のあと確定検査を受けた方の結果(国内の認定施設)
| 21トリソミー | 18トリソミー | 13トリソミー | 合計 | |
|---|---|---|---|---|
| 確定検査を受けた方 | 845人 | 349人 | 122人 | 1,318人 |
| 染色体の変化が確かめられた方 | 821人 | 311人 | 67人 | 1,199人 |
| 偽陽性だった方 | 24人 | 38人 | 55人 | 119人 |
| 陽性的中率 | 97.2% | 89.1% | 54.9% | 91.0% |
出典:日本産科婦人科学会 倫理委員会 周産期委員会の資料[1]。合計には、2つの項目が同時に陽性だった2人を含みます。
13トリソミーでは、陽性だった方のおよそ半数が偽陽性でした。陽性的中率は、調べる病気や検査を受ける方の年齢によって変わります。微小欠失など、数の異常以外の項目では、数の異常より陽性的中率が低めです。数字の見方はNIPTの精度(感度・特異度・陽性的中率)でくわしく解説しています。
🔬 用語解説:なぜ偽陽性が起きるのか(胎盤限局性モザイク)
NIPTで調べているDNAの多くは、赤ちゃん本人ではなく胎盤から出たものです。胎盤限局性モザイク(CPM)は、染色体の変化が胎盤の組織にだけあり、赤ちゃんの組織にはない状態をいいます。5,512件の絨毛検査を調べた研究では、0.65%に見つかりました[9]。この場合、赤ちゃんには変化がないのに、NIPTは陽性と出ることがあります。
確定検査には、胎盤のもとになる組織を採る絨毛検査と、羊水を採る羊水検査があります。胎盤だけの変化かどうかを見分ける必要があるときは、羊水検査が選ばれます。検査の違いと時期は羊水検査・絨毛検査のページで説明しています。
いちばん避けたいのは、確定検査で確かめる前に決めてしまうことです。陽性になったときに大切なのは、本当にそうかを確かめてから考えることです。ミネルバクリニックでは、2025年6月から産婦人科を併設し、絨毛検査・羊水検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは、何度でも無料です。
4. なぜ約9割が産まない選択をするのか?ご夫婦の理由と葛藤
集計の数字からは、一人ひとりの理由までは分かりません。理由は一つではなく、いくつもの事情が重なっています。ご夫婦が考えることの多い点を整理します。どれも、「赤ちゃんを大切に思っていない」ということではありません。
- 暮らしとお金のこと:療育や通院と仕事をどう両立するか。親が亡くなったあと、この子はどう暮らしていくのか。
- 上のお子さん(きょうだい)のこと:きょうだいに、将来どのくらい負担がかかるのか。
- ご両親の年齢と体力のこと:お子さんが大人になるまで、健康で働き続けられるか。
- 赤ちゃんの体と妊娠の経過のこと:染色体の変化がある赤ちゃんは、おなかの中で亡くなることがあります。国内の集計では、陽性だった方のうち子宮内胎児死亡となったのは、21トリソミーで943人中81人、18トリソミーで470人中142人、13トリソミーで141人中22人でした[1]。
一方で、陽性のあと妊娠を続けた方が57人います[1]。続けると決めたご家族は、出産する病院、生まれたあとの検査や治療、使える制度や支援について、妊娠中から準備を進めます。国の報告書も、出生前検査を受けた方が、障害のある方への医療・福祉サービスの情報を出生前から手に入れやすくする環境が必要だとしています[2]。妊娠を続けた方の経過はNIPT陽性でも産んだ|羊水検査でダウン症確定後の決断で、妊娠を続けない選択をした方の思いはダウン症とわかり中絶しました。後悔の理由と専門医の視点で紹介しています。
ご夫婦の間で意見が分かれることもあります。一人は妊娠を続けたいと考え、もう一人は育てていく自信が持てない、という場合です。期限があるなかで、どちらかが折れる形で結論を出すと、あとに苦しさが残ることがあります。
🩺 院長コラム【ご夫婦で意見が分かれたとき】
意見が分かれること自体は、お二人とも真剣に考えている証拠だと考えています。大切なのは、話し合う時間を確保することです。確定検査の結果が早く出れば、そのぶん考える時間が残ります。
医学的な事実については、ご夫婦が同じ説明を同じ場で聞くことが、話し合いの土台になると考えています。片方だけが説明を聞いて、もう片方に伝える形では、受け取り方にずれが生まれやすいからです。
5. 後悔しない決断のために。専門医による遺伝カウンセリングの重要性
国の報告書は、出生前検査を受けるときには「十分な説明・遺伝カウンセリングを受けることが不可欠」としています[2]。陽性という結果だけを受け取っても、その意味と、次に何をすればよいかが分からなければ、落ち着いて考えることはできません。
遺伝カウンセリングで行うのは、次のようなことです。検査結果が何を意味し、何を意味しないのかの説明。確定検査の方法と時期の説明。その病気について分かっている医学的な情報の説明。使える制度や支援についての情報提供。そして、ご夫婦それぞれの考えを整理するお手伝いです。医師が特定の選択を勧めることはありません。決めるのは、ご本人とパートナーです。
ミネルバクリニックは、出生前検査認証制度の認証を受けていない施設です。そのうえで、臨床遺伝専門医が常駐し、検査前の臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(90分の受診枠の中で行います)から、陽性のときの確定検査までを院内で行っています。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。
費用の心配で確定検査をためらうことがないよう、当院でNIPTを受ける方は全員、羊水検査互助会(カトレア会、1回のNIPTにつき8,000円)に加入します。陽性のときの確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用を互助会が補助し、補助の上限はありません。対象と条件は、下の関連記事でご確認ください。
ほかの施設でNIPTが陽性となり、確定検査を受ける病院が決まらない方は、他院でNIPT陽性「確定検査の病院が決まらない」方へをご覧ください。これからNIPTを受ける施設を選ぶ方は、陽性のときに誰が説明し、どこで確定検査を受けられるのかまで確かめておくと、いざというときに時間を失わずにすみます(NIPTクリニックの選び方)。
🏥 検査の前から陽性のあとまで、同じ施設で
これからNIPTを受ける方へ。ダウン症候群だけで大丈夫か、どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で行う臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングで決められます。陽性のときは、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでの遺伝カウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. NIPTで陽性になったら、必ず中絶しなければならないのですか?
いいえ。NIPTは可能性を調べる検査で、陽性でも結果が確定したわけではありません。まず絨毛検査や羊水検査で確かめます。確定したあとに妊娠を続けるかどうかは、ご本人とパートナーが決めることで、医師が決めることではありません。国内の集計でも、陽性のあと妊娠を続けた方が57人います。[1]
Q2. 人工妊娠中絶は妊娠何週まで可能ですか?
Q3. ダウン症候群の場合、産まない選択をする割合はどのくらいですか?
厚生労働省の専門委員会に提出された国内の認定施設の集計(2013年4月〜2020年3月、86,813件)では、21トリソミー(ダウン症候群)が陽性だった方の妊娠中断率は87.5%でした。18トリソミーは60.3%、13トリソミーは69.0%、3つの合計は78.2%です。偽陽性だった方と追跡できなかった方を除いた割合で、分母には子宮内胎児死亡となった方も含まれます。[1]
Q4. NIPTの結果だけで中絶を決めてもいいですか?
Q5. 検査施設で陽性と言われましたが、羊水検査の案内がありません。
中絶ができる期限は妊娠21週6日までなので、確定検査を受ける施設を早めに決めることが大切です。ミネルバクリニックでは、ほかの施設でNIPTが陽性だった方の絨毛検査・羊水検査も、できる範囲でお引き受けしています(当院でNIPTを受けた方が優先です)。お急ぎの方はNIPT専用ダイヤル(03-3408-3768)へご連絡ください。確定検査の受け入れについては他院でNIPT陽性「確定検査の病院が決まらない」方へをご覧ください。
Q6. 産まない選択をした場合、その後の心のケアはどうすればいいですか?
悲しみや罪悪感、ほっとした気持ちが入りまじるのは、めずらしいことではありません。一人で抱え込まず、主治医やパートナー、信頼できる人に話してください。眠れない、食べられない状態が続くときは、心療内科や精神科の受診も選択肢です。当院でNIPTを受けて陽性となった方は、陽性後の遺伝カウンセリングを何度でも無料で受けられます。中絶のあとに起こりやすい心の反応は中絶後の心の反応で解説しています。
Q7. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
何を調べるかに正解はなく、ご夫婦の考え方で決めてよいことです。そのうえで知っておいていただきたいのは、出生前検査で調べられる病気はダウン症候群だけではない、という点です。当院のNIPTでは、18トリソミー・13トリソミーのほか、22q11.2欠失症候群などの微小欠失(スタンダードプランから)や、単一遺伝子の病気(ダイヤモンドプランは56遺伝子、インペリアルプランは最大155遺伝子・202疾患)も調べられます。調べる範囲が広がると、陽性や確定検査の場面も増えます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で行う臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングで決められます。
関連記事
参考文献
- [1] 日本産科婦人科学会 倫理委員会 周産期委員会(周産期遺伝に関する小委員会). NIPT受検者のアンケート調査の結果について. 厚生労働省 第4回NIPT等の出生前検査に関する専門委員会 参考資料3(三上委員提出資料). [厚生労働省 PDF]
- [2] 厚生科学審議会科学技術部会 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会. NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書. 令和3(2021)年5月. [厚生労働省 PDF]
- [3] Natoli JL, Ackerman DL, McDermott S, Edwards JG. Prenatal diagnosis of Down syndrome: a systematic review of termination rates (1995–2011). Prenat Diagn. 2012;32(2):142-153. [DOI 10.1002/pd.2910]
- [4] de Graaf G, Buckley F, Skotko BG. Estimation of the number of people with Down syndrome in Europe. Eur J Hum Genet. 2021;29(3):402-410. [DOI 10.1038/s41431-020-00748-y]
- [5] de Groot-van der Mooren M, de Graaf G, Weijerman ME, et al. Does non-invasive prenatal testing affect the livebirth prevalence of Down syndrome in the Netherlands? A population-based register study. Prenat Diagn. 2021;41(10):1351-1359. [DOI 10.1002/pd.6003]
- [6] Service-Public.fr(フランス政府の公式サイト). Interruption médicale de grossesse (IMG).(公衆衛生法典 L2213-1〜L2213-5条) [Service-Public.fr]
- [7] 母体保護法(昭和23年法律第156号)第2条第2項、第14条第1項. [法務省 日本法令外国語訳データベース]
- [8] 厚生事務次官通知「母体保護法の施行について」(平成8年9月25日 厚生省発児第122号、一部改正 令和2年10月20日)第2の1. [通知全文 PDF(堺市掲載)]
- [9] Toutain J, Goutte-Gattat D, Horovitz J, Saura R. Confined placental mosaicism revisited: Impact on pregnancy characteristics and outcome. PLoS One. 2018;13(4):e0195905. [DOI 10.1371/journal.pone.0195905]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断や方針を示すものではありません。妊娠を続けるかどうかは、ご本人とパートナーが決めることです。ミネルバクリニックでは人工妊娠中絶の手術は行っていません。



