NIPT(新型出生前診断)で性別を知ることはできるの?そのメリットは?
「NIPT(新型出生前診断)で性別が分かるって本当?」
「1日でも早く性別を知りたいから、正確な情報が分かるなら受けたい」
お腹の中の赤ちゃんの性別を、心から楽しみにしている妊婦さんやご家族の方は少なくありません。
反対に、染色体異常を確認したいからNIPTを受けたいけど、性別は出産まで知りたくない、という方もいるでしょう。
そこで、今回の記事ではNIPTで性別を知ることができるのか?
あるいは強制的に知らされてしまうことはないのか?
という点について解説します。
性別が男女どちらかということを楽しみにしている方にとって、とても興味深い内容になれば幸いです。
1、NIPT(新型出生前診断)で性別はわかるの?
最初に、NIPT(新型出生前診断)を受けた妊婦さんがどの程度いるのか、データを参照しながら紹介します。
また、NIPTがなぜ増えているのかという背景についても解説します。
1-1. 99.9%の確率で男女が判別できる
NIPT(新型出生前診断)の本来の目的は、染色体検査をすることでダウン症候群(21トリソミー)などの先天性異常をチェックすることです。
性別の検査は、NIPTの本来の目的ではありませんが、染色体の数によって人の性別は決まるため、NIPTを受けることにより99.9%の確率で性別も確認できます。
ただし、性別の告知が受けられるのは、2020年現在、厚生労働省が認可をしていないクリニックに限られます。
※厚生労働省認可の医院では性別の告知をしていません。
認可外のクリニックであっても、独自に判断していることがあるので、性別が気になる方は告知をしてもらえるかどうか先にチェックするようにしましょう。
1-2. 性別が分かるのはいつ頃から?
NIPT(新型出生前診断)は、クリニックにより違いがありますが、だいたい妊娠9週目以降に受けることができます。
そして、検査結果が出るまでおよそ10日前後かかるので、最短で妊娠10~11週目頃には性別が分かります。
一方、染色体検査を受けない場合、エコー検査で性別を知ることができます。
エコー検査も、平面画像の2D検査だけでなく、立体的な映像が確認できる3D、さらに立体的な動画の4Dと技術が進んでいます。
早ければ12週頃からエコー検査で性別が分かることもありますが、写真や映像を目視で確認するため、角度や赤ちゃんの姿勢などによって正確に判断できないこともよくあります。
性別の判断が付きやすくなるのは24週目前後ですが、この段階でも正確に性別を判断できるとは限りません。
以下に該当する方は、NIPTで性別を知るメリットがとても大きいと感じられるのではないでしょうか?
- ・高い精度で性別を知りたい方
- ・1日でも早く、性別を知りたい方
1-3. NIPT(新型出生前診断)で性別の判定が100%にならない理由
「NIPT(新型出生前診断)で性別を教えてもらったのに、外れた」
といった話を耳にしたことはありますか?
確率としては非常に低いのですが(0.1%程度)、NIPTにで誤った性別がでることがあります。
具体的な例を2つ紹介します。
- ・バニシングツイン
- 元々、双子を妊娠したものの、そのうちの一人がお腹の中で亡くなってしまうというのがバニシングツインです。
亡くなった赤ちゃんの微量に残った胎内のDNAが、NIPTの検査で分析されることにより異なる結果が出てしまうことです。 - ・性分化疾患(DSD)
- 性分化疾患(DSD)は、体内で染色体・性腺・内性器や外性器が多くの人とは異なる形をとる疾患の総称です。
かなり珍しい症状ではありますが、遺伝子のパターンとは異なる形で性の分化がおこなわれるため、遺伝子の情報のみを読み解いても正確な性別が把握できないことです。
2. NIPT(新型出生前診断)を受けて性別を知ることができない場合
NIPTは99.9%という高い確率で性別を知ることが出来ますが、性別の結果が「判定できない」という場合があります。
Y染色体は他のどの染色体よりもはるかに小さく、「Y」染色体由来のDNAの量も少ないということです。このため、Y染色体の有無を確認することが困難な場合があります。検査室では、胎児の性別の性別は、結果が非常に明確な場合にのみ報告されます。検査室は、信頼できる結果を出すのに十分な情報が試料から得られない場合、結果を「判定保留」と報告します。
だからといって赤ちゃんに問題があることは通常はありません。赤ちゃんに染色体異常がある可能性はわずかながらありますが、この結果が出たほとんどの女性は健康な妊娠をしています。
胎児の性別や性染色体数が報告できない場合には再検査を行うメリットはあまりありません。このような場合、性染色体に関する信頼性の高い結果が得られる可能性は低いためです。
絨毛検査や羊水検査などの他の侵襲的な追加検査を受けるかどうかの判断は、妊娠の詳細とご本人が知りたい内容によって決まります。臨床遺伝専門医とよく相談しましょう。通常18週から22週の間に定期的な超音波検査をお受けになるでしょう。多くの場合、超音波検査で胎児の性別を予測することができ、身体的な先天性異常があるかどうかをチェックすることができますが、超音波検査では、性染色体数の異常(異数性)を持つほとんどの赤ちゃんを識別することはできません。
3、NIPT(新型出生前診断)を受けて性別を知ることのメリット
NIPT(新型出生前診断)を受けるには費用がかかることや、本来の目的である染色体異常の告知に対する準備(結果を冷静に受け止めるために、正確な知識を得たり精神面での準備を整える)など、受けるかどうか迷うポイントはいくつもあるかと思います。
それでも「精度の高い検査で性別を知りたい」という妊婦さんにとって、NIPTで性別を判別するメリットをご紹介します。
(一般的なNIPTを受ける目的や利点ではなく、あくまで性別を判断するうえでのメリットについてのご紹介となります)
2-1. 流産のリスクがほとんどない
NIPT(新型出生前診断)の大きなポイントは、流産のリスクがほとんどないということです。
というのも、NIPTは妊婦さんの血液を20ccほど採血するだけでできる検査なので、安全性がとても高いという特徴があるからです。
染色体異常をチェックする検査として、他には絨毛検査や羊水検査があります。
絨毛検査は妊娠13週目頃~、羊水検査は妊娠16週目頃に受けられる染色体検査です。
これらは、NIPTと異なり確定診断といって、染色体異常を100%の確率で診断できますが、どちらもお腹に針を刺す検査であるため、わずかではありますが流産のリスクがあります。
※確定診断について詳しく知りたい方は「NIPT(新型出生前診断)は非確定診断|検査の確率について」 で詳しくご紹介しているので、チェックしてみてください。
2-2. 告知を受けないという選択肢も可能
一方、性別を知りたくないという方はもちろん、告知を受けないという判断も可能です。
NIPT(新型出生前診断)は本来染色体異常のリスクをはかるための検査なので、元々性別を知る目的では受けていない、という方もいるかと思います。
性別は、生まれたときに知りたいという方や、エコー検査で性別が見えてくるまではドキドキしながらいろいろ想像したいという方もいるでしょう。
そのような方は、NIPTを受ける際性別の告知なしにしておけば、誤って知ってしまうという事態を避けることができます。
2-3. 母親になるという実感がわきやすい
3つ目のメリットは、性別が分かることで母親になるという実感がわきやすいということです。
何事もそうですが、具体的にイメージできた方が、実感がわいてくるものです。
NIPT(新型出生前診断)は、妊娠早期に受けられるので、この時期に性別が分かると早い時期から母親になる実感を持てることになります。
特に初産の方にとって、出産というのは分からないことが多く、イメージするにも具体的な姿が湧きにくいことばかりだと思います。
性別が分からないほうが想像を膨らませられる方もいれば、性別が分かったほうがイメージを鮮明に描けるという方もいるので、そこは一つの個性としてご自身に合った選択をするのがベストなのではないでしょうか?
3、まとめ
NIPT(新型出生前診断)では、先天性異常だけでなく性別を知ることもできます。
ただし、性別を告知してもらえるかどうかは、個別に確認しましょう(例えば、厚生労働省認可のクリニックでは、性別の告知をおこなっていません)。
NIPTは流産のリスクがほぼなく、妊娠早期に受けられる検査です。
性別を知りたい方にとって、リスクが少なくメリットの大きな検査方法だと思いますので、まずは信頼できるクリニックにお問い合わせされてみてはいかがでしょうか?
そこでみなさんにおすすめしたいのが、経験と知識が豊富な臨床遺伝専門医による新型出生前診断を受けられる東京のミネルバクリニックです。
ミネルバクリニックは、世界最新鋭の医療技術を用いた新型出生前診断や、より精度の高い第2世代・第3世代のNIPTを受けられる国内唯一の施設です。
新型出生前診断を受ける施設にお悩みの際は、ミネルバクリニックまで是非ご相談ください。
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カリオセブン|全部の染色体を7Mbでスキャン+微小欠失9疾患。胎児のDNA2.5%から可能なので9週から検査できます。
デノボ|父親の加齢と相関する25遺伝子44疾患
ペアレントコンプリート:通常のNIPT(母親の側に原因がある疾患をチェック)+デノボ(父親側に原因がある疾患をチェック)
コンプリートNIPT:ペアレントコンプリート+カリオセブンの全部が入っています
イルミナVeriseq2(全染色体を7Mbで欠失・重複のスキャンが可能。但し、胎児のDNAが8%ないと正確性を担保できないため、妊娠11週からとなります)
オンラインNIPT:全国どこにお住まいでもミネルバクリニックのNIPTが受けられます
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号