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シークエンスの方法2:DNAシークエンサーを用いたジデオキシ法

Chapter2-3 DNAシークエンサーを用いたジデオキシ法

 現在では、放射性同位体で標識する方法に代わり、蛍光色素で標識する方法が用いられるようになるとともに、DNAシークエンサーを用いて自動化DNAシークエンスを行うことができるようになりました。それでは、DNAシークエンサーを用いた自動化DNAシークエンス法についてみていきましょう。
この記事の著者:仲田洋美医師 臨床遺伝専門医がん薬物療法専門医総合内科専門医

DNAシークエンサーを用いたジデオキシ法とは?

自動化DNAシークエンス法では、4種類のdNTP(dATP,dGTP,dCTP,dTTP)と、4種類のddNTP(ddATP,ddGTP,ddCTP,ddTTPのすべて)の混合溶液を用意し、このときの4種類のddNTPにはそれぞれ別々の色の蛍光色素で標識しておきます。

 そしてこの溶液を用いてDNA合成を行なうと、それぞれのddNTPを取り込んだ時点で反応が停止し、4つの蛍光色素のうちのいずれか1つで標識されたさまざまな長さのヌクレオチド鎖ができますので、合成された二本鎖DNAを解離して一本鎖にして長さの順に並べます。

 その後、蛍光色素の色を識別する「DNAシークエンサー」を用いることによって、DNAの塩基配列をそれぞれの蛍光色素の色として読み取ることができます。

このとき、サンガー法が一つひとつDNA 配列を決めていくのに対し、次世代型シークエンサーは同時並行で一気に複数のDNA 配列を決定するというところが全く違うところです。複数といっても数千万から数億を同時並行で,なので超はやいんです。サンガー法しかなかった頃は病気の原因遺伝子をさがすには、相当絞り込んで目当ての領域だけを読み取るようにしないと時間も費用も掛かりすぎたのですが、次世代型シークエンサー(NGS)が出てきたおかげで「とりあえずゲノムを検査」ということが可能となったのです。

でも、サンガー法自体は今でも使われています。

サンガー法のDNA読み取り精度が高いため、次世代型シークエンサーの解析結果の確認に使われています。

また、特定の遺伝子の特定の場所を解析するのには費用もかからず、結果の解析も簡単なサンガー法が使われます。

次世代シークエンサーでは得られるデーターが膨大なので、見たいところを探すだけでも相当な作業が必要になるからです。

こうしてNGSはSanger法の限界をだいぶ克服することでゲノム配列決定に革命をもたらしましたが、もっとも普及しているNGS法は先行技術と共通点が多いんです。

後でさらに詳しく述べるように、NOSは伸長終結と蛍光塩基を利用し、新生DNA分子に一度に1塩基を付加するDNAポリメラーゼという酵素に依存します。

何十億ものSanger反応が並行して起こるNGSは「大規模並行配列決定」であり、この処理能力の爆発的な増加は、ルーチンの臨床ケアにおけるゲノミクスの利用を大幅に妨げていた障壁(例えば,費用と検査にかかる時間)などのいくつかを崩し、cfDNAに基づく出生前検査、つまりNIPTへの道を切り開いたのです。

 

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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