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【NIPT】Duchenne型筋ジストロフィーと脊髄性筋萎縮症に対する非侵襲的出生前診断取り扱いいたします【NIPD】

みなさま、こんにちわ。

何もかも堂々とするのがわたしの流儀。

昨日夜、関係学会と日本医師会に文末にある文書を提出いたしました。

重い遺伝病の非侵襲的出生前診断が海外ではすでに始まっています。

ある特定の遺伝子に病的変異があると疾患を発症する、という関係があるものを単一遺伝子疾患と呼びますが、こうした単一遺伝子疾患にたいする非侵襲的出生前診断がどんどん拡大していくものと思われます。

ミネルバクリニックでも、取り扱いを開始することといたしました。

この検査は、家系の遺伝子の異常が判明している方が対象となりますので

まだ遺伝子の異常が確定していない、またはセンシティブな問題なので聞けない、というかたは

まずは保因者診断からすることになります。

NIPTと違い、日数がかかりますので、事前にご相談くださいますようお願いいたします。

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日本医学会連合 御中

日本内科学会 御中

日本神経学会 御中

日本小児科学会 御中

日本人類遺伝学会 御中

日本産科婦人科学会 御中

厚生労働省 御中

文部科学省 御中

 

提出主:香川大学医学系研究科がんプロフェッショナル養成プラン腫瘍内科コース

    ミネルバクリニック 仲田洋美

資格: 医籍登録番号 第371210号

麻酔科標榜医 厚生労働省医政発第1017001号 麻 第26287号

日本内科学会 認定内科医 第19362号

日本内科学会 総合内科専門医 第7900号

日本プライマリ・ケア連合学会 指導医 第2014-1243号

日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号

臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 第10190193号

日本感染症学会認定 インフェクションコントロールドクターID3121号

日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 第J-535号

日付: 平成30年6月21日

 

 平素より大変お世話になっております。

 この度、海外では既に臨床導入されているcell free fetal DNA(cffDNA)を用いた単一遺伝子疾患診断NIPDを国内で導入すべく、①Duchenne/Becker型筋ジストロイ―、②SMA脊髄性筋萎縮症のNIPDを取り扱い開始したく存じます。

 このように、cffDNAを用いた13/18/21トリソミーといった染色体異数性検査で始まったNIPT(non-invasive prenatal test)は、世界では既にNIPD(non-invasive prenatal diagnosis)として単一遺伝子疾患の胎児診断に用いられており、今後は急速にその対象疾患が拡大していくものと容易に予想されます。

 わたくしは、2008年、香川大学でがんプロフェッショナル養成プランに入学し、臓器横断型腫瘍内科医となると遺伝性腫瘍に遭遇するようになり、診療体制の構築の必要性からがん薬物療法専門医をとったあと、遺伝専門医取得に乗り出しました。当時すでに、遺伝性乳がん卵巣がんを着床前診断の対象とする国が4か国あり、遺伝性腫瘍の世界が出生前診断とオーバーラップする日を予見してのことです。国内留学先の兵庫医大で出生前診断に携わる機会を得ました。

 また、わたくし自身は新生突然変異による偽性偽性副甲状腺機能低下症であり、インプリンティングのある遺伝子であるため、病的遺伝子を伝達すると子供は知的障害のある偽性副甲状腺機能低下症となることから、わたしにとって3回の妊娠出産は博打以外の何物でもありませんでした。わたくしは結婚に際して子供は嫌いなのでいらない、という条件を付けましたが、自分が遺伝病の患者だからに他なりません。

そのようなわたくしからすると、今、NIPDという技術で我々のような遺伝病患者がやっと堂々と結婚して、普通の人と同じように妊娠し、出産できる時代が到来しようとしていることに感無量です。遺伝的に問題を抱えたすべての人たちにとって、妊娠出産を博打から解放したい、というのが当事者であるわたくしの偽らざる心情です。生まれてくる子の健康を願わない親がいるのでしょうか。ましてや遺伝病の患者は遺伝するがゆえに差別対象となる。わたしたち遺伝病の患者にとって、この技術こそ、そうした差別から我々を部分的にであっても解放する救世主なのではないかとすら感じてしまう次第です。生まれたときから一瞬も「普通」たりえない我々遺伝病患者に、せめて結婚・妊娠・出産という人生の選択をポジティブにできる勇気をもたせてほしいと思います。わたし自身、このように生まれついたことで深く葛藤しましたし、今どんなに多くの人たちに大切にされて愛されて生きていても、「一度でいいから普通になりたい」という思いは消えることがありません。こうした検査が命の選別の引き金となることで生命倫理的に問題を孕んでいることは重々承知です。しかし、親として同じ思い、またはそれ以上の思いを子供にさせたくない、という遺伝病患者の思いも理解していただきたく存じます。

また、先般、日産婦に置かれましては、新聞報道によればNIPTの施設を拡大しようとしておられるように伺っておりますが、産科の守備範囲外のこうした単一遺伝性疾患の診断が既に可能となっている中、対象施設を拡大することの是非を今一度検討し、また、新たな枠組みを検討する過程において、わたくしのような小児科産婦人科以外のその他遺伝専門医を蚊帳の外におくことの是非を今一度ご検討いただけますれば幸いでございます。