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第1三半期(妊娠初期)とは?いつからいつまでかと三半期の区分を臨床遺伝専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

妊娠がわかると、産婦人科で「第1三半期」「trimester(トライメスター)」といった言葉を耳にすることがあります。第1三半期(だいいちさんはんき/first trimester)とは、妊娠0週0日から13週6日までの期間を指し、妊娠期間を約3か月ずつ3つに分けた「三半期」区分の最初の時期です。日本の産科婦人科用語集では「妊娠初期」とも呼ばれます。この時期には、赤ちゃんの主要な臓器がつくられる器官形成期が含まれ、発生学的に重要な時期です。この記事では、第1三半期とはいつからいつまでか、三半期という区分の意味、「妊娠初期」との違い、なぜこの時期が重要なのか、そしてこの時期に受けられる検査までを、臨床遺伝専門医の視点で正確に解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🤰 妊娠週数・三半期・器官形成期
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 第1三半期とは?まず結論だけ知りたいです

A. 第1三半期とは、妊娠0週0日から13週6日までの期間で、trimester(三半期)による妊娠期間の3区分の最初の時期です。妊娠週数は最終月経の初日を0週0日として数えます。日本の産科婦人科用語集(改訂第4版)では、この期間は「妊娠初期」と同じ区分にあたります。この時期には赤ちゃんの主要な臓器がつくられる器官形成期が含まれるため、薬・感染・放射線などの影響を受けやすい、感受性の高い時期を含みます。NIPTや初期の胎児スクリーニングなど、早い時期に受けられる出生前検査がこの時期に始まります。

  • ➤期間 → 妊娠0週0日〜13週6日(妊娠週数は最終月経の初日を0週0日として数える)
  • ➤三半期とは → 妊娠期間を約3か月ずつ3つに分けた区分。first/second/third trimester=第1/第2/第3三半期
  • ➤妊娠初期との関係 → 産科婦人科用語集では同じ(〜13週6日)。月数で数える区分では〜15週6日とすることもある
  • ➤なぜ大切か → 器官形成期(受精後およそ3〜8週)を含み、構造的な異常への感受性が最も高い時期を含む
  • ➤受けられる検査 → NIPT(妊娠10週〜)、初期胎児スクリーニング・NT/コンバインド検査(11週0日〜13週6日)

🤰 第1三半期の基本情報

項目 内容
読み方・英語名 だいいちさんはんき/first trimester。三半期=trimester(トライメスター)
期間 妊娠0週0日〜13週6日(妊娠週数は最終月経の初日を0週0日として起算する)[1]
別の呼び方 妊娠初期(産科婦人科用語集・改訂第4版の週数区分では〜13週6日で一致)[4]
この時期の特徴 器官形成期(受精後およそ3〜8週=妊娠週数で5〜10週ごろ)を含み、主要な臓器がつくられる[5]
妊娠期間の3区分 第1三半期(〜13週6日)・第2三半期(14週0日〜27週6日)・第3三半期(28週0日〜)[1]
受けられる主な検査 NIPT(妊娠10週〜)、初期胎児スクリーニング・NT/コンバインド検査(11週0日〜13週6日)

※本記事は妊娠期の用語を正確に理解するための解説です。特定の検査を勧めるものではありません。

第1三半期が妊娠0週0日から13週6日までで、器官形成期やNIPT・初期胎児スクリーニングの時期を含むことを示すインフォグラフィック
第1三半期は妊娠0週0日〜13週6日です。主要な器官形成が進む時期を含み、妊娠10週以降のNIPTや11〜13週台の初期胎児スクリーニングなど、出生前検査を検討できる時期でもあります。

1. 第1三半期とは ─ いつからいつまで(0週0日〜13週6日)

第1三半期とは、妊娠0週0日から13週6日までの期間です[1]。妊娠週数は、受精した日や着床した日ではなく、最終月経(生理)の初日を「妊娠0週0日」として起算します[2]。そのため、月経が予定どおりに来なくて妊娠に気づいたときには、すでに妊娠5〜6週に入っていることが多く、第1三半期のかなりの部分が過ぎていることも少なくありません。

つまり、妊娠が判明した時点で、第1三半期の3分の1から半分ほどがすでに経過していることがよくあります。妊娠に気づく前の食事・薬・飲酒などを心配する方が多いのはこのためですが、後述するように、ごく早い時期には「全か無か」と呼ばれる考え方が当てはまることがありますが、曝露の種類や量などによって評価は異なります。妊娠がわかったら、まずは産婦人科を受診し、正確な妊娠週数と体の状態を確認することが第一歩になります。

アメリカ産科婦人科学会(ACOG)は、第1三半期を「最終月経初日から13週6日まで」、第2三半期を「14週0日から27週6日まで」、第3三半期を「28週0日以降」と定義しています[1]。この区分は、産科の国際的な標準として広く用いられています。

💡 用語解説:胚(embryo)と胎児(fetus)

妊娠のごく初期、在胎10週6日以下の赤ちゃんは「胚(embryo)」と呼ばれ、11週0日以降は「胎児(fetus)」と呼ばれます[7]。つまり第1三半期の途中で、呼び方が胚から胎児へと切り替わります。これは主要な器官の基本形ができあがる時期の目安ともほぼ一致しています。

妊娠週数を正確に決めることは、出産予定日の推定や検査の適切な時期を考えるうえでとても重要です。最終月経を正確に覚えている妊婦さんはおよそ半数とされ[2]、月経周期が不順な場合には最終月経からの計算がずれることもあります。そのため、第1三半期の超音波検査で赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ(頭殿長:CRL)を測り、妊娠週数を確認・修正します。この時期の超音波による週数推定は精度が高く、誤差はおよそ±5〜7日とされています[2]。

「三半期(trimester)」の意味と読み方

三半期(さんはんき)は、英語の trimester(トライメスター)の訳語で、妊娠期間を約3か月ずつ3つに分けた区分を指します。trimester はラテン語で「3か月」を意味する言葉に由来します。英語圏では妊娠期間をこの trimester で数えることが一般的で、first trimester=第1三半期、second trimester=第2三半期、third trimester=第3三半期と対応します。

日本の日常の診療では「三半期」よりも「妊娠○週」「妊娠初期・中期・後期」という表現のほうがよく使われます。しかし、海外の資料やSNS、英語の妊娠アプリなどでは trimester という区分がよく登場するため、first trimester=第1三半期=妊娠初期という対応を知っておくと、情報を読み解くときに役立ちます。

2. 三半期による妊娠期間の3区分(第1・第2・第3)

三半期は、妊娠期間を第1(0週0日〜13週6日)・第2(14週0日〜27週6日)・第3(28週0日〜)の3つに分ける区分です[1]。それぞれ約13〜14週、およそ3か月ずつに相当します。各時期で、赤ちゃんの発育の中心となる出来事や、母体に起こる変化が異なります。

📋 妊娠期間の3区分(三半期)

区分 妊娠週数 おおまかな内容
第1三半期
(妊娠初期)
0週0日〜13週6日 受精・着床から主要な臓器がつくられる時期。器官形成期を含む
第2三半期
(妊娠中期)
14週0日〜27週6日 赤ちゃんが急速に成長し、母体の体調が比較的安定してくる時期
第3三半期
(妊娠後期)
28週0日〜 赤ちゃんの体重が増え、臓器が生後に働けるよう成熟していく時期

※第3三半期の終わりは分娩で決まるため、上限は固定されません(正期産・過期産の区分は後述)。

第2三半期・第3三半期のそれぞれで起こる体の変化や過ごし方については、以下の記事で詳しく解説しています。

3. 第1三半期と「妊娠初期」は同じ?区分の違いに注意

日本の産科婦人科用語集では、第1三半期と「妊娠初期」は同じ区分(ともに〜13週6日)です[4]。ただし、一般には「妊娠初期=0〜15週」と説明されることもあり、境界が少し違って見えることがあります。これは、妊娠期間を「週数」で区切るか「月数」で区切るかの違いによるものです。

2018年発行の『産科婦人科用語集・用語解説集(改訂第4版)』では、妊娠期を妊娠初期(〜13週6日)・妊娠中期(14週0日〜27週6日)・妊娠末期=妊娠後期(28週0日〜)の3区分としています[4]。この週数による区分は、三半期の境界とぴったり一致します。つまり、この定義に従えば第1三半期=妊娠初期です。

一方で、妊娠期間を「4週=1か月」として月数で数え、妊娠初期=妊娠1〜4か月(0〜15週6日)、妊娠中期=妊娠5〜7か月、妊娠後期=妊娠8〜10か月、と区切る書き方も広く使われています。この月数ベースの区分では、妊娠初期の終わりが15週台まで延びるため、三半期の「13週6日」とはおよそ2週間ずれます。「妊娠初期はいつまで?」の答えが資料によって13週6日だったり15週6日だったりするのは、この2つの数え方が並行して使われているためで、どちらかが間違っているわけではありません。

💡 用語解説:妊娠週数と妊娠月数

妊娠週数は最終月経初日を0週0日として1週ずつ数えます。妊娠月数は4週間を1か月とみなす数え方で、妊娠1か月=0〜3週、2か月=4〜7週…と続きます。予定日は40週0日(最終月経初日から280日)です[3]。週数と月数は同じ妊娠期間を別の単位で表しているだけですが、区切りの位置が微妙に異なる点に注意すると混乱を避けられます。

本記事では、国際的な三半期の区分(および産科婦人科用語集の週数区分)に合わせて、第1三半期=妊娠0週0日〜13週6日=妊娠初期として扱います。妊娠週数の数え方や出産予定日の計算について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

4. なぜ第1三半期が重要なのか(器官形成期)

第1三半期が発生学的に重要なのは、この時期に「器官形成期(organogenesis)」が含まれるためです。器官形成期は、心臓・脳・手足など赤ちゃんの主要な臓器の基本形がつくられる時期で、薬・感染・放射線などの外的な影響を受けると、構造的な異常(形態異常)が生じやすい、感受性の高い時期です[5]。

器官形成期は、受精後およそ3〜8週にあたります。妊娠週数(最終月経から数える週数)でいえば、およそ5〜10週ごろに相当します[6]。この時期に、神経管(のちの脳・脊髄)の閉鎖や、心臓が単純な管から4つの部屋を持つ形へと作り替えられる、といった重要な発生が進みます[5]。臓器の「設計図どおりの組み立て」が集中して起こるため、この時期の障害は主要な形態異常につながりやすいのです。

重要なのは、臓器ごとに「特に影響を受けやすい時期(感受期)」が少しずつ異なることです。ある薬や感染は、ある臓器がつくられている時期には強く影響し、別の時期にはほとんど影響しない、ということが起こります[6]。心臓や神経系のように第1三半期の早い段階で基本形ができる器官もあれば、脳や生殖腺のように、第1三半期を過ぎても分化・成熟が続く器官もあります[6]。そのため、同じ因子に触れても「妊娠のどの時期に触れたか」で結果が変わりうる、というのが器官形成期を理解するうえでの要点です。だからこそ、心配なことがあったときは「時期」も含めて医師に伝えることが役立ちます。

⚠️ 誤解しやすい点:曝露=必ず異常、ではない

「妊娠に気づく前に薬を飲んでしまった=必ず赤ちゃんに異常が出る」というのは、よくある誤解です。医学的には、影響が出るかどうかは薬などの種類・量・曝露した時期・体質(遺伝的な感受性)によって大きく異なり、曝露が必ず異常につながるわけではありません[6]。とくに受精後およそ2週間までのごく早期は「オール・オア・ナッシング(全か無か)」といって、強い障害では妊娠が成立・継続しない一方、妊娠が継続した場合には典型的な構造奇形を生じにくいとされます[5]。心配なことがあれば、自己判断で不安を募らせず、主治医に相談することが大切です。

なお、器官形成期を過ぎても油断してよいわけではありません。妊娠8週以降(胎児期)は、主要な臓器の大きな作り替えは一段落しますが、臓器の成長や機能の成熟、脳や生殖腺の分化は妊娠期間を通して続きます[6]。そのため、時期によって影響を受けやすい臓器は異なり、感受性が第1三半期だけで完全に終わるわけではありません。第1三半期は「最も注意したい時期を含む」と理解しておくとよいでしょう。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【妊娠に気づく前の飲酒・服薬をどう考えるか】

妊娠に気づく前の飲酒や薬について、強い不安を抱く方は少なくありません。医学的に大切なのは、「時期」と「量」と「体質」で影響は変わり、曝露があったからといって結果が一つに決まるわけではない、という事実を正しく知ることです。とくに受精後およそ2週間までのごく早期には「全か無か」と呼ばれる考え方があり、強い障害では妊娠が成立・継続しない一方、妊娠が継続した場合には典型的な構造奇形を生じにくいとされます。ただし、すべての曝露に機械的に当てはめられる原則ではありません。

器官形成期を含む第1三半期には、避けるべき薬剤や曝露が存在します。一方、実際のリスク評価では、曝露した時期・薬剤や物質の種類・量などを個別に確認する必要があります。妊娠に気づく前の服薬や飲酒があった場合は、自己判断で薬を中止したり結論を出したりせず、使用した薬剤名や量、時期を確認して主治医に相談することが重要です。

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5. 妊娠週数から分娩時期までの一覧表

ここまでの三半期の区分に、妊娠月数と、分娩・流産の時期区分を重ねた一覧表です。流産・早産・正期産・過期産の区分は、日本産科婦人科学会の定義にもとづいています[3]。スマートフォンの方は表を横スクロールしてご覧ください。

妊娠週数 妊娠月数 三半期(初期・中期・後期) 分娩・流産の区分
0〜3週 妊娠1か月 第1三半期(妊娠初期) 早期流産(〜11週6日)
4〜7週 妊娠2か月 第1三半期(妊娠初期) 早期流産
8〜11週 妊娠3か月 第1三半期(妊娠初期) 早期流産
12〜13週6日 妊娠4か月(前半) 第1三半期(妊娠初期) 後期流産(12週0日〜)
14〜15週 妊娠4か月(後半) 第2三半期(妊娠中期) 後期流産
16〜19週 妊娠5か月 第2三半期(妊娠中期) 後期流産
20〜21週 妊娠6か月(前半) 第2三半期(妊娠中期) 後期流産(〜21週6日)
22〜23週 妊娠6か月(後半) 第2三半期(妊娠中期) 早産(22週0日〜)
24〜27週 妊娠7か月 第2三半期(妊娠中期) 早産
28〜31週 妊娠8か月 第3三半期(妊娠後期) 早産
32〜35週 妊娠9か月 第3三半期(妊娠後期) 早産
36週 妊娠10か月(前半) 第3三半期(妊娠後期) 早産(〜36週6日)
37〜39週 妊娠10か月(後半) 第3三半期(妊娠後期) 正期産(37週0日〜)
40〜41週 ― 第3三半期(妊娠後期) 正期産(〜41週6日)
42週〜 ― 第3三半期(妊娠後期) 過期産(42週0日〜)

💡 分娩・流産の時期区分(日本産科婦人科学会)

流産=妊娠22週未満での妊娠の終了(うち早期流産は12週未満、後期流産は12週0日〜21週6日)。流産の約8割は12週未満の早期流産です[3]。早産=妊娠22週0日〜36週6日、正期産=妊娠37週0日〜41週6日、過期産=妊娠42週0日以降の分娩をいいます[3]。

6. 第1三半期に受ける主な検査

第1三半期は、早い時期に受けられる出生前検査が始まる時期でもあります。代表的なのは、母体の血液で調べるNIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)と、超音波で赤ちゃんの首のうしろのむくみ(NT)を測る初期の胎児スクリーニング(コンバインド検査)です。いずれも赤ちゃんの染色体などの可能性を調べるスクリーニング(非確定的検査)で、確定診断ではありません。

🔬 第1三半期に受けられる主な検査と時期

検査 受けられる時期 内容
NIPT
(新型出生前診断)
妊娠10週0日〜 母体血中のcfDNA(胎盤由来成分を含む)を解析するスクリーニング検査。日本では認証制度の指針にもとづき、多くの施設で妊娠10〜16週に採血[8]
NT計測・
コンバインド検査
妊娠11週0日〜13週6日
(頭殿長45〜84mm)
超音波で首のうしろのむくみ(NT)を測り、血清マーカー(PAPP-A・遊離β-hCG)と母体年齢を組み合わせて確率を評価[9]

※NIPTが妊娠10週以降とされるのは、この時期に母体血中の胎盤由来cfDNAの割合(胎児分画)が検査に必要な水準に達しやすくなるためです[8]。上限週数や検査できる項目は施設によって異なります。

これらは染色体疾患などの可能性を評価するスクリーニング検査であり、結果だけで胎児の診断を確定することはできません。NIPTやコンバインド検査で陽性・高リスクの結果が出た場合、診断を確定するには絨毛検査や羊水検査などの確定的検査を検討します。どの検査を受けるか、結果をどう受け止めるかは、検査の意義や限界を理解したうえで決めることが大切です。各検査の詳しい内容は、以下の記事で解説しています。

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まとめ ─ 第1三半期を正しく理解する

第1三半期とは、妊娠0週0日から13週6日までの期間で、三半期(trimester)による妊娠期間の3区分の最初の時期です[1]。日本の産科婦人科用語集の週数区分では「妊娠初期」と同じ区分にあたります[4]。「妊娠初期はいつまで?」の答えが資料によって13週6日と15週6日に分かれるのは、週数で区切るか月数で区切るかの違いによるもので、どちらも使われている数え方です。

第1三半期には、赤ちゃんの主要な臓器がつくられる器官形成期(受精後およそ3〜8週)が含まれるため、外的な影響を受けやすい感受性の高い時期を含みます[5]。ただし、影響が出るかどうかは種類・量・時期・体質によって変わり、曝露が必ず異常につながるわけではありません[6]。過度に不安を抱えるよりも、分かっていることと分かっていないことを整理し、必要に応じて主治医や専門医に相談することが大切です。NIPTや初期の胎児スクリーニングといった早い時期の出生前検査も、この第1三半期から始まります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 第1三半期はいつからいつまでですか?

第1三半期は妊娠0週0日から13週6日までの期間です。妊娠週数は、受精日や着床日ではなく、最終月経(生理)の初日を「0週0日」として数えます。日本の産科婦人科用語集(改訂第4版)では、この期間は「妊娠初期」と同じ区分にあたります。

Q2. 「三半期」とは何ですか?読み方は?

三半期(さんはんき)は、英語の trimester(トライメスター)の訳語で、妊娠期間を約3か月ずつ3つに分けた区分です。first trimester・second trimester・third trimester が、それぞれ第1三半期・第2三半期・第3三半期にあたります。英語圏の資料や妊娠アプリでよく使われる区分です。

Q3. 第1三半期と妊娠初期は同じですか?

日本の産科婦人科用語集(改訂第4版)では、妊娠初期は「〜13週6日」と定義されており、第1三半期と同じ区分です。一方、4週を1か月として数える月数ベースの区分では、妊娠初期を「〜15週6日」とすることがあり、その場合は境界がおよそ2週間ずれます。どちらかが間違っているわけではなく、数え方の違いによるものです。

Q4. なぜ第1三半期が大切なのですか?

第1三半期には、赤ちゃんの主要な臓器がつくられる「器官形成期」(受精後およそ3〜8週=妊娠週数で5〜10週ごろ)が含まれるためです。この時期は、薬・感染・放射線などの影響で構造的な異常が生じやすい、感受性の高い時期を含みます。ただし、影響が出るかどうかは種類・量・時期・体質によって異なり、曝露が必ず異常につながるわけではありません。心配なことがあれば主治医にご相談ください。

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参考文献

  • [1] American College of Obstetricians and Gynecologists (ACOG). How Your Fetus Grows During Pregnancy. [ACOG]
  • [2] ACOG Committee Opinion. Methods for Estimating the Due Date. 2017. [ACOG]
  • [3] 公益社団法人 日本産科婦人科学会. 早産・切迫早産(正期産・早産・流産の定義). [日本産科婦人科学会]
  • [4] 日本産科婦人科学会・日本産科婦人科医会 編. 産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第4版. 2018.(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に引用)[厚生労働省 PDF]
  • [5] Establishing the Embryonic Axes: Prime Time for Teratogenic Insults(器官形成の臨界期). 2017. [PMC5715709]
  • [6] Perinatology.com. Glossary: Teratogen(器官形成期=受精後3〜8週/曝露の条件依存性). [Perinatology.com]
  • [7] A Lexicon for First-Trimester US: Society of Radiologists in Ultrasound Consensus. Am J Obstet Gynecol. 2024. [AJOG]
  • [8] 国立成育医療研究センター(出生前検査認証制度・NIPT基幹施設). NIPTについて(妊娠10〜16週). [国立成育医療研究センター]
  • [9] Prenatal Genetic Screening. StatPearls, NCBI Bookshelf(NT 11〜13週6日・CRL 45〜84mm・PAPP-A/遊離β-hCG). [NCBI Bookshelf]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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