みなさま、こんにちわ。
わたしは、研修医の時からよく患者さんと一緒に泣いちゃう医師なんですけど。
研修医の時は、血液・呼吸器・感染症内科だったので。
急性・慢性白血病、悪性リンパ腫、肺癌、エイズ、などなど結構シビアな疾患の方々で。
なんで?風邪だって診療所の先生は行ったのに、なんで大学病院に来たら白血病だって言われなきゃいけないわけ?!
とか。
患者さんたちは必死で抵抗します。
これは、否認、怒り、取引、抑うつ、受容、という受容までのプロセスの第一段階なのですが。ひよこ研修医のわたしにはわかんなくて。
なんでそんなことわたしが言われないといけないのよ(/_;)/~~
と思いつつ。
なんでもなるときは突然ですからね、とか。
患者さんたちが落ち着くように話を持っていきます。
そうして、悪性疾患や難病で生命の危険にさらされている患者さんたちとの命がけのやり取りで、わたしは鍛えられてきたみたいです。
今までも時々、NIPTやってて患者さんと一緒に泣いてしまったのですが。
この方は、来る前から気になっていました。
多胎で一人が無脳症だと診断されたけど大丈夫か、という質問を受けていたからです。
とにかく。会いたかった。
もう一人の赤ちゃんが無事な赤ちゃんなら、二人とも産みたい。
兄弟のをみてると、妊娠出産って何の問題もなく行くものだと思ってた。
でも。生まれてくるって奇蹟なんだね。
彼女はそういいました。
わたしは言いました。
そうなのよ。わたしも初めての妊娠出産は一卵性双生児で。
それでも、妊娠したら当たり前に無事に生まれてくるのだと思ってた。
36週と6日。あと1日で正規産という日に、検診にいったら心音が一つしか聞こえないって言われて、そのまま手術台。
産まれてくるって本当に奇蹟なんだよね。
やろう。検査。
そして。産もう。
つらい時はわたしに話しかけていいよ。
そういって個人携帯の番号を教えました。
わたしは、昔からこうやって患者さんに個人携帯の番号を教えています。
夜中に不安になることが多いからです。
起こしていいから。
死にたくなるくらいだったら私を起こして。そう思って。
わたしも検査結果がかえってくるのを待っています。
実は。
わたしが死産したとき。
わたしに寄り添ってくれる医師は1人もいませんでした。
泣いているわたしをなんで泣いているんだとしかりつけた医師もいました。
あのとき、わたしは、医師の言葉がどんなに患者を傷つけるのかを知りました。
わたしが手を差し伸べているのは、目の前のあなたではなく
26年前のやるせないわたしなのかもしれない。
でも。
わたしのところに来てくれてよかった。
そのつらさや不安を、わたしも一緒に背負うよ。
涙が減らないことは知っている。
だけど。
つらいとき。寄り添ってくれる医師の存在がどんなに重要か、身に染みて知っているから。
頑張ろう。
一緒に。