みなさま,こんばんわ.
ニボルマブ問題で臨床腫瘍学会ともめましたが.
後日談を報告しますね.
臨床腫瘍学会は,専門医制度で内科学会の2階になりたいということで
手続きを進めておりまして
12月22日にそのヒアリングのはずでした.
しかし,内科学会はこれに臨床腫瘍学会をお呼びしないということを決めたそうです.
臨床腫瘍学会に本日確認したところ,それで間違いないということでした.
専門医機構が,1階のない2階は認めないという方針ですので
この時期に2階に乗れるかどうかの審査にすら参加できなかったという事実は
大変重たいですね.
専門医制度では,1階である基本的領域の学会(内科,外科,小児科,産婦人科,精神科など18領域)と,その専門医を取得してからのサブスペシャルティー=2階に分かれております.
臨床腫瘍学会は,2階でしかありえないのと,内科領域の医師が専門医の8割を占めているので当然1階は内科学会しかありえません.
内科学会の13のサブスペシャリティ領域は、(1)消化器(2)循環器(3)呼吸器(4)神経(5)血液(6)内分泌・代謝(7)糖尿病(8)腎臓(9)肝臓(10)アレルギー(11)感染症(12)老年病(13)リウマチ
となっています.
この2階の再編をやっていたわけです.数十年ぶりに.
ところが,今回,再編のためのヒアリングに呼んでもいただけなかったということで,臨床腫瘍学会が2階になれることは事実上なくなりました.
数十年ぶりの再編ですから,次は相当な理由がないと無理と思います.
ということは,2階に上がれることは事実上これでなくなってしまい
この流れで行くと,がん薬物療法専門医は消滅することになるでしょう.
ニボルマブは,国庫から1200億円余分にかすめとり
臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医を消滅に導こうとしています.
2019年,機構の認定しない専門医は専門医と名乗れなくなるのです....
臨床腫瘍学会に対しては,現在内科学会の2階である13学会からも文句がたらたらでていた,特に消化器系から出ていたし,血液からも文句が出ていたと聞いています.(ソースは内科学会以外)
ニボルマブは免疫のカスケードに影響を与える薬なのですが
臨床腫瘍学会は西條先生など呼吸器一派が強いので,消化器や血液などの腫瘍関係学会との関係の構築ができておらず
免疫の話なら血液学会とちゃんとしないといけない(血液は造血幹細胞移植をしたり免疫抑制剤をばっちり使用したりと,免疫の管理が大変重要な診療科です)のですが
血液学会を無視して,免疫の基礎研究者と話をしていろいろ決めたそうです.
なので,臨床の現実とかけ離れた「院内にCTがあって直ちに撮影できること」なんてばかばかしいものを入れたんではないでしょうか????
いずれにせよ,俺様たちが仲良しクラブで学会を運営していたのでこうなったわけです.
危機管理がなっていないですね.
がん薬物療法専門医はどうなるのでしょうか??
今年の専門医試験の合格発表が1月中旬ですが.
新しい専門医たちやこれから専門医になろうとしていた人たちにいったいどのように説明するつもりでしょうか???
そもそも,内科学会が何を求めているのか,5年も前からお伝えしていたのに
わたしの言っていることは全部無視してきたけっか,こうなっているわけです.
わたしは悲しくて仕方ありませんが....
それでも,自分の持っている専門医だからと言って,これだけ特別にハードルを下げてくれと言ったりしないのが私です.
やせ我慢するする(笑)
おじさんたちはきちんと責任を取るべきだ.
来年の総会にはいくぞ!!!
待ってろよ!!!
というわけで,上先生が騒いでもこうはなりませんが.
わたしが意見書書くと意外な影響があるのは医療業界では有名な話です....
そういえば.
JA静岡の裁判では,原告側協力医(仲田洋美)が怖すぎて医療機関側の協力医の確保に難航しているという話も聞こえてきます.(笑)