これは,残念ながら,近藤先生のおっしゃることはごもっともです.(残念ながらと書いている時点で,わたしは近藤先生の単純な擁護論者ではありません.)
びっくりするような症例があるのを知っています...
驚くことは病院にいるとたくさんありました.
ある日,キャンサーボードというカンファレンスに出ていたら,胃がんの肝転移を手術しよう,と言い始めたんです.
しかも.救急搬送されて,その日に胃全摘をした症例に,1か月くらいで胃がんの肝転移を取ろうと言っているんです.
ん???
最初から肝転移あったのに,なんで胃全摘やったんですか???
しかも,どうして大腸がんじゃあるまいし,胃がんの肝転移を切除????
(言っておきますが,大腸がんの肝転移は一定の条件のもと手術適応がありますが,胃がんの肝転移には手術適応はありません.)
そこで,彼らは,現在,兵庫医科大学の上部消化管外科の教授が国立がんセンターにいたころに行った,肝転移切除の成績を持ち出して,こんなにいいんですよ!とのたまわった.
そんな,数がどうやって信用できるんですか?
統計処理もしていない.
予後がいいかどうか比べられるスタディ・デザインでもありません.
それよりなにより,どうしてこの患者をいきなり手術したんですか?
通常なら手術しない症例だと言うことを説明したんですか?
外科医は言いました.
貧血のコントロールのためだと.
しかし.輸血歴の一度もありません.ヘモグロビンは10くらいありました.
輸血の必要もないのに,緊急手術ですよ?夜に.
これだから,「救急病院」は怖いんです.
救急車がどんどん患者さんを搬送してきてくれる.
どうして誰も止めなかったんでしょう??? 組織として問題がありますね..
どうしてそんなことするんですか?切りたかったんですか?と聞きました.
彼はこう答えました.
僕たちは正しい.なぜならカンファで話し合って決めたから.
複数で話し合ったら正しいのならば,ナチス・ドイツの犯罪は起こり得ませんよね???
小学生でも論破できそうなことを平然というものだ,とあきれました.
先生はどうして僕たちに厳しんですか?と言われたので,患者さんを守るためですとはっきり言いました.
しかも,この患者さんは独居で,親戚も遠く,認知症もあり,同意する過程そのものに問題がありそうでした.
でも...
救急車をどんどん受け入れて,頑張っている病院,手術が多くていい病院,外に出る数字ではそういう評価になります...
たとえ,余計な手術をしていても.
近藤先生を非難する本がいろいろ出ていますが.
だったら,こうした実態もきちんとお伝えすべきだと私は思います.
国民の皆様が医療不信に陥っているからこそ,近藤先生の本が売れるんです.
その原因を自分たちに求めず,近藤先生を攻撃して何になるんでしょうか?
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