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【在宅緩和ケア】①-9 がんの父と娘【花見の2日前】

この患者さんは,お花が大好きでした.

この患者さんは,実は,今まで全くといっていいくらい,娘や孫とかかわってきていませんでした.

自分の趣味に生きて.
 
でも.こうしてがんになり.
娘宅にきた父と初めて娘は父と娘らしく過ごしています.
いろんな夫婦がいて,いろんな父と娘がいる.
この父と娘はこのころ,本当に幸せそうに向き合っていました.
幼いころから父と触れ合ったことがなかった娘は,やっといま,
永遠の別れまでの間を大事に過ごしています.
わたしがお邪魔し始めたころ,
険しい顔で頭を抱えてどうしたらいいの,とぎこちなく向き合っていた父と娘.

いろんな話を聞き,いろんな話をしてお茶して過ごしながら,
幼いころからの家族の風景を紐解いていく.
エンディングのために.
本当のことを聞けなければ,何をしないといけないかがわかりませんから.
こうしていろいろ言っていただけるのはとてもいいことです.
甘く切ない時間.
まるで恋人を待つように,娘さんは毎日私が行くのを待っています.
先生が来て,家族のだんらんが増えました,
と言っていたお孫さんの言葉は本当だったんです.
これうれしいですね????
お花見の季節,介護タクシーは予約いっぱいで使えません.

仕方ないので,「おっさんレンタル」というのがネットにあったので,
そこからヒントを得て
洋美ファンクラブからおっさんレンタルをすることにしました!(笑)

しかも,時給ゼロ円で,介護車両は持参してくれます(笑)
花見2日前,こういいました.
明後日花見に行くわよ????
わたしのファンクラブからおっさん2名確保しました (^_^ゞ
もう~,みんなけらけら笑ってしまうんです.
わたしはちょーまじめに言っているのですが(笑)
一昨日から坐位を少しだけ取らせています.
一昨日はわたしに完全にもたれて1分.
昨日はわたしにもたれて1分半と30秒は自分で坐位をとれました.
本日は同じ2分でも,わたしはまったく支えずです.
明日は花見に行ってリクライニング車いすに座っていること自体がリハビリです.
千鳥ヶ淵の桜を見せてあげたい.
 
年末越せるかな?と思ったのですが,桜の季節になりました.
うれしいですね.