39度台の発熱で,朝早くから呼ばれました.
ぐったりしていましたが,抗生物質点滴して,補液して熱も38度台になって,すやすや眠っています.
大変隙間な施設なのですが.
病院という非日常空間ではなく,なるだけ自宅に近い環境で過ごしたい,という家族の思いがあり,この施設にいます.
でも.一日中かならず介護職がいる.
そういうところに,必要があれば毎日でも一日数回でもきちんと医師が行く.
わたしの訪問診療のスタイルは,自然な形ですごしたいというご家族の思いを支えています.
今日は,息子さんとじっくり話を出来ました.
実は,何度もお話したことはあったのですが,お目にかかったのは初めてでした.
ごついこわそうな先生をイメージしていたようで.
絵本から出てきたようなかわいらしい先生だと
大変びっくりしていました.
ちびっこなので(笑)
でも.患者さんが楽そうになり,とてもうれしいです.
医師ってやっぱこういうときが一番うれしいです(*///∇///*)
わたしが思春期にすごしたベルギーは,在宅診療とかいろんな意味で超先進国だったのですね.
最近それが実感として理解できました.
そのころのわたしは,「自然に死を迎える」というベルギーの医療のスタイルに,お金がないの?なんて野蛮なの?何もしないなんて???って思っていました.
パパはわたしにこういいました.
ヒロミ.ベルギーでは寝たきり老人はいません.
食事が取れなくなったり動けなくなると,自然になくなっていく.
日本は老人を虐待しているのですか?
わたしはパパに言いました.
なんで?何もしないほうが虐待じゃないの?
パパは言いました.
鼻から栄養入れることはヨーロッパでは虐待です.
わたしには判りませんでしたが,当時思春期真っ只中のわたしには,それ以上深く考える問題ではありませんでした.
しかし.30年以上たって,あのときのパパとわたしの会話が
わたしの医師としてのスタンスにどれだけ影響を与えているのかを知りました.
わたしは間違いなく,医療先進国のそういう文化を身につけて育ったのだ.
なので.がんばらないといけないな~,結局,先進国のそういう文化を身につけて育ったので,日本ではイノベーターなのだな,しかたない,しかたない,って感じですね.
今日,患者の息子さんと話しをしていて,よくわかりました.
でも.彼らが探し求めていた医師がわたしだったということと
お互いの思いが一致しているのは,とても幸せなことです(^_^ゞ
お役に立ててうれしいです.
患者さんのとなりで輸液を見守りながらフェイスブック.(笑)