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【在宅緩和ケア】②-1 がんの義母と嫁 【もう病院に行きたくない!】

春の日.
わたしたちは出会った.
もう病院には行きたくない,という理由で在宅診療を希望したからだ.

肺癌の義母とお嫁さん.
とても仲が良いように見えた.

まだまだ元気でデイサービスにも行ける.
趣味の活動もできる.
そんな感じ.

落ち着いているので,2週間に一度診療に行くことにした.

ネコなわたしはネコには人気で,人見知りするネコが最初から私を見に出てきて
お家の人は驚いていた.
初めての人にはほとんど姿を見せないそうだ.

家にいたい.
病院には行きたくない.

患者さんはそういった.

わかりました.
大丈夫よ.
お任せあれ.

わたしはそういった.

しばらく落ち着いていたので,2週間に一度の定期の訪問診療が続いた.
穏やかな時間はそんなに長く続かない.

経験上のはなしをいろいろ織り交ぜつつ,どうなっていくのかを説明するけど
押し寄せる現実には覚悟なんていくらしてもかなわない.

覚悟ならしています.
そういう人たちに向かって,わたしはいつもこういっている.

覚悟なんてしても無駄ですよ.
押し寄せる現実はかならず覚悟を凌駕する.
そのときどきでみなさんがなるだけ落ち着いて暮らせるようにサポートするのが私の仕事です.

穏やかな日は2か月くらいしか続かなかった.