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発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査|臨床遺伝専門医が解説する原因特定と家族リスク評価 – ミネルバクリニック

知的障害とは

知的障害(Intellectual disability;ID)とは、知的機能および適応機能の障害を特徴とする神経発達障害で、一般的には学習障害としても知られています。
知的障害の定義はさまざまありますが、「IQスコアが70~75未満である」事に加え、「概念的技能・社会的技能・日常生活動作に影響を及ぼす2以上の行動障害がある」場合、知的障害であるとされるのが一般的です。知的障害は生涯にわたる障害で、知識の習得、問題解決、判断力、学習能力、コミュニケーションスキルなどの認知機能に影響を及ぼします。知的障害は、個人が日常生活でさまざまな活動やタスクに制約を抱え、適切な支援や特別なケアが必要な状態です。この状態は発達期に始まり、幼少期から診断されることが一般的です。

知的障害の原因は多岐にわたり、遺伝的、脳の発達異常、出生時の障害、環境要因などが関与することがあります。個別の症例によって症状や重さが異なり、専門家のサポートや家族の理解が必要です。早期の診断と適切な介入は、知的障害を持つ人々が最大限の生活の質を享受できるようにする鍵です。

知的障害における遺伝子検査の重要性と役割

知的障害における遺伝子検査は、疾患の原因やリスクを明らかにするために非常に重要なツールとなります。以下は、知的障害における遺伝子検査の重要性と役割についての要点を以下にお示しします。

●正確な診断の支援
遺伝子検査は、知的障害の原因を特定するのに役立ちます。特定の遺伝子の変異や異常が特定の疾患と関連している場合、遺伝子検査によって正確な診断が可能となります。
●治療戦略の個別化
遺伝子検査結果は、治療戦略を個別に調整する際に重要です。特定の遺伝子の変異に基づいて、特定の治療法や介入が適用されることがあります。
●家族への情報提供
遺伝子検査結果は、患者の家族に対しても重要です。遺伝的なリスクや遺伝子の変異に関する情報は、家族にとって他の家族メンバーに対するリスクの理解と健康管理の方針を決定する際に役立ちます。
●疾患の進行予測
遺伝子検査は、特定の遺伝子変異に関連した知的障害の進行予測に役立ちます。これにより、医師と患者は将来のケアプランを適切に計画できます。
●研究への貢献
遺伝子検査に参加することは、知的障害研究への貴重なデータ提供になり、将来の治療法や予防策の開発に寄与します。

遺伝子検査は、知的障害の原因の特定や治療法の個別化に向けた重要なステップとなり、患者や家族にとって貴重な情報源となります。しかし、遺伝子検査は慎重に行われる必要があり、倫理的な問題やプライバシーの保護にも留意することが重要です。

知的障害の遺伝要因

遺伝子検査は、知的障害の原因の特定や治療法の個別化に向けた重要なステップとなり、患者や家族にとって貴重な情報源となります。しかし、遺伝子検査は慎重に知的障害の遺伝要因は、個別の症例によって異なることがあり、さまざまな遺伝子の変異や異常が関与しています。以下は、知的障害の遺伝子要因の主な例です。

●単一遺伝子疾患
一部の知的障害は、特定の単一遺伝子の変異によって引き起こされることがあります。これは、特定の遺伝子の異常が知的機能に影響を及ぼす結果です。例として、フェニルケトン尿症が挙げられます。
●染色体異常
知的障害は、染色体の異常によって引き起こされることもあります。例えば、ダウン症は21番染色体が通常2本のところ、3本に増える事で発症することが知られており、染色体異常によって発生します。
●遺伝子変異
特定の遺伝子における変異が知的障害の原因となることがあります。これは、遺伝子の異常が知的機能に影響を与えるためです。遺伝子変異は多様で、知的障害の原因を特定するために遺伝子検査が行われることがあります。
●複合遺伝子要因
一部の知的障害は、複数の遺伝子要因が相互に影響し合う結果として発生します。これらの複合遺伝子要因は、環境要因とも相互作用することがあります。
●環境と遺伝子の相互作用
知的障害の発症においては、遺伝子と環境の相互作用も考慮されます。環境要因(例: 母親の妊娠中の健康、早産、毒物曝露)が特定の遺伝的要因と相まって知的障害を引き起こすことがあります。

知的障害の遺伝子要因は多岐にわたり、研究が進むにつれて新たな要因が明らかになることがあります。遺伝子検査や研究を通じて、知的障害の原因特定や治療法の開発が進められています。

血縁者に知的障害がある場合のリスクについて

血縁者に知的障害がある場合のリスクは、「誰に知的障害があるか」によって大きく異なります。以下に状況別のリスクをご説明します。

ただし、個人の固有のリスクについては、実際に遺伝子検査を行わない限りお答えすることはできません。
これは、知的障害の原因が多様であり、同じ家系内でも原因遺伝子や変異の有無が人によって異なるためです。見た目や家族構成だけでは正確なリスクを判断できず、科学的に裏付けられた評価には遺伝子レベルでの確認が必要となります。

パターン1:本人のきょうだい・いとこに知的障害がある場合

(これから結婚・妊娠を考えている方、または現在妊娠中の方)

きょうだいに知的障害がある場合

●常染色体劣性遺伝の場合
あなたが保因者である確率は67%です(Labster Theory, 2024)。パートナーも保因者の場合(疾患により異なるが一般的に1/100〜1/200程度)、お子さんが発症するリスクは約0.8〜1.7%となります(ScienceDirect Topics, 2024)。
●X連鎖劣性遺伝の場合
女性の場合:50%の確率で保因者です。男児を妊娠した場合、25%のリスクで疾患を発症します(CDC, 2024)。
男性の場合:X連鎖疾患のリスクはありません(父親からは息子にX染色体は受け継がれないため)。
●原因不明の知的障害
あなたのお子さんへのリスクは約3-5%です(一般人口の1-2%よりやや高い)(Lichtenstein et al., 2022)。

いとこに知的障害がある場合

●常染色体劣性遺伝の場合
あなたが保因者である確率は約12.5%です。お子さんが発症するリスクは、疾患により異なりますが一般的に0.1〜0.3%程度です(Labster Theory, 2024)。
●X連鎖劣性遺伝の場合(母方のいとこの場合)
女性の場合:25%の確率で保因者です。男児への発症リスクは約12.5%です(NFXF, 2024)。
●原因不明の知的障害
あなたのお子さんへのリスクは一般人口とほぼ同等(1-2%)からわずかに高い程度です。大規模なスウェーデンの研究では、いとこに知的障害がある場合の相対リスクは2.04倍でした(Lichtenstein et al., 2022)。

パターン2:第1子に知的障害があり、第2子以降のリスクを知りたい場合

(すでにお子さんに知的障害の診断があり、次のお子さんを考えている方)

原因が特定されている場合

●常染色体劣性遺伝
次のお子さんへの再発リスクは25%(4人に1人)です(NCBI Bookshelf, 2023)。
●X連鎖劣性遺伝
次の男児への再発リスクは50%、女児は50%の確率で保因者となります(MedlinePlus Genetics, 2024)。
●常染色体優性遺伝
親に変異がある場合:50%の再発リスク
新生突然変異の場合:再発リスクは低い(1-2%程度)(ScienceDaily, 2021)。
●染色体異常
多くは偶発的で再発リスクは1-2%ですが、親に均衡型転座がある場合は10-15%と高くなります(ScienceDirect Topics, 2024)。

原因が特定されていない場合

●軽度知的障害
再発リスクは約3-5%です(Lichtenstein et al., 2022)。
●重度知的障害
再発リスクは約1-2%です(一般人口とほぼ同等)(ScienceDaily, 2021)。
●多発奇形を伴う知的障害
再発リスクは約2-3%ですが、特定の症候群の可能性もあるため詳細な評価が必要です(PMC Articles, 2020)。

リスク評価のための重要なポイント

  • 知的障害のある方の詳細な症状・程度
  • 身体的特徴や合併症の有無
  • 詳細な家族歴(3世代にわたる情報)
  • これまでに受けた検査結果
  • 妊娠・出産時の状況
  • 血縁関係の確認(父方・母方の区別)

遺伝カウンセリングの重要性

上記のリスクは一般的な目安であり、個別の状況により大きく異なります。正確なリスク評価のためには、専門的な遺伝カウンセリングが不可欠です。遺伝カウンセリングでは以下を行います:

  • 家系図の作成と詳細な家族歴の聴取
  • これまでの検査結果の評価
  • 個別のリスク計算
  • 適切な検査の提案
  • 将来の妊娠・出産に関する選択肢の説明
  • 心理的サポートと情報提供

※上記の数値は一般的な目安であり、個別の状況により大きく異なる場合があります。正確なリスク評価には専門的な遺伝カウンセリングが不可欠です。

参考文献

  • Lichtenstein, P., et al. (2022). Familial risk and heritability of intellectual disability: a population‐based cohort study in Sweden. Journal of Child Psychology and Psychiatry, 63(12), 1378-1386.
  • NCBI Bookshelf. (2023). Genetics, Autosomal Recessive. StatPearls.
  • ScienceDaily. (2021). Intellectual disability is rarely inherited — risk for younger siblings is low. University of Helsinki.
  • MedlinePlus Genetics. (2024). Fragile X syndrome. National Library of Medicine.
  • CDC. (2024). How Fragile X Syndrome Is Inherited. Centers for Disease Control and Prevention.
  • NFXF. (2024). The Fragile X Premutation. National Fragile X Foundation.
  • Labster Theory. (2024). Risk calculation of autosomal recessive inheritance.
  • ScienceDirect Topics. (2024). Autosomal Recessive Inheritance.

遺伝子に関連した知的障害の症例

遺伝子に関連した知的障害の症例は多く、さまざまな遺伝子の変異によって引き起こされます。以下は、遺伝子に関連した知的障害の代表的な疾患をいくつかご紹介します。

●フェニルケトン尿症 (PKU)
フェニルケトン尿症はフェニルアラニン代謝の酵素であるフェニルケトンヒドロキシラーゼの遺伝子の変異に関連しています。この酵素の不足により、フェニルアラニンが体内で蓄積し、知的障害や神経障害を引き起こす可能性があります。
●自閉症スペクトラム障害 (ASD)
自閉症は遺伝的要因が関与しているとされ、複数の遺伝子変異が発見されています。これらの変異は、社会的相互作用やコミュニケーションの困難、独自の興味や行動特性などを特徴とします。
●レット症候群
レット症候群はMECP2遺伝子の変異に関連しており、主に女性に影響を及ぼす遺伝的障害です。この遺伝子変異は進行性の知的障害、言語の喪失、手の不自由、痙攣などをもたらします。
●脆弱X症候群
脆弱症候群はFMR1遺伝子の変異に関連しており、主に男性に影響を及ぼす遺伝的障害です。この遺伝子の変異により、知的障害、自閉症様行動、言語の遅れなどが生じます。

これらは一部の遺伝子に関連した知的障害の症例であり、症状や原因は個別の症例によって異なります。遺伝子検査と研究によって、これらの症例の原因特定や治療法の開発が進められています。

遺伝子検査結果と家族の関係

知的障害の遺伝子検査結果は、患者とその家族に対してさまざまな影響を及ぼします。

  • ●遺伝子検査結果は、知的障害の原因についての情報を提供します。この情報は家族に対して非常に重要であり、病状やリスクを理解するのに役立ちます。
  • ●遺伝子検査結果は、他の家族メンバーに対する遺伝的リスクを理解するのに役立ちます。これは、同じ遺伝子変異を共有する可能性がある他の家族メンバーに対するリスクを意識することを意味します。
  • ●遺伝子検査結果は感情的な反応を引き起こすことがあります。家族は患者に対する感情的サポートを提供し、情緒的なニーズを理解する必要があります。
  • ●遺伝子検査結果に基づいて、家族は治療プランや支援策を共に考え、協力して実施することが重要です。これにより、患者の生活の質を向上させるのに貢献します。
  • ●遺伝子検査結果は、家族に対して知識を提供する機会となります。家族は知的障害に関する情報を学び、専門家と連携し、適切なケアを提供する能力を向上させます。
  • ●遺伝子検査結果に基づいて、家族は将来の医療的意思決定に関する倫理的ジレンマに直面することがあります。特に、治療方針や中絶の意思決定に関する倫理的問題が浮上することがあります。

遺伝子検査結果と家族の関係は複雑であり、家族のサポートと協力が重要です。遺伝専門医(カウンセラー)との連携を通じて、家族は患者に最適なケアを提供するために遺伝子情報を活用できるでしょう。

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査

知的障害は、その臨床的特徴のみしかない「非症候群」の場合と、他の臨床的特徴とともに、遺伝子が関与する「症候群」の一部である場合があります。知的障害はしばしば、自閉症スペクトラム障害やてんかんなどの関連する神経発達障害を伴います。その他の症状がある場合は、「症候性知的障害」といいます。
「知的障害遺伝子パネル検査」は、症候性の特徴の有無に関わらず、知的障害に関係する500以上の遺伝子を分析する検査です。

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査を受けるべき人とは

知的障害や
発達遅滞と
診断された人
ご家族に知的障害や
発達遅滞と
診断された人がいる

どちらかに当てはまるすべての人が対象です

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査は、
知的障害や発達遅滞と診断された人、またはご家族に知的障害や発達遅滞と診断された人がいるすべての人が対象となります。
明確な病因がない知的障害と診断された人や、IQスコアの低い人は、この検査により原因が特定することができます。

発達障害・学習障害・知的障害は、患者さんそれぞれで病因や症状がまったく異なります。そのため、治療計画は患者さんに合わせて作られなければなりません。「知的障害遺伝子パネル検査」を行えば、現在存在する特定の病因や予後に関する多くの情報が明確になりますので、個別化され効果的な治療につながる可能性があります。

「知的障害遺伝子パネル検査」によって、知的障害の根底にある遺伝的病因を特定するメリットには以下のものがあります。

  • 臨床診断または遺伝的症候群を確認し、次のお子さんのリスクを評価することにもなる
  • 医学の早期介入や学の決定に役立つ
  • 疾患の臨床経過や併存疾患に関する情報を知れる
  • リスクのある親族に、情報を提供できる

知的障害遺伝子パネル検査の事例紹介

発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査に含まれる遺伝子

詳しくはこちら
ABCD1, ACAT1, ACOX1, ACSL4, ACTB, ACTG1, ACY1, ADAR, ADNP, ADSL, AFF2, AGTR2, AHDC1, AHI1, AIFM1, ALDH18A1, ALDH4A1, ALDH5A1, ALG1, ALG11, ALG12, ALG13, ALG2, ALG3, ALG6, ALX4, AMER1, ANK2, ANK3, ANKRD11, ANKRD17, AP1S1, AP1S2, AP3B1, AP4B1, AP4E1, AP4M1, AP4S1, AR, ARG1, ARHGEF6, ARHGEF9, ARID1A, ARID1B, ARID2, ARX, ASAH1, ASH1L, ASPM, ASS1, ASXL1, ASXL2, ASXL3, ATL1, ATP10A, ATP13A2, ATP1A2, ATP6AP2, ATP7A, ATRX, AUH, AUTS2, AVPR1A, AVPR2, BAZ2B, BBIP1, BBS1, BBS10, BBS12, BBS2, BBS4, BBS7, BBS9, BCAP31, BCL11A, BCL11B, BCOR, BCORL1, BCS1L, BDNF, BICRA, BIN1, BPTF, BRAF, BRD4, BRPF1, BRSK2, BRWD3, BUB1B, CA2, CA8, CACNA1A, CACNA1C, CACNA1D, CACNA1E, CACNG2, CAMTA1, CANT1, CASK, CBS, CC2D1A, CC2D2A, CCDC22, CCDC88C, CDC42, CDH15, CDK13, CDK16, CDKL5, CDKN1C, CEP290, CEP41, CEP57, CHAMP1, CHD1, CHD2, CHD3, CHD4, CHD7, CHD8, CHRNA4, CIC, CLCN4, CLIC2, CLN3, CLN5, CLN6, CLN8, CNKSR2, CNOT1, CNOT3, CNOT9, CNTNAP2, CNTNAP5, COG5, COG7, COG8, COL4A3BP, CP, CPA6, CPS1, CRADD, CRBN, CREBBP, CSDE1, CSNK2A1, CTC1, CTCF, CTNNB1, CTNND2, CTR9, CTSA, CTSD, CTSF, CUL3, CUL4B, CYB5R3, CYP27A1, D2HGDH, DARS2, DBT, DCX, DDOST, DDX3X, DHCR24, DHCR7, DHX30, DKC1, DLG3, DLG4, DLGAP2, DMD, DNM1, DNMT3A, DOCK4, DPF2, DPH5, DPP10, DPP6, DPYD, DYNC1H1, DYRK1A, EBF3, EBP, EED, EFNB1, EFTUD2, EHMT1, EIF2S3, EIF3F, ELOVL4, EP300, EPB41L1, ERCC2, ERCC3, ERCC4, ERCC5, ERCC6, ERCC8, EXOC2, EXOC7, EZH2, FAAH2, FAM126A, FANCB, FANCG, FBN1, FBXO11, FGD1, FGF12, FGF14, FGFR1, FGFR2, FGFR3, FKRP, FKTN, FLNA, FMR1, FOLR1, FOXG1, FOXP1, FOXP2, FRMPD4, FTO, FTSJ1, G6PC3, GABRB2, GABRB3, GABRG2, GALE, GAMT, GAN, GATAD2B, GBA, GBE1, GCK, GDI1, GFAP, GFM1, GHR, GK, GLI3, GLRA1, GLUL, GLYCTK, GM2A, GNAI1, GNAO1, GNAS, GNB1, GNPAT, GNPTAB, GNPTG, GPC3, GPHN, GRIA3, GRIA4, GRIK2, GRIN1, GRIN2A, GRIN2B, GRM1, GRN, GSPT2, GSS, GUSB, HAX1, HCCS, HCFC1, HDAC4, HDAC8, HECW2, HEPACAM, HEXB, HIST1H1E, HNRNPH2, HNRNPK, HNRNPR, HNRNPU, HOXA1, HPD, HPRT1, HRAS, HSD17B10, HSPD1, HUWE1, IDS, IGBP1, IGF1, IGF1R, IL1RAPL1, IMMP2L, IMPA1, INSR, IQSEC2, IRX5, ITGA7, ITPR1, JARID2, KANSL1, KAT6A, KAT6B, KATNAL2, KCNB1, KCNC2, KCNH1, KCNJ10, KCNJ11, KCNK9, KCNQ2, KCTD13, KCTD7, KDM3B, KDM5B, KDM5C, KDM6A, KIF11, KIF1A, KIF1BP, KIF21A, KIF4A, KIF5A, KIF7, KIRREL3, KLF8, KMT2A, KMT2B, KMT2C, KMT2D, KMT2E, KMT5B, KRAS, L1CAM, LAMA2, LAMC3, LAMP2, LARGE1, LAS1L, LHX3, LIG4, LINS1, LMBRD1, LYST, MACF1, MAGEL2, MAGT1, MAN1B1, MAN2B1, MANBA, MAOA, MAPK8IP3, MAT1A, MBD5, MBOAT7, MBTPS2, MCCC1, MCCC2, MCOLN1, MCPH1, MECP2, MED12, MED13, MED13L, MED17, MED23, MEF2C, MEIS2, MFSD8, MGAT2, MID1, MKKS, MMADHC, MOCS1, MOCS2, MRAP, MSL3, MTFMT, MTHFR, MTOR, MTR, MYCN, MYO5A, MYT1L, NAA10, NACC1, NAGA, NALCN, NBEA, NBN, NCKAP1, NDP, NDUFA1, NDUFAF5, NDUFS1, NEGR1, NEXMIF, NF1, NFIB, NGF, NGLY1, NHEJ1, NHP2, NHS, NIPBL, NLGN3, NLGN4X, NONO, NOVA2, NPC1, NPC2, NPHP3, NR2F1, NR4A2, NRXN1, NSD1, NSD2, NSDHL, NSUN2, NTNG1, OCRL, OFD1, OGT, OPHN1, ORC1, OTC, OTUD6B, PACS1, PACS2, PAFAH1B1, PAH, PAK3, PAX6, PCDH19, PCDH9, PCGF2, PCNT, PDE4D, PDHA1, PDHX, PDSS1, PEX7, PGAP3, PGK1, PHF21A, PHF6, PHF8, PHIP, PHKA2, PHKG2, PIDD1, PIGA, PIGL, PIGN, PIGO, PIGV, PIP5K1B, PLA2G6, PLP1, PMM2, PNKP, POGZ, POMGNT1, POMT1, POMT2, PON3, PORCN, POU1F1, POU3F3, PPM1D, PPOX, PPP1CB, PPP2R1A, PPP2R5D, PPT1, PQBP1, PRKAR1A, PRMT7, PRPS1, PRSS12, PSMD12, PTCHD1, PTEN, PTPN11, PUF60, PURA, PYCR1, PYGL, QRICH1, RAB39B, RAC1, RAD21, RAI1, RALA, RAPSN, RBBP8, RBFOX1, RBM10, RELN, RERE, RFX3, RFX7, RIT1, RORA, RPGRIP1L, RPL10, RPS6KA3, SACS, SAMHD1, SARS, SATB1, SATB2, SCN1A, SCN2A, SCN8A, SDCCAG8, SET, SETBP1, SETD1B, SETD5, SGSH, SHANK1, SHANK2, SHANK3, SHOC2, SHROOM4, SIL1, SIN3A, SKI, SLC16A2, SLC20A2, SLC25A12, SLC25A13, SLC25A15, SLC2A1, SLC2A2, SLC35A2, SLC35C1, SLC46A1, SLC4A4, SLC5A5, SLC6A1, SLC6A4, SLC6A8, SLC7A5, SLC7A7, SLC9A6, SLC9A9, SLX4, SMAD4, SMARCA1, SMARCA2, SMARCA4, SMARCB1, SMARCC2, SMARCE1, SMC1A, SMC3, SMG6, SMS, SNAP25, SNIP1, SNRPN, SOBP, SON, SOS1, SOS2, SOX10, SOX2, SOX3, SOX5, SOX6, SPAST, SPATA5, SPR, SPRED1, SPTAN1, SRCAP, SRD5A3, SRPX2, ST3GAL3, ST7, STAG1, STAT5B, STK3, STRA6, STX11, STXBP1, SUCLG1, SYN1, SYNGAP1, SYP, SYT14, TAF1, TAF6, TANC2, TAOK1, TBC1D24, TBCE, TBCK, TBL1XR1, TBR1, TBX1, TCF4, TCF7L2, TECR, TELO2, TET3, TFE3, TGIF1, TH, THOC2, THRB, TIMM8A, TINF2, TMCO1, TMEM165, TMEM216, TMEM231, TMEM67, TMEM70, TNRC6B, TPH2, TPK1, TPP1, TRAF7, TRAPPC9, TRHR, TRIM8, TRIO, TRIP12, TRPM3, TRRAP, TSC1, TSC2, TSHR, TSPAN7, TTC37, TTC8, TUBA1A, TUBA8, TUBB2B, TUBB3, TUSC3, TWIST1, UBE2A, UBE3A, UBTF, UNC80, UPB1, UPF3B, UROC1, USP27X, USP7, USP9X, VLDLR, VPS13B, WAC, WDFY3, WDR13, WDR45, WDR62, WDR73, WDR81, XPNPEP3, ZBTB16, ZBTB18, ZBTB20, ZBTB24, ZC3H14, ZC4H2, ZCCHC12, ZDHHC9, ZEB2, ZFP57, ZFX, ZFYVE26, ZIC2, ZMIZ1, ZMYM3, ZMYND11, ZMYND8, ZNF292, ZNF41, ZNF507, ZNF674, ZNF711, ZNF804A, ZNF81, ZNHIT6 ( 689遺伝子 ) 2025/07/12より563遺伝子から689遺伝子に増えました

※自閉症スペクトラム障害遺伝子パネル検査に含まれている122遺伝子のうち、GRPR遺伝子、MET遺伝子、PDE10A遺伝子を除く119遺伝子は、発達障害・学習障害・知的障害遺伝子パネル検査の検査対象689に含まれておりますので、自閉症と知的障害の両方が気になる方は、リンク先のページもご覧ください。また、発達障害・学習障害・知的障害遺伝子パネル検査の689に自閉症遺伝子で含まれていないGRPR遺伝子、MET遺伝子、PDE10A遺伝子を加えて発達障害・知的障害・自閉症スペクトラム障害を網羅的に含む検査を、カスタマイズ遺伝子パネル検査と同じお値段(28万円+消費税=308000円)で提供することも可能です。

検体

血液、唾液、口腔粘膜ぬぐい液

※唾液・口腔粘膜ぬぐい液の場合は、遠方の方でもクリニックへお越しにならずに検査が可能です。(オンライン診療)
 その場合は、遠隔診療(ビデオスルーでの診療のことをいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく流れとなります。

検査の限界

詳しくはこちら
全ての配列決定技術には限界があります。
この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術および我々のバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。
サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。
このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

特記事項

遺伝子 特記事項
AFF2 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されない。
ARX 女性における ARX 遺伝子の 7 リピート(21bp)以上のヘテロ接合性ポリアラニン拡大 は、この方法では検出されない可能性がある。
MECP2 現在利用可能な技術(NGS および qPCR)では、MECP2 遺伝子のエクソン単位の単一エクソン欠失/重複を検出することはできない。
MTHFR ACMGが推奨しているように、MTHFR遺伝子によく見られる2つの多型、c.1286A>C(p.Glu429Ala、別名c.1298A>C)およびc.665C>T(p.Ala222Val、別名 c.677C>T)は検査に値するだけの臨床的有用性がないためこのテストでは報告していません (PubMed: 23288205)。
SOX3 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されません。
ZIC2 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されません。
FMR1 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張(CGGリピート伸長)は評価されません。脆弱X症候群の主な原因であるCGGリピート伸長を検出するには、別の専用検査が必要です。本検査では、FMR1遺伝子の塩基配列変異(点変異)とコピー数異常のみを検出します。

検査が出るまでの期間

3~5週間

検査費用

275,000(税込)

遺伝カウンセリング料金はおひとり様別途16,500円(税込)(1~30分)。検査を受けなくても遺伝カウンセリング料金は診察料ですのでお支払いください。 
※お二人同時の場合は242,000円(税込)で追加させていただきます。お二人同時に同一検査を受けられる場合は、遺伝カウンセリング料金はおひとり分サービスさせていただきます。
※発達障害・学習障害・知的障害遺伝子パネル検査の689遺伝子に自閉症遺伝子で含まれていないGRPR遺伝子、MET遺伝子、PDE10A遺伝子を加えて発達障害・知的障害・自閉症スペクトラム障害を網羅的に含む検査を、カスタマイズ遺伝子パネル検査と同じお値段(28万円+消費税)で提供することも可能です。この場合も、お二人同時なら二人目は3万円のお値引きをさせていただきます。

当検査は米国内ではお一人80万円(税込)ほどかかる検査になっていますが、
当院は検査会社と独自の契約により米国内で受けるよりお安く提供可能となっています。

※NIPTと同時に行う場合は、別途お値引きさせていただきます。
遺伝カウンセリング料は別途16,500円(税込)。
コンプリートNIPTデノボプラスと合わせる場合は、
自閉症パネルご夫婦で517,000円(税込)のところ440,000円(税込)。<赤字ですが頑張ります>
その他のNIPTコースと併せる場合はご夫婦で484,000円(税込)。

【その他の料金】
マイページ使用料550円
検査結果作成手数料3300円
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発達障害・自閉症・知的障害染色体シーケンス解析
次世代シーケンシング(NGS)技術に基づく染色体シーケンス解析(CSA)は、知的障害、発達障害、自閉症の遺伝的評価において高い診断率を提供します。大規模なコピー数バリアント(CNVs)、エクソンレベルの変異、片親性ダイソミー(UPD)、FMR1リピート拡張などを1回の検査で包括的に解析し、診断プロセスを効率化しました。これにより染色体レベルから遺伝子まで包括的に一度に検査できます。詳しくは別ぺーじをご覧ください。

ミネルバクリニックでは患者さまへ正しい情報をお届けするために、
発達障害・学習障害・知的障害に関する様々な情報を公開しています。

発達障害・学習障害・知的障害関連コラム

よくあるご質問

きょうだいに知的障害がある場合、子どもへのリスクはどれくらいですか?
遺伝形式により異なります。常染色体劣性遺伝の場合、あなたが保因者である確率は67%で、パートナーも保因者の場合、お子さんが発症するリスクは約0.8〜1.7%となります(Labster Theory, 2024)。X連鎖劣性遺伝の場合、女性では50%の確率で保因者で、男児への発症リスクは25%です(CDC, 2024)。原因不明の知的障害では、お子さんへのリスクは約3-5%です(一般人口の1-2%より高め)(Lichtenstein et al., 2022)。
いとこに知的障害がある場合、遺伝しますか?
いとこの場合、リスクは低くなります。常染色体劣性遺伝では保因者である確率は約12.5%で、お子さんの発症リスクは0.1〜0.3%程度です(Labster Theory, 2024)。X連鎖劣性遺伝(母方のいとこ)では、女性の場合25%の確率で保因者で、男児への発症リスクは約12.5%です(NFXF, 2024)。原因不明の場合は一般人口とほぼ同等から若干高い程度で、スウェーデンの研究では相対リスクは2.04倍でした(Lichtenstein et al., 2022)。
第1子に知的障害があります。第2子のリスクはどれくらいですか?
原因により大きく異なります。常染色体劣性遺伝では25%(4人に1人)、X連鎖劣性遺伝では男児に50%、常染色体優性遺伝では親に変異がある場合50%、新生突然変異の場合1-2%です(NCBI Bookshelf, 2023; MedlinePlus Genetics, 2024)。染色体異常では多くが偶発的で1-2%ですが、親に均衡型転座がある場合は10-15%と高くなります。原因不明の場合、軽度知的障害で3-5%、重度知的障害で1-2%程度です。
知的障害遺伝子検査はどのような方が対象ですか?
知的障害や発達遅滞と診断された方、またはご家族に知的障害や発達遅滞と診断された人がいるすべての方が対象となります。明確な病因がない知的障害と診断された方や、IQスコアの低い方は、この検査により原因が特定できる可能性があります。遺伝カウンセリングを通じて、検査の適応について詳しくご相談いたします。
検査には何個の遺伝子が含まれていますか?
発達障害・学習障害・知的障害遺伝子パネル検査では、知的障害に関係する689個の遺伝子を分析します(2025年7月12日より563遺伝子から689遺伝子に増加)。ABCD1からZNHIT6まで、知的障害の原因となる主要な遺伝子を包括的に検査します。自閉症遺伝子と合わせた検査も可能です。
検査費用はいくらですか?
検査費用は275,000円(税込)です。遺伝カウンセリング料金は別途おひとり様16,500円(税込)となります。お二人同時の場合は242,000円(税込)で追加いただけます。米国内では約80万円かかる検査ですが、当院は検査会社との独自契約により、より安価に提供しています。
検査はどのような方法で行いますか?
検査は血液、唾液、または口腔粘膜ぬぐい液で実施します。唾液・口腔粘膜ぬぐい液の場合は、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査が可能です(オンライン診療)。遠隔診療で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検査結果が出るまでどのくらいかかりますか?
検査結果は3〜5週間でご報告いたします。次世代シーケンサー(NGS)による高精度な解析を行うため、お時間をいただいております。結果は詳細なレポートとともにお渡しし、必要に応じて追加の遺伝カウンセリングも実施いたします。
検査の限界はありますか?
はい、検査には限界があります。この検査では、転座・逆位・反復配列(トリヌクレオチドやヘキサヌクレオチド)、大部分の調節領域、深部イントロン領域の変化は検出できません。また、体細胞モザイク現象や体細胞突然変異の検出には対応していません。特定の遺伝子(AFF2、ARX、SOX3、ZIC2など)のトリヌクレオチドリピート拡張も評価対象外です。
遺伝カウンセリングは必須ですか?
はい、遺伝カウンセリングは検査の重要な部分です。検査前に家族歴の詳細な聴取、リスク評価、検査の意義と限界についてご説明します。検査後は結果の解釈、今後の対応、家族への影響について丁寧にご説明いたします。検査を受けない場合でも、遺伝カウンセリング料金はお支払いいただきます。
X連鎖遺伝と常染色体遺伝の違いは何ですか?
X連鎖遺伝は性染色体(X染色体)上の遺伝子の変異が原因で、主に男性に症状が現れやすく、女性は保因者となることが多いです。脆弱X症候群が代表例です。常染色体遺伝は性染色体以外の染色体の遺伝子変異が原因で、男女関係なく発症します。優性遺伝では片方の親から変異を受け継ぐだけで発症し、劣性遺伝では両親から変異を受け継いだ場合に発症します。
検査で陽性が出た場合、治療法はありますか?
現時点で知的障害に対する根本的な治療法は限られていますが、早期診断により以下のメリットがあります:①適切な療育・教育プログラムの早期開始、②合併症の予防・早期発見、③家族への遺伝カウンセリングとリスク評価、④将来の妊娠に向けた選択肢の提供、⑤研究への参加機会。疾患によっては食事療法や薬物療法が有効な場合もあります。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

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