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遺伝子ブライダルチェックパネル検査|保因者検査+不妊検査+81のActionable疾患遺伝子

遺伝子ブライダルチェックは遺伝性疾患のリスクを持つカップルを特定するための遺伝子検査です。これから出産を予定されているご夫婦や、すでに妊娠中のご夫婦は、推奨される遺伝子検査に関する情報を得るために、このページを熟読されることをおすすめします。

米国産科婦人科学会ACOGは、2017年からキャリアスクリーニングを妊娠中のすべての女性に提供することを推奨していますが、妊娠を検討している女性に提供されることが理想的です。また、米国産科婦人科学会(ACOG)は、Obstetrics & Gynecology誌に掲載された、妊娠中および妊娠前のすべての女性に対する遺伝性疾患のキャリアスクリーニングの拡大に関する勧告を発表しました。

さらに、米国人類遺伝学会(ACMG)は、妊娠前および出生前キャリアスクリーニングに関する最新のガイダンスを発表しています。最適なパネルサイズや、どの遺伝子を含めるべきかなど、複数の要因について考察されました。このガイダンスでは、キャリアスクリーニングを4つの段階に分けて、Tier3を推奨しています。さらに、ACMG委員会は、パネルを全人類的なものにすることと、これらの検査を人種および/または民族ごとに分けることの問題を扱いました。

関連記事:キャリア(保因者)スクリーニング検査|米国人類遺伝学会の推奨内容

日本では結婚前、妊娠前の検査はブライダルチェックと呼ばれてきましたので、これはまさに遺伝子ブライダルチェックに該当するでしょう。

重い遺伝病のお子さんがうまれるのを予防する方法

アメリカでは現在、お子さんを作る前に保因者検査をして、病気のお子さんが産まれる可能性がないのかを見ることが一般的になっています。保因者とは病的遺伝子を持っているが一生涯発症しない人を言います。

米国ではすでに保因者頻度が200人に1人以上の113遺伝子を含む保因者スクリーニング検査を妊娠前にすることが推奨されています。

関連記事:キャリア(保因者)スクリーニング検査|米国人類遺伝学会の推奨内容

お子さんが先天異常をもって生まれる確率は3%。実に30人に1人と多いものです。遺伝子の異常による疾患はその2割を占める多いものです。今では遺伝子検査でその可能性を事前に知ることができます。「転ばぬ先の遺伝子検査」として是非ご検討ください。

日本では、遺伝にまつわる話を避ける人が多く、また、こうした検査を受けると破談になったらどうしようとか怖くなるお気持ちもあると思いますが、重い遺伝病のお子さんが産まれてから自分たちが保因していたことを知るよりは、はじめから知り、避ける方法があれば避けるほうが現実的で解決的ではないでしょうか?

その解決を導くための検査が保因者スクリーニング検査なのです。保因者スクリーニング検査で当該カップルがある疾患の病的遺伝子を持っていて、1/4の確率でお子さんが病気になると判った場合には、体外受精をして着床前診断をすることにより疾患のないお子さんを持つことができる時代になっています。

少子化の時代。少ないお子さんを健康に産むためにも、保因者スクリーニング遺伝子検査がおすすめです。

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のブライダルチェック遺伝子検査を提供しています。ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医が常駐しており、お二人の未来の幸せなライフスタイルの実現をサポート致します。また、この検査はオンライン診療でも可能ですので、全国どこからでもミネルバクリニックにお越しにならずに完結致します。ブライダルチェック遺伝子検査は結婚後でも妊娠後でも大丈夫です。お子さんをもとうとする前に、一生に一度しか受ける必要がない検査ですので、是非ご検討下さい。

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拡大版保因者(キャリア)スクリーニング遺伝子パネル検査男性版
遺伝子ブライダルチェックパネル検査|保因者検査+不妊検査+59のActionable疾患遺伝子

遺伝子ブライダルチェックパネル検査に含まれる内容

遺伝子ブライダルチェックに含まれるのは以下の検査内容となります。

1. キャリアスクリーニングパネル遺伝子検査

キャリア(保因者)とは、常染色体劣性またはX連鎖性疾患における病原性または病原性の可能性が高いバリアントを2つある同じ遺伝子の一方にもつヘテロ接合体である個体を指します。”常染色体劣性遺伝性疾患またはX連鎖性遺伝性疾患の子供を持つリスクのある個人やカップルを特定するために用いられる分子生物学的検査をキャリアスクリーニングと言います。一般的にキャリア(保因者)は健康であるが、例えばフラジャイルX(脆弱X症候群)のキャリアは早発卵巣機能不全のリスクがあるという風に、医学的な問題がある場合もあります。
キャリアスクリーニングは、患者さんに妊娠に関する知識を提供し、生殖の選択肢や管理計画について十分な情報を得た上で選択できるようにします。
女性では427遺伝子(男性はX連関遺伝がないためX連関遺伝子は検査しません)が含まれます。詳しくはキャリアスクリーニング遺伝子パネル検査のページをご覧ください。
関連記事:キャリアスクリーニング遺伝子パネル検査

2. 不妊症チェック遺伝子パネル検査
約10~15%のカップルが不妊を経験します。もしも、これから結婚してお子さんを考えているお二人が、遺伝子検査で異常があれば、通常に妊娠するのが困難であることがわかり、早めに体外受精などの不妊治療を本格的に考えるきっかけになるでしょう。不妊症とは、避妊をしない性交を頻繁に行った後、1年経っても妊娠しないことを指すことがほとんどです。不妊症について疑問がある場合は、医療従事者に相談するとよいでしょう。米国産科婦人科学会(ACOG)は最近、不妊症が疑われる場合に医師が行うべき最初のワークアップに関するガイドラインを発表しました。男性、女性ともに、病歴、身体検査、遺伝子検査などの追加検査が含まれます。

例えばフラジャイルXの保因者である女性は、40歳以前に卵巣が正常に機能しなくなる原発性卵巣機能不全になるリスクが高くなります。女性で対象となる遺伝子(女性不妊と関係する遺伝子)は、以下の通りです。
ANOS1, AR, BMP15, CBX2, CYP11A1, CYP19A1, CYP21A2, DHH, FGF8, FGFR1, FIGLA, FMR1, FOXL2, FSHB, FSHR, GNRH1, GNRHR, HESX1, HSD17B3, KISS1, KISS1R, LHB, LHCGR, LHX3, LHX4, MAP3K1, NOBOX, NR0B1, NR5A1, NSMF, POU1F1, PROKR2, PROP1, SEMA3A, SOHLH1, SRD5A2, TAC3, TACR3, TUBB8, WDR11, WNT4, ZP1 ( 42遺伝子 )

ANOS1: 遺伝子変異はカロマン症候群(Kallmann syndrome)を引き起こし、嗅覚欠如と生殖機能の低下を伴います。
AR: アンドロゲン受容体遺伝子で、アンドロゲン不応症候群(AIS)と関連し、性分化異常を引き起こします。
BMP15: 卵巣発達に関与し、変異は卵巣機能不全や早発卵巣不全(POF)を引き起こします。
CBX2: 性決定に関与し、変異は性腺発達異常を引き起こします。
CYP11A1: ステロイド合成に関与し、変異はステロイドホルモン欠乏を引き起こし、性発達や生殖機能に影響を与えます。
CYP19A1: アロマターゼをコードし、エストロゲン合成に関与します。変異はエストロゲン欠乏を引き起こします。
CYP21A2: 先天性副腎過形成(CAH)と関連し、性発達異常を引き起こします。
DHH: 性分化に関与し、変異はゴナド異常を引き起こします。
FGF8: 生殖機能に関与し、変異はカロマン症候群と関連します。
FGFR1: フィブロブラスト成長因子受容体1で、カロマン症候群や性腺機能低下を引き起こします。
FIGLA: 卵子形成に関与し、変異は卵巣機能不全を引き起こします。
FMR1: フラジャイルX症候群に関連し、早発卵巣不全(POF)を引き起こします。
FOXL2: 卵巣発達と維持に関与し、変異はBlepharophimosis-ptosis-epicanthus inversus症候群(BPES)と関連します。
FSHB: 卵胞刺激ホルモンβサブユニットをコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
FSHR: 卵胞刺激ホルモン受容体をコードし、変異は卵巣機能不全や無月経を引き起こします。
GNRH1: ゴナドトロピン放出ホルモンをコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
GNRHR: ゴナドトロピン放出ホルモン受容体をコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
HESX1: 前脳発達に関与し、変異は性腺機能低下と関連します。
HSD17B3: 17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素をコードし、変異は性分化異常を引き起こします。
KISS1: キスペプチンをコードし、性腺機能の調節に関与します。変異は性腺機能低下を引き起こします。
KISS1R: キスペプチン受容体をコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
LHB: 黄体形成ホルモンβサブユニットをコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
LHCGR: 黄体形成ホルモン/絨毛性ゴナドトロピン受容体をコードし、変異は性腺機能低下や性分化異常を引き起こします。
LHX3: 下垂体前葉の発達に関与し、変異は性腺機能低下を引き起こします。
LHX4: 下垂体前葉の発達に関与し、変異は性腺機能低下を引き起こします。
MAP3K1: 性決定に関与し、変異は性分化異常を引き起こします。
NOBOX: 卵子発達に関与し、変異は早発卵巣不全(POF)を引き起こします。
NR0B1: アンドロゲン受容体遺伝子と相互作用し、変異は性分化異常を引き起こします。
NR5A1: ステロイドホルモン合成に関与し、変異は性腺機能低下を引き起こします。
NSMF: 神経軸索ガイダンスに関与し、変異はカロマン症候群と関連します。
POU1F1: 下垂体の発達に関与し、変異は性腺機能低下を引き起こします。
PROKR2: プロキネチシン受容体2をコードし、変異はカロマン症候群と関連します。
PROP1: 下垂体の発達に関与し、変異は性腺機能低下を引き起こします。
SEMA3A: 神経軸索ガイダンスに関与し、変異はカロマン症候群と関連します。
SOHLH1: 生殖細胞の発達に関与し、変異は男性および女性の不妊と関連します。
SRD5A2: 5α-レダクターゼをコードし、変異は性分化異常を引き起こします。
TAC3: ニューロキニンBをコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
TACR3: ニューロキニンB受容体をコードし、変異は性腺機能低下を引き起こします。
TUBB8: チューブリンβ8をコードし、変異は卵子の分裂異常を引き起こします。
WDR11: 神経発達に関与し、変異はカロマン症候群と関連します。
WNT4: 性分化と卵巣発達に関与し、変異はムラー管無発達症候群や卵巣形成異常を引き起こします。
ZP1: 卵胞膜タンパク質をコードし、変異は卵の成熟と受精過程に影響を与え、不妊を引き起こします。
これらの遺伝子に変異があると、卵巣機能不全、性分化異常、ホルモン不均衡、または生殖器の発達異常など、女性の不妊の原因となる様々な問題が発生する可能性があります。それぞれの遺伝子の役割や関連する疾患を理解することで、適切な診断と治療が可能となります。

例えばCFTR遺伝子に特定のバリアント(変異)を持つ男性は、精子を運ぶことができない精管の異常を持つ可能性があります。男性不妊と関係する対象遺伝子は以下の通りです。
AMH, AMHR2, ANOS1, AR, AURKC, CATSPER1, CFTR, CYP17A1, CYP19A1, CYP21A2, DNAI1, DPY19L2, FGF8, FGFR1, FSHB, FSHR, GNRH1, GNRHR, HESX1, HSD17B3, KISS1, KISS1R, KLHL10, LHB, LHCGR, LHX3, LHX4, NR0B1, NR5A1, NSMF, POU1F1, PROKR2, PROP1, RSPO1, SEMA3A, SOX3, SOX9, SPATA16, SRD5A2, SRY, TAC3, TACR3, USP9Y, WDR11, WNT4 ( 45 genes )
SOX3 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されません。

カバー率は20×で96%ととなっています。

3. 将来の身体的状況が改善できる59の遺伝子

アクショナブル遺伝子(actionable genes)とは、医療や治療において具体的な行動や介入が可能な遺伝子のことを指します。これらの遺伝子に変異がある場合、特定の治療法、予防策、あるいは監視方法が推奨されることがあります。以下に、リストにある81の対象遺伝子について簡単に説明します。成人において将来の身体的状況が改善できる81の遺伝子は、”Actionable “遺伝子と言われ、その病的バリアントがあるとわかった場合、科学的根拠(エビデンス)に裏付けられた医療介入(サーベイランスを含む)が実行された場合、死亡率または重大な罹患の回避という点で、当該個人の転帰を改善すると期待される、特定の定義された医療勧告をもたらす、生命に関わる病的変異を有するものと定義されています。参考文献
基本的には、アクション可能な遺伝子に病原性の変異が見つかった場合、特定の予防や治療行為を推奨する根拠があることを意味します。米国医遺伝学会(ACMG)により、行動可能な遺伝子とされている遺伝子は多数あり、こちらで確認できます。

対象遺伝子は以下の通りです。
ACTA2, ACTC1, ACVRL1, APC, APOB, ATP7B, BAG3, BMPR1A, BRCA1, BRCA2, BTD, CACNA1S, CALM1, CALM2, CALM3, CASQ2, COL3A1, DES, DSC2, DSG2, DSP, ENG, FBN1, FLNC, GAA, GLA, HFE, HNF1A, KCNH2, KCNQ1, LDLR, LMNA, MAX, MEN1, MLH1, MSH2, MSH6, MUTYH, MYBPC3, MYH11, MYH7, MYL2, MYL3, NF2, OTC, PALB2, PCSK9, PKP2, PMS2, PRKAG2, PTEN, RB1, RBM20, RET, RPE65, RYR1, RYR2, SCN5A, SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD, SMAD3, SMAD4, STK11, TGFBR1, TGFBR2, TMEM127, TMEM43, TNNC1, TNNI3, TNNT2, TP53, TPM1, TRDN, TSC1, TSC2, TTN, TTR, VHL, WT1

ACTA2, ACTC1: これらの遺伝子は、平滑筋と心筋のアクチンをコードし、動脈硬化や心臓病と関連しています。
ACVRL1: 血管内皮の成長と修復に関与し、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)と関連。
APC: 家族性大腸腺腫症(FAP)と関連する腫瘍抑制遺伝子。
APOB: 脂質代謝に関与し、家族性高コレステロール血症と関連。
ATP7B: ウィルソン病と関連し、銅の輸送に関与。
BAG3: 筋ジストロフィーと関連。
BMPR1A: ポイツ・イェーガース症候群と関連する腫瘍抑制遺伝子。
BRCA1, BRCA2: 乳がんおよび卵巣がんのリスクを高める腫瘍抑制遺伝子。
BTD: ビオチン欠乏症と関連する酵素。
CACNA1S: 高カリウム性周期性四肢麻痺と関連。
CALM1, CALM2, CALM3: カルモジュリン遺伝子で、心臓のリズム障害と関連。
CASQ2: カルシウム依存性チャネルの一部であり、心臓のリズム障害と関連。
COL3A1: エーラス・ダンロス症候群と関連するコラーゲン遺伝子。
DES: 筋原線維性ミオパチーと関連。
DSC2, DSG2, DSP: これらの遺伝子は心筋のデスモソーム構成要素で、心筋症と関連。
ENG: HHTと関連する血管内皮遺伝子。
FBN1: マルファン症候群と関連するフィブリリン遺伝子。
FLNC: フィラミンC遺伝子で、筋疾患と関連。
GAA: ポンペ病と関連する酵素遺伝子。
GLA: ファブリー病と関連する酵素遺伝子。
HFE: 遺伝性ヘモクロマトーシスと関連。
HNF1A: MODY糖尿病と関連。
KCNH2, KCNQ1: これらの遺伝子は長QT症候群と関連。
LDLR: 家族性高コレステロール血症と関連する低密度リポタンパク受容体遺伝子。
LMNA: エメリー・ドレフュス筋ジストロフィーや家族性心筋症と関連。
MAX: 褐色細胞腫や副腎腫瘍と関連。
MEN1: 多発性内分泌腫瘍症タイプ1と関連。
MLH1, MSH2, MSH6, PMS2: これらの遺伝子はリンチ症候群と関連するDNAミスマッチ修復遺伝子。
MUTYH: MUTYH関連ポリポーシスと関連。
MYBPC3, MYH11, MYH7, MYL2, MYL3: これらの遺伝子は心筋症と関連。
NF2: 神経線維腫症タイプ2と関連する腫瘍抑制遺伝子。
OTC: オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症と関連。
PALB2: 乳がんリスクを高める腫瘍抑制遺伝子。
PCSK9: 家族性高コレステロール血症と関連。
PKP2: 心筋症と関連するデスモソーム遺伝子。
PRKAG2: ウルフ・パーキンソン・ホワイト症候群と関連。
PTEN: カウデン症候群と関連する腫瘍抑制遺伝子。
RB1: 網膜芽細胞腫と関連する腫瘍抑制遺伝子。
RBM20: 拡張型心筋症と関連。
RET: 多発性内分泌腫瘍症タイプ2と関連。
RPE65: レーバー先天性黒内障と関連。
RYR1, RYR2: 悪性高熱症や心室頻拍と関連。
SCN5A: 長QT症候群やブルガダ症候群と関連。
SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD: これらの遺伝子は家族性褐色細胞腫や傍腫瘍と関連。
SMAD3, SMAD4: これらの遺伝子はポリープ形成症候群や家族性動脈瘤と関連。
STK11: ポイツ・イェーガース症候群と関連する腫瘍抑制遺伝子。
TGFBR1, TGFBR2: これらの遺伝子はロイス・ディーツ症候群と関連。
TMEM127: 褐色細胞腫と関連。
TMEM43: アリズモージュリエット・デトリッチ症候群と関連。
TNNC1, TNNI3, TNNT2, TPM1: これらの遺伝子は心筋症と関連。
TP53: リ・フラウメニ症候群と関連する腫瘍抑制遺伝子。
TRDN: 心室性頻拍と関連。
TSC1, TSC2: 結節性硬化症と関連する腫瘍抑制遺伝子。
TTN: 拡張型心筋症と関連。
TTR: トランスサイレチンアミロイドーシスと関連。
VHL: フォン・ヒッペル・リンドウ病と関連する腫瘍抑制遺伝子。
WT1: ウィルムス腫瘍と関連する腫瘍抑制遺伝子。
これらの遺伝子に変異がある場合、医療専門家は適切な介入や治療を推奨し、患者の健康管理を行うことが可能です。

遺伝子ブライダルチェックパネル検査は誰のためのものですか?

遺伝子ブライダルチェックパネル検査は、これからお子さんを持とうとするカップルのために適した検査です。

患者にとってどのような利点がありますか?

遺伝子ブライダルチェックパネル検査には、米国臨床遺伝学会ACMGが求めるTier3をすべて満たすキャリアスクリーニング検査が400以上の疾患に対して行うことができます。家族歴がなくてわかりにくいこうした疾患の原因となる遺伝子を持っているかどうかは、重い遺伝病のお子さんを持つこととなるカップルにとっては非常に重要な情報となります。さらに、もしもご自身がもっていたら医学的介入(検査や治療)をすることで将来を変えることのできる59の遺伝子を調べることができます。また、不妊の原因となる遺伝子を一度に調べることが可能ですので、これからお子さんをもつことを考えているカップルに家族計画のための総合的かつ人生全般にわたる指針を与えることが可能です。
関連記事:キャリア(保因者)スクリーニング検査|米国人類遺伝学会の推奨内容

検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

お一人様330,000円(税込)。遺伝カウンセリングは別途30分16500円(税込)かかります。カップルで同時に受ける場合には、合計金額を616,000円(税込)となります。

※カップルで検査を受けた場合の遺伝カウンセリング料金は、同じ検査を同時に同じ説明で受けた、同日検査をカップルでする場合、16500円としております。お支払総額が少しでも高くならないようにするための配慮です。それ以外の場合は、グループとして1診療とみなすことができないため、遺伝カウンセリング料金は各自30分16500円をお支払いください。

お高いと感じるかもしれませんが、50万人に1人の常染色体劣性(潜性)遺伝病の保因者は約350人に1人です。人間一人当たり、平均して約5~10個の病的劣性遺伝子を保因しているとされています。これらの遺伝子は通常、顕在化せずに潜在的に存在していますが、同じ遺伝子の変異を持つパートナーと子供を持つ場合、子供にその疾患が発症するリスクが高くなります。一生に何回もする検査ではありませんので、人生設計の一環として、安心してお子さんを持つために、お受けになった方が良いと感じています。

ミネルバクリニックでは患者さまへ正しい情報をお届けするために、
遺伝子ブライダルチェックに関する様々な情報を公開しています。

遺伝子ブライダルチェック関連コラム

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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