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7q11.23重複症候群|症状・原因・診断・治療|東京・ミネルバクリニック

7q11.23重複症候群|症状・原因・診断・治療|東京・ミネルバクリニック

7q11.23重複症候群とは?
症状・原因・診断・治療を臨床遺伝専門医が解説

この記事でわかること
📖 読了時間:約20分
🧬 染色体微小重複・神経発達症
臨床遺伝専門医監修

Q. 7q11.23重複症候群とはどのような病気ですか?

A. 7番染色体長腕(7q11.23)のウィリアムズ症候群責任領域(約1.5〜1.8Mb)が重複することで、神経発達障害や言語障害、不安障害などを来す染色体微細構造異常です。
ウィリアムズ症候群が同領域の「欠失」であるのに対し、本症候群は「重複」であり、言語発達の著しい遅れ・社会不安・選択性緘黙といったウィリアムズ症候群とは対照的な特徴を示します。


  • 原因7番染色体7q11.23領域(約1.5〜1.8Mb)の微小重複

  • 主要症状 → 発達遅滞(95%)、言語障害(100%)、不安障害(60%以上)、大動脈拡張(46%)

  • 重要な特徴 → ウィリアムズ症候群の「鏡像」:過社交性→社会不安、大動脈狭窄→大動脈拡張

  • 診断方法染色体マイクロアレイ検査(CMA)が確定診断のゴールドスタンダード

  • 頻度 → 約1/7,500〜1/20,000人(ウィリアムズ症候群と同程度)

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1. 7q11.23重複症候群とは|基本情報

【結論】 7q11.23重複症候群は、7番染色体長腕7q11.23領域(ウィリアムズ・ベーレン症候群クリティカルリージョン:WBSCR)の約1.5〜1.8Mbが重複する染色体微細構造異常です。2005年に初めて報告された比較的新しい症候群で、ウィリアムズ症候群の「鏡像(ミラー)」としての特徴を持ちます。

「お子さんの言葉が遅い」「人見知りが極端に強い」「検査で7q11.23重複が見つかった」という方は、この病気について正確な情報を知ることが大切です。本症候群は常染色体優性遺伝で伝達しますが、約73%は新生突然変異(de novo)によって発症します。

💡 用語解説:「ウィリアムズ症候群との関係」

ウィリアムズ症候群(Williams-Beuren syndrome)は7q11.23領域の「欠失」が原因です。一方、7q11.23重複症候群は同じ領域の「重複」が原因です。遺伝子のコピー数が1つ(欠失)か3つ(重複)かで、正反対の症状が現れることがあります。例えば、ウィリアムズ症候群では「過社交性」「大動脈狭窄」が見られますが、本症候群では「社会不安」「大動脈拡張」が特徴です。

7q11.23重複症候群の概要

項目 内容
疾患名 7q11.23重複症候群(OMIM #609757)
別名 Williams-Beuren Region Duplication Syndrome
原因 7q11.23領域(WBSCR)の約1.5〜1.8Mb重複
頻度 1/7,500〜1/20,000人
遺伝形式 常染色体優性(完全浸透・表現度多様)
de novo/遺伝 約73%がde novo、約27%が親からの遺伝
含まれる遺伝子数 26〜28遺伝子(ELN、GTF2I、LIMK1など)
7q11.23重複症候群の遺伝形式と疫学
図1:7q11.23重複症候群の遺伝形式と疫学

⚠️ ウィリアムズ症候群との鑑別

7q11.23重複症候群とウィリアムズ症候群は、同じ染色体領域の「重複」と「欠失」という遺伝学的に対照的な変異が原因です。症状も多くの点で対照的ですが、診断には染色体マイクロアレイ検査が必須です。ウィリアムズ症候群で見られる「妖精様顔貌」は本症候群では見られず、顔貌の特徴は比較的軽度です。

発見の歴史と背景

ウィリアムズ症候群の原因が1993年に解明されて以来、研究者たちは「重複」による症候群の存在を予測していました。しかし、本症候群の最初の報告は2005年(Somervilleら)と、発見まで10年以上を要しました。

発見が遅れた理由

  • 顔貌の特徴がウィリアムズ症候群ほど顕著でない
  • 症状の重症度に幅がある
  • 軽症例は見逃されやすかった

発見を可能にした技術

  • 染色体マイクロアレイの普及
  • 発達遅滞の網羅的遺伝子検査
  • 2007年Bergらの大規模報告

2. 7q11.23重複症候群の主な症状

【結論】 本症候群の症状は発達遅滞(95%)、言語障害(100%)、不安障害(60%以上)、大動脈拡張(46%)など多岐にわたります。特に言語発達の著しい遅れと社会不安が本症候群の中核的特徴であり、ウィリアムズ症候群の「おしゃべり」「人懐っこさ」とは対照的です。

症状の出現頻度

症状カテゴリー 頻度 詳細
発達遅滞 約95% 運動・言語・社会性の発達遅滞
言語発達遅滞 100% 特に表出性言語の遅れが顕著、初語は平均2歳
言語音障害 83% 小児期発語失行(CAS)、構音障害
不安障害 60%以上 社会不安(50%)、選択性緘黙(30%)
筋緊張低下 60% 乳幼児期に顕著、運動発達遅延の一因
大動脈拡張 46% 上行大動脈の拡張、進行性の可能性あり
ADHD 約35% 注意欠如・多動性障害
先天性心疾患 20%以上 動脈管開存、心室中隔欠損など
自閉スペクトラム症(ASD) 約19% 社会不安との鑑別が重要
てんかん 18% 様々な発作型
知的障害 約20% 中央値IQ 85(低平均〜平均)、軽度〜中等度が多い
Dup7患者における主要な身体合併症の有病率
図2:7q11.23重複症候群患者における主要な身体合併症の有病率

言語発達の特徴|本症候群の中核症状

💡 用語解説:小児期発語失行(CAS)とは?

小児期発語失行(Childhood Apraxia of Speech: CAS)は、筋力の問題ではなく、脳から口への運動指令の障害により発話が困難になる神経学的な言語障害です。言いたいことはわかっているのに、口をうまく動かせない状態です。本症候群では最も高頻度の言語障害として報告されています。

🗣️ 言語発達の特徴
  • 初語の遅れ:平均2歳で初めての意味のある単語(通常は1歳前後)
  • 表出>受容の乖離:理解はできるが話せない(「わかっているのに言葉が出ない」)
  • 構音障害:小児期発語失行(CAS)、構音不明瞭が高頻度
  • 改善傾向:年齢とともに発音の明瞭さは改善することが多い

ウィリアムズ症候群では「カクテルパーティー効果」と呼ばれる流暢で多弁な会話が特徴ですが、本症候群では全く逆の「言葉の出にくさ」が中核症状です。この対照的な特徴は、遺伝子量の違いが言語発達に大きな影響を与えることを示しています。

行動・精神面の特徴|不安と社会性

7q11.23重複症候群の特徴

  • 社会不安(50%)
  • 選択性緘黙(30%)
  • 人見知りが強い
  • 内向的・心配性

ウィリアムズ症候群の特徴(対比)

  • 過社交性(人懐っこい)
  • 見知らぬ人への警戒心欠如
  • 多弁・おしゃべり
  • 外向的・社交的
Dup7における行動特性の相互連関モデル
図3:7q11.23重複症候群における行動特性の相互連関モデル

💡 用語解説:選択性緘黙とは?

選択性緘黙(Selective Mutism)は、家では普通に話せるのに、学校など特定の社会的場面では全く話せなくなる状態です。単なる「恥ずかしがり屋」ではなく、不安障害の一種として理解されています。本症候群では約30%に見られ、言語発達の遅れと合わせて対応が必要です。

身体的特徴と合併症

❤️ 心血管系|大動脈拡張
  • 大動脈拡張:46%に上行大動脈の拡張(ウィリアムズ症候群の「狭窄」とは逆)
  • 進行性リスク:年齢とともに進行する可能性があり、生涯モニタリングが必要
  • 先天性心疾患:動脈管開存(15〜30%)、心室中隔欠損など
  • 原因:ELN遺伝子(エラスチン)の過剰発現による血管壁の構造変化

⚠️ 重要:大動脈拡張は無症状で進行する「サイレントキラー」となり得ます。重度の場合は大動脈解離や破裂のリスクがあるため、生涯にわたる定期的な心エコー検査が不可欠です。

顔貌の特徴

本症候群の顔貌はウィリアムズ症候群の「妖精様顔貌」ほど特徴的ではありませんが、以下のような所見が報告されています。

特徴 7q11.23重複症候群 ウィリアムズ症候群(対比)
頭囲 大頭症(約50%で95パーセンタイル以上) 小頭症傾向
頭蓋形態 短頭症(後頭部が平坦)
前額部 幅広い・突出した額
眉毛 直線的な眉
鼻尖が幅広い、鼻根部は高め 短い鼻、鼻根部が低い
口唇 薄い上唇 ぽってりした厚い唇
口蓋 高口蓋(44%)
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「言葉が出ない」のは本人のせいではありません】

7q11.23重複症候群のお子さんを持つご家族から、「言葉が遅いのはしつけが悪いせいでしょうか」「もっと話しかければよかったのでしょうか」というご質問をいただくことがあります。

答えは「いいえ」です。本症候群の言語発達遅滞は、GTF2Iなどの遺伝子が過剰になることで脳の言語ネットワークの発達に影響が出ていることが原因です。環境やしつけの問題ではありません。

同様に、「人見知りが激しい」「学校で全く話さない」といった症状も、遺伝子量の変化による不安回路の過敏さが関与しています。お子さんを責めるのではなく、適切な療育と環境調整で支援することが大切です。

3. 原因と遺伝的背景|主要な責任遺伝子

【結論】 本症候群の原因は、7q11.23領域(WBSCR)の約1.5〜1.8Mbの微小重複です。この領域には26〜28の遺伝子が含まれ、その中でもELN(大動脈拡張)、GTF2I(社会不安)などが主要な症状に関与していると考えられています。

主要な責任遺伝子と機能

💡 用語解説:遺伝子用量効果とは?

通常、遺伝子は父母から1コピーずつ、計2コピー持っています。「遺伝子用量効果」とは、遺伝子のコピー数が変化することで、その遺伝子産物(タンパク質)の量が変わり、症状に影響することを指します。欠失では50%に減少、重複では150%に増加します。本症候群では遺伝子が3コピーになることで過剰発現が生じます。

遺伝子 主な機能 重複による影響
ELN(エラスチン) 弾性線維の構成成分、血管壁の弾性維持 大動脈拡張(血管壁の弾性過多)
GTF2I 転写因子、神経発達・社会行動の制御 社会不安、分離不安
GTF2IRD1 転写因子、顔貌形成に関与 顔貌の特徴
BAZ1B クロマチンリモデリング、神経堤細胞の移動 顔貌形成、神経発達
LIMK1 アクチン制御、神経可塑性 視空間認知への影響
CLIP2 微小管制御、神経突起伸長 運動機能への影響

GTF2I:社会性と不安の鍵

GTF2I遺伝子は本症候群の行動表現型を決定する最も重要な遺伝子の一つです。マウスモデルの研究から、以下のことがわかっています。

🧬 GTF2Iの遺伝子量と社会性
  • GTF2I 1コピー(欠失=WBS):社会的恐怖心の低下 → 過社交性
  • GTF2I 2コピー(正常):適度な社会的警戒心
  • GTF2I 3コピー(重複=本症候群):分離不安の亢進 → 社会不安

重複の発生機序|NAHR

7q11.23領域の両端には低コピー反復配列(LCR)が存在し、減数分裂時に非対立遺伝子間相同組換え(NAHR)を誘発します。

🔬 NAHRによる欠失と重複の発生

減数分裂時にLCR同士が誤って対合すると、組換えエラーが生じます。その結果:

• 一方の染色体 → 欠失(ウィリアムズ症候群の原因)
• もう一方の染色体 → 重複(本症候群の原因)

このため、両症候群の発生頻度は理論上ほぼ同等となります。

7q11.23領域のゲノム構造とNAHRメカニズム
図4:7q11.23領域のゲノム構造と非対立遺伝子間相同組換え(NAHR)メカニズム

遺伝形式と再発リスク

de novo(約73%)

  • 両親は正常
  • 配偶子形成時に新たに発生
  • 次子への再発リスク:1%未満

親からの遺伝(約27%)

  • 親が(軽症で未診断のまま)保因者
  • 常染色体優性(顕性)遺伝
  • 次子への再発リスク:50%

⚠️ 表現度の多様性について:同じ重複を持つ家族内でも、症状の程度は大きく異なることがあります。親が軽症または無症状でも、子どもが重症となる可能性があり、予後予測は困難です。これは「表現度の多様性」と呼ばれます。

4. 7q11.23重複症候群の診断方法

【結論】 本症候群の確定診断には染色体マイクロアレイ検査(CMA)が必須です。通常のG分染法(染色体検査)では検出できません。多くの症例は、発達遅滞や自閉症の精査としてCMAが行われた際に発見されています。

診断のきっかけ

🔍 本症候群を疑う所見
  • 原因不明の言語発達遅滞(特に表出性言語の著しい遅れ)
  • 強い社会不安・選択性緘黙
  • 大頭症・平坦な後頭部
  • 大動脈拡張の偶然の発見
  • 家族歴(親が軽度の学習障害や社会不安を有する場合)

遺伝学的検査の種類

検査方法 特徴 7q11.23重複の検出
染色体マイクロアレイ(CMA) ゴールドスタンダード。微細CNVを高解像度で検出 ◎ 検出可能
G分染法(核型分析) 解像度は5〜10Mb程度 ✕ 検出不可(約1.5Mbの重複は見えない)
FISH法 ELNプローブを使用。家族の確認検査に有用 ○ 検出可能(シグナル3つで確認)
MLPA法 コピー数を定量。比較的安価 △ 専用キットで可能

💡 用語解説:染色体マイクロアレイ(CMA)とは?

CMAは、従来のG分染法では検出できない微細な染色体の重複・欠失(コピー数変異:CNV)を検出する検査です。日本では2021年10月から、原因不明の発達遅滞・先天異常に対する保険適用検査として実施されています。

⚠️ 「染色体検査は正常」と言われた方へ

通常のG分染法(染色体検査)では本症候群は検出できません。「染色体検査で異常なし」と言われていても、発達遅滞や言語障害の原因として本症候群が潜んでいる可能性があります。染色体マイクロアレイ検査(CMA)を受けることで初めて診断がつく場合があります。

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5. 治療と長期管理

【結論】 本症候群には根本的な治療法は存在せず、症状に応じた対症療法・早期療育・継続的サーベイランスが中心となります。特に言語療法と大動脈モニタリングが管理の要です。

診断時の初期評価

評価項目 内容
発達評価 運動・認知・言語・社会性の包括的評価、早期療育の検討
言語聴覚評価 小児期発語失行(CAS)の評価、言語療法の開始
心臓評価 心エコー検査(大動脈径のZスコア測定)、先天性心疾患のスクリーニング
神経学的評価 筋緊張、てんかんの有無、大頭症の場合は頭部MRI
精神医学的評価 不安障害、ADHD、ASDのスクリーニング
遺伝カウンセリング 親の検査、再発リスクの説明、家族支援

症状別の治療・対応

言語発達遅滞・CAS

  • 集中的な言語療法が最も重要
  • CAS専門のSTによる介入
  • フォニックス指導による読み書き支援
  • AAC(代替コミュニケーション)の活用

不安障害・選択性緘黙

  • 認知行動療法(CBT)
  • STと心理士の協働アプローチ
  • 必要に応じてSSRI等の薬物療法
  • 環境調整・スモールステップ

大動脈拡張

  • 年1回以上の心エコー(Zスコア測定)
  • 進行例ではβ遮断薬を検討
  • 重度の場合は外科的手術

ADHD・ASD

  • 行動療法・環境調整
  • ソーシャルスキルトレーニング
  • 必要に応じてADHD治療薬

定期サーベイランス

項目 頻度
心エコー(大動脈径) 少なくとも年1回(生涯継続)
発達・知能評価 年1回
言語評価 少なくとも6歳まで年1回、以後は必要に応じて
行動・精神評価 年1回(不安・ADHD・攻撃性のモニタリング)
頭囲測定 乳児期は毎回の受診時、その後は年1回
てんかん評価 毎回の受診時に問診、疑わしい場合は脳波

6. 遺伝カウンセリングの重要性

【結論】 7q11.23重複症候群の「表現度の多様性」は、遺伝カウンセリングを非常に重要なものにしています。同じ重複でも症状は様々であり、予後予測が難しいことを丁寧に説明し、家族の意思決定を支援することが必要です。

遺伝カウンセリングで伝えるべきポイント

📋 カウンセリングの要点
  • 完全浸透だが表現度多様:重複があれば何らかの影響はあるが、程度は予測困難
  • de novo vs 遺伝:73%はde novo、27%は親からの遺伝
  • 両親の検査:親が保因者か確認することで再発リスクを評価
  • 家族内変異性:親が軽症でも子が重症になる可能性あり
  • 長期フォローの必要性:大動脈拡張の生涯モニタリングが必須

再発リスク

状況 次子への再発リスク
両親とも正常(de novo) 1%未満(生殖細胞モザイクの可能性はあり)
片親が保因者 50%(ただし症状の程度は予測困難)
発端者の子どもへ 50%
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「親が軽症なら子も軽症」とは限りません】

7q11.23重複症候群の遺伝カウンセリングで、「親が軽症で普通に生活しているから、子どもも大丈夫ですよね?」というご質問をよくいただきます。

残念ながら、そうとは言い切れません。本症候群は「表現度の多様性」が大きく、同じ重複を持つ家族内でも症状の程度が大きく異なることがあります。親が軽症で未診断だったケースでも、子どもは重度の言語障害や心疾患を持つことがあります。

逆に、「親が重症だから子どもも必ず重症」というわけでもありません。この不確実性を正直にお伝えし、ご家族が情報に基づいた意思決定ができるようサポートすることが、臨床遺伝専門医としての私の役割です。

7. 出生前診断について

【結論】 7q11.23重複は出生前診断で検出可能です。羊水検査・絨毛検査でのCMAが確定診断となりますが、胎児の予後予測は困難であり、出生前診断で見つかった場合は慎重な遺伝カウンセリングが必要です。

出生前検査での検出

検査 検出可能性 備考
NIPT(標準) ✕ 対象外 7q11.23重複はミネルバクリニックのNIPT検査対象12種類の微小欠失には含まれていません
羊水検査+CMA ◎ 検出可能 確定診断のゴールドスタンダード
絨毛検査+CMA ◎ 検出可能 妊娠初期(11〜14週)に実施可能

⚠️ 重要:出生前診断で7q11.23重複が見つかった場合、「症状がどの程度出るかは予測できない」という不確実性があります。超音波検査で異常所見がないことも多く、出生後にならないと症状の有無や程度はわかりません。この不確実性をどう受け止めるかは、ご家族によって異なります。

出生前診断で見つかった場合の対応

🔍 出生前診断後の対応
  • 遺伝カウンセリング:重複の意味、表現度の多様性、予後の不確実性を説明
  • 両親の検査:親が保因者か確認(保因者なら多少の参考情報に)
  • 詳細超音波:心奇形などの構造異常を精査
  • 出生後フォロー体制の準備:早期療育・心臓モニタリングの体制構築

8. ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした診療体制を整えています。7q11.23重複症候群を含む染色体異常の検査から、結果説明、フォローまで一貫してサポートいたします。

🔬 高精度な検査技術

スーパーNIPT(第3世代)とCOATE法を採用。全染色体検査も対応可能です。

🏥 院内で確定検査まで対応

羊水検査・絨毛検査も院内で実施可能。転院の必要がなく、心理的負担を軽減できます。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

遺伝カウンセリングは臨床遺伝専門医が担当。結果の説明から今後の選択肢まで、専門家が寄り添います。

💰 互助会制度で費用面も安心

互助会(8,000円)により、陽性時の確定検査(羊水検査)費用を全額補助。上限なしで安心です。

一人で悩まず、専門医を頼ってください

7q11.23重複症候群について詳しく知りたい方、
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よくある質問(FAQ)

Q1. 7q11.23重複症候群とウィリアムズ症候群の違いは何ですか?

どちらも7q11.23領域の変異が原因ですが、ウィリアムズ症候群は「欠失」、本症候群は「重複」です。症状も対照的で、ウィリアムズ症候群では「過社交性」「大動脈狭窄」「多弁」が特徴ですが、本症候群では「社会不安」「大動脈拡張」「言語発達遅滞」が特徴です。これは遺伝子量の違いによるものです。

Q2. 重複があれば必ず症状が出ますか?

本症候群は「完全浸透」ですので、重複があれば何らかの影響はあると考えられます。ただし、「表現度の多様性」が大きく、症状の程度は軽度から重度まで様々です。親が軽症で未診断のまま普通に生活しているケースも約27%存在します。

Q3. 通常の染色体検査で見つかりますか?

通常のG分染法(染色体検査)では検出できません。約1.5Mbの重複は顕微鏡では見えないためです。確定診断には染色体マイクロアレイ検査(CMA)が必要です。「染色体検査で異常なし」と言われていても、CMAを受けることで初めて診断がつく場合があります。

Q4. NIPTで7q11.23重複は検出できますか?

ミネルバクリニックのNIPT検査対象には含まれていません。当院のNIPTで検出可能な微小欠失は12種類(1p36欠失、4p16欠失、5p15欠失、15q11.2-q13欠失、22q11.2欠失など)ですが、7q11.23重複はこの中に含まれていません。確定診断には羊水検査でのCMAが必要です。

Q5. 子どもがこの重複を持っています。次の子にも遺伝しますか?

まず両親の検査が必要です。両親が正常(de novo)なら次子への再発リスクは1%未満です。片親が保因者なら50%の確率で重複が遺伝します。ただし、重複が遺伝しても症状の程度は予測困難です。詳しくは遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q6. 言語発達遅滞は改善しますか?

早期からの集中的な言語療法により、多くの患者さんで改善が見られます。特にフォニックス指導による読み書きの改善、構音の明瞭化が報告されています。ただし、小児期発語失行(CAS)の場合は専門的なSTによる介入が必要であり、改善には時間がかかることがあります。

Q7. 大動脈拡張は危険ですか?

大動脈拡張は無症状で進行する可能性があり、重度の場合は大動脈解離のリスクがあります。そのため、生涯にわたる定期的な心エコー検査(少なくとも年1回)が必須です。進行例ではβ遮断薬や外科的手術が検討されます。心臓専門医との連携が重要です。

Q8. 出生前診断で重複が見つかりました。どう考えればいいですか?

出生前診断で見つかった場合、症状の程度を予測することは困難です。超音波で異常所見がなくても症状が出ることもあれば、軽症で済むこともあります。まずは両親の検査を行い、保因者かどうかを確認することが参考になります。どのような決断をされても、専門家としてサポートしますので、遺伝カウンセリングでじっくりお話しましょう。

🏥 一人で悩まないでください

7q11.23重複症候群について心配なこと、検査を受けるかどうか迷っていること、
どんなことでもお気軽にご相談ください。
臨床遺伝専門医があなたとご家族に寄り添います。

参考文献

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プロフィール

この記事の筆者:仲田 洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科・腫瘍学を軸に、 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。 出生前診断・遺伝学的検査においては、検査結果そのものだけでなく 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年、国際誌『Global Woman Leader』および『Medical Care Review APAC』の2誌で立て続けに表紙(Cover Story)に抜擢。 「日本のヘルスケア女性リーダー10名」や「アジア太平洋地域のトップ出生前検査サービス」として、世界的な評価を確立しています。

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