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3q29微小欠失症候群の原因・症状・検査を専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

3q29微小欠失症候群の原因・症状・検査を専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

3q29微小欠失症候群とは?
症状・原因・診断・治療を臨床遺伝専門医が解説

この記事でわかること
📖 読了時間:約20分
🧬 染色体微小欠失・神経精神疾患
臨床遺伝専門医監修

Q. 3q29微小欠失症候群とはどのような病気ですか?

A. 3番染色体長腕29領域(3q29)の約1.6メガベース(Mb)が欠失することで、神経発達障害や精神疾患のリスクが劇的に高まる染色体微細構造異常です。
身体的には比較的軽微な症状にもかかわらず、統合失調症リスクが一般集団の40倍以上という「臨床的パラドックス」を特徴とします。


  • 原因3番染色体3q29領域(約1.6Mb)の微小欠失

  • 最大の特徴統合失調症リスク40倍以上(既知のCNV中最強のリスク因子)

  • 主要症状 → 消化器症状(81%)、VMI障害(78%)、ADHD(63%)、ASD(38%)

  • 診断方法染色体マイクロアレイ検査(CMA)が確定診断のゴールドスタンダード

  • 頻度 → 一般集団で約3〜4万人に1人(稀少疾患)

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1. 3q29微小欠失症候群とは|基本情報

【結論】 3q29微小欠失症候群(3q29 Microdeletion Syndrome; OMIM 609425)は、3番染色体長腕29領域(3q29)の約1.6Mbが欠失する稀少な染色体異常です。身体的所見は軽微でありながら、精神疾患リスクが極めて高いという「臨床的パラドックス」が最大の特徴です。

この症候群は2005年にWillattらによって初めて報告された比較的新しい疾患概念です。従来のG分染法(核型分析)では検出できない微小な欠失であるため、染色体マイクロアレイ検査(CMA)の普及により診断数が増加しています。

💡 用語解説:「臨床的パラドックス」とは?

多くの遺伝性症候群では、重篤な身体奇形と重度の知的障害が相関する傾向があります。しかし3q29欠失症候群では、身体的所見が「微細」で見過ごされやすいにもかかわらず、精神病発症リスクが「壊滅的に高い」という乖離が存在します。この特徴が診断の遅れにつながることがあります。

3q29微小欠失症候群の概要

項目 内容
疾患名 3q29微小欠失症候群(OMIM #609425)
英語名 3q29 Microdeletion Syndrome
原因 3q29領域の約1.6Mbヘテロ接合性欠失
頻度 一般集団で約1/30,000〜1/40,000人
遺伝形式 常染色体優性(多くはde novo)
主要候補遺伝子 DLG1、PAK2、CYFIP1、TM4SF19など約20遺伝子

⚠️ 22q11.2欠失症候群との比較

精神疾患リスクが高いCNVとして有名な22q11.2欠失症候群(DiGeorge症候群)の統合失調症オッズ比は約20〜30倍です。しかし3q29欠失症候群はオッズ比40倍以上と、22q11.2欠失をも凌駕する既知の遺伝子変異中最強のリスク因子です。

診断が遅れやすい理由

3q29微小欠失症候群の診断が遅れがちな理由には、以下のような特徴があります。

身体的特徴が軽微

  • 顔貌の特徴が非特異的
  • ダウン症候群のような目立つ特徴がない
  • 「原因不明の発達遅滞」として見過ごされやすい

精神症状は成人期に顕在化

  • 統合失調症の発症は思春期〜成人期
  • 小児期は軽度の発達遅滞のみ
  • 精神病発症後に初めて診断されることも

💡 Emory大学「The 3q29 Project」

米国Emory大学を中心とする国際研究チームが、世界最大規模の3q29欠失症候群患者レジストリを構築しています。このプロジェクトにより、視覚運動統合障害(VMI)ASDの独特な特性(社会的動機づけは保持される)など、これまで知られていなかった重要な特徴が明らかになっています。

2. 3q29微小欠失症候群の主な症状

【結論】 本症候群の症状は神経精神医学的表現型(統合失調症、ASD、ADHD)と身体的表現型(消化器症状、心疾患)に大別されます。最大の特徴は身体的には軽微なのに精神医学的リスクが極めて高いという乖離です。

症状の出現頻度

以下の症状頻度は、Emory大学の3q29 Projectを中心とした研究データに基づいています。

症状カテゴリー 頻度 詳細
消化器症状 81% 胃食道逆流、便秘、哺乳困難
筋骨格系の所見 81% 胸郭変形、長い指、偏平足、側弯症
視覚運動統合障害(VMI) 78% 書字困難、図形模写困難、不器用さ
ADHD 63% 注意欠如・多動性障害
視覚障害 60% 斜視、乱視、近視
不安症 40% 全般性不安障害、社交不安
自閉スペクトラム症(ASD) 38% 社会的コミュニケーション障害
知的障害 34% 軽度〜中等度が多い
先天性心疾患 25〜47% 動脈管開存症(PDA)が最多
統合失調症 19〜20%以上 成人期発症、オッズ比40倍以上

3q29微小欠失症候群における臨床症状の有病率とスペクトラム

神経精神医学的症状の詳細

⚠️ 統合失調症:最強の遺伝的リスク因子
  • オッズ比:40倍以上(22q11.2欠失の約20〜30倍を凌駕)
  • 発症率:成人期キャリアの少なくとも20%以上が発症
  • 発症年齢:一般より早期発症の傾向(思春期〜20代前半、10歳未満の報告も)
  • 治療反応性:治療抵抗性の症例が多く、早期クロザピン導入が必要なことも

ASDの「社会的動機づけパラドックス」

3q29欠失症候群におけるASDには、特異な「社会的動機づけのパラドックス」が存在します。

💡 「社会的動機づけのパラドックス」とは?

典型的な特発性ASDでは、他者と関わりたいという意欲(社会的動機づけ)自体が低下しています。しかし3q29欠失を持つ個人の多くは、社会的動機づけが高いレベルで保たれているにもかかわらず、社会的スキルやコミュニケーション技術の欠如により対人関係の構築に失敗します。この「友達が欲しいのに、うまく作れない」という状況は、強い社会的不安・孤独感・抑うつをもたらします。

小児期〜思春期

  • ADHD(63%)
  • ASD(38%)
  • 不安障害(40%)
  • 実行機能障害(46%)

成人期

  • 統合失調症(19〜20%以上)
  • 双極性障害(約5%)
  • うつ病・不安障害
  • 早期認知症の報告あり

視覚運動統合(VMI)障害:学習の大きな壁

✏️ VMI障害(78%)
  • 書字困難:文字を書く、図形を模写するなど「目で見た情報を手の動きに変換する」タスクが極端に苦手
  • 非言語性学習障害:言語能力は比較的保たれるが、動作性能力(空間認識など)が著しく低い(PIQ<VIQ)
  • 学校生活での困難:板書の書き写し、体育、図工などで著しい困難

身体的特徴

本症候群に特徴的な「顔」はありませんが、以下のような所見がみられることがあります。

👤 身体的特徴
  • 顔貌:長く狭い顔、短い人中、高い鼻梁、大きな耳、小頭症(微細で非特異的)
  • 消化器(81%):胃食道逆流、便秘、哺乳困難、体重増加不良
  • 心臓(25〜47%):動脈管開存症(PDA)、心室中隔欠損(VSD)など
  • 筋骨格系(81%):胸郭変形(鳩胸・漏斗胸)、長い指、偏平足、側弯症
  • 歯科(41%):エナメル質形成不全、欠損歯、う蝕のリスク増加
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「見えにくい」からこそ危険な疾患】

3q29微小欠失症候群の最大の問題点は、身体的には「普通に見える」子どもが多いことです。ダウン症候群のような一目でわかる特徴がないため、「原因不明の発達遅滞」として見過ごされがちです。

しかし、この症候群が持つ統合失調症リスク(40倍以上)は、22q11.2欠失症候群をも上回る「既知の遺伝子変異中最強」です。早期に診断されていれば、思春期以降の精神症状に対する警戒・早期介入が可能になります。

「うちの子は発達がゆっくりだけど、顔つきも普通だし大丈夫」と思っていた家族が、成人後の統合失調症発症を機に初めて診断を受けるケースもあります。原因不明の発達遅滞には、積極的な遺伝学的検査をお勧めします。

3. 原因と遺伝的背景|責任遺伝子

【結論】 本症候群の原因は、3q29領域の約1.6Mb欠失により約20〜22個の遺伝子がハプロ不全となることです。特にDLG1(シナプス機能)とPAK2(細胞骨格制御)が神経発達への主要な影響を及ぼすと考えられていますが、最新研究ではミトコンドリア機能不全も重要な病態機序として浮上しています。

欠失領域の構造

💡 用語解説:「低コピー反復配列(LCR)」とは?

3q29領域の両端には、高度に相同な配列を持つ「低コピー反復配列(LCR)」が存在します。この構造が減数分裂時に誤った対合を引き起こし、非対立遺伝子間相同組換え(NAHR)によって欠失または重複が生じます。3q29欠失の切断点(breakpoints)はほとんどの患者で共通しており、これが「反復性欠失(recurrent deletion)」と呼ばれる所以です。

主要な候補遺伝子

遺伝子 主な機能 関連する臨床症状
DLG1 シナプス後肥厚部の足場タンパク質(SAP97)、NMDA/AMPA受容体の輸送・固定 統合失調症(グルタミン酸仮説)、腎機能異常
PAK2 Cdc42/Rac1下流のセリン・スレオニンキナーゼ、アクチン細胞骨格制御 神経細胞遊走異常、軸索伸長・樹状突起スパイン形成障害
TM4SF19 テトラスパニンファミリー、細胞膜タンパク質複合体形成 日本人集団でASD・統合失調症との関連(名古屋大学研究)
FBXO45 ユビキチン・プロテアソーム系、シナプス形成の標的タンパク質分解 シナプス形成異常
NCBP2 RNAキャップ結合タンパク質、RNAプロセシング・核外輸送 神経発達における遺伝子発現制御

⚠️ 最新研究(名古屋大学 2024年):日本人の統合失調症・ASD患者を対象とした研究で、TM4SF19遺伝子のミスセンス変異が患者群で有意に多いことが報告されました(p=0.0160)。これは人種特異的な遺伝的リスクを示す世界初の知見であり、欧米中心のデータだけでなくアジア人集団での研究の重要性を示しています。

最新知見:ミトコンドリア機能不全

近年最も注目されている発見は、3q29欠失が細胞のエネルギー代謝(ミトコンドリア機能)に影響を与えるという知見です。

3q29微小欠失症候群の病態生理学的カスケード

🔬 代謝の柔軟性喪失(Emory大学 2023年)
  • 正常:神経細胞は分化・成熟過程で、エネルギー源を解糖系→酸化的リン酸化(OXPHOS)へ切り替える
  • 3q29欠失:この「代謝スイッチ」がうまく機能せず、高エネルギー需要に対応できない(代謝的硬直性)
  • 結果:神経遊走の遅延、神経突起の伸長不良、シナプス形成障害 → 精神疾患の基盤となる神経回路の脆弱性

💡 治療への示唆

この発見は、3q29微小欠失症候群を「代謝性脳症」の一種として再定義する可能性を秘めています。将来的には抗酸化物質(MitoQ、N-アセチルシステインなど)ミトコンドリア賦活剤を用いた新たな治療介入が開発される可能性があります。

遺伝形式と再発リスク

新生突然変異(de novo)

多くの患者でde novo(両親は正常)に欠失が発生。この場合、次子への再発リスクは1%未満(生殖細胞モザイクの可能性を除く)。

親からの遺伝(10〜20%)

稀に保因者の親から遺伝。保因者の親は軽微な症状のみ、または全く無症状のことも。親が欠失を持つ場合、子への遺伝確率は50%

4. 3q29微小欠失症候群の診断方法

【結論】 本症候群の確定診断には染色体マイクロアレイ検査(CMA)が不可欠です。約1.6Mbの欠失は従来のG分染法では小さすぎて検出できないため、CMAまたはNGSによるCNV解析が必須です。

診断のきっかけ

🔍 検査を行う場面
  • 原因不明の発達遅滞・知的障害:CMAが第一選択検査として実施される
  • 自閉スペクトラム症の精査:遺伝学的原因検索として
  • 統合失調症の発症(成人期):特に早期発症・治療抵抗性の場合
  • 先天性心疾患+発達遅滞:複合所見の原因検索
  • 出生前診断:羊水検査でのCMAで偶発的に発見

遺伝学的検査の種類

検査方法 特徴 3q29欠失の検出
染色体マイクロアレイ(CMA) ゴールドスタンダード。数kb〜数Mbの微細CNVを高解像度で検出 ◎ 検出可能
G分染法(核型分析) 解像度は5〜10Mb程度。大きな転座や数的異常を検出 ✕ 検出困難(約1.6Mbの微小欠失)
FISH法 特定領域のプローブを使用。迅速な確認に有用 △ 専用プローブで可能
NGS(次世代シーケンシング) CNV解析に対応した手法で検出可能 ◎ 検出可能

💡 用語解説:染色体マイクロアレイ(CMA)とは?

CMAは、従来のG分染法では検出できない微細な染色体の重複・欠失(コピー数変異:CNV)を検出する検査です。原因不明の発達遅滞・先天異常に対する保険適用検査として実施されており、3q29微小欠失症候群の発見機会が増加しています。

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発達遅滞や自閉症状の原因検索には遺伝学的検査が有効です。
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5. 治療と長期管理

【結論】 本症候群には根本的な治療法は存在せず、症状に応じた対症療法・早期療育・精神科的フォローが中心となります。特に思春期以降の精神症状への警戒が最重要です。

ライフステージ別の管理

ライフステージ 主な対応
乳児期・幼児期(0〜5歳) 心エコー検査、栄養サポート(哺乳困難対策)、発達スクリーニング、早期療育開始(PT・OT・ST)
学童期(6〜12歳) 知能検査・VMI評価、特別支援教育・書字の合理的配慮、ADHD・ASD対応、眼科・歯科フォロー
思春期・成人期(13歳〜) 精神症状(前駆症状)の早期発見、就労支援、生活自立支援、移行期医療

症状別の治療・対応

発達遅滞・VMI障害

  • 早期療育(PT・OT・ST)
  • 板書の書き写し軽減(プリント配布)
  • タブレット・キーボード入力の導入
  • 試験時間延長などの合理的配慮

ADHD・ASD

  • 行動療法・環境調整
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST)
  • ADHD薬は非刺激薬を優先
  • ペアレントトレーニング

統合失調症(成人期)

  • 前駆症状の早期発見が最重要
  • 抗精神病薬による治療
  • 治療抵抗性には早期クロザピン検討

身体的管理

  • 心エコー(心疾患スクリーニング)
  • 眼科検診(斜視・弱視予防)
  • 早期からの歯科管理
  • 消化器症状(GERD・便秘)への対応

⚠️ ADHD治療薬の注意点

メチルフェニデートなどの精神刺激薬は、ドパミン系を賦活するため、潜在的な精神病リスクを持つ本症候群患者において幻覚や妄想を誘発・増悪させるリスクがあります。アトモキセチンやグアンファシンなどの非刺激薬を第一選択とすることが推奨されます。

6. 遺伝カウンセリングの重要性

【結論】 3q29微小欠失症候群の遺伝カウンセリングでは、身体的には軽微でも精神医学的リスクが高いという本症候群の特性を丁寧に説明することが重要です。同じ欠失でも症状の重さは予測できないことを伝えつつ、家族の意思決定を支援します。

遺伝カウンセリングで伝えるべきポイント

📋 カウンセリングの要点
  • 臨床的パラドックス:身体的所見は軽微でも、精神疾患リスクが極めて高い
  • 統合失調症リスク:成人期キャリアの20%以上が発症(オッズ比40倍以上)
  • 表現型の多様性:同じ欠失でも症状は軽微〜重度まで様々(予測困難)
  • 両親の検査:保因者かどうかで再発リスクが大きく異なる
  • 長期フォローの必要性:特に思春期以降の精神症状モニタリング

再発リスク

状況 次子への再発リスク
両親とも正常(de novo) 1%未満(生殖細胞モザイクの可能性はあり)
片親が保因者 50%(常染色体優性遺伝)
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【遺伝カウンセリングで伝えること】

3q29微小欠失症候群の遺伝カウンセリングで最も難しいのは、「予後が予測できない」という不確実性をどう伝えるかです。

「身体的には大丈夫そうなのに、なぜ心配なのか?」という疑問に対し、統合失調症リスクが40倍以上という事実をお伝えすると、多くのご家族は驚かれます。しかし同時に、「それでも発症しない方もいる」という希望もお伝えします。

特に出生前診断で見つかった場合、ご家族は大きな決断を迫られます。私は中立的な立場で正確な情報を提供し、最終的な判断はご家族自身に委ねます。どのような決断をされても、その後のフォローもお約束しています。

不安を抱えている方は、ぜひ一度ご相談ください

7. 出生前診断について|NIPTと羊水検査

【結論】 3q29微小欠失は出生前診断で検出可能です。羊水検査でのCMAで見つかることがありますが、胎児の予後予測は非常に困難であり、出生前診断で見つかった場合の対応には慎重な遺伝カウンセリングが必要です。

出生前検査での検出方法

検査 検出可能性 備考
NIPT(全染色体検査) △ 限定的 約1.6Mbの欠失は検出困難なことがある。スクリーニング検査
羊水検査+CMA ◎ 検出可能 確定診断のゴールドスタンダード
絨毛検査+CMA ◎ 検出可能 妊娠初期(11〜14週)に実施可能

出生前診断で見つかった場合の対応

🔍 出生前診断後の対応
  • 遺伝カウンセリング:臨床的パラドックス、統合失調症リスク、予後の不確実性を説明
  • 両親の検査:親が同じ欠失を持つか確認(保因者なら症状の参考に)
  • 詳細超音波:心奇形などの構造異常を精査(ただし異常がないことも多い)
  • 出生後フォロー体制:発達モニタリング、早期療育の準備、精神科フォロー計画

⚠️ 重要な考慮点:出生前診断で3q29欠失が見つかった場合、超音波で異常がないことが多いため、「身体的には大丈夫そうなのに、なぜ問題なのか」という疑問が生じやすいです。しかし本症候群の最大のリスクは成人期の統合失調症であり、胎児期には予測できません。この不確実性をどう受け止めるかは、ご家族によって異なります。

8. ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医の専門性を活かした診療体制を整えています。3q29微小欠失症候群を含む染色体異常の検査から、結果説明、フォローまで一貫してサポートいたします。

🔬 高精度な検査技術

スーパーNIPT(第3世代)とCOATE法を採用。全染色体検査や微小欠失検査も対応可能です。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査も院内で実施可能に。転院の必要がなく、心理的負担を軽減できます。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

臨床遺伝専門医が検査前後の遺伝カウンセリングを担当。結果の説明から今後の選択肢まで、専門家が寄り添います。

💰 互助会で費用面も安心

互助会(8,000円)に加入いただくと、陽性時の確定検査(羊水検査)費用を全額カバー上限なしで安心です。

一人で悩まず、専門医を頼ってください

3q29微小欠失症候群について詳しく知りたい方、
出生前検査を検討している方は臨床遺伝専門医にご相談ください


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よくある質問(FAQ)

Q1. 3q29微小欠失症候群はどのくらい稀な病気ですか?

一般集団で約3〜4万人に1人と推定されています。ただし、身体的所見が軽微なため未診断の患者が相当数存在すると考えられており、実際の保有率はもう少し高い可能性があります。世界で報告された症例は200例程度ですが、これは診断が追いついていないためです。

Q2. なぜ統合失調症リスクがこれほど高いのですか?

3q29領域にはDLG1(シナプス機能)PAK2(細胞骨格制御)など、脳の発達に重要な遺伝子が多数含まれています。最新研究では、これらの遺伝子のハプロ不全がミトコンドリア機能不全を引き起こし、神経回路形成に障害をもたらすことが示されています。複数の遺伝子の相乗効果により、22q11.2欠失よりも強いリスク因子となっています。

Q3. 身体的には問題がなさそうなのに、なぜ心配なのですか?

これが本症候群の「臨床的パラドックス」です。ダウン症候群のような特徴的な顔貌や重篤な奇形がないため「大丈夫そう」に見えますが、精神疾患リスクは既知のCNV中最強です。統合失調症の発症は主に成人期なので、小児期には見逃されがちです。早期診断により、思春期以降の精神症状への警戒と早期介入が可能になります。

Q4. 視覚運動統合障害(VMI)とは何ですか?

VMI障害は本症候群の78%に認められる特徴的な症状です。「目で見た情報を手の動きに変換する」能力の障害であり、文字を書く、図形を模写する、靴紐を結ぶといったタスクが極端に苦手になります。学校生活では板書の書き写しや体育・図工で困難が生じるため、タブレット使用などの合理的配慮が重要です。

Q5. 子どもがこの欠失を持っています。次の子にも遺伝しますか?

まず両親の検査が必要です。両親が正常(de novo)なら次子への再発リスクは1%未満です。片親が保因者なら50%の確率で欠失が遺伝します。保因者の親が無症状または軽症の場合もあり、家族歴の確認が重要です。詳しくは遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q6. 治療法はありますか?

根本的な治療法は現時点で存在しません。治療は症状に応じた対症療法が中心です。発達遅滞には早期療育、ADHD・ASDには行動療法・薬物療法、統合失調症には抗精神病薬を使用します。最新研究ではミトコンドリア機能不全が注目されており、将来的には新たな治療法が開発される可能性があります。

Q7. 出生前診断で欠失が見つかりました。どう考えればいいですか?

出生前診断で見つかった場合、予後予測は非常に困難です。超音波で異常がなくても成人期に統合失調症を発症する可能性があり、逆に欠失があっても軽症のケースもあります。まずは両親の検査を行い、遺伝カウンセリングで詳しい情報を得た上で、ご家族で十分に話し合ってください。

Q8. 日本に患者会はありますか?

日本国内にこの症候群に特化した患者会は現時点で確認されていません。海外では米国のEmory大学 3q29 Project3q29 Foundation、英国のUnique(Rare Chromosome Disorder Support Group)などが情報提供を行っています。日本語の情報はGeneReviews Japanで入手可能です。

3q29微小欠失症候群の検査・相談は
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臨床遺伝専門医が検査前から結果説明、フォローまで一貫して対応します。
オンライン診療も可能ですので、遠方の方もご相談ください。

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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