相同組換え
減数分裂の際に起こる、染色体間または染色体内での遺伝物質の交換のことを相同組換えという。
減数分裂の際に行われる組換えにより、固有の対立遺伝子の組み合わせを持つ配偶子が作られる。これにより、親から子へと受け継がれる染色体は決して同一ではなく、一卵性双生児を除いて、すべての人が遺伝的にユニーク(同じではない)な存在となる。組換えの際にエラーが発生すると、特定の病気や状態になることがある。
組換えとは、DNAの断片が破壊され、再結合して新しい対立遺伝子の組み合わせを作り出すプロセスである。この組み換えプロセスは、生物のDNA配列の違いを反映した遺伝子レベルでの遺伝的多様性を生み出す。
真核細胞(核と細胞小器官を持つ細胞)では、通常、減数分裂の際に組み換えが行われる。減数分裂は、配偶子(卵と精子の細胞)を作り出す細胞分裂の一形態である。減数分裂の第1段階では、母方と父方の染色体の相同性の高いペアが整列する。その際、染色体の腕が重なり合い、一時的に融合することでクロスオーバーが起こる。交差が起こると、母方の染色体と父方の染色体の間で組換えが起こり、遺伝物質が交換される。この交差の起こる場所は細胞ごとに異なっている。その結果、子孫は親とは異なる遺伝子の組み合わせを持つことになる。同じ染色体上の離れた場所にある遺伝子は、組換えが起こる可能性が高く、つまり組換え頻度が高い。
相同組換え(相同的組換え)は、DNAの塩基配列がよく似た部位(相同部位)で起こる組換えのことをさす。
様々な化学物質や放射線により切断されたDNAの修復機転の一つでもある。
減数分裂に伴い高頻度で起こり、相同組換えがうまくいかないと配偶子が形成れない。
染色体相同組み換え
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号