紡錘体 spindle apparatus

紡錘体 spindle apparatusとは

細胞分裂周期と紡錘体
紡錘体は、真核生物の細胞分裂において、姉妹染色分体娘細胞へ分離するために形成される細胞骨格構造です。
紡錘体は染色体に加えて、数百ものタンパクから構成されていて、微小管は紡錘体の最も多い成分となっています。

紡錘体の構造

有糸分裂の際、紡錘体が形成され、染色体は動原体と呼ばれるタンパク複合体を介して微小管に連結します。また、細胞の赤道面付近では紡錘体が指を組むようにして互いに結合し、紡錘体極となり、紡錘体極を細胞膜と星状体微小管で連結されます。動原体は紡錘体の形成をチェックし、後期への進行の適切性を担保しています。これを紡錘体チェックポイントといいます。動原体がきちんとセントロメアに付着できていない時期に後期へ進行してしまうと、不安定なまま移動が始まり、途中で外れてしまい残ってしまったりすることが容易に想定され、染色体不分離の原因となるため、ここはしっかり監視すべきなのです。

染色体を引っ張って移動するのは微小管の重合と脱重合です。紡錘体極側がマイナス、動原体側がプラスになっている微小管は、その脱重合でマイナス側から短くなり、これが動原体の間で張力を生み出します。
動原体二方向性結合
姉妹動原体がそれぞれ反対側の紡錘体極からのびた微小管に接着することで姉妹染色分体間に張力が発生します。こうして姉妹染色分体がすべて整列し、娘細胞への分配のためにその張力がすべて均衡となります。全姉妹染色体が二方向性状態となることが動原体チェックポイントとなり、細胞周期の後期が開始されて姉妹染色分体をつなぎとめているコヒーシンが切断され、姉妹染色分体の紡錘体極への移動が可能となります。

 

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号