www.gimjournal.org/article/S1098-3600(21)03031-8/fulltext
に用語解説があります。
遺伝子の変異(塩基配列の恒久的な変化)と多型(1%以上の頻度で見られるバリアント)は、病原性と良性を示唆するかのように使われがちですが、この用法は混乱を招きます。そこで、これらの用語を「バリアント」という一般的な用語に置き換え、「病原性あり」「病原性ありの可能性が高い」「意義不明」「良性の可能性が高い」「良性」の5つの分類で表すことが推奨されます。この分類は、特に遺伝性の病気に関連するバリアントに適用されます。病原性に関する報告は、遺伝パターンとともに提供するべきです。
遺伝子の変異(バリアント)を分類するための用語として「likely pathogenic」と「likely benign」という表現が使われています。これらは、変異が病気の原因である可能性(病原性)または変異が無害(良性)である可能性を示すための用語です。それぞれの定義は以下の通りです。
●Likely Pathogenic(病原性が強く疑われる)
定義: この用語は、バリアントが疾病の原因である可能性が非常に高いが、完全な確証には至っていない場合に使用されます。
確実性: このカテゴリーのバリアントは、90%以上の確実性で病気の原因であると考えられます。これは、検査施設が病原性のバリアントに関して持つ確信度を示します。
●Likely Benign(良性である可能性が高い)
定義: こちらはバリアントが良性であり、疾病の原因ではないと考えられる場合に使われる用語です。
確実性: この用語もまた、90%以上の確実性でバリアントが無害であると考えられる場合に用いられます。つまり、このバリアントは健康に悪影響を及ぼす可能性が非常に低いということを意味します。
要するに、「likely pathogenic」はあるバリアントが疾病を引き起こす可能性が非常に高いことを示し、「likely benign」はそのバリアントが疾病に関連しない、つまり健康に対して無害である可能性が非常に高いことを示します。どちらの用語も、確実性のレベルが非常に高い(90%以上)とされていますが、絶対的な確証は提供されていない点に注意が必要です。
現在、多くの遺伝子変異が異なる病気に関連していることがわかっていますが、これらの変異を5つのカテゴリーに分類するための十分なデータがない場合が多いです。遺伝子変異が病気を引き起こすかどうかを客観的に判断するために、実験や統計に基づいた新しい方法が開発されています。この方法は、臨床医が変異に対する確信度を理解しやすくすることを目指しています。これにより、専門用語や変異の可能性についてより詳しく知ることができるようになることが期待されます。
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バリアントの分類方法について:2015年5月発表の米国分子病理学会と米国ゲノム・遺伝医学学会のガイドライン