遺伝子の発現とは
遺伝子の発現とは?
遺伝子発現とは、遺伝子にコードされた情報が機能に変わるプロセスのことである。遺伝子発現のほとんどは、タンパク質をコードするRNA分子や、他の機能を果たすノンコーディングRNA分子の転写によって起こる。遺伝子発現は、RNA分子やタンパク質がいつどこで作られるかをコントロールする「オン/オフスイッチ」であり、それらの産物がどれだけ作られるかを決定する「ボリュームコントロール」であると考えられる。遺伝子発現のプロセスは注意深く制御されており、異なる条件や細胞の種類によって大きく変化する。多くの遺伝子のRNAとタンパク質の産物は、他の遺伝子の発現を調節する役割を果たしている。遺伝子がどこで、いつ、どのくらい発現しているかは、遺伝子産物の機能活性を測定したり、遺伝子に関連する表現型を観察することによっても評価できる。
遺伝子発現が重要なのは、その遺伝子がオンになって初めて特定のタンパク質が生成されるからである。しかし、遺伝子からタンパク質に至るまでには1段階以上の過程が必要であり、タンパク質を構築する過程は、癌において変化する可能性のある遺伝子発現経路の重要なステップである。
遺伝子発現のセントラルドグマには、転写(DNAからRNAへ)と翻訳(RNAからタンパク質へ)という2つの連続したステップが含まれる。転写は遺伝子の “オンとオフ “を制御する重要なステップであり、その結果、細胞のアイデンティティと状態を明確にする(Young, 2011; Lee and Young, 2013)。
この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号