ABCG8, ACTN1, ADAMTS13, ANKRD26, ANO6, AP3B1, BLOC1S3, BLOC1S6, CD36, CYCS, DTNBP1, EGLN1, EPAS1, ETV6, F10, F11, F12, F13A1, F13B, F2, F5, F7, F8, F9, FERMT3, FGA, FGB, FGG, FLI1, FLNA, FYB1, GATA1, GATA2, GFI1B, GGCX, GP1BA, GP1BB, GP6, GP9, HOXA11, HPS1, HPS3, HPS4, HPS5, HPS6, HRG, ITGA2B, ITGB3, KLKB1, KNG1, LMAN1, LYST, MASTL, MCFD2, MPL, MYH9, NBEA, NBEAL2, P2RY12, PLA2G4A, PLAT, PLAU, PLG, PROC, PROS1, RASGRP2, RBM8A, RUNX1, SERPINC1, SERPIND1, SERPINE1, SERPINF2, SLFN14, TBXA2R, TBXAS1, THBD, THPO, TUBB1, VKORC1, VWF, WAS, WIPF1 (82遺伝子)
血栓症関連遺伝子:
・PROC遺伝子(プロテインC):
血液凝固制御因子であるプロテインCをコードする遺伝子。活性化プロテインCは第Ⅴa因子と第Ⅷa因子を失活化し、血液凝固を抑制します。欠乏すると血栓形成傾向が生じます。
・PROS1遺伝子(プロテインS):
血液凝固制御因子であるプロテインSをコードする遺伝子。活性化プロテインCの補酵素として働き、凝固反応を制御します。日本人では1~2%が保因者とされ、血栓性素因の中でも頻度が高い遺伝子です。
・SERPINC1遺伝子(アンチトロンビン):
アンチトロンビンをコードする遺伝子。トロンビンや第Ⅹa因子などの凝固因子の活性を抑制する重要な血液凝固制御因子です。
・F2遺伝子(第Ⅱ因子/プロトロンビン):
プロトロンビンをコードする遺伝子。活性化されるとトロンビンとなり、フィブリノゲンをフィブリンに変換します。
・F5遺伝子(第Ⅴ因子):
第Ⅴ因子をコードする遺伝子。プロトロンビンをトロンビンに変換する過程で補酵素として働きます。
血小板障害関連遺伝子:
・ITGA2B遺伝子(GPⅡb/インテグリンαⅡb):
血小板膜糖蛋白GPⅡbをコードする遺伝子。GPⅡb/Ⅲa複合体を形成し、フィブリノゲン受容体として血小板凝集に必須の役割を果たします。変異は血小板無力症の原因となります。
・ITGB3遺伝子(GPⅢa/インテグリンβ3):
血小板膜糖蛋白GPⅢaをコードする遺伝子。GPⅡbと複合体を形成します。変異は血小板無力症の原因となります。
・GP1BA遺伝子(GPⅠbα):
血小板膜糖蛋白GPⅠbαをコードする遺伝子。von Willebrand因子受容体であるGPⅠb/Ⅸ/Ⅴ複合体の主要構成要素です。変異はBernard-Soulier症候群の原因となります。
・GP1BB遺伝子(GPⅠbβ):
血小板膜糖蛋白GPⅠbβをコードする遺伝子。GPⅠb/Ⅸ/Ⅴ複合体の構成要素です。
・GP9遺伝子(GPⅨ):
血小板膜糖蛋白GPⅨをコードする遺伝子。GPⅠb/Ⅸ/Ⅴ複合体の構成要素です。
・VWF遺伝子(von Willebrand因子):
von Willebrand因子をコードする遺伝子。血小板粘着と第Ⅷ因子の安定化に重要な役割を果たします。
・MYH9遺伝子(非筋ミオシン重鎖ⅡA):
非筋ミオシン重鎖ⅡAをコードする遺伝子。変異はMYH9異常症を引き起こし、巨大血小板性血小板減少症の原因となります。
・RUNX1遺伝子:
転写因子RUNX1をコードする遺伝子。造血と血小板の分化に重要な役割を果たします。変異は家族性血小板異常症の原因となります。
・ANKRD26遺伝子:
アンキリンリピート含有タンパク質26をコードする遺伝子。変異は遺伝性血小板減少症の原因となります。
・ETV6遺伝子:
ETS転写因子ファミリーのメンバーをコードする遺伝子。変異は遺伝性血小板減少症の原因となります。
凝固因子欠乏症関連遺伝子:
・F8遺伝子(第Ⅷ因子):
血液凝固第Ⅷ因子をコードする遺伝子。X染色体上に位置し、変異は血友病Aの原因となります。重症血友病Aの約40~50%にイントロン22逆位が認められます。本検査ではイントロン1/イントロン22逆位の検出も含まれます。
・F9遺伝子(第Ⅸ因子):
血液凝固第Ⅸ因子をコードする遺伝子。X染色体上に位置し、変異は血友病Bの原因となります。変異の約90%は点変異です。
・F7遺伝子(第Ⅶ因子):
血液凝固第Ⅶ因子をコードする遺伝子。外因系凝固経路の開始に重要な役割を果たします。
・F10遺伝子(第Ⅹ因子):
血液凝固第Ⅹ因子をコードする遺伝子。内因系と外因系凝固経路が合流する共通凝固経路で中心的な役割を果たします。
・F11遺伝子(第ⅩⅠ因子):
血液凝固第ⅩⅠ因子をコードする遺伝子。内因系凝固経路で重要な役割を果たします。
・F12遺伝子(第ⅩⅡ因子):
血液凝固第ⅩⅡ因子をコードする遺伝子。接触活性化経路の開始因子です。
・F13A1遺伝子(第ⅩⅢ因子Aサブユニット):
血液凝固第ⅩⅢ因子のAサブユニットをコードする遺伝子。フィブリンを架橋し、血栓を安定化させます。
・F13B遺伝子(第ⅩⅢ因子Bサブユニット):
血液凝固第ⅩⅢ因子のBサブユニットをコードする遺伝子。
・FGA, FGB, FGG遺伝子(フィブリノゲン):
フィブリノゲンのα鎖、β鎖、γ鎖をそれぞれコードする遺伝子。トロンビンによって切断されフィブリンとなり、血栓の骨格を形成します。
その他の重要な遺伝子:
・ADAMTS13遺伝子:
von Willebrand因子切断プロテアーゼをコードする遺伝子。欠損は血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の原因となります。
・VKORC1遺伝子:
ビタミンK エポキシド還元酵素複合体サブユニット1をコードする遺伝子。ビタミンK依存性凝固因子の活性化に必要です。
・GGCX遺伝子:
γグルタミルカルボキシラーゼをコードする遺伝子。ビタミンK依存性凝固因子の翻訳後修飾に必要です。
その他、血小板の顆粒形成、シグナル伝達、血栓形成・線溶系に関連する多数の遺伝子が含まれます。