InstagramInstagram

骨格異形成症遺伝子パネル検査

骨格異形成症遺伝子パネル検査

遺伝子パネル検査では、血液などの検体からDNAなどを取り出し、多数の遺伝子のセットに対して検査を行います。この遺伝子たちのセットをパネルと呼びます。

骨格形成異常症は、骨や軟骨の発育や成長に異常が生じる疾患です。骨格形成異常の患者さんには、低身長、骨の非対称成長、ミネラル化異常、骨密度の増加または減少、その他の骨の異常など、様々な症状がみられます。骨格形成異常症のほとんどの症例は乳幼児期に診断されますが、場合によっては、人生の後半に症状が現れることがあります。骨格形成異常症の症状は多様であるため、早期診断が個別のケアプランの作成に重要である。骨格形成異常症間の臨床的・放射線学的所見が類似していることから、多遺伝子パネル検査により効率的な診断検査が可能です。

骨格異形成症遺伝子パネル検査には、比例性または不均衡性低身長をもたらす致死性および非致死性骨格形成異常、大理石骨病などの骨密度増加状態、低リン血性くる病で見られる骨塩量異常、骨形成不全症などの膠原病などに幅広く関連する遺伝子が含まれています。

この検査は誰のためのものですか?

このパネルは、骨格異形成症の臨床診断または原因不明の骨格異常の個人歴または家族歴を持つすべての人に適しています。脊椎の問題、非対称的な骨の成長、または頻繁な骨折の既往がある人は、検査が有益である可能性があります。

患者にとってどのような利点がありますか?

遺伝学的検査は、現在存在する特定の骨格の状態を確認するのに役立ちます。

骨格異形成症遺伝子パネル検査では、以下のことが可能です。

  • 適切な診断の確立または確認
  • 追加的な関連症状のリスクの特定
  • 患者さんを関連するリソースやサポートにつなげる
  • より個別化された治療と症状管理の実現
  • 家族に自身の危険因子について知らせる
  • 家族計画のための選択肢を提供する

骨格異形成症遺伝子パネル検査の対象となる遺伝子

ACAN, ACP5, AGPS, ALPL, ANKH, ANO5, ARHGAP31, ARSE, ATP6V0A2, B3GALT6, B3GAT3, B4GALT7, BMP1, BMP2, BMPR1B, CA2, CANT1, CASR, CC2D2A, CDH3, CDKN1C, CEP290, CHST14, CHST3, CHSY1, CLCN5, CLCN7, COL10A1, COL11A1, COL11A2, COL1A1, COL1A2, COL2A1, COL9A1, COL9A2, COL9A3, COMP, CRTAP, CTSK, CUL7, DDR2, DHCR24, DLL3, DLX3, DMP1, DYM, DYNC2H1, EBP, EIF2AK3, ENPP1, ESCO2, EVC, EVC2, EXT1, EXT2, FAM20C, FBLN1, FBN1, FBXW4, FERMT3, FGF10, FGF23, FGFR1, FGFR2, FGFR3, FKBP10, FLNA, FLNB, FMN1, GALNT3, GDF5, GLI3, GNAS, GNPAT, GORAB, GPC6, GREM1, HDAC4, HES7, HOXD13, HPGD, HSPG2, ICK, IDH1, IDH2, IFITM5, IFT122, IFT140, IFT80, IHH, KIF22, KIF7, LEMD3, LFNG, LIFR, LMBR1, LMNA, LRP4, LRP5, MAFB, MATN3, MESP2, MGP, MKS1, MMP13, MMP2, MMP9, MYCN, NEK1, NIPBL, NKX3-2, NOG, NOTCH2, NPR2, OBSL1, OSTM1, P3H1, PAPSS2, PCNT, PDE4D, PEX7, PHEX, PIGV, PITX1, PLOD2, PPIB, PPP3CA, PRKAR1A, PTH1R, PTHLH, PTPN11, PYCR1, RECQL4, ROR2, RPGRIP1L, RUNX2, SALL1, SALL4, SERPINF1, SERPINH1, SH3PXD2B, SHH, SHOX, SLC26A2, SLC34A3, SLC35D1, SLC39A13, SMAD4, SMARCAL1, SOST, SOX9, SP7, SULF1, TBCE, TBX15, TBX3, TBX5, TBX6, TBXAS1, TCIRG1, TGFB1, THPO, TMEM216, TMEM67, TNFRSF11A, TNFRSF11B, TNFSF11, TP63, TREM2, TRIP11, TRPS1, TRPV4, TYROBP, WDR35, WISP3, WNT3, WNT5A, WNT7A, ZMPSTE24 ( 179遺伝子 )

Sequencing(塩基配列の決定)とDel/Dup(欠失/重複)が検査対象となります。

検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

カバレッジ

遺伝子パネル検査の場合、カバレッジは96% at 20xとなるよう保証されます。

特記事項

遺伝子 特記事項
ACAN ACAN遺伝子はタンデムリピートが長く伸びているため、現在の検査方法ではACANのエクソン12における変異を確実に検出することはできません。
RUNX2 現在の検査方法では、この遺伝子のトリヌクレオチドリピート拡張は評価されません。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

275,000円(税込)遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)かかります。

文責:仲田洋美(医師)

プロフィール

さらに詳しいプロフィールはこちら

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

お電話での受付可能
診療時間
午前 10:00~14:00
(最終受付13:30)
午後 16:00~20:00
(最終受付19:30)
休診 火曜・水曜

休診日・不定休について

クレジットカードのご利用について

publicブログバナー
 
medicalブログバナー
 
NIPTトップページへ遷移