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骨系統疾患NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

骨系統疾患NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

骨系統疾患とは

骨系統疾患(Skeletal Dysplasias)は、骨・軟骨など骨格を形成する組織の成長・発達・分化の障害により、骨格の異常をきたす遺伝性疾患の総称です。そのほとんどは単一遺伝子病で、現在461疾患が国際分類に登録されており、実際には1000を超える疾患が存在すると考えられています。

骨系統疾患は、骨軟骨異形成症(osteochondrodysplasia)と異骨症(dysostosis)の2つのカテゴリーに大別されます。骨軟骨異形成症は全身的・系統的な骨・軟骨の障害を特徴とし、異骨症は特定の骨の局所的な障害を示します。

骨系統疾患は個々の疾患頻度は低いものの、全体では約1,000人に1人の有病率とされ、ダウン症候群とほぼ同等の頻度で発生します。先天的な原因によるものですが、必ずしも生まれた時に症状が出現するとは限らず、成人後に症状が現れる場合もあります。

症状と病態

骨系統疾患の症状は疾患によって非常に多様ですが、共通する主要な症状として低身長、骨・関節の変形、骨の脆弱性などが挙げられます。

主要症状

  • 低身長(均整のとれた低身長、または四肢短縮型の低身長)
  • 骨・関節の変形
  • 易骨折性(骨が折れやすい)
  • 骨の異常な硬化または密度の増加
  • 骨の石灰化異常
  • 脊椎の変形
  • 手足の形態異常
  • 関節の可動域制限または過伸展

代表的な骨系統疾患の症状

骨形成不全症(Osteogenesis Imperfecta)

全身の骨脆弱性による易骨折性や進行性の骨変形を特徴とする先天性疾患です。発生頻度は約2~3万人に1人とされています。

  • 易骨折性(軽微な外傷で骨折)
  • 骨変形(長管骨の変形、脊椎の変形)
  • 青色強膜(白目が青く見える)
  • 象牙質形成不全(虫歯になりやすい)
  • 難聴
  • 関節・皮膚の過伸展
  • 心臓弁の異常
  • 低身長

臨床像は非常に多彩で、生まれてすぐに死亡する周産期致死型から、生涯にわたり明らかな症状がなく偶然発見されるものまで重症度に大きな幅があります。原因の90%以上はI型コラーゲン遺伝子(COL1A1、COL1A2)の変異ですが、近年FKBP10、LEPRE1、CRTAP、PPIB、SERPINH1、SERPINF1、BMP1、IFITM5、SP7、TMEM38B、WNT1などの遺伝子異常も報告されています。

軟骨無形成症(Achondroplasia)

骨系統疾患の中で最も頻度が高く、約25,000出生に1例の発生頻度とされています。

  • 著明な低身長(四肢短縮型)
  • 手足の短さが目立つ
  • 関節が伸びにくい
  • 指が短い
  • O脚
  • 前額部の突出
  • 鼻根部の陥凹

原因遺伝子はほぼ特定されており、繊維芽細胞増殖因子受容体遺伝子(FGFR3)の変異によって発症します。

大理石骨病(Osteopetrosis)

破骨細胞の機能不全により骨吸収が障害され、全身の骨に硬化性変化をきたす症候群です。骨は硬いが脆く、骨折をきたしやすいという特徴があります。

  • 骨の異常な硬化と密度増加
  • 易骨折性(骨は硬いが脆い)
  • 骨髄機能不全による貧血
  • 易感染性
  • 成長障害
  • 肝脾腫

乳児型(重症型)は常染色体潜性遺伝で、出生直後より重篤な症状を呈します。成人型(軽症型)は常染色体顕性遺伝で、骨折により偶然発見されることが多いです。

骨系統疾患の多様性

骨系統疾患は非常に多様であり、同じ疾患でも重症度に大きな幅があります。また、骨・関節以外にも様々な合併症を呈することがあり、心臓、呼吸器、神経系、感覚器などへの影響も考慮する必要があります。

遺伝形式と原因遺伝子

骨系統疾患のほとんどは遺伝性の疾患(単一遺伝子病)です。常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝、X連鎖遺伝など、様々な遺伝形式があります。現在までに364以上の遺伝子異常が確認されています。

主要な原因遺伝子

骨系統疾患の原因となる遺伝子は多岐にわたり、以下のような機能を持つタンパク質をコードしています:

  • 構造タンパク質:コラーゲン(COL1A1、COL1A2、COL2A1など)
  • 成長因子受容体:FGFR3、FGFRファミリー
  • 細胞内シグナル伝達:GNAS、PTHR1など
  • 骨代謝関連:破骨細胞機能に関与する遺伝子(TCIRG1、CLCN7など)
  • 軟骨マトリックス:COMP、MATN3など
  • 転写因子:RUNX2、SOX9など
  • 代謝酵素:ALPL(低ホスファターゼ症)、PHEX(低リン血症性くる病)など

遺伝カウンセリングの重要性

骨系統疾患は遺伝性であるため、家族計画において遺伝カウンセリングが重要です。常染色体優性遺伝の場合、患者さんの子どもが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、保因者同士のカップルで子どもが発症するリスクは25%です。遺伝子検査により原因遺伝子を特定することで、正確なリスク評価と適切な遺伝カウンセリングが可能になります。

ミネルバクリニックの骨系統疾患遺伝子パネル検査の特徴

「骨系統疾患 NGSパネル検査」とは、現在骨系統疾患の原因として報告されている333の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、骨系統疾患に関連する333遺伝子を一度に調べられる「骨系統疾患 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で骨系統疾患の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、骨系統疾患に関係するとされる333の遺伝子を一度に調べられる「骨系統疾患 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える骨系統疾患の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「骨系統疾患 NGSパネル検査」の場合、333の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状やX線所見から骨系統疾患を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「骨系統疾患 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な333の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「骨系統疾患 NGSパネル検査」では、骨系統疾患に関係するとされる333種類の遺伝子をまとめて検査します。このパネルには、致死性および非致死性の骨異形成症、均整のとれた低身長または不均整な低身長を引き起こす疾患、骨硬化症(大理石骨病など)などの骨密度増加疾患、低リン血症性くる病などの骨石灰化異常、骨形成不全症を含むコラーゲン病変などが含まれています。

「骨系統疾患 NGSパネル検査」は、骨系統疾患の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【骨系統疾患の個人歴または家族歴のある方】に
「骨系統疾患 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・低身長がある方(均整のとれた低身長、四肢短縮型低身長)
・骨・関節の変形が認められる方
・易骨折性(骨が折れやすい)がある方
・頻回の骨折歴がある方
・脊椎の異常(側弯症、後弯症など)がある方
・手足の形態異常がある方
・関節の可動域制限または過伸展がある方
・青色強膜がある方
・象牙質形成不全(虫歯が多い)がある方
・X線検査で骨の異常が指摘された方
・骨密度の異常(増加または減少)が認められる方
・骨系統疾患の家族歴がある方
・原因不明の骨格異常がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、骨系統疾患の適切な診断や、個別化された治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切なリハビリテーション、整形外科的治療、生活習慣の改善、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・疾患の重症度予測
・適切な治療法の選択(薬物療法、理学療法、整形外科的治療)
・合併症のリスク評価と早期発見
・呼吸機能、心機能などの全身管理
・成長ホルモン療法などの適応判断
・骨折予防のための生活指導
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

ACAN, ACP5, ACVR1, ADAMTS10, ADAMTS17, ADAMTSL2, AGA, AGPS, AIFM1, ALPL, AMER1, ANKH, ANKRD11, ANO5, ARCN1, ARHGAP31, ARSB, ARSE, ATP6V0A2, ATR, B3GALT6, B3GAT3, B4GALT7, BGN, BMP1, BMP2, BMPER, BMPR1B, C21orf2, C2CD3, CA2, CANT1, CASR, CC2D2A, CDC45, CDC6, CDH3, CDKN1C, CDT1, CENPE, CEP120, CEP152, CEP290, CHST14, CHST3, CHSY1, CKAP2L, CLCN5, CLCN7, COG1, COG4, COL10A1, COL11A1, COL11A2, COL1A1, COL1A2, COL27A1, COL2A1, COL9A1, COL9A2, COL9A3, COMP, CREB3L1, CRIPT, CRTAP, CSF1R, CSPP1, CTSA, CTSK, CUL7, CYP27B1, CYP2R1, DDR2, DHCR24, DHODH, DLL3, DLL4, DLX3, DMP1, DNMT3A, DOCK6, DONSON, DVL1, DVL3, DYM, DYNC2H1, DYNC2LI1, EBP, EFL1, EFNB1, EIF2AK3, ENPP1, EOGT, ESCO2, EVC, EVC2, EXT1, EXT2, EXTL3, FAM111A, FAM20C, FBLN1, FBN1, FBXW4, FERMT3, FGF10, FGF23, FGF9, FGFR1, FGFR2, FGFR3, FIG4, FKBP10, FLNA, FLNB, FMN1, FN1, FUCA1, FZD2, GALNS, GALNT3, GDF5, GDF6, GJA1, GLB1, GLI3, GMNN, GNAS, GNPAT, GNPTAB, GNPTG, GNS, GORAB, GPC6, GREM1, GSC, GUSB, HAAO, HDAC4, HDAC8, HES7, HOXA11, HOXD13, HPGD, HSPA9, HSPG2, IARS2, ICK, IDH1, IDH2, IDS, IDUA, IFITM5, IFT122, IFT140, IFT172, IFT43, IFT52, IFT80, IFT81, IHH, IMPAD1, INPPL1, INTU, KIAA0586, KIAA0753, KIF22, KIF7, KYNU, LBR, LEMD3, LFNG, LIFR, LMBR1, LMNA, LMX1B, LONP1, LRP4, LRP5, LTBP3, MAFB, MAP3K7, MATN3, MBTPS2, MEOX1, MESP2, MGP, MKS1, MMP13, MMP2, MMP9, MNX1, MSX2, MYCN, MYH3, MYO18B, NANS, NBAS, NEK1, NIPBL, NKX3-2, NOG, NOTCH1, NOTCH2, NPR2, NSDHL, OBSL1, ORC1, ORC4, ORC6, OSTM1, P3H1, P4HB, PAM16, PAPSS2, PCNT, PCYT1A, PDE4D, PEX5, PEX7, PHEX, PIGV, PISD, PITX1, PLOD2, PLS3, POC1A, POLR1A, POP1, POR, PPIB, PPP3CA, PRKAR1A, PTDSS1, PTH1R, PTHLH, PTPN11, PYCR1, RAB33B, RAD21, RBBP8, RBPJ, RECQL4, RIPPLY2, RMRP, RNU4ATAC, ROR2, RPGRIP1L, RSPRY1, RUNX2, SALL1, SALL4, SBDS, SC5D, SEC24D, SERPINF1, SERPINH1, SETBP1, SF3B4, SFRP4, SGMS2, SGSH, SH3PXD2B, SHH, SHOX, SLC10A7, SLC17A5, SLC26A2, SLC29A3, SLC34A3, SLC35D1, SLC39A13, SMAD4, SMARCAL1, SMC1A, SMC3, SNRPB, SNX10, SOST, SOX9, SP7, SPARC, SQSTM1, SULF1, SUMF1, TAB2, TAPT1, TBCE, TBX15, TBX3, TBX4, TBX5, TBX6, TBXAS1, TCIRG1, TCTEX1D2, TCTN3, TENT5A, TGFB1, THPO, TMEM165, TMEM216, TMEM38B, TMEM67, TNFRSF11A, TNFRSF11B, TNFSF11, TONSL, TP63, TRAF3IP1, TRAPPC2, TREM2, TRIP11, TRPS1, TRPV4, TRPV6, TTC21B, TYROBP, VDR, WDR19, WDR34, WDR35, WDR60, WISP3, WNT1, WNT3, WNT5A, WNT7A, XRCC4, XYLT1, XYLT2, ZMPSTE24, ZSWIM6 ( 333遺伝子 )

このパネルには、以下のような疾患群の原因遺伝子が含まれています:
・FGFR3軟骨異形成症グループ(軟骨無形成症など)
・II型コラーゲン障害グループ
・XI型コラーゲン障害グループ
・スティックラー症候群グループ
・骨形成不全症と骨密度低下を示すグループ
・骨硬化症グループ(大理石骨病など)
・くる病および骨軟化症グループ
・SIOD(脊椎骨端骨幹端異形成症)グループ
・デスモステロール異常症グループ
・ムコ多糖症グループ
・リソソーム蓄積症グループ
・短肋骨異形成症グループ
・多発性骨端異形成症グループ
・偽性軟骨無形成症グループ
・脊椎骨幹端異形成症グループ
・その他の疾患グループ

※ACAN遺伝子について:
ACAN遺伝子にはタンデムリピートの長い伸長があるため、現在の検査方法ではACANのエキソン12の変異を確実に検出することができません。

※RUNX2遺伝子について:
現在の検査方法では、この遺伝子の三塩基反復伸長は評価しません。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※ACAN遺伝子のエキソン12には長いタンデムリピート伸長があるため、現在の検査方法では信頼性のある変異検出ができません。

※RUNX2遺伝子の三塩基反復伸長は、現在の検査方法では評価していません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
低身長、骨・関節の変形、易骨折性(骨が折れやすい)、脊椎の異常、手足の形態異常などがある方におすすめします。また、X線検査で骨の異常が指摘された方、原因不明の骨格異常がある方、骨系統疾患の家族歴がある方も検査をご検討ください。骨系統疾患は非常に多様で、症状も様々ですので、まずは専門医による診察と遺伝カウンセリングをお受けになることをお勧めします。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
骨形成不全症と軟骨無形成症の違いは何ですか?
骨形成不全症は骨が脆く折れやすいことが主症状で、I型コラーゲンの異常が原因です。一方、軟骨無形成症は軟骨の成長障害により四肢短縮型の低身長を呈し、FGFR3遺伝子の変異が原因です。当検査により原因遺伝子を特定することで、より正確な診断が可能になります。
家族も検査を受ける必要がありますか?
遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
このパネル検査では333遺伝子を対象としていますが、すべての骨系統疾患の原因遺伝子が含まれているわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状とX線所見に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
骨系統疾患の治療はどのように行われますか?
骨系統疾患のほとんどには根治的な治療法はありませんが、いくつかの疾患では対症療法が実用化されています。骨形成不全症にはビスホスホネート療法、軟骨無形成症には成長ホルモン療法やCNP製剤などが使用されます。また、整形外科的治療、理学療法、リハビリテーションなども重要です。骨や関節以外の合併症に対する適切な管理も必要です。
予後はどうですか?
予後は疾患の種類や重症度によって大きく異なります。周産期致死型の重症例もあれば、適切な管理により通常の生活が可能な軽症例もあります。多くの骨系統疾患では、適切な治療と管理により日常生活の質を維持することが可能です。遺伝子検査により正確な診断がつくことで、疾患特異的な管理が可能になり、予後の改善につながります。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な333の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら