(更新日:2025/10/02)
脊髄小脳失調症17型(SCA17) TBP遺伝子リピート伸長検査|ミネルバクリニック
脊髄小脳失調症17型(SCA17)とは
脊髄小脳失調症17型(Spinocerebellar Ataxia Type 17: SCA17)は、TATA結合タンパク質(TBP)遺伝子のCAG/CAA三塩基リピート配列の異常伸長により発症する、常染色体優性(顕性)遺伝性の神経変性疾患です。ポリグルタミン病の一つであり、小脳性運動失調に加えて、認知症、精神症状、舞踏運動、ジストニアなど多彩な症状を呈することが特徴です。
TBP遺伝子は、遺伝子転写に必須のTATA結合タンパク質をコードしており、この遺伝子内のCAG/CAAリピート配列が異常に伸長すると、ポリグルタミン鎖が異常に長くなり、神経細胞に毒性を及ぼすと考えられています。正常では約25~42回のリピートですが、46回以上のリピートでは完全浸透、41~45回のリピートでは浸透率が低下した中間アレルとなります。
脊髄小脳失調症17型は、遺伝性脊髄小脳変性症の中でも比較的稀な疾患ですが、その臨床症状は非常に多様で、ハンチントン病様の症状を呈することもあるため、正確な遺伝子診断が重要です。本疾患は進行性の経過をたどり、発症年齢や症状の重症度はリピート数と相関することが知られています。
遺伝性脊髄小脳変性症について
遺伝性脊髄小脳変性症は、小脳を中心とした神経の変性により、主に運動失調症状をきたす遺伝性疾患の総称です。小脳は後頭部の下側に位置し、複数の筋肉をバランスよく協調させて動かす機能を担っています。この小脳の神経細胞が変性すると、以下のような症状が現れます:
失調性歩行: 歩行時にふらつき、まっすぐ歩けない
巧緻運動障害: 箸を使う、字を書くなどの細かい動きがしにくい
小脳性構音障害: ろれつが回らず、酔っぱらったような話し方になる
企図振戦: 目標物に手を伸ばすときに手が震える
測定障害: 手足の運動を目的の位置で止めることができない
遺伝性脊髄小脳変性症の大部分は常染色体優性(顕性)遺伝性で、親が原因遺伝子の変異を持っている場合、子どもには50%の確率でその遺伝子変異が伝わります。日本では、SCA3(マチャド・ジョセフ病)、SCA6、SCA31、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)が多く、SCA17はこれらに比べると稀ですが、臨床的に重要な疾患です。
遺伝性脊髄小脳変性症では、遺伝子診断が確定診断に重要ですが、遺伝の問題は患者さん本人のみならず、ご家族や親族へ与える影響も大きいため、検査前後を含めた遺伝カウンセリングが非常に重要です。
症状と病態
脊髄小脳失調症17型の主な症状は、小脳性運動失調ですが、他の脊髄小脳失調症に比べて精神症状や認知機能障害を高頻度に伴うことが特徴です。平均発症年齢は40~50歳代ですが、若年発症例から高齢発症例まで幅広い年齢で発症します。
主要症状
小脳性運動失調: 歩行時のふらつき、巧緻運動障害、構音障害が進行性に悪化
認知機能障害: 記憶障害、遂行機能障害、注意障害などの認知症症状
精神症状: 抑うつ、不安、無関心、易刺激性などの精神医学的異常
舞踏運動: 不随意で不規則な四肢や体幹の動き(ハンチントン病様)
ジストニア: 持続的な筋収縮による異常な姿勢や運動
ミオクローヌス: 筋肉の素早い不随意収縮
てんかん発作: 一部の患者で認められる
錐体路徴候: 腱反射亢進、病的反射陽性
ハンチントン病様症状
SCA17の臨床症状は、ハンチントン病と非常に類似することがあり、「ハンチントン病様症状(Huntington’s disease-like, HDL)」を呈する患者も報告されています。舞踏運動、認知機能障害、精神症状が前景に立つ場合、ハンチントン病との鑑別が重要となります。
浸透率と症状の関係
TBP遺伝子のCAG/CAAリピート数と発症年齢・症状の重症度には相関があります:
46回以上のリピート: 完全浸透性で、ほぼ全例で発症します。リピート数が多いほど発症年齢が早く、症状も重症化する傾向があります
41~45回のリピート: 浸透率が低下した中間アレルで、発症しない場合もあります。発症した場合でも比較的高齢で発症し、パーキンソニズムなどの症状を呈することがあります
42回以下のリピート: 正常範囲とされます
病態機序
TBP遺伝子のCAG/CAAリピート伸長により、異常に長いポリグルタミン鎖を含むTBPタンパク質が産生されます。この異常TBPタンパク質は神経細胞内で凝集体を形成し、以下のメカニズムで神経毒性を発揮すると考えられています:
核内封入体の形成による細胞機能障害
TBP本来の転写因子としての機能低下
他のタンパク質との異常な相互作用
プロテアソームやオートファジーなどのタンパク質分解系の障害
ミトコンドリア機能障害
進行と予後
SCA17は進行性の疾患で、症状は徐々に悪化します。発症後10~20年で歩行困難となり、車椅子や寝たきりの状態になることが多いです。認知機能障害も進行し、日常生活動作(ADL)の低下が顕著になります。現在のところ、病気の進行を止める根本的な治療法はなく、対症療法が中心となります。
遺伝形式と遺伝子
脊髄小脳失調症17型は、常染色体優性(顕性)遺伝形式をとります。すなわち、親が病的変異を持っている場合、子どもには50%の確率で変異が伝わります。男女差はなく、性別に関わらず同じ確率で発症します。
TBP遺伝子とCAG/CAAリピート
SCA17の原因遺伝子であるTBP(TATA-box binding protein)遺伝子は、第6染色体長腕(6q27)に位置し、TATA結合タンパク質をコードしています。TBP遺伝子のエクソン3内にあるCAG/CAA三塩基リピート配列が異常に伸長することで発症します。
正常リピート数: 25~42回(多くは29~42回)
中間アレル(浸透率低下): 41~45回
完全浸透性病的変異: 46~66回
CAG/CAAリピートの特徴
CAGとCAAはいずれもグルタミンをコードするため、リピートが伸長すると異常に長いポリグルタミン鎖が形成されます。この現象は「ポリグルタミン病」と総称され、SCA17の他に、ハンチントン病、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、DRPLA、球脊髄性筋萎縮症なども含まれます。
表現促進現象
SCA17を含む多くのポリグルタミン病では、「表現促進現象(anticipation)」が認められます。これは、世代を経るごとに発症年齢が早くなり、症状が重症化する現象です。特に父親から子どもに伝わる場合に顕著で、リピート数が増加することが原因とされています。
遺伝カウンセリングの重要性
SCA17の遺伝子検査を検討する際には、以下の点について十分な遺伝カウンセリングが必要です:
検査結果が陽性の場合、子どもへの遺伝リスクは50%であること
浸透率が低下した中間アレルでは、発症しない可能性もあること
発症前診断の場合、将来発症することを知ることの心理的影響
家族への影響(血縁者も同じリスクを持つ可能性)
出生前診断や着床前診断の選択肢
遺伝差別や保険加入への影響
ミネルバクリニックの脊髄小脳失調症17型 TBP遺伝子リピート伸長検査の特徴
「脊髄小脳失調症17型 TBP遺伝子リピート伸長検査」とは、TBP遺伝子内のCAG/CAAリピート配列の長さを測定し、正常範囲か病的範囲かを判定する検査です。
この検査により、小脳性運動失調、認知症、精神症状などを呈する患者さんにおいて、SCA17の診断を確定することができます。また、家族歴のある方の発症前診断や、保因者診断にも用いられます。
遺伝子検査により診断が確定すると、適切な治療・管理方針の決定や、リハビリテーションの計画、将来の家族計画に関する情報提供が可能になります。
一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページ をご覧ください。
1.費用がリーズナブル
一般的な医療機関でSCA17の遺伝子検査を行う場合、保険適用外のため高額な費用がかかることがあります。
当院では、SCA17のTBP遺伝子リピート伸長検査をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
2.結果が出るまでがはやい
一般的な医療機関で行えるSCA17の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。
当院で行う「脊髄小脳失調症17型 TBP遺伝子リピート伸長検査」の場合、約2週間で結果をお知らせすることが可能です。
3.専門的な遺伝カウンセリング
当院では、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。検査前には、検査の意義、結果の解釈、家族への影響などについて十分な説明を行い、検査後には結果に基づいた適切なアドバイスと心理的サポートを提供します。
オプション
リピート配列解析 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
検査内容
「脊髄小脳失調症17型 TBP遺伝子リピート伸長検査」では、TBP遺伝子内のCAG/CAAリピート配列の長さを測定します。リピートプライムドPCR法とアンプリコン長解析により、正確なリピート数を決定します。
この検査により、SCA17の診断確定、リスク評価、将来の家族計画のための情報を提供できます。
どんな人が受けたらいいの?
【脊髄小脳失調症17型の個人歴または家族歴のある方】に
「脊髄小脳失調症17型 TBP遺伝子リピート伸長検査」を受けることをおすすめします。
この検査は以下のような方に適しています:
・小脳性運動失調(歩行時のふらつき、巧緻運動障害、構音障害)がある方
・認知機能障害(記憶障害、遂行機能障害)を伴う方
・精神症状(抑うつ、不安、無関心)がある方
・舞踏運動やジストニアなどの不随意運動がある方
・ハンチントン病様の症状があるがハンチントン病の遺伝子検査が陰性の方
・脊髄小脳失調症の家族歴があり、他のSCAタイプの検査が陰性の方
・SCA17の家族歴がある方の発症前診断
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方
この検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。
検査で得られる患者さんの潜在的利益は?
遺伝子検査により診断が確定すると、以下の利益が期待できます:
・SCA17の診断確定または除外
・ハンチントン病や他の脊髄小脳失調症との鑑別
・適切なリハビリテーションプログラムの立案
・認知症や精神症状に対する適切な薬物療法の選択
・舞踏運動やジストニアに対する治療選択
・てんかん発作のリスク評価と予防的管理
・嚥下障害や誤嚥性肺炎のリスク管理
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・家族のリスク評価と遺伝カウンセリング
・家族計画のためのオプション提供
・出生前診断・着床前診断の選択肢提供
・臨床試験への参加機会
患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体優性遺伝のため、子どもが変異を受け継ぐリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。
対象遺伝子
詳しくはこちら
TBP ( 1遺伝子 )
遺伝子の詳細:
・TBP遺伝子(TATA-box binding protein遺伝子):
TBP遺伝子は第6染色体長腕(6q27)に位置し、TATA結合タンパク質をコードしています。TBPは転写因子IID(TFIID)の主要構成成分であり、RNAポリメラーゼIIによる遺伝子転写の開始に必須のタンパク質です。
TBP遺伝子のエクソン3内には、CAGとCAAが混在した三塩基リピート配列が存在します。正常では25~42回程度のリピートですが、この配列が異常に伸長すると、ポリグルタミン鎖が異常に長くなり、神経細胞に毒性を及ぼします。
リピート数と臨床的意義:
・25~42回:正常範囲
・41~45回:中間アレル(浸透率低下)。発症しない場合もありますが、発症した場合はパーキンソニズムを主体とする症状を呈することがあります
・46~66回:病的変異(完全浸透性)。ほぼ全例で発症し、リピート数が多いほど発症年齢が早く、症状も重症化します
遺伝子機能:
TBP遺伝子がコードするTATA結合タンパク質は、遺伝子のプロモーター領域にあるTATAボックスと呼ばれる配列に結合し、転写開始複合体の形成を促進します。ポリグルタミン鎖の異常伸長により、このTBPの正常な機能が障害されるとともに、異常TBPタンパク質が細胞内で凝集し、神経細胞の変性をもたらすと考えられています。
ポリグルタミン病としての特徴:
SCA17は、ハンチントン病、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、DRPLA、球脊髄性筋萎縮症などとともに、ポリグルタミン病に分類されます。これらの疾患は、いずれもCAGリピートの異常伸長によりポリグルタミン鎖が形成され、神経変性をきたすという共通の病態機序を持っています。
検査方法
リピートプライムドPCR(repeat-primed PCR, rpPCR)法およびアンプリコン長解析により、TBP遺伝子内のCAG/CAAリピート配列の長さを測定します。この方法により、大きな伸長を含むリピート数を正確に検出できます。
検体
血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)
※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能 です。
ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。
検査の限界
詳しくはこちら
すべてのリピート伸長検査には限界があります。この検査はリピートプライムドPCR(rpPCR)とアンプリコン長解析により実施され、TBP遺伝子のCAG/CAAリピート配列の伸長を検出することを目的としています。
この検査の範囲は、TBP遺伝子のリピート伸長解析に限定されています。大きな伸長がある場合、正確なリピート数を測定できないことがあります。最大報告可能なリピートサイズは120リピートです。これを超えるリピートサイズは、最大報告可能なリピートサイズより大きいと報告されます。
遺伝子配列解析や欠失・重複解析は本検査に含まれていませんが、別途注文可能です。メチル化解析も本検査には含まれません。
偽陽性または偽陰性の結果は、以下の理由により生じる可能性があります:稀な遺伝子変異に関する情報不足、対立遺伝子ドロップアウト、輸血歴、骨髄移植歴、体細胞モザイク、組織特異的モザイク、または検体の取り違え。
※リピート数が正常範囲または中間アレル範囲でも、臨床症状がある場合は、他の原因(他のSCAタイプ、多系統萎縮症、二次性の小脳失調など)を考慮する必要があります。
※中間アレル(41~45リピート)の場合、浸透率が低下しているため、発症しない可能性もあります。遺伝カウンセリングが特に重要です。
結果が出るまでの期間
2週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。
料金
税込み220,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)
よくあるご質問
どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
小脳性運動失調(歩行時のふらつき、巧緻運動障害、構音障害)に加えて、認知機能障害や精神症状を伴う方、舞踏運動やジストニアなどの不随意運動がある方におすすめします。また、ハンチントン病様の症状があるがハンチントン病の遺伝子検査が陰性の方、脊髄小脳失調症の家族歴がある方も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
ハンチントン病との違いは何ですか?
SCA17とハンチントン病は、どちらもCAGリピートの異常伸長によるポリグルタミン病ですが、原因遺伝子が異なります(SCA17はTBP遺伝子、ハンチントン病はHTT遺伝子)。臨床症状は類似することがありますが、SCA17では小脳症状がより顕著で、ハンチントン病では舞踏運動がより典型的です。遺伝子検査により鑑別診断が可能です。
家族も検査を受ける必要がありますか?
SCA17は常染色体優性遺伝のため、患者さんのお子さんが変異を受け継ぐリスクは50%です。症状のない血縁者の方も同じリスクを持つ可能性があります。発症前診断を希望される場合は、十分な遺伝カウンセリングを受けた上で検査をご検討ください。
中間アレル(41~45リピート)とは何ですか?
中間アレルは、浸透率が低下したリピート数の範囲です。この範囲では発症しない場合もありますが、発症した場合は比較的高齢で発症し、パーキンソニズムなどの症状を呈することがあります。中間アレルが検出された場合は、遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
TBP遺伝子に病的なリピート伸長が検出されなくても、臨床症状が続く場合は、他のSCAタイプ(SCA1、2、3、6など)、多系統萎縮症、二次性の小脳失調などの可能性を検討する必要があります。臨床症状と画像検査に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み220,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。リピート数の意味、診断の確定または除外、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
SCA17は常染色体優性遺伝のため、患者さんのお子さんが変異を受け継ぐ確率は50%です。また、表現促進現象により、世代を経るごとに発症年齢が早くなる可能性があります。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
SCA17の治療はどのように行われますか?
現在のところ根本的な治療法はありませんが、対症療法として、理学療法・作業療法・言語療法などのリハビリテーション、運動失調に対する薬物療法(タルチレリンなど)、認知症や精神症状に対する薬物療法、舞踏運動やジストニアに対する治療などが行われます。誤嚥性肺炎の予防も重要です。
予後はどうですか?
SCA17は進行性の疾患で、発症後10~20年で歩行困難となることが多いです。リピート数が多いほど発症年齢が早く、症状も重症化する傾向があります。適切なリハビリテーションと対症療法により、生活の質(QOL)の維持を図ることが重要です。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。検査前後の十分な説明と心理的サポートを提供し、結果に基づいた適切なアドバイスを行います。また、オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。
プロフィール
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得 して以来、のべ10万人以上 のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。
仲田洋美のプロフィールはこちら