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QT延長症候群・ブルガダ症候群遺伝子パネル検査

QT延長症候群・ブルガダ症候群遺伝子パネル検査

遺伝子パネル検査では、血液などの検体からDNAなどを取り出し、多数の遺伝子のセットに対して検査を行います。この遺伝子たちのセットをパネルと呼びます。

QT延長症候群/ブルガダ症候群遺伝子パネル検査では、遺伝性QT延長症候群(LQTS)およびブルガダ症候群に関連する34の遺伝子を調べます。

QT延長症候群/ブルガダ症候群遺伝子パネル検査はどのような人に向いていますか?

LQTSまたはBrugada症候群が示唆される個人の病歴および/または家族歴を有する患者さんに向いた検査です。QT延長症候群は、心電図(ECG)上のQT間隔が長くなることで定義されます。ブルガダ症候群では、広範なP波、J点上昇、冠状ST上昇、逆T波などの異常心電図所見が見られる。LQTSやブルガダ症候群の危険信号としては、動悸、めまい、失神、息切れ、発作、心停止、心臓突然死などのエピソードがありますが、これらに限定されません。LQTSやブルガダ症候群の遺伝子変異が見つかっても、症状が現れない人もいます。

患者さんにとってこの検査を受けることでどのような利点があるのでしょうか?

LQTSまたはBrugada症候群と診断された患者さんには、サーベイランスを強化し、リスクをよりよく管理するための予防的措置が有効です。医学介入には、ベータ遮断薬、植込み型デバイス、ライフスタイルの変更が含まれます。また、患者さんの家族も検査を受けることで、リスクを明確にすることができます。患者さんで病敵バリアントがみつかった場合、近親者(子供、兄弟、両親)も50%という高い確率でリスクが上昇する可能性があります。場合によっては、小児期からスクリーニングを開始する必要があります。

QT延長症候群/ブルガダ症候群遺伝子パネル検査の対象となる遺伝子

ABCC9, AKAP9, ANK2, CACNA1C, CACNA2D1, CACNB2, CALM1, CALM2, CALM3, CAV3, GPD1L, HCN4, KCND3, KCNE1, KCNE2, KCNE3, KCNE5, KCNH2, KCNJ2, KCNJ5, KCNJ8, KCNQ1, PKP2, RANGRF, SCN10A, SCN1B, SCN2B, SCN3B, SCN4B, SCN5A, SLMAP, SNTA1, TRDN, TRPM4 ( 34遺伝子 )

Sequencing(塩基配列の決定)とDel/Dup(欠失/重複)が検査対象となります。

検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

カバレッジ

遺伝子パネル検査の場合、カバレッジは96% at 20xとなるよう設計されています。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

275,000円(税込)遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)かかります。

リファレンス

Inherited cardiac arrhythmias: diagnosis, treatment, and prevention
Long QT Syndrome Gene Reviews
Kim, J.B. Channelopathies. Korean J Pediatr. 2014 Jan;57(1):1-18.

文責:仲田洋美(医師)

プロフィール

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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