InstagramInstagram

不整脈総合遺伝子パネル検査

不整脈総合遺伝子パネル検査

遺伝子パネル検査では、血液などの検体からDNAなどを取り出し、多数の遺伝子のセットに対して検査を行います。この遺伝子たちのセットをパネルと呼びます。

不整脈とは、心拍数の異常のことで、心拍数が速すぎるもの(頻脈)、遅すぎるもの(徐脈)、不規則なパターン、またはこれらの問題の組み合わせのことをいいます。心房細動(不規則で速い心拍)は最も一般的な不整脈の一種です。これらの状態は、心臓発作、血栓、心不全、脳卒中、突然死などの心臓イベントのリスクを高めます。症状としては、ふらつき、息切れ、胸痛、原因不明の発汗、失神などがあります。治療とモニタリングは、患者さんの心臓イベントのリスクを軽減するのに役立ちます。

このパネルでは、QT延長症候群(LQTS)、ブルガダ症候群、QT短縮症候群(SQTS)、カテコールアミン作動性多形性心室頻拍(CPVT)、不整脈源性右室心筋症(ARVC)などの遺伝性不整脈のすべてのカテゴリーについて評価しています。

この検査はどのような人に向いていますか?

このパネルは、不整脈とそれに関連する症状の個人歴や家族歴を持つすべての人に適しています。

患者にとってどのような利点がありますか?

遺伝性不整脈と診断された患者さんには、監視を強化し、リスクをよりよく管理するための予防的措置が有効です。医療介入には、抗不整脈薬、植え込み型デバイス、手術が含まれます。

不整脈の遺伝子検査は、以下のような効果があります。

  • 適切な診断の確立または確認
  • 関連する健康問題のリスクを特定する
  • よりパーソナライズされた治療と症状管理を実現
  • 家族に自分の危険因子について知らせる
  • 家族計画の選択肢を提供する

不整脈総合遺伝子パネル検査の対象となる遺伝子

ABCC9, ACTN2, AKAP9, ANK2, ANKRD1, CACNA1C, CACNA2D1, CACNB2, CALM1, CALM2, CALM3, CASQ2, CAV3, CPT1A, CTNNA3, DEPDC5, DES, DSC2, DSG2, DSP, EMD, FLNC, GJA5, GPD1L, GYG1, HCN4, JUP, KCNA5, KCND3, KCNE1, KCNE2, KCNE3, KCNE5, KCNH2, KCNJ2, KCNJ5, KCNJ8, KCNK3, KCNQ1, KCNQ2, KCNQ3, KCNT1, LDB3, LMNA, NKX2-5, NPPA, PCDH19, PDLIM3, PKP2, PLN, PRKAG2, PRRT2, RANGRF, RBM20, RYR2, SCN10A, SCN1A, SCN1B, SCN2B, SCN3B, SCN4B, SCN5A, SCN8A, SCN9A, SLC25A20, SLC2A1, SLMAP, SNTA1, TBX5, TGFB3, TMEM43, TNNI3, TNNT2, TRDN, TRPM4, TTN ( 76遺伝子 )

Sequencing(塩基配列の決定)とDel/Dup(欠失/重複)が検査対象となります。

検査に必要な検体

検査に必要な検体は以下の通りです。

  • 血液
  • 唾液*
  • 口腔粘膜ぬぐい液*

*唾液・口腔ぬぐい液の場合、遠隔地の方でもオンライン診療(ビデオスルーでの診察の事をいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく形で、当院にお越しにならずに検査が可能です。遠方の方でもお受けいただけます。

検査の限界

全ての配列決定技術には限界があります。この検査は次世代シークエンサー(NGS)によって行われ、コード領域とスプライシングジャンクションを調べるためにデザインされています。次世代配列決定技術およびバイオインフォマティクス分析は、偽遺伝子配列または他の高度に相同な配列の寄与を優位に減少させますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において、病原性の対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を妨害する場合があります。サンガー法は、低品質スコアのバリアントを確認し適用範囲の基準を満たすために用いられます。整理されていれば、欠失/重複分析により、1つの全遺伝子(口腔ぬぐい液検体及び全血検体)を含み大きさが2つ以上の連続したエクソン(全血検体のみ)であるゲノム領域の変化を同定できます。この検査で単一エクソンの欠失または重複が時々同定されることがありますが、日常的に検出されるものではありません。同定された推定上の欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)によって確認されます。このアッセイは、限定されるものではありませんが、転座または逆位・反復身長(例:トリヌクレオチドまたはヘキサヌクレオチド)・大部分の調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エクソンから20bpを超える)における変化のような疾患を引き起こし得る特定のタイプのゲノム変化を検出しません。このアッセイは、体細胞モザイク現象または体細胞突然変異の検出のためにデザインまたは妥当性が確認されていません。

カバレッジ

遺伝子パネル検査の場合、カバレッジは96% at 20xとなるよう設計されています。

結果が出るまでの期間

3-5週間

検査費用

275,000円(税込)遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)かかります。

リファレンス

Inherited cardiac arrhythmias: diagnosis, treatment, and prevention. Dtsch Arztebl Int. 2011 Sep;108(37):623-33 (2011)
Channelopathies. Korean J Pediatr. 2014 Jan;57(1):1-18. doi: 10.3345/kjp.2014.57.1.1. (2014)

文責:仲田洋美(医師)

プロフィール

さらに詳しいプロフィールはこちら

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

お電話での受付可能
診療時間
午前 10:00~14:00
(最終受付13:30)
午後 16:00~20:00
(最終受付19:30)
休診 火曜・水曜

休診日・不定休について

クレジットカードのご利用について

publicブログバナー
 
medicalブログバナー
 
NIPTトップページへ遷移