ACTG1, ADCY1, BDP1, BSND, CABP2, CCDC50, CD164, CDC14A, CDH23, CEACAM16, CEP78, CIB2, CLDN14, CLIC5, COCH, COL11A2, COL4A6, CRYL1, CRYM, DCDC2, DIABLO, DIAPH1, DIAPH3, DSPP, ELMOD3, EPS8, ESPN, ESRRB, EYA4, GIPC3, GJB2, GJB3, GJB6, GPSM2, GRHL2, GRXCR1, GRXCR2, GSDME, HARS2, HGF, HOMER2, ILDR1, KARS, KCNQ4, KITLG, LHFPL5, LOXHD1, LRTOMT, MARVELD2, MET, MIR96, MSRB3, MYH14, MYH9, MYO15A, MYO3A, MYO6, MYO7A, NARS2, OSBPL2, OTOA, OTOF, OTOG, OTOGL, P2RX2, PCDH15, PJVK, PNPT1, POU3F4, POU4F3, PRPS1, PTPRQ, RDX, RIPOR2, ROR1, S1PR2, SERPINB6, SIX1, SLC17A8, SLC26A4, SLC26A5, SLITRK6, SMPX, STRC, SYNE4, TBC1D24, TECTA, TJP2, TMC1, TMC2, TMEM132E, TMIE, TMPRSS3, TNC, TPRN, TRIOBP, TSPEAR, USH1C, WFS1, WHRN ( 100遺伝子 )
主要遺伝子の詳細:
・GJB2遺伝子:
コネキシン26をコードする遺伝子。日本人の遺伝性難聴の50%以上を占める最も頻度の高い原因遺伝子です。内耳の細胞間ギャップ結合を構成し、カリウムイオンなどの低分子の輸送を担います。常染色体劣性遺伝(DFNB1)と常染色体優性遺伝(DFNA3)の両方の形式があります。
・GJB6遺伝子:
コネキシン30をコードする遺伝子。GJB2遺伝子と同じDFNB1として分類されます。GJB2遺伝子との複合ヘテロ接合体も報告されています。
・SLC26A4遺伝子:
ペンドリンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、前庭水管拡大症を伴う難聴の原因となります。内耳のイオン恒常性維持に関与します。
・CDH23遺伝子:
カドヘリン23をコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、内耳有毛細胞の不動毛連結(tip link)の構成成分です。変異により不動毛の構造が障害されます。
・MYO15A遺伝子:
ミオシンXVAをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、内耳有毛細胞の不動毛形成に必須です。
・OTOF遺伝子:
オトフェリンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、内耳有毛細胞のシナプス小胞の開口放出に関与します。聴性脳幹反応(ABR)が無反応であるにもかかわらず、耳音響放射(OAE)が検出される聴覚神経障害の原因となります。
・KCNQ4遺伝子:
カリウムチャネルKCNQ4をコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式(DFNA2)で、進行性の高音域難聴の原因となります。
・TECTA遺伝子:
αテクトリンをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式(DFNA8/12)で、蓋膜の主要な構成成分です。変異の位置により聴力型が異なり、ZPドメインの変異は中音域難聴、ZAドメインの変異は高音域難聴を呈します。
・MYO7A遺伝子:
ミオシンVIIAをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝(DFNB2)と常染色体優性遺伝(DFNA11)の両方の形式があります。また、症候群性難聴であるUsher症候群1B型の原因遺伝子でもあります。
・WFS1遺伝子:
ウォルフラミンをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、低音域難聴(DFNA6/14/38)の原因となります。小胞体ストレス応答に関与します。
・POU3F4遺伝子:
転写因子POU3F4をコードする遺伝子。X連鎖遺伝形式(DFN3)で、内耳奇形を伴う混合型難聴の原因となります。
・PRPS1遺伝子:
ホスホリボシルピロリン酸合成酵素をコードする遺伝子。X連鎖遺伝形式で、プリン代謝に関与します。
・MYH9遺伝子:
非筋ミオシン重鎖IIAをコードする遺伝子。常染色体優性遺伝形式で、進行性難聴の原因となります。
・STRC遺伝子:
ステレオシリンをコードする遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、内耳有毛細胞の不動毛に局在します。偽遺伝子が存在するため、検査が困難な遺伝子の一つです。
※OTOA遺伝子のエキソン20-28は偽遺伝子の干渉により現在の検査方法では信頼性のある変異検出ができません。
※STRC遺伝子は一般的なSTRC/CATSPER2連続遺伝子欠失の検出が可能ですが、偽遺伝子の干渉により他の変異(部分欠失や配列変異)の評価は通常行われません。
※TPRN遺伝子のエキソン1は現在の配列決定方法に適さないため、この領域の配列決定および欠失/重複分析は実施されません。