非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック
非ジストロフィー性ミオトニー症候群とは
非ジストロフィー性ミオトニー症候群(Non-dystrophic Myotonia)は、筋線維の興奮性異常による筋強直(ミオトニー)現象を主な症状とする遺伝性疾患です。「ミオトニー」とは、筋肉が収縮した後に弛緩(リラックス)することが遅れる現象で、筋肉のこわばりや硬直として体感されます。
本疾患の最も重要な特徴は、筋強直性ジストロフィーとは異なり、筋肉の変性(ジストロフィー変化)を伴わないことです。つまり、筋肉が徐々に破壊されていく進行性の病態ではなく、多くの場合、生涯を通じて筋力は比較的保たれます。
非ジストロフィー性ミオトニー症候群は、臨床症状や原因遺伝子によって、先天性ミオトニー、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニーなどに分類されます。日本では指定難病114番に指定されており、世界的には10万人あたり約1人の有病率と推定される比較的稀な疾患です。
症状と病態
非ジストロフィー性ミオトニー症候群の主な症状は、外眼筋・顔面筋・舌筋を含む全身の骨格筋にみられる筋のこわばり(筋強直)です。多くの患者さんは10歳以下で発症し、症状は成人期に至っても続くことが多いですが、病初期には筋力低下や筋萎縮を認めないことが特徴的です。
主要症状
- 把握ミオトニー:手を強く握った後に開きにくい
- 叩打ミオトニー:診察用ハンマーで筋肉を叩くと筋が収縮する
- 運動開始時の筋のこわばり
- 筋強直による痛み(一部の患者さん)
- 寒冷による症状の増悪
- 筋肥大(特に先天性ミオトニー)
病型による特徴的な症状
原因遺伝子によって、症状のパターンが異なります:
- 先天性ミオトニー(トムゼン病・ベッカー病):全身の骨格筋にミオトニーと筋肥大が見られます。運動を繰り返すことでミオトニーが軽減する「ウォームアップ現象」が特徴的です。トムゼン病は常染色体優性遺伝で乳児期から2~3歳までに発症し、ベッカー病は常染色体劣性遺伝で4~12歳に発症し、より重症の傾向があります
- 先天性パラミオトニー:「パラドキシカル(逆説的)」なミオトニーが特徴で、通常のミオトニーが運動によって緩和されるのに対し、運動で症状が悪化します。寒冷によって誘発され、一過性の麻痺を伴うこともあります。高カリウム性周期性四肢麻痺とオーバーラップすることがあります
- ナトリウムチャネルミオトニー:運動やカリウムを多く含む食物(バナナ、トマトなど)の摂取後に筋肉のこわばりが現れます。高カリウム性周期性四肢麻痺と同じ遺伝子変異が原因となることがあります
日常生活への影響
非ジストロフィー性ミオトニー症候群は進行性の筋力低下を伴わないため、生命予後は良好です。しかし、筋のこわばりは日常生活に支障をきたすことがあります。例えば、急に走り出すことが困難、階段を素早く上れない、手を握った後すぐに開けないなどの症状により、学校生活や仕事に影響が出ることがあります。
寒冷によって症状が悪化するため、冬季や冷房の効いた環境での活動に制限が生じることもあります。また、症状による外見の変化(筋肥大など)や、いじめ・からかいの対象となることによる精神的な影響も報告されており、適切な医療的支援と周囲の理解が重要です。
遺伝形式と原因遺伝子
非ジストロフィー性ミオトニー症候群は、イオンチャネル遺伝子の変異によって引き起こされる「筋チャネル病」の一種です。主に2つの遺伝子が原因として知られています。
CLCN1遺伝子(塩化物イオンチャネル)
先天性ミオトニーの原因遺伝子で、骨格筋の塩化物イオンチャネルをコードしています:
- トムゼン病:常染色体優性(顕性)遺伝。乳児期から2~3歳までに発症することが多く、比較的軽症です
- ベッカー病:常染色体劣性(潜性)遺伝。トムゼン病よりも頻度が高く、4~12歳と発症時期が遅く、より重症となる傾向があります
SCN4A遺伝子(骨格筋型ナトリウムチャネル)
先天性パラミオトニーとナトリウムチャネルミオトニーの原因遺伝子で、骨格筋型ナトリウムチャネルのαサブユニットをコードしています。いずれも常染色体優性(顕性)遺伝形式をとります:
- 先天性パラミオトニーの代表的変異:p.Thr1313Met変異、p.Arg1448His/Cys/Pro/Ser変異など
- ナトリウムチャネルミオトニーの代表的変異:p.Val445Met変異、p.Val1293Ile変異、p.Gly1306Ala/Val/Glu変異など
当検査パネルでは、これらの原因遺伝子を含む10の関連遺伝子を対象としています。SCN4A遺伝子の変異は、高カリウム性周期性四肢麻痺や低カリウム性周期性四肢麻痺の原因ともなるため、症状に応じて周期性四肢麻痺との鑑別が重要です。
ミネルバクリニックの非ジストロフィー性ミオトニー症候群遺伝子パネル検査の特徴
「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」とは、現在非ジストロフィー性ミオトニー症候群の原因として報告されている10の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。
従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。
何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、非ジストロフィー性ミオトニー症候群に関連する10遺伝子を一度に調べられる「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」を採用しています。
一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。
1.費用がリーズナブル
一般的な医療機関で非ジストロフィー性ミオトニー症候群の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。
当院では、非ジストロフィー性ミオトニー症候群に関係するとされる10の遺伝子を一度に調べられる「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
2.結果が出るまでがはやい
一般的な医療機関で行える非ジストロフィー性ミオトニー症候群の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。
当院で行う「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」の場合、10の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。
3.一気にまとめてできる
臨床症状から非ジストロフィー性ミオトニー症候群を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。
当院で行う「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な10の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。
オプション
塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)
検査内容
「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」では、非ジストロフィー性ミオトニー症候群および関連疾患に関係するとされる10種類の遺伝子(ATP2A1、CACNA1A、CACNA1S、CAV3、CLCN1、HINT1、HSPG2、KCNA1、KCNE3、SCN4A)をまとめて検査します。
「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」は、非ジストロフィー性ミオトニー症候群の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。
どんな人が受けたらいいの?
【非ジストロフィー性ミオトニー症候群の個人歴または家族歴のある方】に
「非ジストロフィー性ミオトニー症候群 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。
この検査は以下のような方に適しています:
・手を強く握った後に開きにくい(把握ミオトニー)がある方
・運動開始時に筋肉のこわばりを感じる方
・寒冷により筋強直が悪化する方
・運動を繰り返すとミオトニーが軽減する、または逆に悪化する方
・筋肥大が認められる方
・針筋電図でミオトニー放電が認められる方
・カリウムを多く含む食物摂取後に筋のこわばりが増強する方
・一過性の麻痺発作を伴う筋強直がある方
・非ジストロフィー性ミオトニー症候群または周期性四肢麻痺の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方
このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。
検査で得られる患者さんの潜在的利益は?
遺伝子検査により原因が判明すると、非ジストロフィー性ミオトニー症候群の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な薬物療法、生活指導、定期的なモニタリングを行うことができます。
遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・筋強直性ジストロフィーや他の神経筋疾患との鑑別
・病型の特定(先天性ミオトニー、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニーの区別)
・適切な薬物療法の選択(メキシレチン、カルバマゼピンなど)
・誘因となる因子(寒冷、カリウム含有食品など)の特定と回避
・周期性四肢麻痺の合併リスクの評価
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供
患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。
対象遺伝子
- 詳しくはこちら
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ATP2A1, CACNA1A, CACNA1S, CAV3, CLCN1, HINT1, HSPG2, KCNA1, KCNE3, SCN4A ( 10遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・ATP2A1遺伝子:
速筋型サルコ/小胞体Ca²⁺-ATPaseをコードする遺伝子。筋肉の弛緩に関与し、この遺伝子の変異はBrody病(運動後の筋弛緩障害)の原因となります。非ジストロフィー性ミオトニー症候群と類似した症状を呈することがあります。
・CACNA1A遺伝子:
電位依存性カルシウムチャネルCav2.1のα1Aサブユニットをコードする遺伝子。主に神経系で機能し、周期性運動失調や片頭痛の原因となることが知られています。
・CACNA1S遺伝子:
骨格筋型カルシウムチャネルのα1サブユニットをコードする遺伝子。低カリウム性周期性四肢麻痺の主要な原因遺伝子の一つです。ミオトニー症候群と周期性四肢麻痺はオーバーラップすることがあります。
・CAV3遺伝子:
カベオリン3をコードする遺伝子。筋細胞膜の陥入構造であるカベオラに局在し、リップリング筋病やある種の肢帯型筋ジストロフィーの原因となります。ミオトニー様症状を呈することがあります。
・CLCN1遺伝子:
骨格筋塩化物イオンチャネルをコードする遺伝子。先天性ミオトニーの主要な原因遺伝子です。常染色体優性遺伝のトムゼン病と常染色体劣性遺伝のベッカー病の両方を引き起こします。筋膜の電気的安定性の維持に重要な役割を果たしています。
・HINT1遺伝子:
ヒスチジントライアド・ヌクレオチド結合タンパク質1をコードする遺伝子。軸索型シャルコー・マリー・トゥース病や遠位型遺伝性運動ニューロパチーの原因となることがあります。
・HSPG2遺伝子:
パールカン(ヘパラン硫酸プロテオグリカン2)をコードする遺伝子。シュワルツ・ヤンペル症候群の原因遺伝子です。シュワルツ・ヤンペル症候群は筋強直に骨格異常や特徴的な顔貌を伴う症候群で、非ジストロフィー性ミオトニー症候群の鑑別診断として重要です。
・KCNA1遺伝子:
電位依存性カリウムチャネルKv1.1をコードする遺伝子。発作性運動失調/ミオキミアの原因となります。神経過興奮症候群の一つです。
・KCNE3遺伝子:
カリウムチャネルβサブユニットをコードする遺伝子。周期性四肢麻痺に関連することが報告されています。
・SCN4A遺伝子:
骨格筋型ナトリウムチャネルのαサブユニットをコードする遺伝子。非ジストロフィー性ミオトニー症候群の主要な原因遺伝子の一つで、先天性パラミオトニーとナトリウムチャネルミオトニーを引き起こします。また、高カリウム性周期性四肢麻痺や低カリウム性周期性四肢麻痺、先天性筋無力症候群の原因ともなります。常染色体優性遺伝形式をとります。
カバレッジ
カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。
≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。
検体
血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)
※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。
検査の限界
- 詳しくはこちら
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すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。
低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。
この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。
※この検査パネルでは、10の原因遺伝子のみを対象としています。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状と電気生理学的検査(針筋電図など)に基づいた診断が引き続き重要です。
結果が出るまでの期間
2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。
料金
税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)
よくあるご質問
- どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
- 手を強く握った後に開きにくい、運動開始時に筋肉がこわばる、寒いと症状が悪化するなどの筋強直症状がある方におすすめします。針筋電図でミオトニー放電が認められる場合や、家族に同様の症状がある場合も検査をご検討ください。筋強直性ジストロフィーとの鑑別のためにも有用です。
- 検査はどのように行いますか?
- 血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
- 筋強直性ジストロフィーとの違いは何ですか?
- 筋強直性ジストロフィーは筋強直に加えて進行性の筋力低下や多臓器障害(心臓、眼、内分泌系など)を伴いますが、非ジストロフィー性ミオトニー症候群は筋強直が主症状で、筋の変性(ジストロフィー変化)を伴わず、進行性の筋力低下も通常認めません。遺伝子検査により両者を明確に区別できます。
- 家族も検査を受ける必要がありますか?
- 遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝(トムゼン病、先天性パラミオトニー、ナトリウムチャネルミオトニー)の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝(ベッカー病)の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
- 検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
- 検査で病原性変異が検出されなくても、臨床症状と針筋電図所見から非ジストロフィー性ミオトニー症候群と診断されることがあります。また、現在知られていない新しい原因遺伝子の変異である可能性もあります。臨床症状に基づいた診断と治療が引き続き重要です。
- 保険は適用されますか?
- 当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
- 結果はどのように説明されますか?
- 検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
- 子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
- 遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
- 非ジストロフィー性ミオトニー症候群の治療はどのように行われますか?
- 現在のところ根本的な治療法はありませんが、筋強直に対しては抗不整脈薬のメキシレチン(保険適応外)が第一選択薬とされています。その他、カルバマゼピンやフェニトインなどの抗てんかん薬も使用されます。生活指導として、寒冷の回避、適度な運動、誘因となる食品(カリウム含有食品など)の制限などが推奨されます。
- 予後はどうですか?
- 非ジストロフィー性ミオトニー症候群は進行性の筋力低下を伴わないため、生命予後は良好です。症状は生涯持続しますが、適切な薬物療法と生活指導により、多くの患者さんは日常生活を維持できます。ただし、筋のこわばりによる日常生活への影響や、心理社会的な問題への対応が重要です。
- 他の医療機関での検査との違いは何ですか?
- 当院では臨床的に重要な10の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。
プロフィール
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。
仲田洋美のプロフィールはこちら