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妊娠中のDNA鑑定(出生前親子鑑定)を病院で|妊娠6週から、お母さんの採血で胎児の父親を調べる

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

妊娠中のDNA鑑定(出生前親子鑑定・NIPP)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃんのDNAと、父親候補の口腔粘膜のDNAを比べて、生まれる前に父子関係を調べる検査です。お腹に針を刺さない採血なので、流産のリスクはありません。妊娠6週から受けられますが、確実に結果を出すため、当院では妊娠8週以降の採血をおすすめしています。結果は1週間以内(最速2日)にお伝えし、調停・裁判などに提出できる形式の法的鑑定にも対応しています。このページでは、しくみ、時期、費用、私的鑑定と法的鑑定の違い、受診の流れを、臨床遺伝専門医が順に説明します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
🧬 出生前親子鑑定・NIPP・法的鑑定
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 妊娠中にDNA鑑定はできますか?

A. できます。お母さんの採血と父親候補の口腔粘膜で、妊娠6週から受けられます。お母さんの血液には、胎盤から出た赤ちゃんのDNAの断片が流れています。これを父親候補のDNAと比べることで、生まれる前に父子関係を調べます。赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるため、当院では妊娠8週以降の採血をおすすめしています。

  • ➤しくみ → お母さんの血液中の赤ちゃんのDNAを、一塩基多型(SNP)などの目印で父親候補と比べる
  • ➤時期 → 妊娠6週から(おすすめは8週以降)
  • ➤費用 → 鑑定220,000円+遺伝カウンセリング料22,000円(税込)、法的鑑定は+33,000円
  • ➤結果 → 1週間以内(最速2日)。結果が出ないときは結果が出るまで再鑑定

妊娠中のDNA鑑定(出生前親子鑑定)のアイキャッチ画像

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. どうやって調べるの?

お母さんの採血と、父親候補の口腔粘膜(綿棒でこする)だけです。お母さんの血液に流れている赤ちゃんのDNAを、父親候補のDNAと比べます。お腹に針を刺さないので流産のリスクはありません。

📅 Q. 何週から受けられる?

妊娠6週から受けられます。ただし赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるので、確実に結果を出すには妊娠8週以降をおすすめしています。

💴 Q. 費用は?

鑑定220,000円+遺伝カウンセリング料22,000円(税込)です。調停・裁判などに提出できる形式の法的鑑定は+33,000円。速く出すための特急料金はありません。

🔁 Q. 結果が出なかったら?

結果が出るまで、鑑定料をいただかずに再鑑定します。お支払いいただくのは採血に使う検査キット代4,400円(税込)のみです。

\ 臨床遺伝専門医が院内で採血し、写真付きの身分証で本人確認します /

📅 この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

お問い合わせはこちら | 羊水・絨毛での出生前親子鑑定

1. 妊娠中のDNA鑑定(出生前親子鑑定・NIPP)とは

妊娠中のDNA鑑定は、生まれる前のお腹の赤ちゃんと、父親候補の男性との父子関係を、DNAで調べる検査です。英語ではnon-invasive prenatal paternity test(非侵襲的出生前親子鑑定)といい、頭文字からNIPPと呼ばれます。「非侵襲的」とは、子宮の中に針を入れずに済む、という意味です。

以前は、妊娠中に赤ちゃんのDNAを手に入れるには、お腹に針を刺して羊水や絨毛(胎盤のもとになる組織)を採るしかありませんでした。こうした針を刺す検査は、お母さんと赤ちゃんに危険を及ぼしうることが指摘されています[1]。母体血を使う方法が生まれたことで、採血だけで、しかも妊娠の早い時期から父子関係を調べられるようになりました。

鑑定は医学的な診断ではなく、父子関係だけを調べるものです。赤ちゃんの病気や染色体の数を調べる検査ではありません。調べた結果は、遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医がご説明します。

お母さんの血液に赤ちゃんのDNAが流れているしくみ

お母さんの血液には、胎盤から出た赤ちゃん由来のDNAの断片が流れています。このDNAは細胞の外を漂っているためセルフリーDNA(cffDNA)と呼ばれ、主に胎盤の絨毛をつくる栄養膜細胞に由来することが知られています[2]。胎盤は受精卵から育った組織なので、そのDNAは基本的に赤ちゃんと同じです。

ただし、お母さんの血液に流れているセルフリーDNAの大部分は、お母さん自身のものです。赤ちゃん由来の割合は、妊娠10〜20週でおよそ10〜15%と報告されています[2]。鑑定では、お母さんのDNAの中に混ざった少量の赤ちゃんのDNAから、父親側から受け継いだ部分を読み取ることになります。

赤ちゃん由来のDNAは、出産するとすみやかに血液から消えます。出産後の母体血を調べた研究では、赤ちゃん由来のDNAの半減期は平均16.3分(4〜30分)で、8人中7人で産後2時間までに検出できなくなっていました[3]。母体血で調べているのは、いま進んでいる妊娠の胎盤から出ているDNAです。

💡 用語解説:セルフリーDNA(cfDNA・cffDNA)

細胞の中ではなく、血液の液体部分(血漿)に断片となって漂っているDNAのことです。妊娠中の母体血には、お母さん自身のセルフリーDNAに加えて、胎盤から出た赤ちゃん由来のセルフリーDNA(cffDNA)が混ざっています。NIPT(新型出生前診断)も、この同じDNAを材料にしています。

SNPで父親候補と比べるしくみ

鑑定では、人によって塩基が1つ違う場所(一塩基多型:SNP)を目印に、赤ちゃんのDNAと父親候補のDNAを比べます。一塩基多型(SNP)は、ゲノムの中で人ごとに違いが出やすい場所です。赤ちゃんはDNAの半分をお母さんから、半分を父親から受け継ぐので、お母さんが持っていない型が赤ちゃんにあれば、それは父親から受け継いだものと考えられます。

考え方は次のとおりです。まず、お母さんの型を調べます。次に、母体血の中から、お母さんの型では説明できない赤ちゃん由来の型を拾い出します。最後に、その型を父親候補が持っているかを、たくさんの目印で確かめます。目印が1つや2つなら偶然の一致もありえますが、数多くの目印で一致・不一致を重ねることで、偶然では説明しにくい結果になります。

SNPを使った母体血の親子鑑定を検証した研究では、妊娠6〜21週の妊婦21人を調べ、赤ちゃん由来のDNAが足りなかった1人を除く20人全員で、本当の父親を正しく父親と判定しました[1]。同じ研究で、本当の父親ではない男性と照合した36,400通りのうち36,382通り(99.95%)は正しく否定され、残る18通り(0.05%)は判定保留となり、誤った判定はありませんでした[1]。解析の技術的な背景はNIPTの解析方法(SNP法など)でも説明しています。

💡 用語解説:一塩基多型(SNP)

DNAの塩基配列のうち、人によって1つの塩基が別の塩基になっている場所のことです。病気と関係しないものがほとんどで、個人を見分ける目印として使われます。親子鑑定では、こうした目印を数多く調べて、父親候補の型が赤ちゃんの型を説明できるかどうかを確かめます。

NIPTとNIPPの違い(材料は同じ、目的が違う)

NIPPとNIPTは、どちらもお母さんの血液に流れる赤ちゃん由来のDNAを調べる検査ですが、調べることがまったく違います。NIPPは父子関係を調べる鑑定、NIPT(新型出生前診断)は赤ちゃんの染色体の数や一部の欠失などを調べる検査です。

名前が1文字違いのため混同されることがありますが、NIPPの結果から赤ちゃんの病気はわかりません。反対に、NIPTの結果から父子関係はわかりません。赤ちゃんの染色体も調べたい場合は、それぞれ別の検査として受けることになります(第8章でふれます)。

2. 妊娠中に親子を調べる方法と選び方

妊娠中に父子関係を調べる方法は、母体血(NIPP)、絨毛検査、羊水検査の3つです。親子を確かめるだけが目的なら、まず採血だけで受けられる母体血の方法が選択肢になります。生まれてからでもよい場合は、出生後の親子鑑定もあります。当院で受けられる4つの方法を、検査の種類どうしで並べると次のようになります。

🧬 当院で受けられる親子鑑定の種類

項目 母体血(NIPP) 絨毛検査 羊水検査 出生後
受けられる時期 妊娠6週から(おすすめは8週以降) 妊娠11〜13週 妊娠16週から 生まれたあと
赤ちゃん側の検体 お母さんの採血 お腹に針を刺して絨毛を採取 お腹に針を刺して羊水を採取 お子さんの口腔粘膜
流産のリスク なし あり あり なし
鑑定の種類 私的鑑定・法的鑑定(+33,000円) 法的鑑定のみ 法的鑑定のみ 法的鑑定込み
料金(税込・単独で受ける場合) 220,000円 330,000円 286,000円 165,000円

※料金は鑑定の料金で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)は別です。結果はいずれも1週間以内(最速2日)にお伝えします。絨毛・羊水は、染色体の確定検査と同時に受ける場合の料金が別に決まっています(詳しくは各ページをご覧ください)。

親子を確かめるだけなら、まず採血だけの母体血

父子関係を知ることだけが目的なら、流産のリスクがない母体血の方法(NIPP)が第一の選択肢です。受けられる時期も絨毛検査や羊水検査より早く、妊娠6週から採血できます。父親候補は口腔粘膜を綿棒でこするだけで、痛みはありません。

絨毛検査と羊水検査は、お腹に針を刺して赤ちゃん側の細胞を直接採る検査です。赤ちゃんの細胞そのものを調べるので確実性は高い一方、針を刺す以上、流産のリスクがあります[1]。そのため、親子を確かめるためだけに選ぶ検査ではなく、染色体の確定検査を受けるときにあわせて調べる、という使い方が中心になります。

羊水・絨毛での鑑定を選ぶのはどんなときか

日本産科婦人科学会の「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」(令和5年6月24日改定)は、法的措置の場合を除き、出生前親子鑑定など医療目的ではない遺伝子解析・遺伝学的検査を行ってはならない、としています。当院では、これに合わせて、羊水・絨毛での親子鑑定はすべて法的鑑定として行っています。

羊水・絨毛での鑑定が選択肢になるのは、NIPTの結果などから染色体の確定検査を受けることになり、同じ採取で父子関係もあわせて確かめたい場合や、法的に確かな鑑定が必要な場合です。くわしくは羊水検査・絨毛検査での出生前親子鑑定で説明しています。確定検査そのものについては羊水検査・絨毛検査をご覧ください。

生まれてからでもよい場合

妊娠中に結果を知る必要がない場合は、生まれてからお子さんの口腔粘膜で調べる方法もあります。当院の出生後の鑑定は、本人確認と院内での採取をもともと行うため、法的鑑定まで含めた料金です。出生後の親子鑑定のページで流れを説明しています。

3. 何週から受けられる?6週から、8週以降をすすめる理由

妊娠中のDNA鑑定は、超音波で妊娠週数を確かめたうえで、妊娠6週から受けられます。ただし当院では、確実に結果を出すために妊娠8週以降の採血をおすすめしています。6週から受けられるのに8週以降をすすめる理由は、お母さんの血液中の赤ちゃんのDNAの量にあります。

赤ちゃんのDNAの割合は週数とともに増える

母体血のセルフリーDNAのうち赤ちゃん由来のものが占める割合を胎児分画(fetal fraction)といいます。胎児分画は、妊娠週数が進むにつれて増えることが、多数の妊婦を調べた研究で繰り返し確かめられています。中国の15万3,306人の単胎妊娠を調べた研究では、胎児分画の中央値は妊娠12〜16週で11.25%、17〜20週で11.37%、21〜24週で12.32%、25週以降で15.15%と、週数とともに上がっていました[2]。1万3,661人を調べた別の研究でも、19〜23週で13.11%、24〜28週で16.14%、29週以降で21.17%と、後半ほど高くなっていました[4]。

これらは妊娠12週前後より後の数字で、6〜8週のように早い時期の値ではありません。もっと早い時期については、妊娠8〜14週の妊婦を調べたデンマークの研究で、妊娠10週より前に採った検体は胎児分画が低く、十分な量の赤ちゃんのDNAが得られる確率も低かったと報告されています[5]。同じ研究は、10週より前のほうが胎児分画の上がり方が速いとも述べています[5]。つまり妊娠初期は、数週間待つだけで赤ちゃんのDNAが目に見えて増える時期です。

💡 用語解説:胎児分画(fetal fraction)

お母さんの血液に流れるセルフリーDNA全体のうち、赤ちゃん(胎盤)由来のDNAが占める割合のことです。割合が低すぎると、赤ちゃんの型を正しく読み取れず、判定ができないことがあります。母体血を使う鑑定やNIPTでは、結果が出るかどうかを左右する大事な数字です。

早い時期でも結果は出るが、出ないこともある

妊娠早期の鑑定がまったくできないわけではありません。前に紹介したSNPを使った研究では、妊娠6週の検体でも正しく父親を判定できています[1]。また、別の目印(DIP-STR)を使ってスイスで87例を調べた研究では、妊娠7週から採血し、妊娠初期に赤ちゃんのDNAを見落とした割合は6%ほどだったと報告されています[6]。

早い時期でも結果が出ることはある一方で、赤ちゃんのDNAが少なく判定に届かない可能性は、週数が早いほど高くなります。採血をやり直すと、その分だけ結果を受け取る日が遅れます。当院が8週以降をすすめるのは、1回の採血で結果を出せる見込みを高めるためです。

結果が出にくくなるほかの条件

週数のほかに、お母さんの体格も胎児分画に影響します。先の1万3,661人の研究では、BMIが18.5未満の群で胎児分画が14.54%だったのに対し、18.5〜24.9で13.37%、25〜29.9で12.20%、30〜34.9で11.32%と、BMIが高いほど低くなっていました[4]。15万人規模の研究でも、胎児分画はBMIと母体年齢が高いほど低いという結果でした[2]。

ただ、これらは集団の平均の傾向で、BMIが高いから結果が出ないと決まるわけではありません。週数とあわせて、採血の時期を遺伝カウンセリングで確かめます。また、父親候補どうしが兄弟など血縁関係にある場合は、DNAの共通部分が多くなります。該当する場合は、遺伝カウンセリングの際にお伝えください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「6週から」と「8週以降がおすすめ」は矛盾しない】

妊娠6週から受けられることと、8週以降をおすすめすることは、どちらも事実です。前者は「技術的に結果が出うる時期」、後者は「1回の採血で結果を出しやすい時期」を表しています。妊娠初期の数週間は胎児分画が速く上がる時期なので、少し待つことの意味が大きいと考えています。

結果を急ぎたい事情があることも理解しています。そのうえで、採血のやり直しで結果がかえって遅れることのないよう、採血の時期は超音波で週数を確かめてから決めるのがよいと考えています。

4. 費用と、料金に含まれるもの

妊娠中のDNA鑑定(NIPP)の費用は、鑑定220,000円と遺伝カウンセリング料22,000円(いずれも税込)です。調停・裁判などに提出できる形式の法的鑑定にする場合は、33,000円(税込)が加わります。当院は保険診療を行っておらず、すべて自費診療です。

💴 妊娠中のDNA鑑定(NIPP)の料金(税込)

項目 料金 補足
鑑定(私的鑑定) 220,000円 お母さんの採血・父親候補の口腔粘膜の採取を含む
法的鑑定にする場合 +33,000円 全員の来院・写真付き身分証での本人確認・院内での採取
遺伝カウンセリング料 22,000円(30分) 鑑定の料金とは別
結果が出なかった場合の再鑑定 検査キット代4,400円のみ 結果が出るまで鑑定料はいただきません
特急料金 なし 結果は1週間以内(最速2日)

※遺伝カウンセリング料は基本的にお一人ずつかかります。同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合に限り、一人分をサービスしています(ご相談のみの場合は人数分かかります)。

料金に含まれているもの

料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(料金は別建て)、院内でのお母さんの採血と父親候補の口腔粘膜の採取、結果の説明が含まれます。法的鑑定にする場合は、全員の本人確認と、院内で立ち会っての採取、採取から解析までの受け渡しの記録が加わります。

当院の鑑定は、検査の説明から採血、本人確認、結果の説明までを、同じ院内で臨床遺伝専門医が行います。採血の時期の判断や、結果が出なかったときの再鑑定の判断も、同じ医師が担当します。

結果が出なかったときの再鑑定

赤ちゃんのDNAが足りず結果が出なかった場合は、結果が出るまで、鑑定料をいただかずに再鑑定します。お支払いいただくのは、採血に使う検査キット代4,400円(税込)のみです。第3章で説明したとおり、赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるため、少し週数をおいて院内で採血し直せば、結果を出せるのがふつうです。

当院は再鑑定を基本としているため、結果が出なかったことを理由とした返金は行っていません。結果を出すことをゴールにしている仕組みだとお考えください。

\ 結果が出るまで、鑑定料をいただかずに再鑑定します /

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5. 私的鑑定と法的鑑定の違い

私的鑑定は、ご自身が事実を知るための鑑定です。法的鑑定は、鑑定を受ける全員の本人確認と院内での採取を行い、調停・裁判などに提出できる形式で報告書を作る鑑定です。DNAを調べる方法は同じで、違うのは「誰の検体かを示す手続き」です。

法的鑑定の流れ

法的鑑定では、鑑定を受ける全員(お母さんと父親候補)に来院していただき、写真付きの身分証明書で本人確認をします。そのうえで、院内で立ち会って検体を採取します。これは、検体のすり替えがないことを示すためです。採取から解析までの受け渡しも記録します。

DNAの結果がどれほど正確でも、その検体が本当に本人のものだと示せなければ、手続きの場では使いにくくなります。法的鑑定の追加料金33,000円は、この本人確認と記録の手間にかかる費用です。

全員が来院お母さん・父親候補
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本人確認写真付きの身分証明書
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院内で立ち会って採取採血・口腔粘膜
▶
受け渡しを記録採取から解析まで

報告書は調停・裁判などに提出できる形式で作る

法的鑑定の報告書は、調停・裁判などに提出できる形式で作成します。ただし、提出された報告書を証拠として採用するかどうかは、裁判所が判断します。どの鑑定でも「必ず裁判で認められる」とは言えないため、手続きに使うことが決まっている場合は、弁護士など手続きを担う方にも、必要な形式をあらかじめ確かめておいてください。

💡 用語解説:法的鑑定と私的鑑定

私的鑑定は、検体を誰が採ったかを第三者が確かめない鑑定で、ご自身が事実を知るためのものです。法的鑑定は、本人確認と立ち会いでの採取、受け渡しの記録によって、検体が本人のものであることを示せる鑑定です。DNAを調べる方法そのものは同じです。

父親候補の来院が難しいときの検体

父親候補の検体は、口腔粘膜(綿棒で頬の内側をこする)が基本です。来院が難しい場合は、爪、毛髪(毛根がついたもの)、耳垢などの検体でも受けられます。これらの特殊検体は、誰のものかを証明できないため、私的鑑定に限ります。

特殊検体は口腔粘膜よりDNAが取りにくく、検体を出し直していただくことがあります。また、申込書には「提出する検体は正当な方法で入手したものである」という申込者の誓約欄があります。本人の同意なく検体を手に入れることを前提にした鑑定は、お受けしていません。

6. 受診から結果までの流れ

受診の流れは、予約、遺伝カウンセリング、採血と口腔粘膜の採取、結果のお知らせの4段階です。結果は採血から1週間以内(最速2日)にお伝えします。

予約電話・ウェブ
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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採血・採取母は採血・父親候補は口腔粘膜
▶
結果1週間以内(最速2日)

まず、電話(03-3478-3768)かウェブの予約フォームからご予約ください。来院の際は、超音波で妊娠週数を確かめた情報があると、採血の時期を決めやすくなります。

来院されたら、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。鑑定でわかること・わからないこと、結果が出ない場合の対応、私的鑑定と法的鑑定の違いをご説明し、不明な点がなくなってから同意書に署名いただきます。そのあと、お母さんは採血、父親候補は口腔粘膜の採取を行います。結果は、当院のマイページと遺伝カウンセリングでお伝えします。

秘密を守るための体制

当院は全室個室で、90分の受診枠をほかの患者さんと重ならないように取っているため、院内でほかの患者さんと顔を合わせることはありません。親子鑑定は、人に知られたくない事情とともに受けることの多い検査です。待合室で誰かと居合わせる心配がないことは、受診のハードルを下げる要素の一つだと考えています。

結果は、当院のマイページと遺伝カウンセリングでお伝えします。アクセスは診療時間・アクセスをご覧ください。

\ 全室個室・ほかの患者さんと顔を合わせない受診枠です /

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お問い合わせはこちら | 遺伝カウンセリングについて

7. 結果の見方

報告書には、検査を受けた父親候補が、赤ちゃんの生物学的な父親として「肯定される」か「否定される」かが記載されます。赤ちゃんが父親から受け継いだ型を、父親候補が持っていれば肯定、持っていなければ否定です。

父性が肯定される場合・否定される場合

父性が肯定されるのは、赤ちゃんが父親から受け継いだ型を、数多くの目印で父親候補が持っていて、偶然に一致したとは考えにくい場合です。肯定の結果は、確率の形で示されます。親子鑑定はたくさんの目印の一致の度合いから、「この人が父親である」という仮説と「無関係な男性が父親である」という仮説を比べて計算するため、理屈の上では確率が100%ちょうどにはなりません。

父性が否定されるのは、赤ちゃんが父親から受け継いだ型を、父親候補が複数の目印で持っていない場合です。前に紹介した検証研究では、本当の父親ではない男性と照合した36,400通りで、誤って父親と判定された例はありませんでした[1]。

判定保留になる場合

赤ちゃんのDNAが少ないなどの理由で、肯定とも否定とも判断できない場合は、判定保留となります。この場合は第4章のとおり、週数をおいて採血し直し、結果が出るまで再鑑定します。検証研究でも、照合のごく一部(0.05%)は判定保留とされ、無理に結論を出さない扱いになっていました[1]。報告書の読み方は、遺伝カウンセリングで具体的にご説明します。

8. 結果が出たあとにできること

結果は臨床遺伝専門医がご説明し、その後の妊娠についてのご相談や、法的手続きに使う場合の流れの確認までお受けしています。なお、当院では分娩や人工妊娠中絶は行っていません。妊婦健診や分娩は、かかりつけの産科で続けていただくことになります。

結果の説明と、その後の妊娠についてのご相談

結果が出たら、報告書の内容と、その結果が何を意味するかをご説明します。結果を受けて、妊娠をどう続けていくか、パートナーやご家族にどう伝えるかなど、決めなければならないことが出てくることがあります。当院では、その後の妊娠についてのご相談もお受けしています。

法的手続きに使う場合

法的鑑定の報告書を調停や裁判に使う場合は、報告書をどの手続きにどう提出するかを、手続きを担う弁護士などと確かめていただくことになります。当院は、調停・裁判などに提出できる形式で報告書を作成します。私的鑑定で結果を確かめたあとに法的な手続きが必要になった場合は、あらためて全員の本人確認と院内での採取を行う法的鑑定が必要です。

赤ちゃんの染色体も調べたい方へ

親子鑑定と同じように、お母さんの血液に流れる赤ちゃん由来のDNAを使って、赤ちゃんの染色体の数や一部の欠失などを調べる検査がNIPT(新型出生前診断)です。親子鑑定とは目的が別の検査で、親子鑑定の結果から赤ちゃんの病気はわかりません。当院のNIPTは、陽性だった場合に確定検査まで院内で受けられます。受けるかどうかを迷っている方は、NIPTを受ける割合と判断の目安もご覧ください。

9. 院長コラム:医療機関で親子鑑定を受ける意味

親子鑑定を医療機関で受けることの意味は、DNAの解析そのものよりも、その前後にあると考えています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【結果の前と後を、臨床遺伝専門医が担う】

妊娠中の親子鑑定には、週数、胎児分画、お母さんの体格など、結果が出るかどうかにかかわる医学的な条件があります。採血の時期をどう決めるか、結果が出なかったときにどう考えるかは、遺伝医学の知識があってはじめて説明できることです。臨床遺伝専門医として、こうした条件を事前に説明し、納得したうえで受けていただくことが大切だと考えています。

もう一つは、結果のあとです。親子鑑定の結果は、妊娠の続け方や家族のあり方に関わる決断につながることがあります。結果を伝えて終わりにせず、その後の妊娠についての相談まで同じ場所で受けられることが、医療機関で鑑定を行う意味だと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 採血で赤ちゃんに影響はありますか?

お母さんの腕から採血するだけなので、お腹に針を刺すことはなく、流産のリスクはありません。お母さんの血液に流れている赤ちゃん由来のDNAを調べる方法です。

Q2. 妊娠何週から受けられますか?

超音波で妊娠週数を確かめたうえで、妊娠6週から受けられます。お母さんの血液中の赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるため、確実に結果を出すには妊娠8週以降をおすすめしています。

Q3. 費用はいくらですか?

鑑定220,000円と遺伝カウンセリング料22,000円(いずれも税込)です。調停・裁判などに提出できる形式の法的鑑定にする場合は、33,000円(税込)が加わります。速く出すための特急料金はありません。

Q4. 赤ちゃんのDNAが足りず、結果が出なかったらどうなりますか?

結果が出るまで、鑑定料をいただかずに再鑑定します。お支払いいただくのは、採血に使う検査キット代4,400円(税込)のみです。お母さんの血液中の赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるため、少し週数をおいて院内で採血し直せば、結果を出せるのがふつうです。再鑑定を基本としているため、結果が出なかったことを理由とした返金は行っていません。

Q5. 父親候補が来院できない場合はどうなりますか?

来院が難しい場合は、爪・毛髪(毛根つき)・耳垢などの検体でも受けられます。ただし誰のものかを証明できないため私的鑑定に限り、口腔粘膜よりDNAが取りにくいため、検体を出し直していただくことがあります。法的鑑定は全員の来院が必要です。

Q6. 相手に知られずに受けられますか?

申込書には「提出する検体は正当な方法で入手したものである」という申込者の誓約欄があり、本人の同意なく検体を手に入れることを前提にした鑑定はお受けしていません。法的鑑定は、鑑定を受ける全員の来院と本人確認が必要です。

Q7. 結果は裁判で使えますか?

法的鑑定の報告書は、調停・裁判などに提出できる形式で作成します。ただし、報告書を証拠として採用するかどうかは裁判所が判断します。手続きに使う場合は、弁護士など手続きを担う方にも、必要な形式をあらかじめ確かめてください。

Q8. 秘密は守られますか?

当院は全室個室で、90分の受診枠をほかの患者さんと重ならないように取っているため、院内でほかの患者さんと顔を合わせることはありません。結果は当院のマイページと遺伝カウンセリングでお伝えします。

まとめ

妊娠中のDNA鑑定(出生前親子鑑定・NIPP)は、お母さんの血液に流れる赤ちゃん由来のDNAと父親候補のDNAを比べて、生まれる前に父子関係を調べる検査です。採血だけで受けられ、流産のリスクはありません。妊娠6週から受けられますが、赤ちゃんのDNAは週数とともに増えるため[2][5]、当院では妊娠8週以降をおすすめしています。

費用は鑑定220,000円と遺伝カウンセリング料22,000円(税込)で、法的鑑定は+33,000円です。結果は1週間以内(最速2日)、結果が出ないときは結果が出るまで再鑑定します。羊水・絨毛での鑑定や出生後の鑑定との選び方は、それぞれのページもあわせてご覧ください。

📅 妊娠中のDNA鑑定(NIPP)のご予約

臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングから採血、写真付き身分証での本人確認、結果の説明までを院内で行います。妊娠6週から(おすすめは8週以降)、結果は1週間以内(最速2日)です。妊娠中に調べる方法を比べたい方は羊水・絨毛での出生前親子鑑定を、生まれてからでよい方は出生後の親子鑑定をご覧ください。

参考文献

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  • [4] Hou Y, Yang J, Qi Y, et al. Factors affecting cell-free DNA fetal fraction: statistical analysis of 13,661 maternal plasmas for non-invasive prenatal screening. Hum Genomics. 2019;13:62. [DOI: 10.1186/s40246-019-0244-0]
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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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