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小頭症NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

小頭症NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

小頭症とは

小頭症は、頭囲が同年齢・性別の平均値と比較して著しく小さい状態を特徴とする疾患です。臨床的には、頭囲が同年齢・性別の平均値から標準偏差の2倍以上小さい(-2.0 SD未満)場合に小頭症と定義されることが多く、一部の専門家は-3.0 SD未満という基準を提唱しています。

小頭症は脳の発育不全を伴うことが多く、知的障害、運動機能障害、発話機能障害、てんかん発作などの神経学的問題を引き起こす可能性があります。小頭症は出生時に既に症状がみられる場合(先天性)と、出生後数年で症状が表出する場合(後天性)があります。

小頭症には、遺伝性の症候性小頭症(セッケル症候群などの他の身体的特徴を伴う)と、非症候性の原発性小頭症があります。症候性小頭症は、染色体異常や単一遺伝子疾患を含む多くの遺伝性症候群の症状として生じることがあり、原発性小頭症は小頭症のみが主症状となる遺伝的変異によって引き起こされます。発生頻度は出生800人から5,000人に1人程度と推定されており、比較的稀な疾患です。

症状と病態

小頭症の主な症状は頭囲の縮小ですが、脳の発育不全の程度によって症状の重症度は大きく異なります。多くの場合、脳の発育が影響を受けることで様々な神経学的症状が現れます。

主要症状

  • 頭囲の著しい減少(同年齢・性別の平均値から-2.0 SD以上小さい)
  • 後傾した額
  • たるんでしわが寄った頭皮
  • 顔面が頭蓋に比して大きく見える外観
  • 知的障害(程度は様々)
  • 発達遅延(運動機能、言語機能)
  • てんかん発作(痙攣)
  • 運動機能障害(巧緻運動障害から痙性四肢麻痺まで)
  • 哺乳不良
  • 多動症
  • 低身長(体全体の発育不全を伴うことが多い)

症候性小頭症の特徴

症候性小頭症では、小頭症に加えて以下のような症状が認められることがあります:

  • セッケル症候群:重度の小頭症、子宮内発育遅延、出生後の著しい低身長、特徴的な鳥様顔貌(鳥頭様小人症)、精神発達遅滞を特徴とする常染色体劣性遺伝疾患です
  • 聴覚障害:難聴を伴うことがあります
  • 視覚障害:視力低下、脈絡網膜炎などの眼科的問題
  • 嚥下障害:飲み込みの困難
  • バランス障害:運動協調性の問題
  • 脳性麻痺:重症例では脳性麻痺を発症

発症時期と進行

小頭症は、胎児期から出生時に既に症状が認められる先天性のものと、出生後に頭囲の成長が止まることで診断される後天性のものがあります。先天性小頭症の場合、妊娠後期(妊娠28週頃以降)の超音波検査で診断されることがあります。出生後は、定期的な頭囲測定により診断されます。

症状の重症度は個人差が大きく、軽症例では頭囲が小さいこと以外は正常に成長し、正常な知能発達を示すこともありますが、重症例では重度の神経学的障害を伴います。

原因と遺伝形式

小頭症の原因は多岐にわたりますが、大きく遺伝的要因と環境要因に分けられます。当検査パネルは、遺伝的要因による小頭症の診断を目的としています。

遺伝的要因

小頭症は、染色体異常や単一遺伝子疾患を含む様々な遺伝学的原因によって引き起こされます。遺伝形式には常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝、X連鎖遺伝などがあります。

症候性小頭症の原因遺伝子

  • セッケル症候群:ATR、RBBP8、CENPJ、CEP152、CEP63、NIN、PCNT、MRE11などの遺伝子変異により引き起こされます。DNA損傷修復や中心体機能に関わる遺伝子の異常が関与しています
  • その他の症候群:CREBBP遺伝子(Rubinstein-Taybi症候群)、ZEB2遺伝子(Mowat-Wilson症候群)などの変異も小頭症を引き起こします

非症候性(原発性)小頭症の原因遺伝子

  • 常染色体劣性原発性小頭症(MCPH):MCPH1、CDK5RAP2、ASPM、CENPJ、STIL、WDR62、CEP152、CEP135などの遺伝子変異によって引き起こされます。これらの遺伝子は脳の発生過程、特に神経幹細胞や中間神経前駆細胞の分裂に重要な役割を果たしています

環境要因(参考情報)

当検査では検出できませんが、以下のような環境要因も小頭症の原因となります:

  • 妊娠中の感染症(ジカウイルス、サイトメガロウイルス、風疹、トキソプラズマ、ヘルペス、梅毒、HIV)
  • 妊娠中のアルコール摂取
  • 有毒化学物質への曝露(ヒ素、水銀などの重金属、放射線)
  • 妊娠中の栄養失調
  • 分娩前および周産期の脳への低酸素や虚血、外傷
  • 出生後の脳炎や重症頭部外傷

ミネルバクリニックの小頭症遺伝子パネル検査の特徴

「小頭症NGSパネル検査」とは、現在小頭症の原因として報告されている75の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、小頭症に関連する75遺伝子を一度に調べられる「小頭症NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で小頭症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、小頭症に関係するとされる75の遺伝子を一度に調べられる「小頭症NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える小頭症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「小頭症NGSパネル検査」の場合、75の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状から小頭症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「小頭症NGSパネル検査」ならば、症候性小頭症(セッケル症候群など)から非症候性の原発性小頭症まで、臨床的に重要な75の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「小頭症NGSパネル検査」では、小頭症に関係するとされる75種類の遺伝子をまとめて検査します。これには、セッケル症候群などの症候性小頭症の原因遺伝子と、常染色体劣性原発性小頭症(MCPH)の原因遺伝子が含まれます。

「小頭症NGSパネル検査」は、小頭症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【小頭症の個人歴または家族歴のある方】に
「小頭症NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・頭囲が同年齢・性別の平均値から-2.0 SD以上小さい方
・出生時から頭囲が小さいと指摘された方
・頭囲の成長が止まってしまった方
・知的障害や発達遅延がある方
・てんかん発作(痙攣)を伴う方
・運動機能障害がある方
・セッケル症候群など症候性小頭症が疑われる方
・低身長や特徴的な顔貌を伴う方
・小頭症の家族歴がある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、小頭症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、早期介入プログラムの開始、定期的なモニタリング、適切な教育的支援を行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・症候性小頭症と非症候性小頭症の鑑別
・発達支援プログラムの早期開始
・てんかん発作のリスク評価と管理
・聴覚・視覚障害の早期発見と対応
・合併症の予測と予防的管理
・より個別化された治療と症状管理
・教育的支援の計画立案
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

AKT3, ANKLE2, ARFGEF2, ASPM, ATR, ATRIP, BUB1B, CASK, CDK5RAP2, CDK6, CENPE, CENPF, CENPJ, CEP135, CEP152, CEP63, CKAP2L, COX7B, CREBBP, CRIPT, DIAPH1, DNM1L, EFTUD2, HMGB3, IER3IP1, KATNB1, KIF11, KNL1, LIG4, MCPH1, MED17, MFSD2A, MRE11, MSMO1, MYCN, NBN, NDE1, NHEJ1, NIN, NR2E1, PAFAH1B1, PCLO, PCNT, PHC1, PLEKHG2, PLK4, PNKP, POMT1, PPP1R15B, PQBP1, QARS, RARS2, RBBP8, RTTN, SASS6, SLC1A4, SLC25A19, SLC9A6, SPATA5, STAMBP, STIL, THOC6, TRMT10A, TSEN2, TSEN34, TSEN54, TUBB2B, TUBGCP4, TUBGCP6, VRK1, WDR62, WDR73, XRCC4, ZEB2, ZNF335 ( 75遺伝子 )

これらの遺伝子は、脳の発生過程、特に神経幹細胞の分裂、中心体機能、DNA損傷修復、細胞周期制御など、様々な細胞プロセスに関与しています。

主要な原因遺伝子の詳細:

・MCPH1遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症1型(MCPH1)の原因遺伝子。DNA損傷応答と細胞周期チェックポイント制御に関与します。

・CDK5RAP2遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症3型(MCPH3)の原因遺伝子。中心体の機能と神経幹細胞の分裂に重要な役割を果たします。

・ASPM遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症5型(MCPH5)の原因遺伝子で、最も頻度の高い原因遺伝子の一つです。紡錘体の極での局在と有糸分裂時の中心体機能に関与します。

・CENPJ遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症6型(MCPH6)およびセッケル症候群4型の原因遺伝子。中心体の複製に必須のタンパク質をコードします。

・STIL遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症7型(MCPH7)の原因遺伝子。中心体の複製と神経前駆細胞の増殖に関与します。

・WDR62遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症2型(MCPH2)の原因遺伝子。紡錘体極での局在と有糸分裂の進行に重要です。

・CEP152遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症9型(MCPH9)およびセッケル症候群5型の原因遺伝子。中心体の複製開始に関与します。

・CEP135遺伝子:
常染色体劣性原発性小頭症8型(MCPH8)の原因遺伝子。中心小体の構造維持に重要です。

・ATR遺伝子:
セッケル症候群1型の原因遺伝子。DNA損傷修復とチェックポイント制御に関与するキナーゼをコードします。

・RBBP8遺伝子:
セッケル症候群2型の原因遺伝子。DNA二本鎖切断の修復に関与します。

・PCNT遺伝子:
セッケル症候群の原因遺伝子の一つで、原発性小頭症も引き起こします。中心体のペリセントリオール・マトリックスの主要構成要素です。

・MRE11遺伝子:
セッケル症候群に関連する遺伝子。DNA二本鎖切断の修復に関与し、染色体の安定性維持に重要です。

・CEP63遺伝子:
セッケル症候群6型の原因遺伝子。中心体の複製サイクルに関与します。

・NIN遺伝子:
セッケル症候群7型の原因遺伝子。中心体の成熟と微小管の組織化に関与します。

・CREBBP遺伝子:
Rubinstein-Taybi症候群の原因遺伝子で、小頭症を伴います。ヒストンアセチル化に関与する転写コアクチベーターをコードします。

・ZEB2遺伝子:
Mowat-Wilson症候群の原因遺伝子で、小頭症を伴います。神経系の発生に重要な転写因子をコードします。

・PAFAH1B1遺伝子:
滑脳症(lissencephaly)と小頭症を引き起こします。神経細胞の移動に重要な役割を果たします。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、75の遺伝的原因のみを対象としています。小頭症の多くの症例では、感染症や環境要因など非遺伝的原因によるものもあります。また、現在知られている遺伝子以外の未同定の遺伝子が原因である可能性もあります。検査で病原性変異が検出されなくても、小頭症を完全に否定することはできません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
頭囲が同年齢・性別の平均値から標準偏差の2倍以上小さい方、出生時から頭囲が小さいと指摘された方、頭囲の成長が止まってしまった方におすすめします。また、知的障害、発達遅延、てんかん発作などの神経学的症状を伴う場合や、低身長や特徴的な顔貌(鳥様顔貌など)を伴う場合も検査をご検討ください。家族に小頭症の方がいる場合も重要です。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
症候性小頭症と原発性小頭症の違いは何ですか?
症候性小頭症は、セッケル症候群のように小頭症に加えて低身長、特徴的な顔貌、その他の身体的特徴を伴うタイプです。原発性小頭症は、小頭症が主症状で他の身体的異常を伴わないタイプです。当検査では両方のタイプの原因遺伝子を包括的に検査できます。
家族も検査を受ける必要がありますか?
遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
小頭症の原因には、遺伝的要因以外にも感染症や環境要因など様々なものがあります。また、現在知られていない遺伝子が原因である可能性もあります。検査で病原性変異が検出されなくても、小頭症を完全に否定することはできません。臨床症状に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
小頭症の治療はどのように行われますか?
現在のところ、頭部を正常な大きさに戻す根本的な治療法はありません。症状を改善するための対症療法が治療の中心となります。発達支援プログラム(早期介入)、てんかんに対する抗てんかん薬、理学療法、作業療法、言語療法などが行われます。症状は個人差が大きいため、個々の患者さんに合った治療を進めることが重要です。
予後はどうですか?
小頭症の予後は原因や重症度によって大きく異なります。一般的に重症例では平均余命が短く、脳機能予後は不良ですが、軽症例では頭囲が小さいことを除いて正常な成長、正常な知能の発達がみられることもあります。早期介入と適切な支援により、発達を最大限促すことが可能です。
セッケル症候群とは何ですか?
セッケル症候群は、重度の小頭症、子宮内および出生後の成長障害による著しい低身長、特徴的な鳥様顔貌(鳥頭様小人症)、精神発達遅滞を特徴とする常染色体劣性遺伝疾患です。ATR、RBBP8、CENPJ、CEP152、CEP63、NIN、PCNTなどの遺伝子変異により引き起こされ、DNA損傷修復や中心体機能の異常が関与しています。当検査ではこれらの遺伝子も含まれています。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な75の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら