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肺がんのリキッドバイオプシーに含まれる遺伝子

肺がんのリキッドバイオプシーに含まれる遺伝子

肺がんのイメージ画像

がんは、診断される頻度が2番目に高いがんであり、男女を問わず、世界のがん死亡原因の第1位です。

非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がん診断の約85%を占めています。

非小細胞肺がん(NSCLC)は、多数の組織型と多くの既知のドライバー変異からなる異質な疾患の総称です。肺がんの位置は組織生検では届くことができないことが多いため、リキッドバイオプシーが腫瘍の分子プロファイリングを実現する唯一の方法となる可能性があります。

診療ガイドラインと肺がんリキッドバイオプシー

米国総合がんセンターネットワーク(National Comprehensive Cancer. Network:NCCN) 2021年版ガイドライン

セルフリーDNA/循環腫瘍DNA(リキッドバイオプシー)の使用は、患者が医学的に侵襲的な組織採取に適さない場合や、初期診断において病理確認後の分子解析のための材料が十分でない場合に検討可能です。

または、肺がんの初期診断において、病理学的確認後の分子解析のための材料(組織生検で得られた検体)が不十分(insufficient material)な場合には、cf/CtDNAの使用を検討することができる。

欧州臨床腫瘍学会ESMO2020年ガイドライン

リキッドバイオプシーは、EGFR変異のある非小細胞肺がんの二次治療において、T790M変異を検出するための最初の検査として使用できる。

肺がんリキッドバイオプシー検査とは?

肺がんリキッドバイオプシー検査で選ばれているバリアントは、国際的ながん治療ガイドラインを考慮に入れた徹底的調査後に選択されました。

肺がんリキッドバイオプシー検査では、以下のようなバリアントをスクリーニングします。

  • ・臨床的に重要性が高い(AMP/ASCO/CAPガイドラインによるTier1およびTier2バリアント
  • ・FDAやEMAで使用が承認されている免疫療法薬を含む標的治療薬に関連するもの
  • ・NCCN、ESMO、ASCOが定める臨床試験ガイドラインに含まれるもの
  • ・臨床試験の組み入れ基準や除外基準の一部となっている
  • ・治療抵抗性の指標となりうる

ミネルバクリニックの肺がんリキッドバイオプシーの検査に含まれる遺伝子

遺伝子

塩基バリアント

(SNV)/indels

Copy Number
Alterations (CNV)
Rearrangements
AKT1 Exon4    
ALK Exon18-20, 22-23  
APC    
ARAF Exon7    
ATM    

BRAF Exon9-12,16

   
BRCA2    
CTNNB1 Exon3    
DOR2 Exon17    
EGFR Exon2-5, 8-10, 12,14-15, 17-24, 27-28  
ERBB2 Exon7-8, 11-12, 14, 23-28, 31  
ERBB3 Exon4, 7-8, 11-12, 16-18
ERBB4 Exon7, 15, 19, 23
FBXW7 Exon6-7, 9-14    

FGFR1 Exon3, 6-10, 13-14, 17-19

   
FGFR2 Exon2-9, 11, 13-18    
FGFR3 Exon4, 7-8, 11-12, 16-18  
JAK2 Exon14
KEAP1 Exon3-4
KRAS Exon2-5  
MAP2K1 Exon2-3, 6-7  
MET Exon2-6, 8-21  
NRAS Exon2-4  
NTRK1 Exon7-15 〇 
NTRK2 Exon12-13, 15-16 〇 
NTRK3 Exon14-15 〇 
PDGFRA Exon18    
PIK3CA Exon2-6, 8, 10, 16-17, 19-21    
POLE Exon 2-49    
PTEN    
RAF1 Exon7    
RET  
ROS1 Exon31-36  
SMAD4    
STK11    
TP53    

NCCN/ESMOのガイドラインから推奨されているFDA/EMA認可の大腸がんの分子標的治療薬とそのターゲット

NCCN/ESMOのガイドラインから推奨されているFDA/EMA認可の大腸がんの分子標的とその治療薬
EGFR アファチニブ、エルロチニブ、ダコミチニブ、ゲフィチニブ、オシメrチニブ、ラクシルマブ、アミバンタマブ
EGFR野生型(変異がない) アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ
ALK アレクチニブ、ブリガチニブ、セリチニブ、クリゾチニブ、ロルラチニブ
ALK野生型 アレクチニブ、イピリムマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ
ROS1 クリゾチニブ、エントレクトニブ
BRAF ダブラフェニブ、トラメチニブ
MET カプマチニブ、テポチニブ
RET プラルセチニブ、セルペルカチニブ
KRAS ソトラシブ
NTRK1/2/3融合 ラロトレクチニブ、エントレクチニブ
MSI ペンブロリズマブ

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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