ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック
糸球体性蛋白尿とネフローゼ症候群とは
糸球体性蛋白尿とは、腎臓の糸球体(血液をろ過する部分)が障害されることで、本来尿中に漏れ出さないはずのタンパク質(主にアルブミン)が大量に尿中に排泄される状態です。正常では尿蛋白排泄量は1日に70mg程度ですが、糸球体障害では1日0.1g~20g以上までの様々な程度の蛋白尿が認められます。
ネフローゼ症候群は、腎糸球体の透過性が亢進することによって大量の尿蛋白(主にアルブミン)が排泄され、これに伴う低アルブミン血症を特徴とする症候群です。成人の診断基準は尿蛋白3.5g/日以上が継続し、血清アルブミン値が3.0g/dL以下に低下することです。このうち、原因疾患があるものが二次性、明らかな原因疾患がないものが一次性ネフローゼ症候群です。
糸球体は腎臓の中で血液をろ過して尿の原料を作る部分です。糸球体の基底膜はコーヒーのフィルターのような役目をしており、正常では大きなタンパク質を通しません。しかし、遺伝子変異により糸球体のろ過バリア(特にポドサイトや糸球体基底膜)が障害されると、タンパク質が尿中に漏れ出てしまいます。
症状と病態
糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群の主な症状は、大量の尿蛋白排泄に伴う低アルブミン血症とその結果生じる浮腫(むくみ)です。発症年齢や進行速度は原因遺伝子によって大きく異なります。
主要症状
- 大量の蛋白尿(泡立つ尿)
- 全身性浮腫(むくみ)- 特に顔面、下肢、陰嚢
- 低アルブミン血症(血液中のタンパク質低下)
- 高コレステロール血症(脂質異常症)
- 体重増加(水分貯留による)
- 腹水(お腹に水が溜まる)
- 胸水(肺に水が溜まる)
- 易疲労感
合併症
ネフローゼ症候群では以下の合併症に注意が必要です:
- 腎機能低下・腎不全:進行すると慢性腎不全、末期腎不全に至り、透析療法や腎移植が必要となることがあります
- 血栓症:肺梗塞、心筋梗塞、脳梗塞、腎静脈血栓症などのリスクが高まります
- 感染症:免疫機能低下により、細菌性腹膜炎などの感染症にかかりやすくなります
- 栄養障害:タンパク質の喪失により、成長障害や栄養不良が生じることがあります
- 骨疾患:ビタミンD欠乏による骨の問題が生じることがあります
遺伝性腎疾患の特徴
原因遺伝子によって、発症時期や症状パターンが異なります:
- 先天性ネフローゼ症候群:生後3ヶ月以内に発症。NPHS1(フィンランド型)やNPHS2遺伝子変異が原因。胎児期からの高度の蛋白漏出に伴い、巨大胎盤となることが特徴です
- 乳児ネフローゼ症候群:生後3ヶ月~1歳に発症。NPHS2、WT1、LAMB2、PLCE1などの遺伝子変異が原因です
- ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群:ステロイド治療に反応しない難治性の病型。NPHS2、ACTN4、TRPC6、INF2、CD2AP、MYO1Eなどの遺伝子変異が関与します
- 遺伝性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS):全年齢層に発症し、ネフローゼ症候群を呈することが多い疾患。ACTN4、TRPC6、INF2、CD2APなどの遺伝子変異が原因です
- アルポート症候群:COL4A3、COL4A4、COL4A5遺伝子変異による遺伝性腎炎。血尿、蛋白尿、進行性腎機能低下に加え、難聴や眼症状を合併します
進行と予後
疾患の進行速度は原因遺伝子や患者さんによって大きく異なります。NPHS1変異による先天性ネフローゼ症候群では生後数年以内に末期腎不全に至ることが多い一方、一部の遺伝子変異では比較的緩徐に進行します。ステロイド治療への反応性も遺伝子によって異なり、遺伝性の場合は一般的にステロイド抵抗性を示すことが多いです。
遺伝形式と原因遺伝子
遺伝性の糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群は遺伝学的に非常に多様性が高く、常染色体優性(顕性)遺伝、常染色体劣性(潜性)遺伝、X連鎖遺伝のいずれの形式でも発症します。現在までに50以上の原因遺伝子が同定されています。
主要な疾患と原因遺伝子
1. ネフローゼ症候群関連遺伝子
常染色体劣性(潜性)遺伝形式(早期発症・重症型):
- NPHS1遺伝子:ネフリンをコードし、スリット膜の主要構成要素。フィンランド型先天性ネフローゼ症候群の原因遺伝子で、生後数日~数週間で発症します
- NPHS2遺伝子:ポドシンをコードし、スリット膜に局在。乳児~小児期発症のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の最も頻度の高い原因遺伝子です
- WT1遺伝子:ウィルムス腫瘍1タンパク質をコードする転写因子。Denys-Drash症候群やFrasier症候群の原因となります
- LAMB2遺伝子:ラミニンβ2鎖をコードし、糸球体基底膜の構成要素。Pierson症候群(先天性ネフローゼ症候群+眼異常)の原因です
- PLCE1遺伝子:ホスホリパーゼCε1をコードし、細胞内シグナル伝達に関与します
2. 遺伝性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)関連遺伝子
常染色体優性(顕性)遺伝形式(成人発症型):
- ACTN4遺伝子:α-アクチニン4をコードし、ポドサイトの足突起の細胞骨格を構成。成人発症の家族性FSGSの原因遺伝子です
- TRPC6遺伝子:カルシウムチャネルをコードし、ポドサイトのカルシウム流入経路として機能。家族性FSGSの原因遺伝子の一つです
- INF2遺伝子:インバーテッドフォルミン2をコードし、アクチン細胞骨格の調節に関与。常染色体優性FSGSの最も頻度の高い原因遺伝子です
- CD2AP遺伝子:CD2結合タンパク質をコードし、スリット膜と細胞骨格をつなぐアダプタータンパク質として機能します
常染色体劣性(潜性)遺伝形式:
- MYO1E遺伝子:ミオシン1Eをコードし、ポドサイトの足突起の維持に関与。小児期発症のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因です
3. アルポート症候群関連遺伝子
- COL4A5遺伝子:IV型コラーゲンα5鎖をコードし、X連鎖遺伝形式。アルポート症候群の約80%を占めます。男性で重症、女性で軽症~中等症の腎炎、難聴、眼症状を呈します
- COL4A3・COL4A4遺伝子:IV型コラーゲンα3鎖・α4鎖をコードし、常染色体劣性遺伝形式(約15%)または常染色体優性遺伝形式(約5%)。糸球体基底膜の構成要素です
4. その他の重要な原因遺伝子
- APOL1遺伝子:アポリポタンパク質L1をコードし、特定のリスク変異は主にアフリカ系の人々でFSGSのリスクを高めます
- MYH9遺伝子:非筋型ミオシン重鎖IIAをコードし、May-Hegglin異常やFechtner症候群などの症候群性FSGS/腎疾患の原因です
- CFH遺伝子:補体因子Hをコードし、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)や膜性増殖性糸球体腎炎の原因となります
- COQ2、COQ6、COQ8B、PDSS2遺伝子:コエンザイムQ10生合成に関与し、ミトコンドリア機能障害による腎疾患を引き起こします
当検査パネルでは、これらの原因遺伝子を含む76遺伝子を対象としています。これにより、遺伝性の糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群の主要な原因を包括的にスクリーニングすることが可能です。
ミネルバクリニックのネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿遺伝子パネル検査の特徴
「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」とは、現在遺伝性の糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群の原因として報告されている76の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。
従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。
何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群に関連する76遺伝子を一度に調べられる「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」を採用しています。
一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。
1.費用がリーズナブル
一般的な医療機関で遺伝性腎疾患の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。
当院では、糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群に関係するとされる76の遺伝子を一度に調べられる「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)
2.結果が出るまでがはやい
一般的な医療機関で行える遺伝性腎疾患の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。
当院で行う「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」の場合、76の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。
3.一気にまとめてできる
臨床症状から遺伝性腎疾患を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。
当院で行う「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な76の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。
オプション
塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)
検査内容
「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」では、遺伝性の糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群に関係するとされる76種類の遺伝子(ABCC6、ACTN4、ALG1、AMN、ANLN、APOE、APOL1、ARHGAP24、ARHGDIA、CD151、CD2AP、CFH、COL4A3、COL4A4、COL4A5、COQ2、COQ6、COQ8B、CRB2、CUBN、DGKE、ELMO1、EMP2、ENPP1、ERCC4、EXT1、FAN1、FAT1、FGA、FN1、FOXP3、HNF1B、INF2、ITGA3、ITGB4、KANK1、KANK2、KANK4、LAGE3、LAMB2、LMX1B、LPL、LRP2、MAFB、MAGI2、MEFV、MYH9、MYO1E、NEIL1、NPHS1、NPHS2、NUP107、NUP205、NUP93、NXF5、OSGEP、PAX2、PDSS2、PLCE1、PMM2、PTPRO、REN、SCARB2、SEC61A1、SGPL1、SMARCAL1、TP53RK、TPRKB、TRPC6、TTC21B、UMOD、WDR73、WT1、XPO5、ZAP70、ZMPSTE24)をまとめて検査します。
「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」は、遺伝性腎疾患の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。
どんな人が受けたらいいの?
【遺伝性腎疾患、ネフローゼ症候群の個人歴または家族歴のある方】に
「ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。
この検査は以下のような方に適しています:
・乳幼児期~小児期に発症したネフローゼ症候群の方
・ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の方
・家族性のネフローゼ症候群や腎疾患の方
・原因不明の持続的な蛋白尿がある方(特に大量の蛋白尿)
・腎生検で巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)と診断された方
・血尿と蛋白尿を認め、アルポート症候群が疑われる方
・難聴や眼症状を伴う腎疾患の方
・家族に血尿や腎不全の既往がある方
・微小変化型ネフローゼ症候群でステロイド依存性または頻回再発型の方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方
このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。
検査で得られる患者さんの潜在的利益は?
遺伝子検査により原因が判明すると、遺伝性腎疾患の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、適切な腎保護治療、生活習慣の改善、定期的なモニタリングを行うことができます。
遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・原因不明の蛋白尿やネフローゼ症候群の鑑別診断
・ステロイド治療の適応判断(遺伝性の場合はステロイド抵抗性が多い)
・免疫抑制療法の適応と効果予測
・腎機能低下の進行リスク評価
・腎移植後の再発リスク評価(特にFSGS)
・難聴や眼症状などの合併症の早期発見とモニタリング
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供
患者さんで病原性変異が同定された場合、遺伝形式に応じて家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症するリスクは50%、常染色体劣性遺伝の場合は兄弟姉妹が発症するリスクは25%、X連鎖遺伝の場合は男児が発症するリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。
対象遺伝子
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ABCC6, ACTN4, ALG1, AMN, ANLN, APOE, APOL1, ARHGAP24, ARHGDIA, CD151, CD2AP, CFH, COL4A3, COL4A4, COL4A5, COQ2, COQ6, COQ8B, CRB2, CUBN, DGKE, ELMO1, EMP2, ENPP1, ERCC4, EXT1, FAN1, FAT1, FGA, FN1, FOXP3, HNF1B, INF2, ITGA3, ITGB4, KANK1, KANK2, KANK4, LAGE3, LAMB2, LMX1B, LPL, LRP2, MAFB, MAGI2, MEFV, MYH9, MYO1E, NEIL1, NPHS1, NPHS2, NUP107, NUP205, NUP93, NXF5, OSGEP, PAX2, PDSS2, PLCE1, PMM2, PTPRO, REN, SCARB2, SEC61A1, SGPL1, SMARCAL1, TP53RK, TPRKB, TRPC6, TTC21B, UMOD, WDR73, WT1, XPO5, ZAP70, ZMPSTE24 ( 76遺伝子 )
主要な遺伝子の詳細:
・NPHS1遺伝子:
ネフリン(nephrin)をコードする遺伝子。スリット膜の最も重要な構成タンパク質で、タンパク尿を防ぐ働きを持ちます。フィンランド型先天性ネフローゼ症候群の原因遺伝子として知られ、常染色体劣性遺伝形式をとります。生後数日~数週間で高度の蛋白尿とネフローゼ症候群を発症します。
・NPHS2遺伝子:
ポドシン(podocin)をコードする遺伝子。スリット膜に局在し、ネフリンと相互作用してろ過バリアを形成します。常染色体劣性遺伝形式で、乳児~小児期発症のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の最も頻度の高い原因遺伝子です。
・WT1遺伝子:
ウィルムス腫瘍1タンパク質(Wilms’ tumor 1)をコードする転写因子。ポドサイトの分化と維持に重要な役割を果たします。Denys-Drash症候群(男性仮性半陰陽、ウィルムス腫瘍、腎症)やFrasier症候群(男性仮性半陰陽、巣状分節性糸球体硬化症)の原因となります。
・LAMB2遺伝子:
ラミニンβ2鎖をコードし、糸球体基底膜の構成要素。常染色体劣性遺伝形式で、Pierson症候群(先天性ネフローゼ症候群+小眼球症などの眼異常)の原因です。
・PLCE1遺伝子:
ホスホリパーゼCε1(phospholipase C epsilon 1)をコードし、細胞内シグナル伝達に関与します。常染色体劣性遺伝形式で、早期発症型のネフローゼ症候群やびまん性メサンギウム硬化症の原因となります。
・ACTN4遺伝子:
α-アクチニン4(alpha-actinin-4)をコードし、ポドサイトの足突起の細胞骨格を構成します。常染色体優性遺伝形式で、成人発症の家族性巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の原因遺伝子です。
・TRPC6遺伝子:
陽イオンチャネルTRPC6(transient receptor potential cation channel 6)をコードし、ポドサイトのカルシウム流入経路として機能します。常染色体優性遺伝形式で、家族性FSGSの原因遺伝子の一つです。
・INF2遺伝子:
インバーテッドフォルミン2(inverted formin 2)をコードし、アクチン細胞骨格の調節に関与します。常染色体優性遺伝形式で、常染色体優性FSGSの最も頻度の高い原因遺伝子です(家族性FSGSの約17%)。
・CD2AP遺伝子:
CD2結合タンパク質(CD2-associated protein)をコードし、スリット膜と細胞骨格をつなぐアダプタータンパク質として機能します。ネフリンやポドシンと相互作用し、ポドサイトの構造維持に重要です。
・MYO1E遺伝子:
ミオシン1E(myosin 1E)をコードし、ポドサイトの足突起の維持に関与します。常染色体劣性遺伝形式で、小児期発症のステロイド抵抗性ネフローゼ症候群の原因です。
・COL4A5遺伝子:
IV型コラーゲンα5鎖をコードし、糸球体基底膜の主要構成要素。X連鎖遺伝形式で、アルポート症候群の約80%を占めます。男性で重症、女性で軽症~中等症の腎炎を呈し、難聴や眼症状(前部円錐水晶体、網膜斑点など)を合併します。
・COL4A3・COL4A4遺伝子:
IV型コラーゲンα3鎖・α4鎖をコードし、糸球体基底膜の構成要素。常染色体劣性遺伝形式でアルポート症候群(約15%)、常染色体優性遺伝形式で菲薄基底膜病または遅発性アルポート症候群(約5%)の原因となります。
・APOL1遺伝子:
アポリポタンパク質L1(apolipoprotein L1)をコードします。G1とG2と呼ばれる特定のリスク変異は、主にアフリカ系の人々でFSGSや高血圧性腎硬化症のリスクを著しく高めます。
・MYH9遺伝子:
非筋型ミオシン重鎖IIA(non-muscle myosin heavy chain IIA)をコードします。May-Hegglin異常、Fechtner症候群、Sebastian症候群などの症候群性FSGS/腎疾患の原因です。血小板異常や難聴を合併します。
・CFH遺伝子:
補体因子H(complement factor H)をコードし、補体の代替経路の調節に関与します。非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)や膜性増殖性糸球体腎炎の原因となります。
・COQ2、COQ6、COQ8B、PDSS2遺伝子:
コエンザイムQ10(CoQ10)生合成経路に関与する遺伝子。常染色体劣性遺伝形式で、ミトコンドリア機能障害によるステロイド抵抗性ネフローゼ症候群を引き起こします。CoQ10補充療法が有効な場合があります。
その他、ANLN、ARHGAP24、ARHGDIA、CRB2、DGKE、FN1、HNF1B、KANK1、KANK2、KANK4、LMX1B、MAGI2、PAX2、SMARCAL1など、糸球体のポドサイト機能、細胞骨格、シグナル伝達、核膜孔複合体、腎臓発生に関与する多数の遺伝子も含まれています。
カバレッジ
カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。
≥99% at 20x(読み取り深度平均20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。
検体
血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)
※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。
検査の限界
- 詳しくはこちら
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すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。
遺伝子特異的な制限:
ALG1遺伝子については、高度に相同な領域の干渉により、現在の検査方法ではエキソン6-13(NM_019109.4)の変異検出感度が低下しています。
低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。
この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。
※この検査パネルでは、76の遺伝子を対象としていますが、すべての遺伝性腎疾患の原因遺伝子を網羅しているわけではありません。検査で病原性変異が検出されなくても、遺伝性腎疾患を完全に否定することはできません。また、多因子性の腎疾患や環境因子の関与も考慮する必要があります。
結果が出るまでの期間
2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。
料金
税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)
よくあるご質問
- どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
- 乳幼児期~小児期に発症したネフローゼ症候群、ステロイド治療に反応しないネフローゼ症候群、家族に腎疾患の方がいる場合におすすめします。また、原因不明の持続的な蛋白尿(特に大量)がある方、腎生検で巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)と診断された方、血尿と蛋白尿に難聴や眼症状を伴う場合(アルポート症候群疑い)も検査をご検討ください。
- 検査はどのように行いますか?
- 血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
- ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群とは何ですか?
- ステロイド薬(プレドニゾロン)による標準的な治療を4週間以上行っても完全寛解しないネフローゼ症候群を指します。遺伝性の場合、多くがステロイド抵抗性を示します。遺伝子検査により原因が判明すれば、ステロイド以外の治療法の選択や、無効な治療の回避、腎移植のタイミングなどを検討する上で有用な情報が得られます。
- アルポート症候群とはどのような病気ですか?
- IV型コラーゲン遺伝子(COL4A3、COL4A4、COL4A5)の変異により、糸球体基底膜が障害される遺伝性腎炎です。血尿、蛋白尿、進行性の腎機能低下に加え、感音性難聴や眼症状(前部円錐水晶体、網膜斑点など)を合併することが特徴です。X連鎖遺伝形式が最も多く(約80%)、男性で重症、女性で軽症~中等症を呈します。
- 家族も検査を受ける必要がありますか?
- 遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。X連鎖遺伝の場合、男児が発症するリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
- 腎移植後に再発することはありますか?
- 原因遺伝子によって腎移植後の再発リスクが異なります。特にFSGSでは移植後に再発することがあり(約30~50%)、特に循環性の透過性因子が関与する場合は再発率が高くなります。一方、遺伝性のFSGS(NPHS2、ACTN4、TRPC6、INF2などの変異による)では、一般的に移植後の再発リスクは低いとされています。ただし、NPHS1変異によるフィンランド型先天性ネフローゼ症候群では、移植腎に対する抗ネフリン抗体による再発が報告されています。遺伝子検査により原因を特定することは、移植後の管理戦略を立てる上で重要です。
- 検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
- 検査で病原性変異が検出されなくても、遺伝性腎疾患を完全に否定することはできません。未だ同定されていない原因遺伝子が存在する可能性や、検査対象外の領域に変異がある可能性、多因子性の要因などが考えられます。臨床症状と腎生検所見に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
- 保険は適用されますか?
- 当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
- 結果はどのように説明されますか?
- 検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。病原性変異が同定された場合は、その遺伝子の機能、遺伝形式、予後、治療オプションなどについて詳しくご説明します。
- 子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
- 遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%、X連鎖遺伝の場合は男児が発症する確率は50%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
- 遺伝性腎疾患の治療はどのように行われますか?
- 原因遺伝子によって治療アプローチが異なります。ステロイド抵抗性の場合は、カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン、タクロリムス)、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどの免疫抑制療法が試みられます。ACE阻害薬やARBによる腎保護療法も重要です。CoQ10欠乏症(COQ2、COQ6変異)ではCoQ10補充療法が有効な場合があります。アルポート症候群では、ACE阻害薬/ARBによる早期介入が腎機能保持に有効です。末期腎不全に至った場合は透析療法や腎移植が必要となります。
- 予後はどうですか?
- 疾患の進行速度は原因遺伝子や個人によって大きく異なります。NPHS1変異による先天性ネフローゼ症候群では、生後数年以内に末期腎不全に至ることが多いです。NPHS2変異では小児期~青年期に末期腎不全に至ることが多いですが、進行速度には個人差があります。ACTN4、TRPC6、INF2などの成人発症型FSGSでは、診断から末期腎不全まで数年~数十年かかることもあります。X連鎖型アルポート症候群の男性では20~30歳代で末期腎不全に至ることが多いですが、早期からのACE阻害薬/ARB治療により腎機能保持期間が延長する可能性があります。
- 他の医療機関での検査との違いは何ですか?
- 当院では臨床的に重要な76の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。
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“headline”: “ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック”,
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“糸球体性蛋白尿とネフローゼ症候群とは”,
“症状と病態”,
“遺伝形式と原因遺伝子”,
“ミネルバクリニックのネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿遺伝子パネル検査の特徴”,
“検査内容”,
“よくあるご質問”
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“name”: “ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿”,
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“description”: “腎糸球体の透過性亢進により大量の尿蛋白が排泄され、低アルブミン血症と浮腫を呈する症候群。遺伝子変異により糸球体のろ過バリアが障害されることで発症。”,
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“name”: “ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿 NGSパネル検査”,
“description”: “遺伝性の糸球体性蛋白尿およびネフローゼ症候群に関係する76種類の遺伝子をまとめて検査するパネル検査”,
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“testDetails”: “NPHS1、NPHS2、WT1、LAMB2、PLCE1、ACTN4、TRPC6、INF2、CD2AP、MYO1E、COL4A3、COL4A4、COL4A5など76遺伝子を評価”,
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“name”: “臨床遺伝学”
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“@type”: “Question”,
“name”: “どのような症状があれば検査を受けるべきですか?”,
“acceptedAnswer”: {
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“text”: “乳幼児期~小児期に発症したネフローゼ症候群、ステロイド治療に反応しないネフローゼ症候群、家族に腎疾患の方がいる場合におすすめします。また、原因不明の持続的な蛋白尿(特に大量)がある方、腎生検で巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)と診断された方、血尿と蛋白尿に難聴や眼症状を伴う場合(アルポート症候群疑い)も検査をご検討ください。”
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“@type”: “Question”,
“name”: “検査はどのように行いますか?”,
“acceptedAnswer”: {
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“text”: “血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。”
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“@type”: “Question”,
“name”: “ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群とは何ですか?”,
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“@type”: “Answer”,
“text”: “ステロイド薬(プレドニゾロン)による標準的な治療を4週間以上行っても完全寛解しないネフローゼ症候群を指します。遺伝性の場合、多くがステロイド抵抗性を示します。遺伝子検査により原因が判明すれば、ステロイド以外の治療法の選択や、無効な治療の回避、腎移植のタイミングなどを検討する上で有用な情報が得られます。”
}
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“@type”: “Question”,
“name”: “アルポート症候群とはどのような病気ですか?”,
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“text”: “IV型コラーゲン遺伝子(COL4A3、COL4A4、COL4A5)の変異により、糸球体基底膜が障害される遺伝性腎炎です。血尿、蛋白尿、進行性の腎機能低下に加え、感音性難聴や眼症状(前部円錐水晶体、網膜斑点など)を合併することが特徴です。X連鎖遺伝形式が最も多く(約80%)、男性で重症、女性で軽症~中等症を呈します。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “家族も検査を受ける必要がありますか?”,
“acceptedAnswer”: {
“@type”: “Answer”,
“text”: “遺伝形式によって家族の発症リスクが異なります。常染色体優性遺伝の場合、患者さんのお子さんが発症するリスクは50%です。常染色体劣性遺伝の場合、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。X連鎖遺伝の場合、男児が発症するリスクは50%です。ご家族の検査により、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “腎移植後に再発することはありますか?”,
“acceptedAnswer”: {
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“text”: “原因遺伝子によって腎移植後の再発リスクが異なります。特にFSGSでは移植後に再発することがあり(約30~50%)、特に循環性の透過性因子が関与する場合は再発率が高くなります。一方、遺伝性のFSGS(NPHS2、ACTN4、TRPC6、INF2などの変異による)では、一般的に移植後の再発リスクは低いとされています。ただし、NPHS1変異によるフィンランド型先天性ネフローゼ症候群では、移植腎に対する抗ネフリン抗体による再発が報告されています。遺伝子検査により原因を特定することは、移植後の管理戦略を立てる上で重要です。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?”,
“acceptedAnswer”: {
“@type”: “Answer”,
“text”: “検査で病原性変異が検出されなくても、遺伝性腎疾患を完全に否定することはできません。未だ同定されていない原因遺伝子が存在する可能性や、検査対象外の領域に変異がある可能性、多因子性の要因などが考えられます。臨床症状と腎生検所見に基づいた診断と管理が引き続き重要です。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “保険は適用されますか?”,
“acceptedAnswer”: {
“@type”: “Answer”,
“text”: “当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “結果はどのように説明されますか?”,
“acceptedAnswer”: {
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“text”: “検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。病原性変異が同定された場合は、その遺伝子の機能、遺伝形式、予後、治療オプションなどについて詳しくご説明します。”
}
},
{
“@type”: “Question”,
“name”: “子どもや将来の妊娠への影響はありますか?”,
“acceptedAnswer”: {
“@type”: “Answer”,
“text”: “遺伝形式によって子どもへの影響が異なります。常染色体優性遺伝の場合は子どもが発症する確率は50%、常染色体劣性遺伝の場合は保因者同士のカップルで子どもが発症する確率は25%、X連鎖遺伝の場合は男児が発症する確率は50%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。”
}
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{
“@type”: “Question”,
“name”: “遺伝性腎疾患の治療はどのように行われますか?”,
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“text”: “原因遺伝子によって治療アプローチが異なります。ステロイド抵抗性の場合は、カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン、タクロリムス)、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブなどの免疫抑制療法が試みられます。ACE阻害薬やARBによる腎保護療法も重要です。CoQ10欠乏症(COQ2、COQ6変異)ではCoQ10補充療法が有効な場合があります。アルポート症候群では、ACE阻害薬/ARBによる早期介入が腎機能保持に有効です。末期腎不全に至った場合は透析療法や腎移植が必要となります。”
}
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“name”: “予後はどうですか?”,
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“text”: “疾患の進行速度は原因遺伝子や個人によって大きく異なります。NPHS1変異による先天性ネフローゼ症候群では、生後数年以内に末期腎不全に至ることが多いです。NPHS2変異では小児期~青年期に末期腎不全に至ることが多いですが、進行速度には個人差があります。ACTN4、TRPC6、INF2などの成人発症型FSGSでは、診断から末期腎不全まで数年~数十年かかることもあります。X連鎖型アルポート症候群の男性では20~30歳代で末期腎不全に至ることが多いですが、早期からのACE阻害薬/ARB治療により腎機能保持期間が延長する可能性があります。”
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“@type”: “Question”,
“name”: “他の医療機関での検査との違いは何ですか?”,
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“text”: “当院では臨床的に重要な76の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。”
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“name”: “ネフローゼ症候群・糸球体性蛋白尿NGS遺伝子検査パネル|ミネルバクリニック”
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プロフィール
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。
仲田洋美のプロフィールはこちら