疾患概要
COACH syndrome 2 COACH症候群2 619111 AR 3
COACH症候群-2(COACH2)は染色体4p15に位置するCC2D2A遺伝子(612013)の複合ヘテロ接合体変異に起因することが示されているため、この病気を表す際には番号記号(#)が用いられます。
ジュベール症候群-9(JBTS9;612285)とメッケル症候群-6(MKS6;612284)は、表現型が重なる関連する遺伝子の病気です。
COACH症候群は、知的発達障害、運動失調を引き起こす小脳低形成、および肝線維症を主な特徴とする常染色体劣性遺伝疾患です。コロボーマや腎嚢胞などの追加的な特徴も見られます。この症候群は、先天性肝線維症を伴うJoubert症候群の一形態と見なされることがあります。重大な合併症には、致死的な可能性のある門脈圧亢進症による静脈瘤出血が含まれるため、肝疾患の診断は特に重要です。
COACH症候群の名称は、この疾患の特徴的な症状と所見から来ています。COACHは以下の各単語の頭文字を取ったものです:
Cerebellar vermis hypoplasia(小脳虫部低形成):小脳の一部が正常に発達しない状態。
Oligophrenia(知能低下):知的障害の古い用語。
Ataxia(運動失調):筋肉の協調が取れない状態。
Coloboma(虹彩欠損症):目の一部が正常に形成されない病状。
Hepatic fibrosis(肝線維症):肝臓の組織が傷つき、瘢痕組織(線維組織)に置き換わる状態。
これらの特徴を基に、COACH症候群という名前が付けられています。この病名は、症状の概要を簡潔に伝えるものであり、診断や研究のために用いられます。
遺伝的不均一性
臨床的特徴
また、Dohertyらによる2010年の研究では、3歳の男児患者(UW67)が取り上げられました。この患者は、呼吸制御の異常、脳のMRI検査で見られる特定の徴候、肝酵素の上昇、先天性の肝線維症、知的発達の障害、そして高血圧とともにエコーで確認される異常な腎臓を有していました。
遺伝
分子遺伝学
また、COACH2症候群を発症した3歳の男児(ケースUW67)においては、Dohertyら(2010年)がCC2D2A遺伝子の異なる複合ヘテロ接合体変異(番号612013.0007と612013.0008)を同定しました。