AIRE, AKR1C4, ANOS1, AR, AXL, BMP15, CBX2, CCDC141, CHD7, CLPP, CYP11A1, CYP17A1, CYP19A1, CYP21A2, DAP3, DHH, DUSP6, EIF2B1, EIF2B2, EIF2B3, EIF2B4, EIF2B5, ERAL1, ERCC6, ESR1, FANCM, FEZF1, FGF17, FGF8, FGFR1, FIGLA, FLRT3, FMR1, FOXL2, FSHB, FSHR, GALT, GDF9, GGPS1, GNAS, GNRH1, GNRHR, HARS2, HESX1, HFE, HFM1, HOXA13, HS6ST1, HSD17B3, HSD17B4, IL17RD, KIAA0391, KISS1, KISS1R, LARS2, LEP, LEPR, LHB, LHCGR, LHX3, LHX4, LMNA, MAP3K1, MCM8, MCM9, MRPL49, NOBOX, NR0B1, NR3C1, NR5A1, NSMF, NUP107, PADI6, PCSK1, PEX6, POLG, POU1F1, PRLR, PROK2, PROKR2, PROP1, PSMC3IP, RMND1, RSPO1, SEMA3A, SOHLH1, SOX3, SRA1, SRD5A2, SRY, STAG3, STAR, SYCE1, SYCP3, TAC3, TACR3, TUBB8, TWNK, WDR11, WNT4, WT1, ZP1 ( 102遺伝子 )
各遺伝子の主な機能と関連病態:
・AIRE遺伝子:
自己免疫調節因子をコードし、自己免疫性多腺性内分泌不全症候群に関連します。
・BMP15遺伝子:
骨形成タンパク質15をコードする遺伝子。卵胞発育と卵母細胞の質に重要な役割を果たし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。X連鎖遺伝形式をとります。
・CHD7遺伝子:
クロモドメインヘリカーゼDNA結合タンパク質7をコードし、CHARGE症候群の原因遺伝子です。性腺機能低下症を伴うことがあります。
・CYP11A1遺伝子:
コレステロール側鎖切断酵素をコードし、ステロイドホルモン合成の初発酵素です。変異により副腎不全と性腺機能不全を引き起こします。
・CYP17A1遺伝子:
17α-ヒドロキシラーゼ/17,20-リアーゼをコードし、ステロイドホルモン合成に関与します。変異により性分化異常と副腎機能不全を引き起こします。
・CYP19A1遺伝子:
アロマターゼをコードし、アンドロゲンからエストロゲンへの変換に必須の酵素です。変異により性分化異常や卵巣機能不全を引き起こします。
・CYP21A2遺伝子:
21-ヒドロキシラーゼをコードし、先天性副腎過形成の最も一般的な原因遺伝子です。
・ERCC6遺伝子:
DNA修復に関与するタンパク質をコードし、変異によりコケイン症候群を引き起こします。早発卵巣不全に関連することがあります。
・ESR1遺伝子:
エストロゲン受容体αをコードし、エストロゲンの作用発現に重要です。
・FANCM遺伝子:
DNA修復に関与するファンコニ貧血関連遺伝子。変異により早発卵巣不全のリスクが高まります。
・FGF8遺伝子:
線維芽細胞成長因子8をコードし、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)産生細胞の発生に関与します。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・FGFR1遺伝子:
線維芽細胞成長因子受容体1をコードし、変異によりKallmann症候群(嗅覚障害を伴う低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)を引き起こします。
・FIGLA遺伝子:
卵母細胞特異的転写因子をコードし、卵胞形成と卵母細胞の発育・生存に必須です。変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・FMR1遺伝子:
脆弱X精神遅滞タンパク質をコードする遺伝子。前変異保因者(CGG反復配列が55~200回)の約20%が早発卵巣不全を発症します。X連鎖遺伝形式をとります。
・FOXL2遺伝子:
フォークヘッド型転写因子をコードし、卵巣の発育と維持に重要な役割を果たします。変異により眼瞼下垂・眼瞼裂狭小・内反症(BPES)と早発卵巣不全を引き起こします。
・FSHB遺伝子:
卵胞刺激ホルモン(FSH)のβサブユニットをコードします。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・FSHR遺伝子:
卵胞刺激ホルモン受容体をコードします。変異により性腺刺激ホルモン抵抗性卵巣症候群や早発卵巣不全を引き起こします。
・GALT遺伝子:
ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼをコードし、変異によりガラクトース血症を引き起こします。女性患者では早発卵巣不全を発症することがあります。
・GDF9遺伝子:
成長分化因子9をコードし、卵胞発育の調節に重要です。変異により早発卵巣不全や多嚢胞性卵巣症候群を引き起こすことがあります。
・GNRH1遺伝子:
性腺刺激ホルモン放出ホルモンをコードします。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・GNRHR遺伝子:
性腺刺激ホルモン放出ホルモン受容体をコードします。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・HFE遺伝子:
鉄代謝に関与するタンパク質をコードし、変異により遺伝性ヘモクロマトーシスを引き起こします。鉄過剰により性腺機能障害を引き起こすことがあります。
・HFM1遺伝子:
減数分裂に関与するタンパク質をコードし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・KISS1遺伝子:
キスペプチンをコードし、思春期発来と生殖機能の調節に重要です。
・KISS1R遺伝子:
キスペプチン受容体をコードし、変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・LEP遺伝子:
レプチンをコードし、エネルギー代謝と生殖機能の調節に関与します。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症と肥満を引き起こします。
・LEPR遺伝子:
レプチン受容体をコードし、変異によりLEP遺伝子変異と同様の症状を引き起こします。
・LHB遺伝子:
黄体形成ホルモン(LH)のβサブユニットをコードします。変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・LHCGR遺伝子:
黄体形成ホルモン/絨毛性ゴナドトロピン受容体をコードします。変異により性腺機能障害や早発卵巣不全を引き起こすことがあります。
・LHX3遺伝子:
下垂体発生に関与する転写因子をコードし、変異により複合型下垂体ホルモン欠損症を引き起こします。
・LHX4遺伝子:
LHX3と同様に下垂体発生に関与する転写因子です。
・MCM8遺伝子:
DNA複製と減数分裂に関与するタンパク質をコードし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・MCM9遺伝子:
MCM8と同様にDNA複製に関与し、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・NOBOX遺伝子:
卵母細胞特異的ホメオボックス遺伝子で、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・NR0B1遺伝子(DAX1):
副腎および性腺の発育に関与する核内受容体をコードします。X連鎖遺伝形式で、変異により副腎形成不全と低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・NR5A1遺伝子(SF1):
ステロイド合成因子1をコードし、副腎と性腺の発育、ステロイド合成に重要な役割を果たします。変異により性分化異常や卵巣機能不全を引き起こします。
・POLG遺伝子:
ミトコンドリアDNAポリメラーゼγをコードし、変異により早発卵巣不全を含む多様な症状を引き起こします。
・POU1F1遺伝子:
下垂体特異的転写因子をコードし、変異により複合型下垂体ホルモン欠損症を引き起こします。
・PROK2遺伝子:
プロキネチシン2をコードし、変異によりKallmann症候群を引き起こします。
・PROKR2遺伝子:
プロキネチシン受容体2をコードし、PROK2と同様にKallmann症候群に関連します。
・PROP1遺伝子:
下垂体発生に関与する転写因子をコードし、変異により複合型下垂体ホルモン欠損症を引き起こします。
・PSMC3IP遺伝子(HOP2):
減数分裂における相同染色体対合に関与し、変異により卵巣形成不全を引き起こします。
・RSPO1遺伝子:
R-スポンジン1をコードし、卵巣発育に関与します。変異により性分化異常を引き起こします。
・SOHLH1遺伝子:
生殖細胞特異的転写因子をコードし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・SOX3遺伝子:
転写因子をコードし、X連鎖遺伝形式で変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こすことがあります。
・STAG3遺伝子:
減数分裂に関与するコヒーシン複合体の構成要素をコードし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・STAR遺伝子:
ステロイド産生急性調節タンパク質をコードし、変異により先天性副腎リポイド過形成と性腺機能不全を引き起こします。
・SYCE1遺伝子:
減数分裂における染色体対合に関与し、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・SYCP3遺伝子:
減数分裂に関与するシナプトネマ複合体の構成要素をコードし、変異により早発卵巣不全を引き起こします。
・TAC3遺伝子:
ニューロキニンBをコードし、変異により低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を引き起こします。
・TACR3遺伝子:
ニューロキニンB受容体をコードし、TAC3と同様に低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に関連します。
・TUBB8遺伝子:
卵母細胞特異的βチューブリンをコードし、変異により卵母細胞成熟障害や初期胚発育停止を引き起こします。
・WNT4遺伝子:
Wntシグナル伝達経路に関与し、女性の性分化と卵巣発育に重要です。変異により性分化異常を引き起こします。
・WT1遺伝子:
Wilms腫瘍遺伝子で、性腺と腎臓の発育に重要な役割を果たします。変異により性分化異常やDenys-Drash症候群、Frasier症候群を引き起こします。
・ZP1遺伝子:
透明帯タンパク質1をコードし、変異により卵母細胞成熟障害を引き起こすことがあります。