ACAD8, ACAD9, ACADL, ACADM, ACADS, ACADSB, ACADVL, ACBD5, CPT1A, CPT1B, CPT2, ECHS1, ETFA, ETFB, ETFDH, GLUD1, HADH, HADHA, HADHB, HMGCL, HMGCS2, HSD17B10, HSD17B4, LPIN1, MLYCD, PPARG, SLC22A5, SLC25A20, SLC25A32, SLC52A1, SLC52A2, SLC52A3, TAZ ( 33遺伝子 )
各遺伝子の詳細:
・ACAD8遺伝子:
イソブチリルCoA脱水素酵素をコードする遺伝子。バリン代謝に関与します。
・ACAD9遺伝子:
アシルCoA脱水素酵素ファミリーメンバー9をコードする遺伝子。ミトコンドリア複合体Iの組み立てにも関与します。
・ACADL遺伝子:
長鎖アシルCoA脱水素酵素(LCAD)をコードする遺伝子。長鎖脂肪酸のβ酸化に関与します。
・ACADM遺伝子:
中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)をコードする遺伝子。最も頻度の高い脂肪酸酸化異常症であるMCAD欠損症の原因となります。新生児マススクリーニングの主要な対象疾患です。
・ACADS遺伝子:
短鎖アシルCoA脱水素酵素(SCAD)をコードする遺伝子。短鎖脂肪酸のβ酸化に関与します。
・ACADSB遺伝子:
2-メチルブチリルCoA脱水素酵素をコードする遺伝子。分岐鎖アミノ酸代謝に関与します。
・ACADVL遺伝子:
極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)をコードする遺伝子。VLCAD欠損症の原因となり、心筋症、肝障害、横紋筋融解症などを引き起こします。
・ACBD5遺伝子:
アシルCoA結合ドメイン含有タンパク質5をコードする遺伝子。ペルオキシソーム機能に関与します。
・CPT1A遺伝子:
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT-I)をコードする遺伝子。肝型を発現します。脂肪酸をミトコンドリアに輸送する最初のステップを担います。
・CPT1B遺伝子:
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI(CPT-I)の筋型アイソフォームをコードする遺伝子。主に筋肉や心臓で発現します。
・CPT2遺伝子:
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII(CPT-II)をコードする遺伝子。CPT-II欠損症の原因となり、新生児型、乳児型、成人筋型の3つの病型があります。
・ECHS1遺伝子:
短鎖エノイルCoAヒドラターゼをコードする遺伝子。脂肪酸β酸化の第2ステップを担います。
・ETFA遺伝子:
電子伝達フラボタンパク質αサブユニットをコードする遺伝子。多発性アシルCoA脱水素酵素(MAD)欠損症(グルタル酸尿症II型)の原因となります。
・ETFB遺伝子:
電子伝達フラボタンパク質βサブユニットをコードする遺伝子。ETFA遺伝子と同様、MAD欠損症の原因となります。
・ETFDH遺伝子:
電子伝達フラボタンパク質脱水素酵素をコードする遺伝子。MAD欠損症の原因となります。
・GLUD1遺伝子:
グルタミン酸脱水素酵素をコードする遺伝子。高インスリン性低血糖症/高アンモニア血症症候群の原因となります。
・HADH遺伝子:
短鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素をコードする遺伝子。高インスリン性低血糖症を引き起こすことがあります。
・HADHA遺伝子:
三頭酵素のαサブユニットをコードする遺伝子。長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素(LCHAD)欠損症の原因となります。
・HADHB遺伝子:
三頭酵素のβサブユニットをコードする遺伝子。三頭酵素欠損症(TFP欠損症)の原因となります。
・HMGCL遺伝子:
3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAリアーゼ(HMG-CoAリアーゼ)をコードする遺伝子。ケトン体合成の最終段階を担い、欠損するとケトン体が産生できません。
・HMGCS2遺伝子:
ミトコンドリア3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA合成酵素をコードする遺伝子。ケトン体合成の初期段階を担います。
・HSD17B10遺伝子:
17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素10型をコードする遺伝子。短鎖脂肪酸代謝に関与します。
・HSD17B4遺伝子:
ペルオキシソーム多機能酵素2型をコードする遺伝子。ペルオキシソームでの脂肪酸酸化に関与します。
・LPIN1遺伝子:
リピン1をコードする遺伝子。反復性横紋筋融解症の原因となります。
・MLYCD遺伝子:
マロニルCoA脱炭酸酵素をコードする遺伝子。脂肪酸合成と酸化の調節に関与します。
・PPARG遺伝子:
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γをコードする遺伝子。脂質代謝の調節に関与します。
・SLC22A5遺伝子:
有機カチオントランスポーター2(OCTN2)をコードする遺伝子。全身性カルニチン欠乏症(原発性カルニチン欠乏症)の原因となります。L-カルニチンの大量投与により症状が改善します。
・SLC25A20遺伝子:
カルニチン-アシルカルニチントランスロカーゼをコードする遺伝子。ミトコンドリア内膜でのアシルカルニチンの輸送を担います。
・SLC25A32遺伝子:
ミトコンドリアフォレート輸送体をコードする遺伝子。葉酸代謝に関与します。
・SLC52A1遺伝子:
リボフラビン輸送体1をコードする遺伝子。リボフラビン(ビタミンB2)欠乏症の原因となります。
・SLC52A2遺伝子:
リボフラビン輸送体2をコードする遺伝子。リボフラビン欠乏症の原因となります。
・SLC52A3遺伝子:
リボフラビン輸送体3をコードする遺伝子。リボフラビン欠乏症の原因となります。
・TAZ遺伝子:
タファジンをコードする遺伝子。X連鎖性のバース症候群の原因となり、心筋症や好中球減少症を引き起こします。