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家族性高コレステロール血症遺伝子検査|ミネルバクリニック

家族性高コレステロール血症遺伝子検査|ミネルバクリニック

家族性高コレステロール血症とは

家族性高コレステロール血症(FH:Familial Hypercholesterolemia)は、生まれつき血中コレステロール値が高くなる遺伝性疾患です。患者さんは幼児期から平均よりも高いLDLコレステロール値を示し、冠動脈疾患のリスクが高くなります。

FHは遺伝的要因により起こるため、血液コレステロール検査による診断が必要です。症状として狭心症などがありますが、これらは軽微で気づきにくいことが多く、LDL-C値が極めて高い患者さんでは黄色腫や早期角膜環の発症がみられることがあります。

家族性高コレステロール血症は常染色体優性遺伝または常染色体劣性遺伝の形式で受け継がれ、適切な遺伝学的検査により原因遺伝子を特定することで、患者さんとご家族にとって重要な医学的情報を提供できます。早期診断により、適切な治療や予防策を講じることが可能になります。

症状と病態

家族性高コレステロール血症の主な症状は、血中LDLコレステロール値の持続的な上昇です。これにより動脈硬化が進行し、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞のリスクが高まります。

家族性高コレステロール血症に関連する主な病態と症状には以下があります:

  • 高LDLコレステロール血症(生涯にわたる持続)
  • 冠動脈疾患・動脈硬化の早期発症
  • 黄色腫(皮膚や腱への脂質沈着)
  • 早期角膜環(角膜周囲の白色環)
  • 狭心症・心筋梗塞
  • 家族歴(血縁者での類似症状)

重症例では、極めて高いLDL-C値により黄色腫が皮膚や腱に出現し、早期から冠動脈疾患を発症することがあります。軽症例でも生涯にわたる高コレステロール血症により、将来的な心血管疾患のリスクが高くなります。

ミネルバクリニックの家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査の特徴

「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」とは、現在家族性高コレステロール血症に関係があると報告されている4つの遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、家族性高コレステロール血症に関連する遺伝子を一度に調べられる「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で家族性高コレステロール血症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、家族性高コレステロール血症に関係するとされる4つの遺伝子を一度に調べられる「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える家族性高コレステロール血症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」の場合、家族性高コレステロール血症に関係する4つの遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

家族歴や症状から特定の家族性高コレステロール血症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」ならば、現在家族性高コレステロール血症に関係すると報告されている4つの遺伝子を網羅的に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」では、家族性高コレステロール血症に関係するとされる4種類の遺伝子をまとめて検査します。このパネルでは、LDLR、APOB、PCSK9などの主要な遺伝子に加え、常染色体劣性高コレステロール血症に関連するLDLRAP1遺伝子も含まれています。

「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」は、家族性高コレステロール血症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を最大限に高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【家族性高コレステロール血症の個人歴または家族歴のある方】に
「家族性高コレステロール血症遺伝子パネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・LDLコレステロール値が持続的に高い方(成人180mg/dL以上、小児140mg/dL以上)
・家族性高コレステロール血症の家族歴がある方
・若年での冠動脈疾患の既往がある方
・黄色腫や早期角膜環がある方
・原因不明の高コレステロール血症がある方
・家族性高コレステロール血症が疑われる方
・将来子どもを持つことを考えている方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、家族性高コレステロール血症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。また、リスクが判明した場合には、早期からのコレステロール管理、生活習慣の改善、定期的なモニタリングを行うことができます。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・追加の関連症状のリスク特定
・関連資源・サポートへの情報提供
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、近親者(両親・兄弟姉妹・子ども)のリスクも50%と高くなります。早期スクリーニングにより家族の健康管理に役立てることができるため、家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

APOB, LDLR, LDLRAP1, PCSK9 ( 4遺伝子 )

カバレッジ

カバレッジについての説明は別ページをご覧ください。
≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜ぬぐい液の場合は、遠方の方でもクリニックへお越しにならずに検査が可能です。(オンライン診療)
 その場合は、オンライン診療(ビデオスルーでの診療のことをいいます)で遺伝カウンセリングをしたのち、検体を当院にお送りいただく流れとなります。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
LDLコレステロール値が持続的に高い方(成人180mg/dL以上)、若年での冠動脈疾患、黄色腫や早期角膜環がある方、家族内でのコレステロール異常や心疾患の発症などがある方におすすめします。症状がなくても家族歴がある場合は検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
家族も検査を受ける必要がありますか?
患者さんで病原性変異が見つかった場合、近親者(両親・兄弟姉妹・子ども)のリスクは50%になります。早期からのコレステロール管理により心血管疾患の予防が可能となるため、ご家族の検査により、そのリスクを明らかにすることが重要です。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
検査で病原性変異が検出されなくても、高コレステロール血症がある場合は他の原因や環境要因が関与している可能性があります。主治医と相談して、引き続き適切なコレステロール管理や心血管疾患の予防を受けることが重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、予防策、治療選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
家族性高コレステロール血症は50%の確率で親から子に受け継がれる可能性があります。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。
LDLRとAPOBの違いは何ですか?
LDLRはLDL受容体の遺伝子で、家族性高コレステロール血症の最も一般的な原因です。APOBはアポリポプロテインBの遺伝子で、LDL粒子の構造に関わります。どちらも血中コレステロールの調節に重要な役割を果たしています。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では4遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を大幅に短縮できます。また、高い精度を保証した検査により、包括的な診断が可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら